代理店営業とは?代理店の種類や仕事内容、求められる能力など
2023.06.08
2023.06.08
自社のさらなる事業拡大や商品の販路拡大の際に鍵となる代理店営業。今回は、そんな代理店営業の仕事内容や種類、メリット、デメリットについて紹介します。また、代理店営業を戦略的に活用するコツも紹介しています。代理店営業を検討されている企業の方は、ぜひ参考にしてみてください。
代理店営業とは?どんな仕事内容?
代理店営業とは、代理店のヒューマンリソースや販路を活用して自社の売上を伸ばす営業手法です。 代理店営業では、代理店に自社商品を売ってもらえるように営業をおこなうため、顧客は代理店となります。
ここでは、代理店営業の主な仕事内容を紹介します。自社製品を顧客に販売する一般的な営業職とは仕事内容が大きく異なるため、しっかり確認しておきましょう。
代理店営業の仕事内容①:新規代理店の開拓
自社製品の販売を請け負ってくれる代理店を探します。 代理店営業をおこなう際は、複数の代理店を利用する場合も多く、上手く組み合わせて活用することで自社の利益を増やすことができます。
したがって、自社にとって有益な代理店を増やしていく必要があります。 代理店へのテレアポや訪問、代理店向けの広告の打ち出しやセミナーの開催などさまざまな方法で代理店を集め、代理店契約を交わせるようアプローチしていきます。
代理店営業の仕事内容②:商品やサービスに関するレクチャー
契約した代理店では、自社のサービス以外にも競合企業の類似サービスを取り扱っている可能性があります。
そのなかでも自社サービスの販売に注力してもらえるように代理店営業は、代理店に自社サービスの情報、メリット、使い方などをレクチャーします。 レクチャーする際には、自社のサービスのほうが競合他社よりも優れているということを代理店にアピールすることが重要です。
代理店営業の仕事内容③:代理店のフォロー
商品を購入したエンドユーザーは困ったことがあると、代理店に問い合わせをします。 そこで解決できなかったときは、代理店から代理店営業に問い合わせが入るため、速やかに対応する必要があります。
また、時には代理店の営業に同行して現場の意見や代理店の営業活動を確認することも大切です。代理店営業は、そこで得た情報をもとに代理店のさらなる販売促進の支援をしていきます。
代理店営業と直接販売による営業の違いとは?

DXログ編集部
代理店営業と直接販売による営業では顧客が違います。 まず、直接販売による営業では、商品を最終的に購入して利用するエンドユーザーが顧客となります。
商品のメリットを直接エンドユーザーに訴え、購入してもらえるように営業をおこないます。 一方で、代理店営業は代理店が顧客となります。代理店を通してエンドユーザーに商品を届けるため、代理店には自社商品を理解してもらい、販売を促進します。
そのために、勉強会を開催したり、 販売量や契約数に応じたインセンティブを設けたりします。 代理店営業では、直接販売で販売をする経路の間に代理店が存在するといったイメージになります。
代理店の種類
代理店にもさまざま種類が存在し、それぞれの役割や機能が異なります。 ここでは、代理店のなかでも代表的な6種類の代理店を紹介します。 代理店に対して営業活動をおこなう前に、代理店そのものについての理解を深めておきましょう。
代理店の種類①:代理店(販売代理店)
代理店とは、商品やサービスを販売する店を指すもので、一般的な代理店としてイメージされやすいものです。「販売代理店」とも呼ばれます。 販売をおこなうだけでなく、顧客のアフターフォローまでを比較的多くの工数を手がける代理店が多いです。
代理店の種類②:取次店
取次店とは、商品やサービスの売主側に代わって、取次ぎをおこなう店を指します。 代表的なものとして宅配業者やクリーニング店などが挙げられ、一般的な取次店の業務には顧客に対する直接的な営業やフォローは含まれていません。
代理店の種類③:紹介店
紹介店とは、サービスや商品を買う見込みがある顧客を紹介する店を指します。 そのような営業行為は「リファラル営業」と呼ばれ、ほかの代理店より業務負担が少ないため、個人の副業としておこなわれることもあります。 紹介店の業務内容は多くの企業が取り入れているもので、顧客の数を増やすために役立てられています。
代理店の種類④:販売店
販売店とは、メーカー側から商品を買い取って、自社で在庫を抱える形で商品を販売する店を指します。 したがって、エンドユーザーが商品を購入する際も直接メーカーと契約するのではなく、販売店と契約を交わすことになるというのが大きな特徴です。
代理店の種類⑤:特約店
特約店とは、メーカーと特別な契約を結んだ店であり、通常の代理店よりもメーカーの関係性が強いところが特徴です。 特約店を活用すると、自社サービスを注力的に販売してもらえることに期待ができます。
ちなみに特約店側としては、契約を結んでいるメーカーの商品を独占して販売できたり、一定の販売地域を独占できたりするメリットがあります。
一方で、他社製品の取り扱いに関して制限を加えられるというデメリットもあります。
代理店の種類⑥:総代理店
総代理店とは、ピラミッド型になっている代理店を取りまとめている代理店のことを指します。 本来ピラミッド型の代理店の一番上となる本部はメーカーになりますが、メーカーが特定の会社を総代理店と任命して、代理店に関する権限を委託することがあり、その際に存在するのがこの総代理店です。 総代理店は、ほぼメーカーと同じ立場に立っています。
