年末調整のひとり親控除の対象者や還付金について詳しく紹介

会社勤めをしているひとり親の人は、年末調整でひとり親控除を受けることができます。ひとり親控除を受けるためには、所定の手続きをおこなわなければならないので、要件に該当する人は申請方法をしっかりチェックしておきましょう。今回は、年末調整の

更新日:2022.10.24

会社勤めをしているひとり親の人は、年末調整でひとり親控除を受けることができます。ひとり親控除を受けるためには、所定の手続きをおこなわなければならないので、要件に該当する人は申請方法をしっかりチェックしておきましょう。今回は、年末調整のひとり親控除の対象者や条件、申請方法、還付金についてわかりやすく説明します。

年末調整のひとり親控除とは?

年末調整で適用されるひとり親控除とは、令和2年度税制改正によって採用された控除制度です。(※1)

もともと存在していた未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦(寡夫)控除を見直したもので、納税者がひとり親である場合、一定の金額の所得控除を受けることができます。

ひとり親控除は令和2年分以後の所得税、つまり令和2年分以後の年末調整および確定申告から適用されます。

ひとり親控除の適用対象となった場合、課税所得額から35万円が控除されます。(※2)

課税所得額とは、給与収入から基礎控除や社会保険料控除などを差し引いた後の金額のことで、所得税を計算する際のベースとなるものです。(※3)

所得控除額が多ければ多いほど課税所得額が減り、納税額の節約につながります。

(※1)ひとり親控除及び寡婦控除に関するFAQ(源泉所得税関係)|国税庁
(※2)No.1171 ひとり親控除|国税庁
(※3)所得税とは|国税庁

年末調整のひとり親控除の対象者と条件

国税庁が発表している「ひとり親控除及び寡婦控除に関するFAQ(源泉所得税関係)」では、ひとり親控除の対象となる者について、現に婚姻をしていない者又は配偶者の生死の明らかでない一定の者のうち、以下の要件を満たす人と定義しています。(※4)

  1. その者と生計を一にする子を有すること
  2. 合計所得金額が500万円以下であること
  3. その者と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる者

子については、ほかの者と同一生計配偶者または扶養親族とされている者を除き、その年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額が48万円以下のものに限ります。

また、3は具体的に以下の要件を満たす人が該当します。

  • その者が住民票に世帯主と記載されている者の場合には、その者と同一の世帯に属する者の住民票に世帯主との続柄が世帯主の未届の夫、または未届けの妻である旨、その他の世帯主と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる続柄である旨の記載がされた者
  • その者が住民票に世帯主と記載されている者でない場合、その者の住民票に世帯主との続柄が世帯主の未届の夫または妻である旨、その他の世帯主と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる続柄である旨が記載されているときの、その世帯主

改正前の寡婦(寡夫)控除が適用される寡婦(寡夫)とは、婚姻後、死別や離婚、生死不明などが原因でひとり親になった人と定義されていたため、婚姻関係を結んだことのないひとり親は控除の対象外でした。(※5)

一方、ひとり親控除におけるひとり親とは、婚姻関係の有無や性別などに関係なく、その者と生計を一にする子がいるなど、上記にあげた条件を満たす単身者を意味します。
これまで寡婦(寡夫)に該当せず、ひとり親なのに控除を受けられなかったという人も、ひとり親控除適用後は、一定の所得控除を受けられる可能性があります。

ただ、改正前に寡婦(寡夫)控除の対象だった人が、ひとり親控除の適用対象外となる場合もあります。

たとえば、寡婦控除では、扶養親族がいることが要件の一つですが、この場合の扶養家族は子に限らず、親や祖父母、孫なども可とされていました(寡夫控除は除く)。

しかし、ひとり親控除はあくまで総所得金額などが48万円以下の生計を一にする子を持つことが条件であるため、親や祖父母、孫などは適用対象外になります。

なお、ひとり親控除は寡婦(寡夫)控除を見直したものであると説明しましたが、前身である寡婦控除がなくなったわけではありません(寡夫控除はひとり親控除の導入により廃止)。

