コールセンターの立ち上げ方とは?必要なシステムやポイントを理解しよう
CTI・コールセンターシステム
2023.05.23
2023.05.23
みなさんはコールセンターにどんなイメージを持っていますか? コールセンターは、お客様からのお問い合わせ対応や新規顧客獲得など、さまざまな役割があります。従業員が個別におこなっている業務をコールセンターとして、機能を集約することで業務の効率化を図ることができます。ここでは、どういった手順でコールセンターを立ち上げるのか、運営のポイントは何かなど、コールセンターについて紹介していきます。
コールセンターとは
コールセンターとは、顧客の対応を専門的におこなう事業所や部署のことをいいます。近年、電話対応に留まらずメールやチャット、SNSを使ってお客様対応をおこなうケースが増えてきました。
このような背景から、電話以外のコミュニケーションチャネルでお客様とやり取りをする組織はコンタクトセンターと呼ばれるようになりました。そうなると、「コールセンターとカスタマーセンターの違いは?」という疑問が生まれてきます。結論からいうと、お客様からの要望やお問い合わせに答えるという意味ではそれぞれに違いはありません。
電話でお客様とやり取りをするのはコールセンター、電話を含めメールやチャット、SNSなどでお客様とやり取りをするのは、コンタクトセンターと認識しておくといいでしょう。
コールセンターの種類
コールセンターが具体的にどんな業務をおこなっているのか、みなさんは把握していますか?インバウンドとアウトバウンドの意味を知ってはいるものの、具体的にどんな業務をしているのかはっきり答えられる人はそう多くはないと思います。
インバウンドとアウトバウンドの業務では、業務内容はもちろん、求められるスキルや適性が異なります。コールセンターの立ち上げや運営をするにあたって、それぞれの業務の内容や特徴を把握しておくことが大切です。
コールセンターの種類①:インバウンド
インバウンドは、お客様からの電話を受けることをいいます。オペレーターは、サービスに関するお問い合わせやお客様からのリクエストに答えなければいけません。そのため、サービスや対応する内容の知識、問題を解決するためのフローが必要です。
具体的な業務としては、商品やサービスの申し込み対応、利用方法の案内、不具合に関する問い合わせ対応、料金や支払い方法の案内などが挙げられます。
問い合わせの内容はさまざまなため、クレームにも対応しなければならないシチュエーションも起こりえるため、オペレーターは常に正確な情報を把握し、冷静に対応することが求められます。そうするとことで、重大なミスや大きなトラブルを防ぐことができます。
コールセンターの種類②:アウトバウンド
アウトバウンドは、オペレーターから電話をかけることをいいます。アポイントの獲得やテレマーケティングなど、さまざまな用途で活用します。インバウンドに比べて営業的な要素が多く、オペレーターは成果を求められるケースが多いです。
具体的な業務として、顧客リストをもとにアポイントを取得したり、顧客向けのアンケート回収をおこなったりします。ほかにも、支払い未納者や書類送付などの催促対応も挙げられます。基本的に電話をかける側であるため、電話先の人に話を聞いてもらえるようなトークスキルが重要です。オペレーターの研修をおこなう際は、トークスクリプトを用いると良いでしょう。
コールセンターの立ち上げの準備手順
コールセンターの立ち上げは、手順を踏んで進めていくことが大切です。ここでは、コールセンターの立ち上げ手順を4段階に分けて紹介します。
コールセンター立ち上げの準備手順①:現状の課題と立ち上げの目的を明確にする
まずは、現状の課題を把握して、コールセンターを立ち上げる目的を明確にします。
例えば「お問い合わせ窓口がメールのみとなっていて、すぐに回答が欲しいお客様の要望に応えきれない」という課題を抱えているとします。そこで、顧客満足度の向上を図るために、相談窓口としてのインバウンド型のコールセンターを立ち上げたいと考えます。
このように、立ち上げるコールセンターが一連の業務の中でどのような役割を担うのかを明確にしていきましょう。
コールセンター立ち上げの準備手順②:業務プロセスの設計
続いて、業務プロセスの設計をおこなっていきます。まずは、コールセンターを自社内に設置するのか、専門の拠点に設置するのかを決めていきます。そして、コールセンターの業務プロセスを設計していきます。
さきほどの相談窓口としてのコールセンターを例にすると、カスタマーサポート業務全体の流れを描きます。既存のお客様からの入電と新規のお客様からの入電、それぞれでどのような対応をするべきか、場合分けをして業務設計をおこないます。
また、管理者の立場としては、お客様の声を営業や商品開発のチームへフィードバックすることも求められます。実際に寄せられる声をどのようなレポートでアウトプットしていくのかも考えていく必要があるでしょう。
コールセンター立ち上げの準備手順③:CTIシステムの選定とインフラ整備
業務プロセスの設計を具体化したあとは、どのようなシステム構成によってその業務をおこなうのかを考えていきましょう。コールセンターの運営には、電話とコンピューターを統合するCTIの活用が欠かせません。
CTIシステムは、大きく分けてインバウンド向けのものとアウトバウンド向けのものがあります。今回、例に挙げている相談窓口としてのコールセンターでは、インバウンド向けのCTIシステムを導入するのが良いでしょう。
ただし、インバウンド向けのCTIシステムのなかでも、それぞれに備わっている機能が異なるため、コールセンターでおこなう業務をもとに、必要な機能が備わっているかどうかを判断していく必要があります。また、電話機やパソコンなどの必要な機器やコールセンター内のネットワーク、PBXなどの必要なインフラも整えていきましょう。
