年末調整しないと罰則はある?提出義務やペナルティを解説!

年末調整とは、従業員の所得税(復興特別所得税を含む)を正しく計算するために年末に実施される手続きのことです。年末調整を実施しないと、罰則が課される可能性もあります。当記事では、年末調整の義務についてや、年末調整を実施しない場合にどのような罰則

更新日:2022.9.7

年末調整とは、従業員の所得税(復興特別所得税を含む)を正しく計算するために年末に実施される手続きのことです。年末調整を実施しないと、罰則が課される可能性もあります。

当記事では、年末調整の義務についてや、年末調整を実施しない場合にどのような罰則があるのかについて解説します。年末調整をしないときのリスクについて知識を深めたい方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

年末調整をおこなわないと罰則がある

年末調整をおこなわず、従業員から正しい所得税を徴収していない場合や、年末調整に関係する書類に偽りの内容を記載し、税務署長の承認を受けた場合などには、所得税法242条より、「1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金」の罰則が課さます。

また、従業員から源泉徴収をおこなった所得税を税務署に納付していない場合には、所得税第240条より、「10年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金」の罰則が課されるリスクもあります。

さらに、税務署から税金の滞納に関する指摘にきちんと応じない場合には、資産の差し押さえに発展する恐れもあります。

このように、年末調整を実施しないと、罰則につながる可能性もあるため、所得税法などの規定に従って適切に対応することが大切です。

年末調整の提出遅れも罰則になる

年末調整の書類を提出する期限は、税務署へ法定調書を提出する期限である翌年の1月31日です。なお、源泉徴収税の納付期限は翌年1月10日です。たとえば、追徴徴収に該当するときは、翌年1月10日までに所得税の追加納付をおこなう必要がある場合もあります。

税務署や市区町村に期限までに書類の提出が遅れる場合は、罰則を受ける可能性があります。ただし、提出書類が遅れる場合でも、直ちに罰則を受けるわけではありません。あらかじめ管轄の税務署や市区町村に遅れる旨を伝えれば、大きな問題に発展することは防げるかもしれません。

また、従業員が勤務先の定めた期限内に、年末調整の必要書類を提出できない場合には、法的な罰則はありません。ただし、従業員の勤務先への書類提出が遅れる場合、1月31日までに年末調整が完了しない場合や、源泉徴収票が既に従業員に交付されている場合には、従業員自身で確定申告をおこなう必要があります。

このように、従業員も人事労務担当者も、期限内に書類を提出できるように、余裕をもったスケジュールで年末調整を実施することが大切です。

年末調整は雇用主の義務

年末調整の対象者に該当し、「扶養控除等(異動)申告書」を勤務先に提出している場合、雇用主には年末調整をおこなう義務が生じます。

年末調整を実施しない場合、従業員だけではなく、会社側も正しい所得税を計算できていない可能性があります。また、年末調整には、事業者ごとに従業員の納税を一括りにすることで、税金を正確かつ円滑に徴収するという国の目的にもあります。そのため、正確な所得税額を確定させるために、年末調整は適切な手順でおこなうことが大切です。

年末調整の義務がない場合

ここでは、年末調整をおこなう義務がない場合について詳しく紹介します。

従業員が年末調整の対象でない場合

年末調整には、対象外となる場合の従業員もいます。その場合、年末調整をしなくても罰則を受けることはありません。年末調整の対象外となる人は、下記の通りです。

  • その年の給与収入が2,000万円を超える人
  • 災害減免法の規定により、給与に対する源泉所得の徴収の猶予もしくは還付を受けた人
  • 2カ所以上から給与の支払を受けており、ほかの給与支払者に扶養控除等(異動)申告書を提出している人や、年末調整をおこなうときまでに扶養控除等(異動)申告書を提出していない人
  • 年の中途で退職した人(年末調整の対象となる人のうち「年の中途で退職した人」に該当しない人)
  • 非居住者
  • 継続して同一の雇用主に雇用されていない日雇労働者など

従業員が必要書類を提出しない場合

年末調整の対象外となる人の基準にもあるように、従業員が「扶養控除等(異動)申告書」を勤務先に提出しない場合、雇用主に年末調整をおこなう義務は生じません。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を提出できるのは1社のみで、2カ所以上の会社から給与をもらっている場合には、注意が必要です。