ひとり親控除と寡婦控除の両方の要件を満たす場合、ひとり親控除が優先されますが、寡婦控除の要件のみ満たす人は、従来通り、寡婦控除の適用を受けられます。

両方の要件を満たす場合でも、適用されるのはどちらか一方なので注意が必要です。

(※4)ひとり親控除及び寡婦控除に関するFAQ(源泉所得税関係)P4|国税庁
(※5)ひとり親控除及び寡婦控除に関するFAQ(源泉所得税関係)P5|国税庁

ひとり親控除の申請方法と書き方

ひとり親控除の適用を受けるための手続きは、原則として税制改正前の寡婦控除の適用を受けるための手続きと同じです。

具体的には、毎年最初の給与日(中途採用の場合は、就職後、最初の給与日)の前日までに、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」にひとり親に該当する旨を記載し、会社に提出する必要があります。(※5)

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書には、以下の項目を記載します。

  • 所轄税務署長等
  • 給与の支払者に関する情報
  • 本人の氏名、生年月日
  • 本人の個人番号(マイナンバー)
  • 本人の住所または居所
  • 世帯主の氏名と続柄
  • 配偶者の有無
  • 従たる給与についての扶養控除等の申告書の提出
  • 扶養親族の氏名
  • 扶養親族の個人番号(マイナンバー)、続柄、生年月日
  • 扶養親族の住所または居所
  • 異動月日および事由
  • 16歳未満の扶養親族の氏名および個人番号(マイナンバー)、続柄、生年月日、住所または居所

以上の項目を記載したうえで、障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生の項目にて、「ひとり親」のボックスにチェックを入れます。

なお、税制改正前の寡婦(寡夫)控除の適用を受けるには、寡婦(寡夫)に該当する旨に加え、該当する事実を記載する必要がありました。

しかし、税制改正後のひとり親控除では、ひとり親に該当する事実の記載は不要となっています。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書には、とくに添付書類は必要なく、申告書のみを会社に提出すれば申請することが可能です。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書は会社で入手できますが、国税庁のホームページからダウンロードし、プリントアウトして使用することもできます。(※7)

(※7)各種申告書・記載例(扶養控除等申告書など)|国税庁

ひとり親控除の還付金

ひとり親控除が適用されると、35万円の所得控除を受けられます。(※2)

所得税は課税所得額の金額に一定の税率を掛けて求めるので、ひとり親控除で課税所得額が減れば、納税額を抑えることができます。

会社員の場合、所得税は毎月の給与から天引きされているため、年末調整でひとり親控除を受けた場合、納め過ぎた税金が還付されます。

還付金は給与に上乗せされるかたちで支給されるケースが多いですが、還付方法に特別な決まりはないため、会社によっては現金で手渡されたり、給与とは別のタイミングで還付されたりすることもあるようです。

ひとり親控除の還付をおこなう時期

年末調整は1年分の収入が確定した後におこなうものなので、早ければ12月中、遅ければ翌年の1月以降の還付となります。

年末調整が終わる時期は企業によって異なるので、還付の時期が気になる場合は会社に問い合わせてみましょう。

ひとり親控除を理解して適切な申請をおこなおう!

年末調整のひとり親控除は、事実上婚姻関係にあると認められる一定の人がいないひとり親で、合計所得金額が500万円以下の人に適用される控除制度です。

所定の要件を満たしていれば、婚姻経験の有無や性別に関係なく適用されます。

ただし、生計を一にする子は、その年分の総所得金額等が48万円以下で、ほかの人の同一生計配偶者や扶養親族になっていないことが条件です。
ひとり親控除が適用されると、35万円の所得控除を受けられます。

ひとり親控除を受けるためには、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書に必要事項を記載し、その年度の最初の給与日(中途採用の場合は初回の給与日)の前までに勤め先に提出しましょう。

なお、還付金を受け取れる時期は会社によって異なります。
いつ還付金を受け取れるのか知りたい場合は、勤め先に問い合わせてみるとよいでしょう。

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