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NPS®とは?スコアの計算方法や業界別ランキングまで徹底解説!

顧客満足度調査・NPS

2023.12.12

2023.12.12

NPS®とは、顧客ロイヤリティ、つまりブランドに対する信頼や愛着、忠誠心を数値化して測る指標のことです。NPS®は顧客満足度よりも売上・利益の先行きを示す指標として、近年注目を集めています。 今回は、NPS®とは何か、顧客満足度調査とはどのように違うのか、どのようにしてスコアを計算するのかなど、詳しく解説していきます。

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NPS®とは

NPS®とはネット・プロモーター・スコア(Net Promoter Score®)の略で、顧客ロイヤリティを数値化する指標のことです。顧客ロイヤリティとは、「顧客満足」から派生した言葉で、顧客がサービスや商品に対して感じる信頼や愛着、忠誠心のことです。 つまりNPS®とは、自社のサービスや商品に対して顧客がどれくらい信頼や好感、親近感などを感じているかというのを数値化して計測するための指標のことをいいます。 NPS®は、2003年に発表され、近年導入する企業が増えています。 その理由は、「NPSが高ければ高いほど、企業の業績や成長率が伸びている」という相関関係が証明されているからです。

NPSが業績成長との連動性が高い理由の一つは、NPSの質問が、顧客の将来の行動を聞いていることです。「満足しましたか」という質問は、顧客の過去の経験だけを問うていますが、「親しい人に薦めますか」という質問は、顧客に将来の行動を考えて答えてもらう質問です。したがって、顧客のその後の行動は、回答と近い結果になるでしょうし、ひいては今後の企業業績にも影響することになります。

引用:NET PROMOTER SYSTEM® - Bain & Company

このように効果が証明されていて、現在ではAppleやAmazon、Google、Facebookなど顧客志向の企業を中心に取り入れられています。また、NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー社、フレデリック・ライクヘルド氏、サトメトリックス・システムズ社の3社が商標登録をしています。

NPS®と顧客満足度の違い

NPS®と似たような言葉で、「顧客満足度(CS:Customer Satisfaction)」という言葉もよく聞きます。NPS®と顧客満足度はどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、NPS®と顧客満足度がどのような点で違いがあるのか、解説していきます。

着眼点

顧客満足度は、企業が提供する商品やサービスに対してアンケート調査をおこない、満足度を数値化したものです。顧客満足度調査をおこなうことで、顧客が自社のサービスに対してどれだけ満足しているかを可視化することができます。 可視化した数値から、商品やサービスが抱えている課題を洗い出すことができます。 一方、NPS®は顧客ロイヤリティをアンケートで調査して数値化します。顧客ロイヤリティを数値化することで、顧客がどれだけ自社の商品・サービスに愛着を持っているかがわかります。 NPS®スコアを定点観測して愛着を強めたり、愛着を持つ人を増やすような施策を打ち出すことで、リピート購入率の向上につなげることができます。

調査対象

顧客満足度は、商品やサービスに対しての満足度を対象者自身に聞きます。そのため、対象ユーザーが現状の商品やサービスに対してどう思っているのか、という主観的な満足度を把握することができます。 それに対して、NPS®は、対象者に対して「友人や家族にすすめたいか」という他者にも関係した質問をします。 身近な人へすすめるということは、ユーザー自身が商品に対して愛着を持っている可能性が高いと判断できます。よって、対象ユーザーの商品やサービスに対する愛着度を知ることができます。さらに、「人におすすめしたいか」という点で評価されるため、NPS®を高めていく活動によって結果的に新たな顧客を生み出すことにつなげられるのです。

対象期間

顧客満足度は「購入した商品に満足していますか」というように、対象のユーザーが今どう思っているかを問う質問をします。そのため、この調査で把握することができるのは「現在までの満足度」に限定されます。 一方、NPS®は、「あなたは今後この商品を家族や友人にどの程度おすすめしたいと思いますか」という未来を問う質問をします。そのため、過去から現在のユーザーの評価だけでなく、今後も利用してくれるかどうかの評価も得ることができます。

業績との連動性

顧客満足度は、商品やサービスに対するユーザーの現在の満足度について知ることができます。 しかしそれが、今後の業績と連動するとは限りません。一方、NPS®は、業績との相関関係が認められています。

「売上成長に直結する」という点について、NPSについて調査したファン・クイックと経営幹部チームは、競合他社と比較した自社のNPSと、競合他社と比較した自社の成長率との相関性が高いことを見つけた。 (中略) きちんと定義された各市場(たとえば中国のシェーバー市場)で、NPSの面で業界トップの座にある事業部の平均成長率は、競合他社のそれよりも八ポイント上回っていた。一方でフィリップスが競合他社にNPSで遅れをとっている市場では、成長率は5ポイントも劣っていた。