コールセンターの運営にはCTIの活用が欠かせない
なぜコールセンターを運営していくにあたり、CTIシステムは欠かせないものなのでしょうか。その仕組みを簡単に解説していきます。
お客様から入電があると、CTIシステムはオペレーターの電話機に音声情報を届けます。CTIシステムとCRMが連携されていることで、オペレーターのパソコンに顧客情報を表示させることが可能になります。そのため、オペレーターは新規のお客様からの電話なのか、既存のお客様からの電話なのかを判断することができ、スムーズな電話対応をすることが可能です。
そのほかにも、オペレーターがお客様に対してどのような対応をしているのかがわかる通話モニタリング機能や自動音声案内機能、次回の架電日次を設定する機能など、CTIシステムごとに多様な機能を備えています。
このようにCTIシステムは、コールセンター運営に欠かせない基盤システムとして活用していく必要があります。
コールセンター立ち上げの準備手順④:運用開始に向けた整備と人員配置・教育
ここまでの手順を終えたら、コールセンターの稼働に向けて準備を進めていきます。CTIシステムを導入して、オペレーターを配置したからといって、コールセンターが上手く稼働するわけではありません。導入したCTIシステムをコールセンター業務に合わせて設定したり、オペレーター向けのマニュアルの整備をしたりする必要があります。その後、オペレーターに教育を施し、稼働開始に備えていきましょう。
コールセンター立ち上げ時の注意点
新たにコールセンターを立ち上げて運営していくときは、課題やリスクが生じる可能性もあることを念頭に置いておくことが大切です。ここからは、コールセンター立ち上げ時に留意しておきたい注意点について解説します。
1. 余裕をもって人材の確保・教育をする
コールセンターでの受け答えは、企業の印象や評価を大きく左右するものです。そんな企業の顔となってくれるコールセンターを立ち上げるときは、優秀なオペレーターや管理・人材教育をおこなうマネージャーやSV(スーパーバイザー)の確保が欠かせません。
社内にコールセンターのノウハウやオペレーションのマニュアルがないと、高品質なコールセンターでの対応や人材の教育を実現することはできないでしょう。いざ立ち上げて稼働となったとき、ある程度の品質で対応できるように余裕をもって人材の確保や教育をしておきましょう。もし、自社での人材確保や教育が難しいのであれば、アウトソーシングを検討してもいいかもしれません。
2. 投資・運営コストがかかる
車内でコールセンターを立ち上げることになれば、コールセンター事務所の設備費や人材採用費、教育費など多くのコストがかかることになります。また、コールセンターの運用をする際も運営維持費や人件費、セキュリティ対策などに多くのコストを費やすことになるでしょう。
このように、コールセンターは立ち上げ時の投資も、運営コストもかかるものです。立ち上げ後の教育や運用がうまくいかず、すぐに解体されてしまうケースも珍しくはありません。コールセンターの立ち上げはコストがかかりますが、必ずしもうまくいくものではないことを念頭に置いておきましょう。
コールセンター立ち上げ後、運営する際のポイント
コールセンターの運営は、現場をいかに円滑に回すことができるのかが、重要なポイントです。管理者は、その日の発信リストやコール件数を管理して、現場を回していきます。常にオペレーターとコミュニケーションを取って、スピーディーなお客様対応を心掛けることが大切です。ここでは、現場を円滑に回すために必要なことを、運営のポイントとして紹介していきます。
コールセンターの運営ポイント①:オペレーターに向いている人材を集める
コールセンターの立ち上げには、新たな人材の採用もおこなう必要があります。上述したように、コールセンターにはインバウンド、アウトバウンドと種類があり、おこなう業務は異なります。しかしながら、どちらのコールセンターのタイプであっても相手の話に耳を傾け、要求に応えられるようなスキルが求められます。
まず採用の面接時には、相手に合ったコミュニケーションがとれるか、受け答えに問題がないかなどをきちんと見極めて採用をおこなうようにしましょう。
コールセンターの運営ポイント②:トラブル時のオペレーションを明確にする
管理者はオペレーターに、通常の業務フローに加え、トラブル時を想定したオペレーションもきちんと伝えておく必要があります。
基本的にオペレーターは、トークスクリプトをもとに電話対応をしていきますが、ときにはイレギュラーな対応をしなければなりません。イレギュラーなことが起きたときに、慌ててしまいお客様に誤った情報を伝えたり、失礼な態度を取ったりして、お客様に迷惑をかけてしまう可能性があります。
このようなことを防ぐためには「自分が知らないことを聞かれたら管理者にエスカレーションする」といったオペレーションを、事前に決めておくことが大切です。そうすることで、トラブルやミスを減らすことができ、円滑に業務を進めることができます。
コールセンター立ち上げのプロセスを理解し、CTIシステムを導入してみよう
コールセンターを立ち上げてから、運営していくまでのイメージはできましたか?コールセンターの立ち上げは、課題と立ち上げの目的を明確にすることからはじまり、オペレーターへの研修までおこないます。立ち上げ後も、業務量が多く運営に慣れるまでに時間がかかるかもしれません。
そこで、コールセンター管理者の支えとなるのがCTIシステムです。前述したようにコールセンターの運営をしていくうえで、CTIは欠かせないシステムです。CTIシステムは、業務の効率アップや応対品質の向上、ノウハウの蓄積といったさまざまなフェーズで役立ちます。自社に合うCTIシステムを見つけて、コールセンターの立ち上げと同時に導入していきましょう。
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