年末調整のペーパーレス化とは?メリットや年末調整電子化の流れを解説!

近年では、IT技術の発展や、法改正の影響もあり、さまざまな業務のペーパーレス化が進んでいます。ペーパーレス化が進む業務の一つが、年末調整です。国税庁は年末調整の手続きの電子化を進めています。

当記事では、年末調整のペーパーレス化とはどのようなものかについて徹底解説します。年末調整の電子化の流れ・メリットなどについて知りたい方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

更新日:2022.9.7

年末調整のペーパーレス化とは?いつから始まった?

年末調整のペーパーレス化とは、従業員や労務担当者の年末調整に関する一連のプロセスを電子化して手続きできるようにすることです。年末調整の手続きの電子化は、2020年10月1日より開始されました。国税庁は、年末調整の手続きを電子化できるように、年調ソフトを無償で提供しています。

これまでは、紙の書類を通じて年末調整の手続きをおこなっていましたが、コストや業務効率の面で課題がありました。年末調整のペーパーレス化を推進することで、これらの課題を解消し、スムーズに手続きを進めることが可能です。

年末調整のペーパーレス化は義務化される?

年末調整の電子化は義務ではありませんが、条件によっては、電子による提出が必要になる場合があります。2021年1月1日より、法定調書の種類によって、前々年に提出すべきであった当該の調書の枚数が100枚以上である場合は、e-Taxや光ディスクなど、電子申告が義務化されています。たとえば、給与所得の源泉徴収票なども対象になるため、企業によっては、年末調整のペーパーレス化が義務化される可能性もあります。

年末調整でペーパーレス化できる書類

ここでは、年末調整の関係書類のうち、ペーパーレス化(電子化)できる書類について解説します。

ペーパーレス化できる年末調整申告書は、下記の通りです。

  • 扶養控除等申告書
  • 配偶者控除等申告書
  • 保険料控除申告書
  • 住宅ローン控除申告書
  • 基礎控除申告書
  • 所得金額調整控除申告書

また、ペーパーレス化できる年末調整に関連する控除証明書などは、下記の通りです。

  • 保険料控除証明書(生命保険料・個人年金保険料・介護医療保険料・地震保険料に限定される)
  • 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除証明書
  • 年末残高等証明書

年末調整をペーパーレス化するメリット

ここでは、年末調整をペーパーレス化するメリットについて詳しく紹介します。

用紙の印刷や配布が不要になる

紙の書類によって年末調整の業務をおこなっている場合、年末調整に必要な書類を印刷したり、従業員に提出書類を配布したりする必要があります。しかし、年末調整のペーパーレス化により、書類の印刷が不要になります。また、従業員自身で必要な書類をデータで取得するようにすることが可能です。

そのため、紙代・印刷代・郵送費用などのコストを削減することができます。また、電子データとして管理できるため、紙の書類での保管が不要になり、オフィスのスペースを有効活用することが可能です。

計算・入力ミスを防止できる

紙の書類で年末調整をおこなう場合、従業員の入力・転記ミスや、労務担当者の控除額の計算ミスなどが生じてしまうという恐れがあります。しかし、年末調整の電子化を推進することで、システムの便利な機能やサポートを利用して、ミスを防止することが可能です。たとえば、控除証明書のデータをシステムにアップロードすれば、控除額を自動で算出できるため、入力・計算ミスを防ぐことができます。

このように、年末調整のペーパーレス化によって、システム上で手続きをおこなえるため、人的ミスを減らし、業務を効率化させることが可能です。

提出・回収をスムーズにおこなえる

従業員は、紙で年末調整の書類を提出する場合、担当者に手渡ししたり、郵送で提出したりする必要があります。また、労務担当者は、提出方法が一貫していないと、従業員からの問い合わせに追われることもあり、業務負担がかかります。

しかし、年末調整のペーパーレス化により、メール送付など、オンライン上でやり取りできるため、簡単に書類を提出することが可能です。また、ヘルプデスクの用意されているシステムを利用すれば、労務担当者の負担を軽減し、スムーズに提出書類を回収することができます。

年末調整ペーパーレス化の流れ

ここでは、年末調整をペーパーレス化する流れについて詳しく紹介します。

年末調整電子化の承認申請書は不要

2021年3月までは、年末調整を電子化するために、管轄の税務署に承認申請書を提出する必要がありました。しかし、2021年4月1日以降に従業員からデータで年末調整の申告書を受け取る場合、申請書の提出が不要になりました。

ただし、従業員から年末調整申告書や控除証明書等を電子データによって受け取るためには、「電磁的方法による提供を受けるために必要な措置」と「電磁的方法により提供する者の氏名を明らかにするために必要な措置」の2つの措置が必要です。

給与ソフトや年末調整ソフトを導入・変更する

年末調整のペーパーレス化に対応できるように、給与ソフトの改修をおこなったり、新たに年末調整ソフトを導入したりする必要があります。近年では、さまざまな機能を搭載したクラウドサービスが登場しています。自社の予算・目的・規模などに応じて、適切なツールを導入することが大切です。

そのため、まずは自社の予算・目的や必要な機能を明確にし、複数のサービスを比較したうえで、導入するツールを選ぶのがおすすめといえます。

従業員に電子化を周知する

年末調整のペーパーレス化を実施するにあたり、従業員の協力が必要です。従業員が電子化に納得できなければ、会社に対する不満につながる恐れがあります。そのため、事前に従業員に対して、年末調整のペーパーレス化を実施することや、その目的やメリットを周知することが大切です。

また、新しくツールを導入する場合や、業務フローを変更する場合は、ツールの使い方や手続きの手順を説明することも、スムーズにペーパーレス化を推進するために重要といえます。

年末調整に必要なソフトの選び方

ここでは、年末調整に必要なソフトウェアの選び方のコツについて詳しく紹介します。

社員や労務担当者が操作しやすいか

年末調整に対応したソフトはさまざまであり、豊富な機能のあるソフトが魅力にみえるかもしれません。しかし、従業員が使いやすいソフトを導入しなければ、かえって業務効率の低下を招く恐れがあります。そのため、自社の業務や従業員のITリテラシーを考慮して、できる限り機能はシンプルで、操作の仕方がわかりやすいソフトを導入することが大切です。

給与計算ソフトや労務管理システムとの連携ができるか

年末調整に対応したソフトを導入する場合、既存の給与計算システムや労務管理システムと連携しやすいかを考慮することが大切です。クラウドサービスの機能には、API連携などの連携機能が含まれていることもあります。システム同士を連携することで、ワンストップで業務をおこなえるため、業務効率の向上が期待できます。

年末調整のペーパーレス化で業務を効率化しよう!

年末調整のペーパーレス化は、2020年10月1日から開始されました。また、2021年1月1日より前々年に提出すべきであった年末調整に関連する法定調書が100枚以上である場合には、電子申告が義務化されています。年末調整のペーパーレス化を推進すれば、コストの削減や業務効率の向上が期待できます。年末調整の電子化を進めるには、年末調整に対応したソフトを導入する必要があります。従業員の使い勝手を考慮したうえで、自社のニーズにあったツールを導入することが大切です。

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