とくに、アルバイトやパートの従業員は、2カ所以上の会社から給与をもらっている可能性があるため、採用時などに勤務状況を確認しておくことが大切といえます。

年末調整が遅れる場合の対処

年末調整の書類の提出期限である翌年の1月31日に遅れる場合は、罰則を受けないためにも、所轄の税務署や市区町村にきちんと連絡して対応方法について確認しておくことが大切です。なお、大幅に遅れる場合には、従業員自身で確定申告をおこなう必要があります。

確定申告書の提出期間は、原則として毎年2月16日から3月15日までの1カ月間です。ただし、新型コロナウイルス感染症の影響により、提出期間が延長されたケースもあるため、正しい期間については、国税庁のホームページなどで確認するのがおすすめといえます。

年末調整を訂正する場合の対処

年末調整で氏名や住所などを間違って記載してしまった場合には、二重線を引き、重ねて訂正印を押し、近くに正しい内容を記載します。なお、修正液や修正ペンは、その修正箇所が訂正なのか、改ざんなのかが判別できないため、使用しないようにしましょう。

また、年末調整の訂正をおこなうタイミングによって、訂正方法は異なります。翌年の1月31日以前、かつ源泉徴収票を交付する前であれば、自社で年末調整をやり直すことが可能です。しかし、翌年の2月1日以降もしくは、源泉徴収票を交付した後になると、従業員自身で確定申告をおこなって、再調整をする必要があります。

会社が年末調整しなかった場合、従業員には罰則がある?

ここでは、会社が年末調整をしなかった場合に、従業員には罰則があるのかどうかについて解説します。

従業員への罰則はないが確定申告が必要になる場合がある

会社が年末調整を実施しなかった場合には、従業員によっては、個人で確定申告をおこなう必要があります。ただし、会社が年末調整を実施しないことによる、従業員への罰則はありません。

確定申告は、従業員の業務外であることが多く、年末調整を実施するときと比べて、書類の作成や申請方法の確認など、大きな負担が生じます。また、会社が年末調整を正しく実施しなかったという事実から、従業員の会社に対する信用の低下を招くリスクがあります。

確定申告が必要な場合、これを怠ると罰則あり

確定申告を実施する必要のある従業員は、定められた期限までに、管轄の税務署に確定申告書を提出し、所得税を納付する必要があります。期限後に確定申告をおこなうと、無申告加算税や延滞税といった罰則が課され、通常よりも納税額が大きくなります。

また、確定申告はおこなったけれど、本来より納税額が少ない場合には、過少申告加算税という罰則が課されることもあります。そのため、確定申告をおこなう場合には、申告書の書き方や期限など、正しい知識を身に付けることが大切です。

そして、期限内に確定申告を忘れたことや、申告書の書き方を間違えたことに後から気づいたときには、ペナルティを軽減するためにも、できる限り早く申告することが重要です。

年末調整を簡単におこなう方法

まずは年末調整でのミスを防ぐためにも、マニュアルを用意し、余裕をもったスケジュールを組むのがおすすめです。従業員に期限内に提出してもらえるように、きちんと周知することも大切です。

また、年末調整の業務を紙でおこなっている場合は、電子化を検討してみるのがおすすめといえます。ペーパーレス化を推進できれば、電子データでやり取りが可能となります。そのため、オフィスだけではなく、自宅や外出中でも作業できるため、業務効率の向上が期待できます。

さらに、年末調整に対応した人事・労務ソフトを導入すると、スムーズに年末調整の手続きを進めることが可能です。人事・労務ソフトを使用することで、計算や記述などのミスを減らし、正確に年末調整を実施することができます。

年末調整は期日までに迅速に済ませよう

年末調整を実施しない場合には、罰則を受けることがあります。また、期限内に年末調整の書類を税務署や自治体に提出できない場合にも、ペナルティが課されるという可能性があります。

ただし、会社が年末調整を実施しなかったからといって、従業員が罰則を受けることはありません。しかし、従業員が自分で確定申告をしなければならない可能性があり、期限内に申告しなかったり、納税額を過少申告したりすると、ペナルティが課されることもあります。

このように、年末調整は、正確な納税額を計算することに加えて、従業員の負担を軽減するためにも重要な役割があります。そのため、業務効率を上げるために、ペーパーレス化を推進したり、人事・労務ソフトを導入したりするのがおすすめです。

カテゴリから記事を探す

記事を絞りこむ

サイト制作・運営

RPA・アウトソーシング

セキュリティ・アクセス管理

ビジネスノウハウ