年末調整ではどの住所を書くべき?ケース別に詳しく解説

年末調整で必要な基礎控除等申告書と給与所得者の扶養控除等(異動)申告書、社会保険料控除申告書などの書類には住所の記載欄があり、基本的には住民票がある住所を記載します。ただし、引っ越しなどで実際に住んでいる住所と住民票の住所が異なる場合は注意が必要です。申告書には、住民税を納める「生活の本拠」である地域の住所を記載しましょう。

更新日:2022.10.24

年末調整で必要な基礎控除等申告書と給与所得者の扶養控除等(異動)申告書、社会保険料控除申告書などの書類には住所の記載欄があり、基本的には住民票がある住所を記載します。ただし、引っ越しなどで実際に住んでいる住所と住民票の住所が異なる場合は注意が必要です。申告書には、住民税を納める「生活の本拠」である地域の住所を記載しましょう。今回は、年末調整で書くべき住所について、3つのケース別に解説します。

年末調整で記載するのは住民票の住所?

年末調整の際に提出する基礎控除等申告書と給与所得者の扶養控除等(異動)申告書、社会保険料控除申告書には、住所を記入する欄があります。
申告書に記載するのは、原則、住民票のある住所です。

実際に住んでいる住所が住民票の住所と一致している場合は問題ありませんが、実際に住んでいる住所と住民票の住所が異なる場合は、どちらを記載すればいいのでしょうか。
住民税は「生活の本拠」である地域の自治体に納めるため、この場合は実際に住んでいる住所を記載します。

生活の本拠とは、実際に生活の軸を置いている場所(私的生活の中心)のことです。(※1)
東京に住んでいる人が福岡に単身赴任し、住民票を移さなかったケースを考えてみましょう。たとえ週のほとんどを福岡で暮らしていたとしても、週末や祝日、季節ごとに東京に戻って家族と過ごしている場合は、住民票のある東京に生活の本拠があると判断されます。

(※1)民法第二十二条(住所)|e-Gov法令検索

年末調整で記載するのはいつの時点の住所?

所得税は、年末調整をおこなう翌年の1月1日時点で住まいがある自治体に納付します。そのため、年末調整で記載する住所は、「翌年の1月1日時点」の「実際に住んでいる住所(生活の本拠)」です。
たとえば、2022年の年末調整をおこなう場合、申告書には2023年1月1日時点の住所を記入します。

住民票の住所ではなく、生活の本拠を住所として記入した場合、稀に自治体から勤務先に確認の連絡が行く場合もあります。
年末調整で記載した住所と住民票の住所が異なる場合は、速やかに住んでいる地域の市民税課に連絡し、住民票がある市区町村を伝えておきましょう。

年末調整で書くべき住所をケース別に紹介

年末調整に記入する住所について、3つのケース別に紹介します。

引っ越したが住所変更をしていない場合

年末調整の前に引っ越して、その後住民票を新しい住所に移す「住所変更」の手続きをしていない場合は、年末調整の書類に引っ越し後の住所を記入します。

前述のとおり、住民税は住んでいる地域の自治体に納めます。
年末調整の書類を記入する時点の住所ではなく、住民税を支払う翌1月1日時点の生活の本拠を住所として記入します。

年末調整の前に引っ越した場合

年末調整の申告書には「翌年の1月1日時点」の「実際に住んでいる住所(生活の本拠)」を記載するのが原則です。そのため、年末調整前に引っ越しをして住所変更も済んでいる場合は、引っ越し後の新しい住所を記載します。
年末調整後、年明けの1月1日以降に引っ越しをする予定であれば、現在の住所を記載しましょう。

なお、生命保険や地震保険に加入している場合は、年末調整の書類とともに、保険控除証明書の提出が必要です。保険控除証明書は、契約している保険会社から10月頃送られてきます。
保険料控除証明書の住所が引っ越し前のもので、現住所と異なる場合でも、新しい住所の控除証明書を再発行する必要がなく、そのまま勤務先に提出しても問題ない場合が多いようですが、不安であれば、保険会社に確認したうえで提出するのがよいでしょう。
その後、保険会社に対して住所変更手続きをおこないます。住所変更せずに放置していると、翌年の控除証明書が手元に届かない可能性があります。

地震保険の控除証明書の住所が引っ越し前のままの場合は、住所変更の手続きをしたのち、引っ越し後の住所が反映された控除証明書が必要です。
地震保険の場合、住所が変わることで、保険料や控除額が変動することがあるからです。

年末調整時の住所がまだ決まっていない場合

12月下旬に引っ越しをするものの、年末調整までに新しい住所が決まっていない、ということもあるでしょう。
こうした場合は、年末調整時に住んでいる住所を記載します。

新しい住所が決まったら、翌年の1月末までに必ず勤務先に転居手続きをおこないましょう。1月中に新しい住所を報告すれば、企業は1月末までに提出する「給与支払報告書」に新しい住所を記載できます。

年末調整の住所を訂正する方法

年末調整の申告書に記載した住所を訂正する場合は、まず記入ミスをした箇所に二重取り消し線を書きます。訂正印は基本的に不要ですが、勤務先によっては押印するのが通例となっている場合もあります。わからない場合は、担当者の指示に従いましょう。最後に、二重打ち消し線の周囲の空いているスペースに、正しい住所を記載します。(※2)
修正液や修正テープを使用すると、申告書が認めらなくなってしまうので注意が必要です。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書に誤った住所を記載したまま勤務先に提出した場合は、勤務先に正しい住所を報告し、修正依頼しなければなりません。年末調整の期限である翌年1月31日までに依頼しましょう。

記入ミスに気がついたタイミングが翌年1月31日以降の場合は、勤務先がすでに年末調整の書類を自治体に提出しているため、修正を依頼できません。
速やかに勤務先の担当者に記入ミスを伝え、今後の対応について指示を仰ぎましょう。自分で自治体に問い合わせをするか、場合によっては勤務先が給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の再提出をしてくれるケースもあります。

いずれにせよ、「年末調整前に引っ越しを済ませているのに、新しい住所を記載しなかった」など、住所の記入ミスに気付いた場合は、申告書を提出した勤務先に連絡し、迅速に対応することが大切です。

(※2)申告書の記載例|国税庁

年末調整で記入する住所は「翌年1月1日時点」での「生活の本拠」

年末調整の申告書に記載する住所は、「住民票のある住所」が原則です。しかし、実際に住んでいる場所と住民票の住所が一致しない場合は、年末調整をおこなった「翌年1月1日時点」の「生活の本拠(実際に住んでいる場所)」を記載しましょう。
12月中に引っ越し予定はあるものの、年末調整の時点で新しい住所が決まっていない場合は、年末調整時に住んでいる住所を記載し、新しい住所が決まり次第、勤務先に転居届を提出しましょう。

住所の記入ミスをした場合は該当箇所に二重打ち消し線を書き、空いている場所に正しい住所を記載します。
年末調整で記入する住所は、住民税の納付に関わる大切な情報です。誤記入を防ぐため、住所に関する不明点があれば早めに勤務先へ相談しましょう。

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