年末調整と確定申告の違いとは?両方必要な場合などを解説

年末調整や確定申告は、一年間(1月1日から12月31日まで)の納めるべき所得税(復興特別所得税を含む)を正しく計算するために重要な手続きです。会社員は基本的に確定申告は必要ありませんが、場合によっては、年末調整と確定申告の両方が必要になることもあります。

当記事では、年末調整と確定申告の違いや、両方が必要になる場合について解説します。また、確定申告ができるソフトについても紹介します。年末調整と確定申告に関する知識を深めたい方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

更新日:2022.9.7

年末調整や確定申告は、一年間(1月1日から12月31日まで)の納めるべき所得税(復興特別所得税を含む)を正しく計算するために重要な手続きです。会社員は基本的に確定申告は必要ありませんが、場合によっては、年末調整と確定申告の両方が必要になることもあります。

当記事では、年末調整と確定申告の違いや、両方が必要になる場合について解説します。また、確定申告ができるソフトについても紹介します。年末調整と確定申告に関する知識を深めたい方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

年末調整とは

年末調整とは、従業員の毎月(毎日)の給与や賞与などから源泉徴収をおこなった所得税の合計額と、一年間に納めるべき所得税との差額を精算する手続きのことです。年末調整は、勤務先を介して実施されます。

源泉徴収をおこなう額は概算であるため、差額が生じるという可能性があります。また、従業員それぞれの事情により、年末調整で保険料控除や住宅ローン控除など、控除を適用することで、納めるべき所得税が変わることも理由として挙げられます。差額が生じる場合には、従業員から新たに徴収をおこなったり、従業員に還付をおこなったりします。

年末調整の対象となる人は、原則として「扶養控除等(異動)申告書」を年末調整を実施する日までに提出している人です。また、従業員それぞれの事情によっては、年末調整の対象外となることもあります。

確定申告とは

確定申告とは、一年間(1月1日から12月31日まで)を課税期間として、その期間内における収入や所得、各種控除から納めるべき所得税を計算する手続きのことです。確定申告では、年末調整では対応できない控除を受けられます。

確定申告をおこなう場合、自分で確定申告書を作成して、本人確認書類や各種証明書類などを添付・持参して、所轄の税務署に提出する必要があります。確定申告の必要な人が、申告を怠ると、無申告加算税や延滞税などのペナルティが課されるという恐れがあるため、注意が必要です。

年末調整と確定申告の違い

年末調整と確定申告の違いとして、対象者が異なります。年末調整は、会社員などの給与所得を受け取っている方が対象となります。一方、確定申告は、主に個人事業主や自営業などの方が対象となります。ただし、会社員などの給与所得者でも、場合によっては、確定申告をおこなわなければならない(おこなったほうがよい)ケースもあります。

年末調整と確定申告の具体的な違いについては、下記の表を参考にしてください。

年末調整確定申告
手続きをおこなう人会社が実施自分で実施
期限翌年の1月31日
(従業員の勤務先への書類提出期限は12月頃)
原則として翌年の2月16日から3月15日まで
(確定申告を実施する必要のない方の還付申告は翌年の1月1日から5年間)
受けられる控除年末調整で受けられる控除
・基礎控除
・扶養控除
・配偶者控除
・配偶者特別控除
・生命保険料控除
・地震保険料控除
・小規模企業共済等掛金控除
・社会保険料控除
・障害者控除
・ひとり親控除
・寡婦控除
・勤労学生控除
・住宅ローン控除(2年目以降)
確定申告しなければ受けられない控除
・寄附金控除
・医療費控除
・雑損控除
・住宅ローン控除(1年目のみ)

会社員は基本的に確定申告は不要

会社員は基本的に確定申告をおこなう必要がありません。しかし、確定申告が必要となるケースもあります。

年末調整が未済の場合、確定申告が必要
会社員でも、年末調整の手続きができなかった場合には、自分で確定申告をおこなう必要があります。

会社から送付される源泉徴収票と、適用する各種控除に関する証明書類を用意できれば、会社員でも確定申告を実施できます。ただし、提出期限は、年末調整よりも確定申告のほうが遅いからといって疎かにしていると、確定申告書の書き方や提出方法などがわからず、期限を過ぎてしまうこともあるため、注意が必要です。

場合によっては年末調整と確定申告の両方が必要

会社員でも、本業とは別に個人で副業をおこなったり、パートやアルバイトをおこなったりすると、場合によっては、年末調整と確定申告の両方が必要となることもあります。

そのため、会社員でも確定申告が必要となるケースを把握しておくことが大切です。

会社員で年末調整と確定申告の両方が必要になる場合

ここでは、会社員のうち、年末調整と確定申告の両方が必要になる場合について詳しく紹介します。

給与が2,000万円を超える場合

給与の総額が2,000万円を超える場合は、年末調整の対象外となります。そのため、自分で確定申告をおこなう必要があります。

2カ所以上から給与を得ている場合

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は1つの会社のみに提出するため、年末調整を受けられるのは1社のみとなります。そのため、2カ所以上からの給与がある場合は、年末調整と確定申告の両方をおこなわなければならないこともあります。

