生産管理システムとは?導入する目的や機能についてかんたんに解説
生産管理システム
2023.08.16
2023.08.16
「生産効率を上げたい」「納期や在庫、原価などの情報を正しく管理したい」といった悩みを抱えている製造業の方も多いのではないでしょうか。生産管理システムを利用すると、製造業務を効率化できるうえ、納期や在庫、原価などの情報を管理しやすくなります。今回は製造業で役立つ生産管理システムがどのようなものなのか、解説していきます。これから生産管理システムの導入を考えている方は参考にしてみてください。
生産管理システムとは
製造業における生産管理業務は、企業の利益に直結する重要な業務の1つです。製品の製造工程だけでなく、在庫状況、出荷状況なども含めた広い範囲の業務を管理します。ここでは、生産管理システムがどういったものかを紹介します。
生産管理とは
生産管理システムについて解説する前に、生産管理とはどのようなものなのか、確認しておきましょう。生産管理とは、製品ができあがるまでにおこなわれるさまざまな業務を無駄なく管理・計画することです。単純な製造業務だけでなく、生産計画の立案から納期の設定まで、製造業におけるあらゆる業務を管理します。
生産管理で管理する業務には次のようなものがあります。それぞれの業務を効率化し、最小の在庫と原価で最高の品質の製品を仕上げるのが最大の目的です。
- 生産計画の立案
- 原料や資材の調達
- 製造工程
- 在庫管理
- 品質管理
- 納期の設定
- 原価
生産管理システムとは
生産管理システムとは、「在庫」「原価」「納期」「品質」といった、製造業におけるさまざまな情報を総合的に管理し、生産工程を最適化するシステムです。生産管理システムを導入することで、生産管理業務の効率化や、出荷ミスのような人的ミスの減少、コスト削減といったメリットがあります。
生産管理システムを導入する目的
生産管理システムを導入する目的は大きく3つに分けられます。製造業者が生産管理システムを導入する目的をしっかりと理解したうえで、自社にとって生産管理システムが必要なものなのかどうか、確認してみてください。
生産管理の効率化を図るため
生産管理システムを導入することで、これまで手作業でおこなっていた単純作業などの業務を効率化することができます。それによってこれまで単純作業に割いていた時間を別の業務に割くことができるようになります。
例えば、多くの生産管理システムに備わっている不良率管理機能を利用した場合、不良製品の発生原因の究明とその改善を効率よくおこなうことができます。その結果、不良製品を弾く作業にかかっていた時間と労力をほかの業務に充てることができます。
生産管理業務全体を把握し、整理するため
生産管理や販売管理、在庫管理などさまざまな機能を一元的に備えた生産管理システムを導入すれば、製造業務における各部門の情報を統合的に管理することができます。これにより、各部門の生産状況を把握しやすくなるので、業務負荷の平均化を図れたり、何が必要な業務で何が不必要な業務なのかを整理したりすることができます。
在庫量を適切に保ち、利益率を向上させるため
製造業において、過不足なく在庫を管理することは重要です。余剰在庫では管理コストがかかり、在庫不足では機会損失が生まれてしまいます。そのため、生産管理システムを導入して在庫を適正に管理することで、管理コストの削減につながるだけでなく、在庫切れによる販売機会損失を防ぐことができます。その結果として、会社全体の利益率向上を期待できるでしょう。
生産管理システムの機能
生産計画機能
製品の製造工程における「製品の量」と「納期」を基準に、何を、いつまでに、どのくらい製造する必要があるのかという生産計画を立案する機能です。製品の製造は最初に立てる生産計画に沿っておこなわれます。
この生産計画をシステム上でおこなえないと、生産工程を正しく管理しにくくなってしまうことがあります。生産計画機能が搭載されていて、なおかつ使いやすいものなのかどうか、導入前に確認しておきましょう。
予算管理機能
予算管理機能とは、製品の製造過程で生じる原価や人件費、設備投資などの予算を管理する機能です。製造業における部門ごとの予算管理は、手戻りや修正といった、いわゆる「やり直し」が多い非常に面倒な作業です。しかし、予算管理機能を使用すれば、これらのやり直しも効率的に対処でき、予算編成にかかる時間を大幅に削減できます。
資材管理機能
資材管理機能とは、生産計画に対して製品の製造工程における「原料の量」と「納期」を基準に、何が、いつまでに、どのくらい必要なのかを管理する機能です。原料の量と納期を基準に資材を管理することは、在庫量を適正に管理することにつながります。
仕入管理機能
仕入管理機能とは、相場の変動が激しい原料の買い付け先や購入時期などを計画的に管理する機能です。原価管理機能や売掛管理機能が利用できる場合は、次に紹介する販売管理機能と合わせて、仕入れから支払いまでの一連の流れを最適化することができます。
関連記事:仕入管理システムを選定するポイント!システムのメリットと共に徹底解説
製造管理機能
製造管理機能とは、作業の進捗状況や出荷状況などを管理するための機能です。機械や作業担当者についての細かいデータを設定する機能があるので、適正な人員配置をすることができます。また、そうすることで誤出荷などの人的ミスを削減し、製造業務における損失を最小限にすることができます。
販売管理機能
販売管理機能とは、見積・受注・売上・請求といった、製品を販売するときに生じるフローを管理する機能です。販売管理機能には受注管理機能や見積管理機能が備わっており、出荷管理や売上の検収などをおこなうこともできます。
関連記事:販売管理システムとは?含まれる機能やメリットについて解説
在庫管理機能
在庫管理機能とは、製造業において重要な在庫量を適正に保つための機能です。常に過不足なく在庫量を維持するために、ロットトレース機能などを利用して、「製品番号」「数量」「日時」「買い付け先」といったさまざまな情報をもとに在庫を管理しています。
関連記事:在庫管理とは?手書きの在庫管理を効率化するシステムも紹介
生産管理システムを導入する際の注意点
導入する目的を整理する
生産管理システムを導入する最初のステップとして、まずは導入目的を明確にしておく必要があります。製造業務における課題は企業によって異なるので、その課題を整理し、自社にとってどんな機能が必要なのかを把握しましょう。
例えば、在庫の過不足が原因で販売機会を逃してしまったり、倉庫のスペースを圧迫してしまっているという場合は在庫管理機能は資材管理機能、仕入管理機能などが必要になってくるでしょう。
一方、製造プロセスそのものが間違っていて市場の需要に対して適切に応えられていない場合、生産計画機能が使いやすいことを重要視するでしょう。 このように、解消したい課題によって適切なツールは異なります。導入を検討する前に自社が生産管理システムを導入しようとしている目的を明確にしておきましょう。
自社の生産形態に合うものを選ぶ
生産管理システムを導入する目的と自社に必要な機能が明確になったら、次に考慮すべきは自社の生産方式とのすり合わせです。製造業における生産方式には大きくわけて下の4つがあり、企業ごとに製品を生産する生産方式は異なります。自社の方式に合わせた生産管理システムを導入しなければ、その分余計なコストがかかってしまい業務効率化の意味がなくなってしまうので、この点も十分に注意しておきましょう。
- ライン生産方式
- ロット式生産方式
- セル生産方式
- 個別生産方式
生産管理システムで製造業務を効率化しよう
いかがでしたか。今回は製造業に欠かせない生産管理業務を効率化する生産管理システムとはどのようなものなのか、解説してきました。生産管理システムを導入することで販売機会の損失や在庫コストの削減、原料調達の適正化など、利益に直結するような業務改善をおこなうことができます。 生産業務の非効率や生産工程での無駄に悩んでいる方は、この機会に生産管理システムの導入を検討してみてください。
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