領収書と明細の違いとは?明細なしの領収書は有効?

領収書と支払明細書について、どちらも同じような書類という印象をもっている人も多いかもしれませんが、両者はそれぞれ異なる役割を持った書類です。また、経費精算の際には領収書が必要なことが多いですが、領収書が発行されないような取引もあり、そんなケースでは支払明細書を領収書として利用できるかどうかが、気になるところです。本記事では、領収書と支払明細書の違い、支払明細書は領収書として使えるか、領収書の明細を切り取っても有効かなどについて、説明します。

更新日:2022.5.27

領収書と支払明細書の違い

領収書は、商品やサービスを提供する側にとっては、商品やサービスを提供する対価としてお金を受け取ったということを、証明するための書類です。一方、商品を購入したりサービスを利用したりする側にとっては、商品の購入やサービスの利用にあたって、確かにお金を支払ったということの証明になる書類です。


金銭又は有価証券の受取書や領収書は、印紙税額一覧表の第17号文書「金銭又は有価証券の受取書」に該当し、印紙税が課税されます。受取書とはその受領事実を証明するために作成し、その支払者に交付する証拠証書をいいます。

引用:金銭又は有価証券の受取書、領収書|国税庁

上記のように、国税庁では領収書について「金銭または有価証券の受取書」と定めています。つまり、商品やサービスの提供者と利用者の間で金銭などの授受がおこなわれたことが証明できるものであれば、それらはすべて「領収書」として認められます。そのため、レシートや納品書なども領収書の一種と判断することができます。

これに対して支払明細書は、金銭のやりとりを伴う取引が発生した際に、取引内容と金額をお互いに確認するために発行される書類です。取引代金の内訳やどういった取引に対する支払いか、取引をおこなう両者や取引自体に関する詳しい内容などが記載されます。

ここからわかる領収書と支払明細書の違いは、「書類が発行される時点で支払いが完了しているかどうか」です。
領収書はあくまでも、すでに完了した支払いに関して、「確かに支払いがおこなわれた」ということを証明するための書類です。


一方の支払明細書は、今からおこなわれる取引に対して詳細な内容が記載された書類です。つまり、実際に支払いの前に発行されるのが支払明細書で、支払いが終わった後に発行されるのが領収書ということになります。領収書や支払明細書と混同されやすい書類としては、請求書や領収証も挙げられます。それらとの違いについても、以下で説明します。

領収書および支払明細書と請求書の違い

請求書は、実際に支払いがおこなわれる前に発行される書類という点では、支払明細書と同じといえます。ただし、支払明細書が取引などの詳しい情報を記載することで、双方がその内容を確認することを主な目的としているのに対して、請求書では支払いを求めることを主な目的としています。支払明細書と請求書の違いは、「支払いの要求があるかどうか」と考えるとわかりやすいでしょう。

領収書および支払明細書と領収証の違い

領収書と領収証は表記もほぼ同じですが、実際の用途にもほぼ違いがなく、両者とも民法上では「受取証書」に含まれます。あえて違いを挙げるとすると、領収書が「金銭の授受があったことを示すための書類」、領収証が「金銭の授受を証明するもの」ということができますが、意図的に異なるように説明した場合でも、意味はほぼ同じです。そのため、同じ書類に対してある人が「領収書」といい、別の人が「領収証」ということもありえます。

支払明細書は領収書として使える?

上述したように領収書は、金銭の授受があったことを証明するための書類なので、経費精算などをおこなう場合には領収書が必要なケースが多いです。しかし、すべてのケースで領収書を発行してもらえるとは限りません。たとえば以下に挙げるようなシーンでは、領収書が発行されないことが一般的です。

  • 電車やバスなどの公共交通機関を利用した
  • 取引先に祝儀や香典を渡した
  • 自動販売機で飲み物を購入した
  • クレジットカードや電子マネーなどでキャッシュレス決済をおこなった

このように領収書が発行されないケースでは、確かに支払いをおこなったということを何らかのかたちで証明できれば領収書の代わりに利用できる場合もあります。支払い先や日付、金額、支払い内容の4点が確認できる書類があれば、領収書の代わりとして利用することが可能で、クレジットカードを利用した際の明細書などはこの条件を満たします。同様に支払明細書も、取引について詳細な情報が記載され、領収書の代わりとなる条件を満たしている場合には、領収書の代わりとして利用することが可能です。

領収書の明細を切り取っても有効になる?

領収書の中には明細が一緒になっているものもありますが、購入した商品の数が多いと、明細部分が長くなってしまうこともあります。書類として提出する際に、あまりに長すぎると扱いにくいため、明細の部分だけ切り取って処理するようなケースもあるようです。しかし、こうした処置を施した領収書が有効かどうかは、疑問が残るところかもしれません。

結論から言えば、明細を切り取ったものであっても領収書としては有効です。ただし、これはあくまで可能であるというだけで、できれば明細は切り取らないほうがよいといえます。

税務調査などの際に、何を購入したか、詳細が明らかになっていたほうが望ましいからです。また、明細を切り取ることによって、不都合な内容を隠していると疑われてしまう可能性も否定できません。領収書の明細は切り取っても有効とはいえ、なるべくそのままの状態で保管しておくのが望ましいといえるでしょう。

領収書と支払明細書の違いをきちんと把握しておこう

領収書と支払明細書は似たようなニュアンスの書類ですが、その役割は大きく異なり、領収書は「金銭の授受があったことを示すための書類」です。一方の支払明細書は、「金銭のやりとりを伴う取引が発生した際に、取引内容と金額をお互いに確認するために発行される書類」です。


取引によっては領収書が発行されないこともありますが、その場合は支払明細書を領収書の代わりに利用することができます。領収書と明細が一つになっているような書類の場合、明細部分を切り取っても領収書として利用することは可能です。

ただし、税務調査が入った際に書類が一部切り取られていると、税務署の職員が不審に思う可能性は否定できません。なるべく切り取らずに、そのままの状態で保管しましょう。

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