電子契約法とは?電子消費者契約法をわかりやすく解説

ネットショップやECサイトなど、電子商取引を営む事業者が知っておく必要があるのが、2001年に施行された電子契約法(電子消費者契約法)です。電子契約法の成立により、事業者は消費者の操作ミスや入力ミスを防ぐための確認措置を講じることが必要になりました。そのほか、電子契約と関わりが深い民法や民事訴訟法、電子署名法や電子帳簿保存法などの法律と合わせて、電子契約法の内容を確認しておきましょう。

ネットショップやECサイトなど、電子商取引を営む事業者が知っておく必要があるのが、2001年に施行された電子契約法(電子消費者契約法)です。
電子契約法の成立により、事業者は消費者の操作ミスや入力ミスを防ぐための確認措置を講じることが必要になりました。

そのほか、電子契約と関わりが深い民法や民事訴訟法、電子署名法や電子帳簿保存法などの法律と合わせて、電子契約法の内容を確認しておきましょう。

電子契約法(電子消費者契約法)とは?電子商取引の消費者を保護するための法律のこと

電子契約法(電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律)とは、電子消費者契約法とも呼ばれ、電子商取引(BtoC-EC)の消費者を保護するための法律です。電子契約法は民法上の「錯誤」に関する特例を定めた法律として成立しました。

電子契約法第1条
この法律は、消費者が行う電子消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示について特定の錯誤があった場合に関し民法の特例を定めるものとする。

引用:電子消費者契約に関する民法の特例に関する法律|e-Gov

電子商取引では、購入画面での操作ミスや入力ミスなどによって、消費者がトラブルに巻き込まれるケースが多発しています。たとえば、「申し込み画面の購入ボタンを間違えてクリックした」「購入数を間違えて入力してしまった」といったケースです。
操作ミスや入力ミスは民法上の「錯誤」に当たるため、消費者は契約の無効を主張することができます。しかし、これまでは民法の規定が曖昧だったため、事業者が消費者側に「重大な過失」があると主張し、購入の意思表示の取消しができないケースがありました。

そこで、消費者を手厚く保護するために成立したのが電子契約法です。電子契約法は、事業者側が消費者の操作ミスや入力ミスを防ぐ手立てを講じない限り、「重大な過失」がある場合も契約の無効を主張できるとしています。
また、電子商取引の成立時期を「発信主義」から「到達主義」に転換し、注文後の確認メールなどが到達した段階で契約が成立するようにルールを変更しました。
このように電子契約法は、ネットショップやECサイトなど、BtoC-ECに関わる全ての企業が知っておく必要がある法律です。

電子契約に関わる5つの法律

電子契約法のほかにも、電子契約に関わる法律はたくさんあります。とくに電子契約法と関係が深いのは前項でも取り上げた民法です。そのほか、電子契約における電子署名の法的効力を定めた電子署名法や、国税関係書類を電子データで保存する場合のルールを定めた電子帳簿保存法なども電子契約と深い関わりがあります。
ここでは、BtoB-ECやBtoC-ECを問わず、電子取引をおこなう企業が知っておくべき5つの法律を紹介します。

1. 民法

民法は電子取引をはじめとして、日常生活に関わるルールを定めた法律です。
電子契約と関わりがあるのが、契約の成立条件について定めた民法第522条です。

民法第522条
契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示に対して相手方が承諾をしたときに成立する。
2 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。

引用:民法|e-Gov

民法第522条の2によると、契約当事者の合意があれば、書面の作成や押印がなくても契約が成立するとしています。電子契約の場合も同様です。
電子契約書や電子署名がなくても、民法上は当事者間で合意が形成される限り契約は成立します。

2. 民事訴訟法

しかし、消費者や取引先と電子契約をめぐってトラブルが生じたとき、電子契約書がなければ契約の存在を証明するのが難しくなります。そのため、企業は書面契約か電子契約かを問わず、なんらかの形式で契約書を作成するのが一般的です。

民事訴訟に関するルールを定めた法律が民事訴訟法です。民事訴訟法第228条第1項は、「文書は、その成立が真正であることを証明しなければならない」と規定しています。(※1)
つまり、契約書を含めた文書を民事訴訟の際の証拠書類にするためには、その文書が本物であり、当事者間の合意に基づいて成立していることを証明しなければなりません。

また、民事訴訟法第228条第4項には、「私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する」という規定があります。(※1)
電子契約に置き換えると、契約書を「真正に成立したもの」とみなすためには当事者の電子署名が必要です。

(※1)民法|e-Gov

3. 電子署名法

電子契約における電子署名についてのルールを定めた法律が、電子契約法と同年の2001年に施行された電子署名法(電子署名及び認証業務に関する法律)です。
民事訴訟法の項目で、電子契約の場合は電子署名を契約書に付与することで、契約書を「真正に成立したもの」とみなすことができると説明しました。
この点について、より具体的に明文化しているのが電子署名法第3条です。

電子署名法第3条
電磁的記録であって情報を表すために作成されたものは、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名が行われているときは、真正に成立したものと推定する。

引用:電子署名及び認証業務に関する法律施行規則|e-Gov

ただし、電子署名法第2条第1項の規定により、電子署名は「本人が署名していること(本人性)」「改ざんされていないこと(非改ざん性)」の2つの条件を満たす必要があります。

4. 電子帳簿保存法

電子取引が普及した結果、領収書やレシートなどの証憑書類(国税関係書類)を電子データで受け取るケースが増えました。
これまでは電子データで受領した証憑書類を印刷し、書面で保管する必要がありました。証憑書類の電子データでの保存を認め、保存方法やルールを定めた法律が電子帳簿保存法です。

電子取引の証憑書類を保存するときのルールは、大きく分けて「真実性の確保」「可視性の確保」の2種類です。(※2)
真実性の確保とは、タイムスタンプなどを活用し、取引情報の改ざんを防止する仕組みを用意することを意味します。可視性の確保とは、取引情報をいつでも閲覧したり検索したりできるようにしておくことを意味します。
なお、2021年の電子帳簿保存法の改正により、電子データで受領した証憑書類は電子データのまま保存することが義務付けられました。

(※2)電子帳簿保存時の要件|国税庁

5. e-文書法

電子文書の保存についてのルールを定めた法律として、電子帳簿保存法のほかにe-文書法(民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律)があります。
国税関係書類を対象とした電子帳簿保存法に対し、e-文書法は人事関係の書類や医療情報に関する勝利など、より広い範囲の文書を対象とした法律です。電子帳簿保存法と同様に、e-文書法でも電子データの検索性の確保などのルールがあります。
電子契約を導入する場合は、電子帳簿保存法と合わせてe-文書法の内容を確認しておきましょう。

電子商取引を営む事業者は電子契約法の内容を確認しよう

電子契約法はネットショップやECサイトなど、電子商取引を営む事業者に関わる法律です。電子契約法が成立したことで、事業者は消費者の操作ミスや入力ミスを防ぐための手立てを講じることが必要になりました。

電子契約法は主にBtoC-ECを対象とした法律ですが、電子署名法や電子帳簿保存法、民事訴訟法などの法律はBtoB-ECの事業者にも深い関わりがあります。
消費者や取引先とのトラブル防止のため、電子契約に関わる法律や電子消費者契約法との違いを再度確認しておきましょう。

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