年末調整を2箇所でしてしまったときの対処法を詳しく解説

掛け持ちしているアルバイトやパート先それぞれで年末調整してしまった場合は、どちらか一方を取り消す必要があります。控除申請の重複などで正しい税額が計算できなくなるという理由から、年末調整は1箇所でしかおこなえないためです。年末調整は収入が高い方の勤務先でおこないます。もう一方の勤務先の所得が20万円を超えた場合は、確定申告が必要です。

更新日:2022.10.24

掛け持ちしているアルバイトやパート先それぞれで年末調整してしまった場合は、どちらか一方を取り消す必要があります。控除申請の重複などで正しい税額が計算できなくなるという理由から、年末調整は1箇所でしかおこなえないためです。
年末調整は収入が高い方の勤務先でおこないます。もう一方の勤務先の所得が20万円を超えた場合は、確定申告が必要です。

本記事では、年末調整を2箇所してしまったときの対処法や、アルバイトやパートを掛け持ちする際の注意点などを解説します。

年末調整を2箇所でしてしまった場合どうなる?

パートやアルバイトの掛け持ちなどで2箇所以上の勤務先で給与を受け取っている場合、年末調整を2箇所でしてしまった、というケースもあるでしょう。年末調整は、給与所得者が1年間に源泉徴収された所得税の過不足を精算するための手続きです。年末調整を2箇所でしてしまうと、基礎控除や扶養控除、社会保険控除などの申請が重複して適用され、本来支払うべき所得税と、実際に納めた所得税に差が出てしまいます。

もし年末調整を2箇所以上でしてしまったときは、本業ではない方の勤務先に年末調整の取り消しを依頼する必要があります。
本業ではない方の所得が年間20万円以上の場合は、2箇所の勤務先から交付された源泉徴収票で確定申告をおこないます。
確定申告を忘れ、申告期限を過ぎてしまうと、無申告加算税や延滞税などの追加徴税のペナルティが課せられる場合があるため、注意が必要です。

所得が20万円以下の場合は、確定申告をおこなう必要はありません。ただし、住民税の申告は必要です。(※1)

(※1)確定申告が必要な方|国税庁

年末調整と確定申告の二重申告はどうなる?

病気や出産などで多額の医療費を支払った場合、医療控除をすることで税金の一部が還付されることがあります。医療控除は年末調整ではおこなえないため、会社員やパート、アルバイトであっても、勤務先の年末調整とは別に、確定申告が必要です。

その際、確定申告書には、年末調整後に交付される源泉徴収票に記載されている給料支給額や所得控除金額、年末調整後の所得税額などを記載します。
源泉徴収票の記載内容は年末調整と確定申告で重複するため、税金が二重に取られたり、控除申請が重複適用されたりするのでは、と考える人もいることでしょう。
結論としては、一つの勤務先の給与収入で年末調整と確定申告が重複しても、問題はありません。

年末調整を2箇所でしてしまった場合の対処法

年末調整を2箇所でしてしまったときの対処法は次のとおりです。

「主たる給与」と「従たる給与」を決める

前述のとおり、年末調整は一つの勤務先でしかおこなえません。年末調整を2箇所でしてしまった場合は、メインではない方(サブ)の勤務先に、年末調整の取り消し依頼をする必要があます。
アルバイトやパートの掛け持ちで、どちらがメインの勤務先なのか曖昧な場合は、2箇所の勤務先のうち、収入が多い方を「主たる給与」、少ない方を「従たる給与」の勤務先とします。

年末調整は「主たる給与」でおこなう

「主たる給与」とは、2箇所以上の勤務先から給与を得ている場合、「給与所得者の扶養控除申告書」を提出している方の勤務先の給与を指します。そのため、年末調整主は主たる給与の勤務先でおこないます。
また、主たる給与は源泉徴収税額表の甲欄で、従たる給与は乙欄で税額を計算します。税額は甲欄よりも乙欄の方が高いため、メインよりもサブの勤務先の方が天引きされる税金が多いということになります。

「従たる給与」の所得が20万円以上の場合は確定申告をする

サブの勤務先から支払われた「従たる給与」の所得が20万円を超えている場合は、定められた期限内に確定申告が必要です。なお、サブの勤務先からの給与以外にも収入がある場合、合計の金額が「従たる給与」となるため、注意しなければなりません。
12月にメインの勤務先で年末調整をしたあと、翌年の2月16日から3月15日までに忘れずに申請しましょう。

「従たる給与」の所得が20万円未満で、「主たる給与」の勤務先で年末調整をおこなっている場合は、確定申告をおこなう必要はありません。

バイトを掛け持ちしている場合の年末調整の注意点

アルバイトやパートを掛け持ちしている場合は、年末調整に関連することについて、次の2つのポイントに注意しましょう。

「従たる給与」の所得が20万円未満の場合でも住民税の申告は必要

「従たる給与」の所得が20万円未満で、確定申告が不要であっても、住民税の申告は必要です。
住民税とは、住んでいる都道府県や市区町村に納める税金です。申告の際には源泉徴収(給与所得の場合)や領収書(事業所得の場合)、各種控除を受けるための関連書類(領収書や控除証明書)、本人確認書類(マイナンバーカードや通知カード)などを用意します。申請手続きは各自治体の窓口で受け付けています。

掛け持ちについて勤務先に報告しておく

アルバイトやパートの掛け持ちについて法的な制限はないため、基本的には本人の自由です。しかし、勤務先によっては、就業規則などで掛け持ちについて届け出の提出を求めるなど、独自のルールを設けているところもあります。

厚生労働省では、副業や兼業に関して、メイン勤務先の労働時間外において従事することを基本としています。また、掛け持ちをすることで労働提供をするうえで支障が出る、業務上の秘密漏洩の危険がある、自社の利益に影響する競業他社との兼業、自社の名誉を毀損し、信頼関係を壊す可能性がある場合は、企業側で制限することが許されています。(※3)

掛け持ちをする際は、就業規則や労働契約書を確認のうえ、必ずメインの勤務先に報告しましょう。

(※3)副業・兼業の促進に関するガイドライン|厚生労働省

年末調整を2箇所でした場合はどちらかを取り消してもらう必要がある

年末調整は1箇所でしかおこなうことができません。年末調整は収入が多いメインの勤務先でおこなうのが一般的です。アルバイトやパートの掛け持ちで2箇所の勤務先で年末調整をしてしまった場合は、サブの勤務先に年末調整の取り消しを依頼しましょう。

サブの勤務先の所得が20万円以上ある場合は、確定申告が必要です。申請期限までに確定申告を済ませないと、追加徴税のペナルティが発生する可能性もあるため、注意が必要です。

アルバイトやパートの掛け持ちは本人の自由ですが、勤務先によっては独自のルールを定めている場合があるため、事前に報告しておくことが大切です。

カテゴリから記事を探す

記事を絞りこむ

サイト制作・運営

RPA・アウトソーシング

セキュリティ・アクセス管理