どういった企業が代理店を活用するのか
ここまで代理店営業の仕事内容や代理店の種類など代理店の基本的な知識を紹介してきました。 それでは、実際にはどういった企業が代理店を利用し、代理店営業をおこなうのでしょうか。 代理店営業をおこなう多くの企業は、販売経路を拡大したいにも関わらず自社で営業に割けるリソースが十分に用意できない、といった課題を抱えています。
具体的には、人手不足で営業担当が用意できなかったり、人材教育が追いついておらず戦力となる営業担当が社内にいなかったりする場合に代理店に販売を委託するといったように活用しています。
また、新規立ち上げの直後でその分野や営業に対する十分な知識を有していない場合や、営業拠点を拡大する際にもともとその地域にある会社と協力して展開するほうが効率がいいという場合に、活用されることもあります。
企業が代理店を活用して営業をする際のメリット
企業は、代理店を活用することでどのようなメリットを得ることができるのでしょうか。 ここでは、代理店を通じて営業をおこなう2つのメリットについて紹介していきます。
販路拡大ができる
代理店は、自社の事業をより拡大したい場合に有効です。 例えば、企業が現在の店舗だけでなく、さらに販売店舗を増やしたい時はその地域に代理店を設けることでコストを抑えながら、店舗を展開することができます。
また、「商品開発や生産は得意だが、販売スキルにあまり自信がない」という企業の場合でも、代理店の営業スキルを活用すれば、自社の得意な分野に集中しながら効率的にビジネスができるというメリットがあります。
自社の固定費が上がらない
通常、企業が現状よりも販路を拡大しようとすれば、営業の人手を増やす必要があり、自社で新たに人を雇用するための費用が発生します。しかし、代理店を活用すれば、そのような費用を発生させなくとも販路が広げられ、売上を伸ばすことができます。これは代理店を活用するうえでの大きなメリットといえます。
企業が代理店を活用して営業をする際のデメリット
企業が代理店を活用するうえで大きなメリットがある一方、デメリットも存在します。 デメリットについてもしっかり理解しておくことで、事前に代理店を活用することで生じるであろう課題を把握し、未然にデメリットを防ぐこともできます。代理店を有効に活用するためにもデメリットもきちんと確認しましょう。
代理店の売上に依存
代理店を活用する企業の売上の一部は、契約を結んでいる代理店の売上から成り立っています。 そのため、自社の売上が代理店の売上結果に大きく左右される可能性があります。 代理店営業の利益を増やすためには、代理店のなかで自社サービスの販売シェアを増やしてもらう必要があります。
しかしながら、代理店では複数の企業の商品を取り扱っている場合が多いため、そのなかでいかに多く自社サービスを売ってもらえるように働きかけるのかは代理店営業の課題といえるでしょう。
直接顧客管理ができない
代理店が開拓した顧客に対して代理店営業は単独で直接働きかけることはできません。そのため、エンドユーザーへのアプローチは代理店に任せることになります。 ただし、代理店が営業する場合に同行することは可能です。
代理店営業で求められる能力
ここまで代理店営業が果たすべき役目について詳しく説明してきましたが、代理店営業は誰にでも務まるというものではありません。 ここでは代理店営業として働くために必要な能力について紹介します。
代理店と信頼関係を構築するコミュニケーション能力
代理店営業の仕事内容には、新規代理店の開拓や既存代理店の管理が含まれています。 それらを円滑におこなうためには、代理店に対してわかりやすく物事を伝えたり、不明点があったときに的確に答えたりする高いコミュニケーション能力が必要となります。 それだけではなく、きちんと自分の主張を述べることもできなければなりません。
商品の問い合わせや代理店の悩みを解決するヒアリング能力
代理店営業は、代理店が悩んだときや、何らかの問題が起きたときに、内容を丁寧に聞き、正しく理解する必要となります。 的確な解決策を提案し、代理店にとって「困ったときに頼れる存在」になれるよう、ヒアリング能力を高めておきましょう。
代理店営業と有効な関係を維持するための細やかな気配り
代理店営業に限ったことではありませんが、営業先と良好な関係を維持し、円滑な営業活動がおこなうためには細やかな気配りをする必要があります。
時間や納期の厳守はもちろん、何かあったときの対応の早さなど普段から迅速なフォローを心掛けておくことが大切です。 合わせて、取引先である代理店の売上や状況などは逐一チェックし、積極的に声をかけるなどといったフォローも求められます。
自社サービスに関する豊富な知識
代理店営業は、代理店にとってより有効な販売支援ができるよう、自社サービスの情報や販売方法に詳しくなければいけません。 そのために代理店営業自身が、自社サービスの営業活動をする経験を積んでおいたほうが良いかもしれません。
代理店営業を有効活用し、自社の売上拡大を
代理店営業は、直接エンドユーザーに接触せず、自社とエンドユーザーをつなぐ代理店を引っ張っていくことが大変な仕事です。 しかしその反面、成功すれば大きな利益をもたらすことができます。 この機会に自社でも代理店営業を検討してみてはどうでしょう。
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