注釈:ファン・クイック:当時のCMO(最高マーケティング責任者)のヘールト・ファン・クイック氏

引用:『ネット・プロモーター経営 〈顧客ロイヤルティ指標 NPS〉 で「利益ある成長」を実現する 』(著:フレッド・ライクヘルド、ロブ・マーキー)

NPS®の計算方法

NPS®の計算方法
©DXログ編集部

 

NPS®は以下の流れに沿って計算します。

  1. 商品やサービスを購入した顧客に対し、「あなたはこの商品を家族や友人にどの程度おすすめしたいと思いますか。」とシンプルな質問をする。
  2. それに対し0~10点の11段階で評価をしてもらう。
  3. 回答の点数ごとに顧客を分類する(スコアの区切り方は、目的や状況によって異なる)。 0〜6点:批判者( 不満を持つ顧客) 7〜8点:中立者 (特に不満はないが、熱狂的でもない顧客) 9〜10点:推奨者( 強い好感を持ち、熱心な顧客)
  4. NPS®は、「推奨者の割合(%)」ー「批判者の割合(%)」で出すことができる。

例えば、100件のアンケート結果の中に、批判者は20人、中立者が70人、推奨者が10人だとすると、推奨者の割合10%−批判者の割合20%=NPS®は-10になります。 NPS®は、-100~100でスコアが出て、推奨者が増えるほど、または批判者が減るほど数値が高くなります。数値が高いほど、そのサービスや商品の評価は高いといえます。 NPS®スコアは一般的にプラスの値に振れることはほとんどなく、マイナスの値になることがほとんどです。理由として「批判者をカウントする幅が広いこと」「日本人はカウントされない中立者に入る値を選択することが多いから」ということが挙げられます。 また、業界によっても平均値は異なるため、競合他社と比較することが重要です。

▼簡単に使える顧客満足度調査テンプレートはこちら

業界別NPS®スコアランキング

ここまで、NPS®とはどのようなものなのか、NPS®スコアはどのようにして計算するのかを紹介してきました。そこで、NPS®スコアの相場はどのくらいなのか、気になった方もいるのではないでしょうか。 ここでは、NPS®をはじめとした顧客感情データの調査・分析クラウドを提供するEmotion Tech社が2018年8月に調査した「カフェ業界」「コンビニエンスストア業界」「ファストフード業界」「家具業界」「家電業界」の大手3社ずつを比較した順位を用いて解説していきます。

参考:【Emotion Tech】チェーンストア顧客の声(NPS®)を大調査|PR TIMES

カフェ業界のNPS®スコアランキング

カフェ業界のNPS®スコアランキング
DXログ編集部

 

カフェ業界では、スターバックスが最も高いNPS®スコアを記録しました。 スターバックスはブランド力や立地など、お店を決める段階で「この店にしよう」と思わせる力が強いようです。ドトールコーヒーはNPS®スコアでは3社のなかで最下位となっていますが、価格の安さやシンプルなメニューからか、「メニューを決めるとき」の評価は高くなっているようです。

コンビニエンスストア業界のNPS®スコアランキング

コンビニエンスストア業界のNPS®スコアランキング
DXログ編集部

 

コンビニエンスストア業界はセブンイレブンがNPS®で最も高いスコアを記録しました。(2018年8月現在) セブンイレブンはブランド力やアクセスの良さ、トイレの有無などといった、ブランドイメージや利便性に強みがあるようです。一方、ローソンは陳列のわかりやすさに強みを持っており、商品を探す段階で高いNPS®スコアを記録しています。

ファストフード業界のNPS®スコアランキング

ファストフード業界のNPS®スコアランキング
DXログ編集部

 

ファストフード業界では、モスバーガーがNPS®で最も高いスコアを記録しました。 モスバーガーは味・温度・サイドメニューなど、提供している商品のクオリティに強みがあるようです。注文を受けてから調理するモスバーガーのこだわりが反映された結果かもしれません。NPS®スコアでは最下位になったマクドナルドでも、アクセスの良さや駐車場の有無など、お店を決める段階での利便性では高評価を得ています。

家具業界のNPS®スコアランキング

家具業界のNPS®スコアランキング
DXログ編集部

 

家具業界は各社拮抗していますが、ニトリがNPS®で最も高いスコアを記録しました。 ニトリは商品の価格や陳列により、商品を決める段階で高評価を得ています。NPS®で2位になったIKEAもニトリと同じように商品を決める段階で高評価を得ていますが、IKEAは商品のデザイン性やキャンペーンのわかりやすさが評価されているようです。 無印良品はお店を決める段階でずば抜けて高い評価を獲得しています。また、店員への相談しやすさなどを評価したという声も集まっています。

家電業界のNPS®スコアランキング

家電業界のNPS®順位
DXログ編集部

 

