個人事業主は年末調整は必要?年末調整が必要になる場合ややり方を解説!

所得税を正確に計算して納めるために、年末調整や確定申告は重要な作業の一つです。個人事業主は、場合によって、年末調整をおこなう必要もあります。当記事では、個人事業主における年末調整の必要性について徹底解説します。個人事業主の方や、今後、個人事業

更新日:2022.9.7

所得税を正確に計算して納めるために、年末調整や確定申告は重要な作業の一つです。個人事業主は、場合によって、年末調整をおこなう必要もあります。

当記事では、個人事業主における年末調整の必要性について徹底解説します。個人事業主の方や、今後、個人事業主として活動しようと考えている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

個人事業主は年末調整は必要?

ここでは、個人事業主は年末調整が必要かどうかについて詳しく紹介します。

そもそも年末調整とは?

年末調整とは、毎月(毎日)の給与や賞与などの支払いのときに源泉徴収をした所得税額(復興特別所得税を含む)の合計と、年間の給与総額について納めるべき所得税の総額を比べて、その過不足額を精算する手続きのことです。

年間を通して給与が変動しないものと仮定して作成された源泉徴収税額表をもとに、所得税を源泉徴収するため、通常は源泉徴収税額の合計額と、本来納めるべき年税額は一致しません。また、年末調整では、保険料控除や地震保険料控除など、各種控除を適用できることも不一致の原因になることがあります。

年末調整は、このような税額の不一致を解消して、納めるべき所得税を正しく計算するために実施されます。

年末調整の対象者

年末調整の対象者(年の中途で退職した人については後述)は、下記の通りです。

  • 一年を通じて勤務している人
  • 年の途中で就職して年末まで勤務している人
  • 海外支店などへの転勤により非居住者となった人

また、年の中途で退職した人で年末調整の対象者は、下記の通りです。

  • 死亡により退職した人
  • 著しい心身の障害のために退職した人(退職後に年中に再就職して給与を受け取る見込みのある人は除く)
  • 12月に支給されるべき給与などの支払いを受けた後に退職した人
  • 年中に支払いを受ける給与総額が103万円以下である人(退職後に年中にほかの勤務先から給与の支払いを受ける見込みのある人は除く)

基本的に個人事業主に年末調整は不要

年末調整が必要となるのは、一般的に会社員や、要件を満たす退職者などです。そのため、基本的に個人事業主の方は、年末調整は不要です。

ただし、個人事業主の方は、収入や所得、各種控除を申告して納税をおこなうために、年末調整の代わりに、確定申告を実施する必要があります。確定申告の期間は、原則として2月16日から3月15日までであり、各種提出物を持参し、所轄の税務署に申告書を提出することで、手続きは完了します。

個人事業主で年末調整が必要になる場合とは

ここでは、個人事業主でも、年末調整が必要になる場合について詳しく紹介します。

副業などで給与所得がある場合

個人事業主で、自分の事業のほかに、副業などで給与所得がある場合には、年末調整が必要となるケースもあります。

たとえば、個人事業主としての所得が20万円を超えず、アルバイトの給与所得がある方は、確定申告の必要はなく、給与をもらっている会社の年末調整の対象となります。ただし、年収が103万円以下で源泉徴収がない場合には、控除の適用により所得税を納める必要がないこともあるため、年末調整が不要になる可能性もあります。

また、給与所得がありながら、事業所得が20万円を超える場合には、勤務先から源泉徴収票を受け取り、個人で確定申告をおこなう必要があります。

従業員がいる場合

個人事業主で、従業員を雇っている場合は、給与を支払っているため、雇用主として従業員の年末調整をおこなう義務があります。

年末調整に必要な書類を用意して、年末調整の期限に遅れないように、余裕をもったスケジュールを組むことが大切です。年末調整が間に合わなかった場合には、従業員が個人で確定申告をおこなわなければならないため、従業員に大きな負担をかけてしまう恐れがあります。

このように、個人事業主で従業員を雇っている場合には、年末調整の義務が生じるため、あらかじめ年末調整のやり方など知識を深めておくことが重要です。

個人事業主の年末調整のやり方

ここでは、個人事業主の年末調整のやり方について詳しく紹介します。

年末調整の手順

まず個人事業主が従業員を雇う場合には、源泉徴収をおこなうために「給与支払事務所等の開設届出書」を提出する必要があります。個人事業主は、従業員に支給する給与から源泉所得税の天引きをおこないます。

