ダブルワークしている場合の年末調整は?しないとどうなる?やり方や注意点を解説!

近年では、働き方改革の影響やIT技術の発展により、多様な働き方が整備されつつあり、ダブルワークをおこなう方は増えています。しかし、ダブルワークの場合の年末調整や確定申告の方法は複雑になることもあります。当記事では、ダブルワークにおける年末調整

更新日:2022.10.24

近年では、働き方改革の影響やIT技術の発展により、多様な働き方が整備されつつあり、ダブルワークをおこなう方は増えています。しかし、ダブルワークの場合の年末調整や確定申告の方法は複雑になることもあります。

当記事では、ダブルワークにおける年末調整のやり方や、ダブルワークをおこなう場合の確定申告の注意点などについて解説します。ダブルワークをおこなうときの年末調整の対応方法について知りたい方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

年末調整とは

年末調整とは、その年の本来納めるべき税額と、源泉徴収税額の合計を比べて、従業員の所得税(復興特別所得税を含む)の過不足金額を精算する手続きのことです。年末調整の手続きをおこなうことで、勤務先が従業員の代わりに所得税を再計算して精算するため、多くの方は確定申告をする必要がなくなります。

源泉徴収税額表は、年間を通して毎月の給与に変動がないとして作成されているため、年の途中で給与の変動があると過不足金額が生じます。また、配偶者や扶養親族が変わったとしても、変更後の給与の支払額は修正されますが、遡って源泉徴収税額は修正されません。さらに、生命保険料控除や地震保険料控除などは、年末調整で適用されることも過不足金が発生する理由として挙げられます。

過不足金額が生じた場合には、その差額を従業員に還付したり、追加徴収したりすることで精算をおこないます。

そもそもダブルワークとは

ダブルワークとは、辞書によると、定職をもちながら夜間や休日などにほかの仕事をすることや、収入の不足を補うために副業をもつことを意味します。

厚生労働省では、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を公表するなど、「働き方改革実行計画」を踏まえ、ダブルワークの普及や促進を図っています。

ダブルワークと兼業の違いについて気になる方もいるかもしれません。兼業とは、本業のほかに他の事業・仕事を兼ねておこなうことを意味し、ダブルワークとほとんど意味は変わりません。

また、ダブルワークとパラレルキャリアが比較されることもあります。パラレルキャリアとは、本業とする仕事のほかに、社会的活動の場を持ち、積極的に参加・従事することを意味します。そのため、パラレルキャリアの場合には、ボランティア活動なども含まれる点が、ダブルワークと異なります。

「ダブルワーク」といっても副収入の種類はさまざま

ダブルワークとは、本業とは異なる仕事をおこなうことですが、その仕事に明確な定義があるわけではありません。

たとえば、本業の勤め先以外にアルバイトをおこない、給与収入を増やす方もいます。また、会社員とは別に、自分で事業をおこなったり、フリマアプリやクラウドソーシングサービスを利用して副業をおこなったりする方もいます。

このように、ダブルワークといっても、人によって方法は異なり、税金の計算方法も異なります。たとえば、給与収入だけの場合であれば、給与所得控除額を差し引いて、給与所得を求めることが可能です。しかし、事業所得や雑所得がある場合には、収入から必要経費を差し引いて、所得を求めます。

ダブルワークの場合の年末調整は両方で必要?

ダブルワークで複数の企業に勤めている場合には、すべての勤務先で年末調整を受けなければならないと考えている方もいるかもしれません。

年末調整の書類である「扶養控除等(異動)申告書」は1カ所の勤務先にしか提出できないため、年末調整は1カ所の勤務先のみ受けることができます。そのため、複数の会社で年末調整を受けることはできません。

また、医療費控除や寄付金控除、雑損控除などの控除は、年末調整では適用できません。そのため、どの勤務先でも年末調整を受けず、自分で確定申告をおこなって、所得税を納めるという方法もあります。

ダブルワークの場合、年末調整はどちらでやるべき?

2カ所以上から給与を受け取っている場合には、「主たる給与」と「従たる給与」に区分します。

「主たる給与」とは、扶養控除等(異動)申告書を提出している勤務先から受け取る給与のことです。一方、「従たる給与」とは、「主たる給与」以外の勤務先から受け取る給与のことです。

一般的には、収入が最も多い勤務先から受け取る給与を「主たる給与」として、その勤務先で年末調整を受けます。なお、扶養控除等(異動)申告書は、1社のみにしか提出できないため、それ以外の勤務先では年末調整を受けられません。

これにより、給与から天引きされる源泉徴収税額の計算方法が変わります。年末調整を受ける勤務先の税額は、年末調整を受けない勤務先の税額よりも安くなります。

ダブルワークの場合、いくらまで稼ぐことができる?

