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レガシーシステムとは?意味や脱却方法・問題点をわかりやすく解説

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2023.09.06

2023.09.06

レガシーシステムとは、古い技術を使って構築されたシステムのことを言います。近年、企業のDX推進を妨げる要因として問題となっています。この記事ではレガシーシステムの意味や「2025年の崖」などの問題点、レガシーシステムから脱却するための方法など、レガシーシステムを理解するための基本をわかりやすく解説します。

レガシーシステムの意味と定義をわかりやすく解説

レガシーシステムとは、旧来の技術を使って構築され、老朽化が激しく、拡張機能の追加による部分最適によって肥大化、ブラックボックス化したシステムのことを指します。

レガシーシステムはその複雑さと属人化によって、DX推進を妨げる大きな要因であるとして問題となっています。

2018年に発表された経済産業省の「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」通称「DXレポート」では、企業がレガシーシステムを利用し続けることで2025年に最大12兆円もの経済損失を生むことが警告され、レガシーシステムの脅威が認識されるきっかけになりました。

2025年の崖を回避するためには、レガシーシステムを刷新する必要があるとされます。

レガシーシステムは、主に、1980年ごろに採用された汎用コンピューター(メインフレーム)やオフィスコンピューターを使用したシステムのことを指します。

2017年に一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)から発表された「デジタル化の進展に対する意識調査」によれば、レガシーシステムは以下のような特徴を持つシステムと定義されています。

①技術面の老朽化
②システムの肥大化・複雑化
③ブラックボックス化

引用:一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)「デジタル化の進展に対する意識調査」

また、この調査によれば、約7割の企業が老朽化したシステムがDXの足かせになっていると感じていると言います。老朽化、肥大化、ブラックボックス化のそれぞれの問題点については、後ほど詳しく解説します。

なぜ「レガシー」と呼ぶのか?レガシーは悪い意味?

「レガシー」(legacy)とは、英語で「遺産」を意味する言葉です。もともとは「過去から引き継いでいるもの」という意味で用いられます。「レガシーシステム」は、過去の技術を使い続けているシステムのため、「レガシー」という言葉がついてます。

英語の「legacy」の意味は「過去から引き継いでいるもの」であるため、本来の意味ではマイナスのイメージのある言葉というわけではありません。

しかし、ITやシステムなどの文脈で語られる場合、「レガシー」には「時代遅れのもの」、「過去の遺物」といったネガティブな意味が込められている場合が多いと言えます。

レガシーシステムの問題点とは?

過去の技術基盤で構成されたレガシーシステムを利用し続けると、企業にとってさまざまな課題が発生します。ここでは、レガシーシステムを持ち続けることの問題点について解説していきます。

業務効率の低下

レガシーシステムは最新技術に比べるとその性能は大きく劣ります。また、古いシステムをその都度部分最適で改修した結果、システムが必要以上に肥大化してしまっているため、処理に時間がかかります。処理速度が遅いと、業務の遅延や停滞をもたらす原因になります。

さらに、繰り返しおこなわれたカスタマイズによって複雑化したレガシーシステムは、一般的なシステムのマニュアルからは運用ルールがかけ離れていることもあります。運用が容易ではないことで、管理が属人化する懸念があります。属人管理をしていると、担当者が退職するなどのタイミングで社内で運用ノウハウが消失する危険性があります。

また、新しく運用ノウハウを習得するにも使いこなすまでに時間がかかり、結果的に会社全体の業務効率低下を招くことに繋がりかねません。

人的コストがかさむ

レガシーシステムは長年のカスタマイズによって複雑化しており、知識や技術を兼ね備えた人材がいない場合、運営していくには手間がかかってしまいます。

管理や運用がブラックボックス化していることで、保守などのシステムそのもののコストだけでなく、システムを運用するための人的コストもかさむ傾向にあります。

また、システムは時代の流れに合わせてアップデートする必要がありますが、老朽化しているレガシーシステムではそれに対応できない、活用しきれないといった問題も起こります。そうなると、ビジネスの機会損失も考えられます。

セキュリティリスクが高い

セキュリティ事故を防ぐためには、システムを常に最新の状態に保たなければなりません。

しかし、レガシーシステムを担当するエンジニアは年々減少しており、適切な更新やアップデートがおこなわれないまま稼働しているシステムは多数存在します。

レガシーシステムでは、年々進化を続けるセキュリティ攻撃に対抗するのは難しく、ハッキングによるデータ改ざんや情報漏洩などの被害を受ける可能性があります。

システム障害リスクの増大

レガシーシステムに最新のソフトやプログラムをインストールすると、キャパシティを超える処理能力を求められることがあります。その結果、頻繁にシステム障害が発生し、業務が滞る原因になります。

2025年の崖で指摘されるレガシーシステムの課題

レガシーシステムを使い続けることのリスクは、経済産業省が発表した「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」でも言及されています。「2025年の崖」とは、レガシーシステムを利用し続けることによって発生することが予測される経済損失のことです。

近年、政府が企業のDX化を推進しているのは、最新のデジタル技術を駆使して新たなビジネスモデルを展開する新規参入者が増加し、市場環境が変動しているためです。

レガシーシステムを利用し続ける企業は、爆発的に増加するデータをうまく活用しきれないため、必然的にデジタル競争に乗り遅れることになります。さらに、運用コストの増大やサイバー犯罪、システム障害のリスク増加などが重なった結果、深刻な経営不振に陥るおそれがあります。