給与以外に20万円を超える所得(雑所得)がある場合

給与所得のほかに副業などで20万円を超える所得がある場合には、年末調整と確定申告の両方が必要です。この場合は、個人で請け負って得た事業所得や雑所得も対象となります。

なお、所得とは、収入から必要経費を差し引いた金額のことです。そのため、収入は20万円を超えるけれど、所得は20万円以下の場合は、確定申告をしなくても問題はありません。

会社員で確定申告もしたほうがいい場合

ここでは、会社員のうち、還付金を受ける目的などで、確定申告もおこなったほうがよいケースについて詳しく紹介します。

住宅ローン控除を受けたい場合

住宅ローンなどを利用してマイホームの新築や取得などをおこなう場合には、一定の要件を満たせば、住宅ローン控除(住宅借入金特別控除)を受けて、還付金を得られるかもしれません。

会社員の場合、最初の年に確定申告を実施すれば、2年目以降は年末調整で住宅ローン控除を受けられます。

医療費控除を受けたい場合

医療費(交通費を含む)が、年間で10万円を超える場合、もしくは所得の5%以上の医療費を支払った場合には、医療費控除を受けることで、還付金を得られる可能性があります。

なお、医療費は、自己または自己と生計を一にする配偶者やその他親族のために支払った費用が対象となります。また、場合によっては、医療費控除の代わりに、セルフメディケーション税制を受けることも可能です。

ふるさと納税などの寄付金控除を受ける場合

ふるさと納税などの寄付金控除を受ける場合は、年末調整では対応できないため、確定申告をおこなう必要があります。

ただし、ふるさと納税の控除を受ける場合には、確定申告のほかに、ワンストップ特例制度を利用できます。この場合には、寄付できる自治体数に上限があるため、注意が必要です。

退職所得があり「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合

「退職所得の受給に関する申告書」を提出せずに、退職したときには、退職金から一律で源泉徴収されるため、所得税を支払い過ぎている可能性があります。そのため、確定申告を実施すれば、還付金が得られるかもしれません。

転職は場合によって年末調整か確定申告かが異なる

ここでは、転職をおこなった場合に、年末調整と確定申告のどちらが必要になるかについて紹介します。

年末調整のみでよい場合

年内に転職して、転職先の会社で年末調整を受けられる場合には、基本的に確定申告は不要です。ただし、転職先で年末調整を受けるには、前職の源泉徴収票が必要となるため、きちんと管理しておくことが大切といえます。

確定申告が必要になる場合

年の途中で退職して、翌年などに転職をおこなう場合で、年末調整の対象者に該当しない場合には、自分で確定申告をおこなう必要があります。

ただし、12月中に支給される給与を受け取った後に退職し、転職した場合などは、年末調整の対象者に該当する可能性があります。

確定申告ができるソフト3選

ここでは、確定申告ができるソフトについていくつか紹介します。

弥生の「確定申告ソフト」

弥生の「確定申告ソフト」とは、弥生社が提供している確定申告のできるソフトのことです。記帳作業を自動化できるなど、簿記の知識は不要で、初心者でも簡単に使い始められるという特徴があります。

また、AIによって自動で仕訳をおこなったり、クラウド上でデータを保管・共有したりできるため、業務効率の向上が期待できます。さらに、専門のスタッフにより、製品の導入から運用まで、相談に乗ってもらえるため、安心して利用することが可能です。

弥生の「確定申告ソフト」には、「やよいの白色申告 オンライン」「やよいの青色申告 オンライン」「やよいの青色申告 22」といった種類があり、無料体験も用意されています。

freee会計

freee会計とは、freee社が提供している確定申告のできるソフトのことです。銀行口座やクレジットカードから明細を自動で取得できるため、入力作業が減り、業務効率の向上が期待できます。

また、〇×形式の質問に答えるだけで、確定申告に必要な書類を作成することが可能です。さらに、レシートの写真を撮って情報を読み取るなど、スマホを利用して確定申告の作業をおこなうことができます。

料金プランには、スターター・スタンダード・プレミアムといったプランがあり、最初は無料で始められます。

マネーフォワード クラウド確定申告

マネーフォワード クラウド確定申告とは、マネーフォワード社が提供している確定申告のできるソフトのことです。明細データの取得・仕訳や、レポートの作成を自動化できるため、業務負担を軽減することができます。

また、PCだけではなく、スマホにも対応しており、柔軟に利用することが可能です。さらに、マネーフォワード社が提供しているほかのクラウドソフトと連携して、バックオフィス業務を効率化することができます。

料金プランには、パーソナルミニ・パーソナル・パーソナルプラスといったプランがあり、最初は無料で始められます。

年末調整と確定申告の違いを理解して正しい手続きを!

年末調整と確定申告には、対象者や手続きをおこなう人、期限、受けられる控除などの違いがあります。

会社員は基本的に確定申告を実施する必要はありません。しかし、会社員でも年末調整ではなく確定申告をおこなったり、年末調整と確定申告の両方をおこなったりする必要のある場合もあります。

年末調整と確定申告の違いを理解して、正しい手続きをできるようにすることが大切です。

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