その後、個人事業主は、11月頃から従業員に対して、年末調整に関する各種申請書や各種証明書類を準備するように、期限を定めて周知しましょう。12月には、従業員から書類を回収して、年末調整を実施し、12月分の給与を計算するとともに、給与に反映させます。

年末調整の計算が完了したら、税務署や市区町村に提出する書類を作成して、1月末までに提出する必要があります。また、給与所得の源泉徴収票には、その年に従業員に支給した給与の総額や源泉徴収をした額などを記載して、従業員に配布します。

年末調整に必要な書類

個人事業主が従業員の年末調整をおこなうために必要な書類は、大きく申請書と各種証明書類に区分できます。また、従業員それぞれの事情によって、提出する必要のある書類は異なります。

年末調整に必要な申請書は、下記の通りです。

  • 扶養控除等申告書
  • 基礎控除申告書
  • 配偶者控除等申告書
  • 所得金額調整控除申告書
  • 保険料控除申告書
  • 住宅借入金等特別控除申告書(2年目以降の人が対象)

年末調整に必要な証明書類は、適用する控除によって異なります。たとえば、生命保険料控除を適用するには生命保険料控除証明書、地震保険料控除を適用するには地震保険料控除証明書が必要です。また、年の途中で採用された場合には、前職の源泉徴収票も必要になります。

青色事業専従者がいる場合も年末調整は必要

ここでは、青色事業専従者がいる場合における年末調整について詳しく紹介します。

青色事業専従者とは

国税庁のホームページの定義によると、青色事業専従者とは、下記の要件のすべてに該当する方のことです。

・青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること
・その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること
・その年を通じて6月を超える期間(一定の場合には事業に従事することができる期間の2分の1を超える期間)、その青色申告者の営む事業に専ら従事していること

確定申告を青色申告でおこない、上記の要件を満たせば、家族でも青色事業専従者にすることができます。青色事業専従者に支払う給与は、全額を経費にできるため、節税効果が期待できます。

青色事業専従者にも年末調整が必要

個人事業主が従業員を雇う場合には、先述したように、従業員の年末調整をおこなう義務が生じます。青色事業専従者は、親族ではありますが、給与所得者である以上、年末調整が必要になります。

青色事業専従者の年末調整をおこなう方法

青色事業専従者給与として認定される条件を満たすために、所轄の税務署長に「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出する必要があります。提出期限も設けられているため、注意が必要です。

手続きが完了したら、雇用主である個人事業主は、青色事業専従者に給与を支払い、年末までに必要な書類を受け取り、年末調整を実施します。

なお、寄付金控除や医療費控除、雑損控除などの控除を適用する場合には、年末調整では対応できないため、個人で確定申告をおこなう必要があります。

青色事業専従者にも年末調整で注意するポイント

青色事業専従者に対する給与は、労務の対価として相当であると認められる金額であれば、全額を経費とすることができます。

ただし、青色事業専従者として給与を受け取る方は、控除対象配偶者や扶養親族になれないため、配偶者控除や扶養控除を適用できなくなるという注意点があります。たとえば、配偶者控除は、一般の控除対象配偶者であれば、最大で38万円の控除を受けられます。

そのため、個人事業主と青色事業専従者をあわせた世帯単位で節税効果が期待できるかどうかを考慮する必要があります。たとえば、青色事業専従者給与は、年間で38万円以上にするなど、給与金額の調整が挙げられます。

年末調整を簡単におこなう方法

個人事業主で従業員を雇っている場合、年末調整の知識がなく、大きな業務負担につながる恐れがあります。

そこで、国税庁の提供している年調ソフトや、年末調整に対応した会計ソフトを導入するのがおすすめです。これらのソフトを利用すれば、年末調整の業務をオンラインでおこなえるなど、スムーズに手続きを進めることができます。

また、会計ソフトには、さまざまな機能の搭載されたものがあるため、料金やサポート体制、セキュリティリスク、使いやすさなどを考慮して、自社にあったものを導入することが大切です。

年末調整について正しく理解しよう!

個人事業主の場合、基本的に年末調整は不要であり、確定申告をおこなう必要があります。ただし、副業などで給与所得がある場合は、年末調整の対象者になることもあります。

また、個人事業主で従業員(青色事業専従者など)を雇う場合は、従業員の年末調整をおこなう義務が生じます。年末調整に関する正しい知識を身に付けて、トラブルが生じないように気を付けることが大切です。

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