日本の企業の9割以上は中小企業が占めていますが、中小企業の多くが、レガシーシステムの問題を抱えています。仮にレガシーシステムの問題を克服できなかった場合、レガシーシステムが起因のシステム障害による損失で、2025年以降、最大で毎年12兆円もの経済損失が生じる可能性があるといわれています。(※1)

こうした「2025年の崖」問題を克服するためには、各企業がレガシーシステムから脱却し、DXを推進していく必要があります。

(※1)DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~|経済産業省

 

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レガシーシステムからの脱却方法

2025年問題の克服および将来激化することが予測されるデジタル競争を生き抜くためには、レガシーシステムからの脱却を図る必要があります。レガシーシステムからの脱却方法は複数ありますが、代表的な手段として以下のような方法が挙げられます。

  • モダナイゼーション
  • マイグレーション
  • クラウドシステムの導入

ここではそれぞれの方法の概要や特徴を説明します。

レガシーシステムのモダナイゼーション

モダナイゼーションとは英語で「近代化・現代化」を意味する言葉です。IT分野においては、これまで蓄積してきたデータやプログラムを活かしながら、現在導入しているソフトウェアやハードウェアを最新のものに置き換えることを意味します。

「時代遅れのシステム」という意味の「レガシーシステム」に対して、新しい技術を用いてシステムを変化させる「モダナイゼーション」は、反対の意味を持つ用語として理解してよいでしょう。

モダナイゼーションの具体的な方法には以下のようなものがあります。

方法 詳細
リプレース レガシーシステムを最新システムまたは同等の能力を有する他システムに置き換える
リホスト 古いメインフレームやオフィスコンピューターのシステムを、クラウド上などに構築された新システムに移行させる
リライト 既存のソフトウェアと同等の機能をもつソフトウェアを構築し、新しいデバイスやOSに適用する

 

レガシーシステムのマイグレーション

マイグレーションとは英語で「移動・移住」などを意味する言葉です。IT分野においては、レガシーシステムや蓄積されたデータを別の環境または新しい環境に移行することを意味します。マイグレーションを実践するには、まず資産の棚卸しや要件の定義といった現状分析をおこなう必要があります。

その上で、システムを全面刷新してデータのみを新環境に移行する「リビルド」や、新たなプログラム言語への書き換えをおこなう「リライト」などを実施します。

レガシーシステムのクラウド化

モダナイゼーションやマイグレーションをスムーズに進めるためには、クラウドの導入が必要不可欠です。レガシーシステムのほとんどは自社内にサーバーを設置するオンプレミス型であるため、システムの保守・運用には多大なコストと手間がかかります。

しかし、クラウドサービスであれば、ベンターが運用しているサーバーを利用するため、メンテナンスやアップデートを自社でおこなう必要がありません。

企業は手間や時間をかけず、常に最新のシステムを活用できるため、レガシーシステムが抱えるリスクを一気に解消することができます。クラウドの利用には費用がかかりますが、レガシーシステムにかかる膨大な運用コストを考えると、むしろ経費節約につながる可能性が高いでしょう。

DXにおけるクラウドの活用については、こちらの記事でも詳しく紹介しているため、あわせて確認してください。

 

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システムのオープン化とは

レガシーシステムに関連して、もう一つ押さえておきたいのが「システムのオープン化」です。「システムのオープン化」とは、非公開の独自規格を持つメインフレームから、標準規格や公開仕様に基づいたシステムに変更することを言います。

はじめに、レガシーシステムは1980年ごろの技術に基づいて構築されたシステムであると説明しました。1980年代頃までは、システムの多くは各社の独自規格によって構築されるのが一般的でした

しかし、後に標準規格が策定されるようになり、互換性のある製品が作られるようになりました。この標準規格に基づいたシステムは「オープン系」のシステムと呼ばれます。

オープン系のシステムは、システムの追加・修正を簡単におこなうことができるため、独自規格のシステムに比べて柔軟性や拡張性に優れています。

そのため、独自規格で構築されたレガシーシステムを、オープンなシステムに置き換える(=オープン化する)動きが進んでいます。

レガシーシステムから脱却し、DXを推進しよう!

レガシーシステムを持ち続けることは、企業にとって大きなリスクにつながります。DXを推進するためにはまず、このレガシーシステムから脱却し、自社の状況や今後のビジネスモデルに合わせたものに変化させていくことが重要です。

また、DXを推進するためのポイントについては、こちらの記事でも解説しています。DXについてもっと詳しく知りたいという方は、こちらの記事もご覧ください。

 

DXの進め方7つのプロセスや注意すべきことを詳しく解説

世界中の市場が急速にデジタル化していく中、企業のDXの必要性はますます高まっているといわれます。 日本政府は経済産業省を中心に「DX推進ガイドライン」を発表してDXを後推ししていますが、未だにアナログな社内フローや事業モデルを維持する企業がDX化に取り組むといっても一朝一夕でうまくいくものではありません。 本記事では、DXの必要性や進め方やDXを進めていくうえでの注意点を紹介します。

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