ダブルワークをおこなう場合、自分で確定申告をしなければならない可能性が高まります。しかし、一定の範囲内であれば、ダブルワークをおこなったとしても、確定申告をする必要がありません。

ここでは、ダブルワークで確定申告をおこなう必要のない方の一例を挙げます。自分が確定申告をする必要があるかどうかを正しく知りたい方は、専門家に相談してみるのがおすすめです。

  • 2箇所以上の企業で勤務している方で給与の支払が103万円以下でほかの所得がない方
  • 年末調整を受けた給与所得を除き、副業の所得の合計が20万円以下の方

なお、年末調整を受けるには、扶養控除等(異動)申告書を提出する必要があります。年末調整に必要な書類を提出していない場合には、年末調整を受けられず、確定申告をしなければならない恐れもあるため、注意が必要です。

ダブルワークで確定申告が必要な場合

ここでは、ダブルワークをおこなっている方で確定申告が必要な場合について詳しく紹介します。

副業の所得が20万円を超える場合

年末調整を受けた勤務先の給与以外の、副業の所得の合計が20万円を超える場合には、確定申告が必要になります。

なお、事業所得や雑所得の場合は、下記の方法で所得を計算します。

事業所得(雑所得)=収入ー必要経費

副業の収入が20万円を超えていたとしても、必要経費により、副業の所得の合計が20万円以下になれば、確定申告をする必要はありません。ほかにも、一時所得や不動産所得など、自分が副業で得る所得の計算方法をきちんと把握しておきましょう。

本業の会社で年末調整がされない場合

扶養控除等(異動)申告書を提出していないなど、本業の会社で年末調整を受けられなかった場合には、基本的に確定申告をする必要があります。

この場合は、すべての勤務先から源泉徴収票を受け取り、それらを参考に確定申告書を記載して、確定申告をおこないます。なお、年間の合計所得金額が48万円以下(給与のみであれば給与収入が103万円以下)の場合には、基礎控除(48万円)により、所得税がかからないため、確定申告は不要になります。

年末調整の対象者に該当しない場合

給与収入がある場合でも、年末調整の対象者に該当しない場合には、基本的に確定申告をおこなう必要があります。

ダブルワークの方で年末調整の対象外になる場合は、下記の通りです。

  • その年の主たる給与の収入金額が2,000万円を超える場合
  • 災害減免法の規定により、その年の給与に対する源泉所得税および復興特別所得税の徴収猶予もしくは還付を受けた場合
  • 年末調整をおこなうときまでに扶養控除等(異動)申告書を提出していない場合
  • 年の中途で退職した人で年末調整の対象者に該当しない場合
  • 非居住者
  • 継続して同一の雇用主に雇用されていない日雇労働者など

このような場合で、所得税を納める必要があるときは、確定申告をおこなう必要があります。

ダブルワークの確定申告をする際の注意点

ダブルワークで確定申告をおこなう場合は、副業の勤務先だけではなく、本業の勤務先の源泉徴収票も必要になるため、きちんと管理することが大切です。また、副業の給与がある場合には、その給与と本業の給与を合計させて給与収入を求め、所得税を正しく計算する必要があります。さらに、確定申告をおこなわなくてもよい場合でも、控除の適用などにより、還付を受けられる可能性もあります。

そして、ダブルワークの副業収入が雑所得や事業所得などに該当する場合は、給与所得とは異なり、経費を利用できます。そのため、帳簿付けなどをおこない、きちんと経費を管理することが大切です。

確定申告を忘れてしまった場合どうなる?

確定申告の期限は、原則としてその年の翌年の2月16日から3月15日までです。確定申告をおこなう義務のある方が、この期限までに確定申告の書類を提出できなかった場合には、無申告加算税や延滞税といったペナルティが課されます。

確定申告を期限内にし忘れた場合でも、「期限後申告」として扱ってもらえるように、気づいたら素早く申告することが大切です。たとえば、期限後申告の場合には、無申告加算税を軽減してもらえます。

このように、確定申告を忘れた場合には、気づいたらできる限り早いうちに申告をおこなうことが重要です。

年末調整を両方の会社でしてしまった場合どうなる?

年末調整は1カ所の会社のみおこなえるため、ダブルワークで複数の会社で年末調整を実施してしまった場合には、本業以外の勤務先に事情を説明して、年末調整の取り下げをおこなう必要があります。

そして、本業以外の勤務先から受け取った「従たる給与」が20万円を超えるかどうかで対処方法は異なります。

「従たる給与」が20万円以下の場合、「主たる給与」を受け取った勤務先で扶養控除(異動)申告書を提出し、年末調整を受けていれば、確定申告は不要です。一方、「従たる給与」が20万円を超える場合、確定申告をおこなう必要があります。

ダブルワークの場合の年末調整を理解して正しく申告をおこなおう!

ダブルワークをおこなう方は、副業の所得の種類や金額などによって、年末調整の手続き方法や確定申告の必要性が変わってきます。

複数の勤務先から給与を受け取っている場合には、年末調整は1カ所だけ受けられるため、収入の最も多い会社に「扶養控除等(異動)申告書」を提出しましょう。また、副業の所得が20万円以下であれば、確定申告をしなくても問題ありません。ただし、源泉徴収税額が本来納めるべき税額よりも大きい場合などは、還付金を受ける目的で確定申告をおこないましょう。

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