年末調整を出さないとどうなる?デメリットや対処法を紹介

会社員は年末に必要書類を提出し、勤め先で年末調整をおこなうのが一般的です。万が一、必要な手続きをおこなわず、年末調整しなかった場合はどのようなデメリットが起こり得るのでしょうか。今回は、年末調整をしないデメリットと、年末調整も確定申告

更新日:2022.10.24

会社員は年末に必要書類を提出し、勤め先で年末調整をおこなうのが一般的です。万が一、必要な手続きをおこなわず、年末調整しなかった場合はどのようなデメリットが起こり得るのでしょうか。今回は、年末調整をしないデメリットと、年末調整も確定申告もおこなわなかった場合のリスク、必要書類を出しそびれた場合の対処法をまとめました。

年末調整を出さないとどうなる?デメリットを紹介

年末調整をおこなうには、必要な書類を会社に提出しなければならないため、やや手間がかかります。
ただ、面倒だからといって年末調整をおこなわないと、以下のようなデメリットがあります。

1. 各種控除が適用されない

年末調整では、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書や、基礎控除申告書、配偶者控除等申告書などの必要書類を提出することで、各種控除の適用を受けることが可能です。

各種控除が適用されると、社会保険料等の金額を控除した後の給与収入から、一定の金額が控除されるため、課税所得額が下がります。

年末調整をおこなわないとこれらの各種控除を受けられません。

2. 税金の還付を受けられない

会社員の人は毎月の給与から所得税が源泉徴収されています。

年末調整で各種控除が適用され、課税所得額が減った結果、すでに納めた源泉徴収額と本来の所得税額の間に差が生じた場合、払いすぎた税金の還付を受けることができます。

年末調整を怠ると、この還付を受けられません。

3. 確定申告する必要がある

会社で年末調整しなかった場合、自分で必要書類を用意し、確定申告をおこなわなければなりません。

年末調整の場合も各種申告書や控除証明書などを提出する必要がありますが、確定申告はさらに確定申告書などの書類を一から作成しなければならないため手間と時間がかかります。

とくに初めて確定申告をおこなう場合、何をどのように記載すれば良いかわからず、スムーズに作成できない場合もあるでしょう。
確定申告をおこなうのは手間もかかるため、勤務先での年末調整を忘れずにおこないましょう。

年末調整も確定申告も出さなかった場合はどうなる?

会社で年末調整をおこなわなかった場合は、自分で確定申告をおこなえば、所得税の過不足の調整が可能です。
では、年末調整も確定申告もおこなわなかった場合はどうなってしまうのでしょうか。

年末調整も確定申告もおこなわなかった場合に想定されるリスクを2つ紹介します。

1. 無申告加算税が発生する

源泉徴収された所得税の金額が本来支払うべき納税額に不足していた場合、年末調整または確定申告をおこなって追徴課税しなければなりません。
年末調整と確定申告をおこなわないと無申告扱いとなり、無申告加算税が課せられる可能性があります。

無申告加算税は原則として、納付すべき税額に対して、50万円までは15%、それを超える部分は20%を乗じて計算します。(※1)

税務調査を受ける前に自主的に期限後申告をおこなった場合は、5%を乗じて計算した金額に軽減されます。

なお、平成29年1月1日以後に法定申告期限が到来するものについては、調査の事前通知の後に申告した場合、50万円までは10%、それを超える部分は15%を乗じて計算します。

無申告加算税を課されると余計な税負担がかかる原因となります。

(※1)確定申告を忘れたとき|国税庁

2. 事業主に罰則が科せられる

従業員から所得税を源泉徴収し、国に納めるのは所得税法に定められた事業主の義務です。

年末調整を故意におこなわず、本来納めるべき金額を納税しなかった場合、所得税法違反となり、同法第240条ないし第242条に基づいて、10年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金(併科あり)に処されるか、一年以下の懲役または50万円以下の罰金に処される恐れがあります。(※2)

(※2)所得税法|e-Gov法令検索

年末調整で控除証明書や源泉徴収票を出さない場合はどうなる?

年末調整では手続きに必要な書類として、控除証明書や源泉徴収票の提出を求められます。

これらの書類を提出しなかった場合のリスクについて説明します。

1. 各種控除を受けられなくなる

保険料控除や住宅借入金等特別控除などの各種控除を受けるためには、控除を受ける資格があることを証明しなければなりません。

保険料控除の場合は生命保険料控除証明書、住宅借入金等特別控除の場合は住宅ローン残高証明書などの提出が必要ですが、これらの書類を提出しないと控除資格の有無を証明できず、各種控除の適用を受けられなくなります。

控除が受けられないと課税所得税額が減額されないため、注意が必要です。

2. 自分で確定申告しなければならない

年末調整で控除証明書や源泉徴収票を出さなかった場合は、自分で確定申告をおこなう必要があります。

しかし、年内に別の会社に転職した場合は、前職の源泉徴収票を転職先に提出すれば、まとめて年末調整することが可能です。
万が一、前職の源泉徴収票がなければ、どのくらい税金を納めたのか確認できないため、年末調整をおこなうことができません。

その場合は、自分で確定申告しなければならず、余計な手間と時間を取られてしまう可能性があります。

年末調整をしそびれた場合の対処法

年末調整はだいたい12月中におこなわれますが、もし忘れてしまった場合の対処法は大きく分けて2つあります。

1. 1月末までに年末調整の再計算をおこなう

年末調整の最終期限は1月31日なので、12月中に年末調整をおこなわなかった場合でも、1月末までなら再計算をおこなうことが可能です。

年末調整を忘れていたことに気付いたら、早めに勤め先に申し出て、必要な手続きを済ませましょう。

2. 確定申告をおこなう

年末調整の期限(1月31日)を過ぎてしまった場合は、従業員自らが確定申告をおこなう必要があります。

確定申告は、給与所得のあった年の翌2月16日~3月15日(土日祝日に該当する場合は延長あり)の間に実施します。

確定申告まで忘れてしまうと、無申告加算税などのペナルティが発生するので、忘れずに申告を済ませることが大切です。

年末調整しない場合のデメリットやリスクはたくさんある

今回は、年末調整を出さないとどうなるかを紹介しました。
年末調整は、その年に源泉徴収された所得税と、実際に払うべき納税額に差異がないかどうか確認する大切な業務です。

年末調整をおこなわないと、払いすぎた税金が戻ってこなかったり、逆に払うべき税金が未納になったりと、さまざまなトラブルが発生します。

とくに未納に関しては申告加算税を課される恐れがあるので、必要な書類をそろえ、勤め先にきちんと提出しましょう。

年末調整をおこなわなかった場合、確定申告する方法もありますが、自分で申告するのは、手間も時間もかかるでしょう。

年末調整を問題なく提出すれば、会社が所得税の過不足を計算し、処理してくれるので、余計な手間をかけずに済みます。

年末調整は会社側の義務なので、年末が近づくと従業員への通知がおこなわれます。会社の指示に従って、忘れずに対応しましょう。

カテゴリから記事を探す

記事を絞りこむ

サイト制作・運営

RPA・アウトソーシング

セキュリティ・アクセス管理