専業主婦は年末調整で控除の対象になる?条件を詳しく解説

家事や子育てに専念するために就業をしていない既婚女性のことを、専業主婦といいます。
就業しておらず収入がない場合、年末調整において配偶者控除や扶養控除の対象に該当します。

また、完全な専業主婦ではありませんが、一定の要件を満たしていればパートやアルバイトをしている場合でも控除を受けることが可能です。

今回は、専業主婦が受けられる年末調整の控除について、その条件や詳細を詳しく解説します。

更新日:2022.10.24

家事や子育てに専念するために就業をしていない既婚女性のことを、専業主婦といいます。就業しておらず収入がない場合、年末調整において配偶者控除や扶養控除の対象に該当します。また、完全な専業主婦ではありませんが、一定の要件を満たしていればパートやアルバイトをしている場合でも控除を受けることが可能です。今回は、専業主婦が受けられる年末調整の控除について、その条件や詳細を詳しく解説します。

専業主婦は年末調整で控除の対象となる?条件は?

専業主婦は、配偶者控除および扶養控除の対象となります。
それぞれの条件について、控除の内容と合わせて詳しくみていきましょう。

配偶者控除とは

納税者の妻が就業をしていない、すなわち専業主婦である場合に適用される所得控除の一つが配偶者控除です。
専業主婦に配偶者控除が適用されるためには、要件があります。(※1)

まず、結婚届を提出した配偶者である必要があります。
内縁の場合は配偶者控除は認められません。

また、納税者本人とその妻が生計を同じくしていることも必要です。

次に、配偶者控除の控除額についてみていきましょう。

配偶者控除で控除される金額は、その配偶者の年齢によって変わります。
70歳を一つの区切りとして、それより以下であれば38万円、以上は48万円です。

また、その配偶者が障害を抱えていて税法上で認められているのであれば、上記の金額に加えて27万円がさらに控除されます。
もし、その配偶者が重度の障害を抱える特別障害者であれば40万円、同居特別障害者では75万円とそれぞれ控除額が変化します。

配偶者控除を受けるためには年間の所得が48万円以下である必要がありますが、超えていたとしても配偶者特別控除を受けられる場合があるので、確認しておきましょう。

納税者の所得が1,000万円以下で、かつ配偶者の所得が48万から133万円なのであれば、配偶者特別控除を受けることが可能です。
配偶者特別控除の控除額は配偶者の所得金額によって変わりますが、最高で38万円の控除が受けられます。

(※1)No.1191 配偶者控除|国税庁

扶養控除とは

続いて、扶養控除についてみていきましょう。
こちらは納税者の家族に要件を満たす扶養家族がいる場合に対象となる控除です。

要件を満たしていれば、配偶者控除のように年末調整で定められた金額の控除が適用されます。
控除の対象となるのは、扶養親族のなかで16歳以上の人です。(※2)

これに加えて以下4つの要件があり、その全てを満たしていなければいけません。

  • 配偶者以外の親族あるいは都道府県より養育や養護を委託された児童か高齢者であること
  • 納税者本人と生計をともにしていること
  • 配偶者控除と同様で給与収入が103万円以下、給与所得控除を受けたあとの所得が48万円以下であること
  • 青色申告者の事業専従者としてその年は未だ給与を貰っていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと

扶養控除の額は、その扶養親族の年齢に加えて同居しているかどうかによっても変わってきます。

年齢が19歳から23歳である場合の控除額は63万円です。
年齢が70歳以上で同居しているのであれば58万円、していなければ48万円となります。

同居については条件があり、病気を治療するために入院しているのであれば、これは長期の場合でも同居として扱われます。

一方で老人ホームなどへの入居は、同居とは認められません。

上記の年齢以外の扶養親族に対しては一律38万円の控除額となります。

納税者である夫に対して専業主婦である妻が受けられる控除となると、基本的には配偶者控除となるでしょう。
扶養親族がいる場合は、扶養控除についても詳しく理解しておくことが必要です。

(※2)No.1180 扶養控除|国税庁

専業主婦がパートをする場合の年末調整の注意点

いわゆる専業主婦のなかでも、家事や子育てをメインとしながら、パートやアルバイトなどをしているという場合も多いでしょう。収入がある場合でも、条件に当てはまれば配偶者控除の対象となります。

配偶者控除を受けるためには、先述したとおり以下の要件を満たす必要があります。

  • 結婚届を提出した配偶者であること
  • 納税者本人とその妻が生計を同じこと
  • 年間の所得が48万円以下であること

上記に加えて、配偶者の給与収入が103万円以下である必要があります。
給与所得控除額が55万円設けられているため、厳密には年間の所得金額が差額の48万円以下であることが要件です。

まったく就業をせずに家事や子育てに専念しているのであれば、懸念する必要はありませんが、パートやアルバイトなどによって収入があるのであれば働きすぎないように気をつけなければいけません。

なお、かつては給与所得控除は65万円でしたが、2020年から現在の55万円に変更されました。(※3)
所得が48万円以下であれば良いため、不動産所得や譲渡所得などを差し引きした結果、この金額より少なくても配偶者控除は受けることが可能です。

また、収入があるのであれば、確定申告についても覚えておくことがあります。
配偶者控除を受けるには、その配偶者が青色申告者の事業専従者としてその年はまだ給与を貰っていないこと、加えて白色申告者の事業専従者でない必要があります。(※4)

(※3)No.1410 給与所得控除|国税庁

(※4)No.1191 配偶者控除|国税庁

結婚して専業主婦になった場合の年末調整は?

結婚をきっかけに退職して、専業主婦となるケースは珍しくありません。
専業主婦になった場合、会社に在籍していないため、年末調整はできません。

そのため、確定申告をおこなう必要があります。
確定申告をするためには、源泉徴収票、確定申告書などを手元に用意しましょう。

作成例を参考に記入すべき項目に必要な情報を埋めて申告書を作成します。
生命保険や社会保険などの控除も受けるのであれば、これらの納付を証明できる証明書も必要です。

また、合わせて退職金についても確認しておくことをおすすめします。
退職金も課税対象となりますが、あらかじめ「退職所得の受給に関する申告書」を提出しているのであれば、所得税の計算は問題なくおこなわれています。

提出していない場合、全体に対して20.42%の額が課税対象として源泉徴収されています。(※5)
所得の点からみて、適切な額ではないのであれば、確定申告をおこないましょう。

(※5)No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)|国税庁

専業主婦の年末調整による控除は正しく理解しておくことが大切

就業をせず、完全な専業主婦の場合、納税者である配偶者が適切な手続きさえおこなっていれば、配偶者控除が適用されます。もし、配偶者や扶養親族がパートやアルバイトをしているのであれば、所得額によって配偶者控除や扶養控除から外れる場合があることを覚えておきましょう。

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