家電業界では、ヨドバシカメラがNPS®で最も高いスコアを記録しています。 ヨドバシカメラは商品の陳列によって探しやすさの項目で高評価を得ています。また、ヤマダ電機はお店に入ったときの評価が高く、店内の空調などが好評なようです。

NPS®のメリット

NPS®を導入すると、以下のようなメリットがあります。

  • 「今後おすすめしたいと思うか」という、未来についての質問をすることで、今後の収益と連動して考えることができる
  • シンプルな質問内容なため、顧客は直観的に回答することができ、企業側も分析するのが容易である
  • 数値で表されるため、評価が明確で企業側の社員のモチベーションにつなげることができる
  • 世界中の企業で導入されていて、計算方法も標準的なため、他社と比較し自社の立ち位置を知ることができる

NPS®のデメリット

NPS®を導入することで、以下のようなデメリットも生じてしまいます。

  • しっかりNPS®を取り入れようとすると、カスタマージャーニーの設計や継続的にスコア向上を追いかけるための仕組み設計など、導入に時間と費用がかかる
  • NPS®のスペシャリストがいないと的確な分析と適切な対策の打ち出しが難しい
  • 顧客の意見と自社の特徴とのギャップが受け入れられない企業もある、つまり導入には経営者やマネジメント層の理解が必要
  • 日本人の特性として商品やサービスに対して特別満足していたり、不満がある人以外は7〜8の数字に回答が集中しやすいことから、スコアの区分を慎重に見極める必要がある

NPS®のアンケートをつくるうえでの注意点

上記の準備が整って、いざ質問を考えるとなっても質問の考え方の仕方はさまざまです。ここでは、NPS®の質問を作る際の注意点を解説します。

質問内容は短く分かりやすく

質問内容がだらだら長くて文章がぎっしり書かれたアンケート用紙は回答する気が失せますよね。また、むずかしい言い回しで書かれた質問内容だと理解できず、空欄にする人もいるかと思います。このように、アンケート用紙の質問次第で、回答者のモチベーションが変わります。しっかり回答してもらうためにも短く分かりやすい質問内容にすることが大切です。

質問数は5~25問くらいで

質問数が50問や100問といった大作のアンケートだと、面倒に感じる人は多いでしょう。質問が多いゆえに回答率が下がってしまったら本末転倒になってしまいます。また、こんな面倒なアンケートがに答えなければいけないと思うと、面倒な会社だと思われてしまうのではないでしょうか。

そのような事態を招かないためにも、質問数は5~25問くらいに抑えて、3~5分ほどで回答し終えるくらいのアンケート内容に収めましょう。

記述式の質問も

NPS®では、満足度を数値的に見ることができますが、その点数の理由や原因などの背景まではわかりません。記述式の質問も加えることで、顧客が感じる率直な意見や感想など、定性的な情報も知ることができます。

NPS®調査の開始前にやること

最後に、NPS®調査を始める前に押さえておきたいことを確認しておきましょう。

カスタマージャーニーで顧客接点を洗い出す

「あなたはこの商品を家族や友人にどの程度おすすめたいと思いますか。」というNPS®独自の質問を1つするだけでもNPS®調査といえます。また、ネットなどから既存の質問の例文を使うこともできます。しかし、企業によって、またサービスや商品によって顧客接点の流れは大きく異なります。自社のカスタマージャーニーマップと一致していなければ、課題が明確にならずあまり意味がありません。

そのため、まずは自社のサービスの流れ、カスタマージャーニーをしっかり理解して顧客接点を洗い出す必要があります。

仮説を立てる・質問内容を考える

自社のサービスの特徴やカスタマージャーニーを理解し、顧客接点のどこで課題があるのかなどの仮説を立てた上で質問内容を考えます。

仮説を立て、それに沿った質問をすることで、自社が課題としていた点が本質的な課題とのギャップがあったなどと気付くことができます。

そして、良い点を伸ばすのか、悪い点を改善するのか、またどう改善していくのかの対策を具体的に考えることができます。

NPS®をうまく活用することが企業の成長のカギ

いかがでしたか。NPS®について理解できましたか。 NPS®は顧客ロイヤリティを知ることができるアンケート手法です。しかし、NPS®を取り入れたからといってサービスの質が高まり、売上げが上がるというわけではありません。

顧客ロイヤリティを知ったうえで、自社の課題や強みを理解し、適切な戦略を考えることが重要です。 自社の強みを適切に発揮し、顧客に伝えることで、批判者を減らして推奨者を増やすことができるようになっていくでしょう。NPS®スコアを意識して、顧客ロイヤリティを高めるように商品・サービスの向上を心掛けてみてください。

関連記事:顧客満足度調査に役立つサービスを導入するポイント!結果を分析して体験価値の向上へ

関連記事:顧客満足度を測る3つ指標と5つのKPI、アンケート調査に活かすためには!?

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