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Web会議で取締役会を開催する方法や4つの注意点を解説

Web会議システム

2023.05.31

2023.05.31

新型コロナウイルスの流行により、急速に会議のオンライン化が進んでいます。そのため、取締役会をWeb会議で開催することを検討する企業もあるでしょう。従来の開催方法とWeb会議を用いた方法では、開催の手順や注意すべき点が異なります。そこで今回は、取締役会でWeb会議を利用する際に、気をつけるべきことや開催の手順について解説します。

取締役会をWeb会議で開催するときの基本

Web会議を利用して取締役会を開催するときは、会社法に則った対応が必要です。開催場所や議事録など、Web会議では通常の会議と対応の異なる部分があります。

ここでは取締役会をWeb会議で開催する際に知っておきたいことを、会社法施行規則にもとづいた基本事項について解説します。

会社法の規則・規定

そもそも会社法とは、会社の経営や組織の仕組みに関して定められた法務省が所管する法律です。取締役会も会社経営に関わるものなので、開催に関する事項が会社法で定められています。

また、会社法に関する会社法施行規則や会社計算規則、電子公告規則と呼ばれる省令もあります。取締役会に関する詳細な規則は会社法、または会社法施行規則に記されています。

取締役会をWeb会議で開催するときも、会社法と会社法施行規則に則って開催する必要があります。

Web会議を使用した取締役会が可能な条件

取締役会は、Web会議を使用して開催することが可能です。

会社法施行規則第百一条3項一号には、議事録作成に際して「当該場所に存しない取締役などが取締役会に出席した場合における当該出席の方法を含む」場所の記載を求めています。[注1]
つまり、取締役会の開催場所へ行けないメンバーの代替方法として、Web会議を利用することが可能であると解釈できます。

ただし会社法に則り、以下の条件をクリアしなくてはなりません。

  • 従来の開催場所として本社会議室や議長の所在地が必要
  • 一堂に会する取締役会と同様に意思疎通が可能な状況であること

会社法施行規則第百一条3項一号では、本来の開催場所に参加できないメンバーに対して、ほかの方法を用意して参加することが可能であると解釈されます。そのため、議事録に記載する開催場所として、本社会議室や議長の所在地などが必要です。

またWeb会議の開催条件として、通常の取締役会と同様に意思疎通のできる環境が求められます。1対1で電話が可能なだけでは不十分で、出席者全員と音声や映像によってリアルタイムで議論できる必要があります。

招集通知

招集通知とは、全取締役および監査役に取締役会の開催を通達する通知です。開催の1週間前に通知するのが基本ですが、取締役会規則で期間の短縮や省略もできます。

Web会議で取締役会をおこなう際も、一堂に会する場合と同様の方法で招集を周知します。

議事録

Web会議で取締役会をおこなった場合でも、議事録の作成は必要です。取締役会の議事録には、主に次の項目を記載しなくてはなりません。

  • 開催日時
  • 開催場所
  • 出席者
  • 議長
  • 議事の経過・結果

Web会議では出席者の参加場所が異なるため、どこを開催場所にするか迷うかもしれません。

この場合、議長の所在場所を開催場所として記載する方法と、本社会議室や平時の再開場所を設定する方法があります。Web会議ではなく、現地で会議に参加しようとしたときに参加できる場所を開催場所とします。

Web会議で取締役会を開催する際の手順

Web会議で取締役会を開催する際は、大きな流れは通常の取締役会と同じですが、Web会議での開催承認が必要であるなど、多少手順が異なります。

ここでは、開催の手順を5つのステップで解説します。

1. Web会議開催の承認

取締役会をWeb会議で開催するときは、全取締役からの承認が必要です。Web会議で開催することで、1人でも取締役会への参加を妨げる要因となってはいけないため、まずは全員から承認をとりましょう。

2. 招集通知

取締役会の開催日の1週間前に、招集権者は招集通知をおこなう必要があります。

招集の時期と必要性については、会社法第三百六十八条に明記されていますが、通知方法に定めはありません。[注2]
書面やEメールはもちろん、口頭で通知しても法令上は問題ありません。しかし、取締役会の規則にて招集方法が定められている場合は、規則どおりにおこなう必要があります。

また全取締役および全監査役が同意したときは、招集手続きは不要です。あらかじめ定例日と定例場所を決めて同意を取っていれば、招待通知をしなくてもよいと一般的に解釈されています。

3. 開催

取締役会をWeb会議で開催する際は、取締役同士の協議や意見交換が両方向からおこなえることが条件です。つまり、音声や映像がリアルタイムで双方に伝わる必要があります。

そのためWeb会議で取締役会を執りおこなうときは、リアルタイムでやりとりできるWeb会議システムなどのツールを用意しなくてはなりません。

4. 議事録の作成

取締役会を開くときは、Web会議であっても議事録の作成が義務付けられています。

議事録は書面である必要はなく、電磁的記録でも可能です。電磁的記録とは、一定の情報を確実に記録しておけるCD-ROMやハードディスクなどを指します。

電磁的記録で議事録を作成するときは、取締役会の出席者の電子署名が必要です。電子署名は、署名または記名押印に変わる措置として会社法施行規則に記されています。

5. 登記手続き

Web会議による取締役会で決議された事項について、登記しなくてはならない事項があるときは、登記手続きをおこないます。登記申請にかかる書類もオンライン提出が可能です。

また申請情報だけをオンライン申請し、添付書類は書面で提出する方法もあります。Web会議で開催した取締役会の登記事項については、自社にあった方法でおこないましょう。

Web会議で取締役会を開催する際の4つの注意点

Web会議を用いて取締役会を開催するときは、一堂に会して開催する場合とは異なる手順のため注意が必要です。Web会議を選択する決定権や議事録の署名など、Web会議での注意点を理解しておきましょう。

ここでは、取締役会をオンライン開催するときに注意したいポイントを4つ紹介します。

1. Web会議を用いることの決定権

Web会議を利用するか否かは、招集権者に決定権があります。会社法第三百六十六条によると、取締役会は招集権者によって開催日時や開催場所の通知がおこなわれるためです。

ただし特定の取締役の参加を阻むために、Web会議での参加を拒否することは決議に影響を及ぼすため好ましくありません。

2. 議事録には署名が必要

Web会議であっても、議事録には出席者の署名あるいは記名押印が必要です。議事録を書面ではなく電磁的記録として作成する場合は、電子署名を従来の署名に変えられます。

取締役会の開催前に、署名方法についても確認しておきましょう。

3. 会議中の通信トラブルへの対策が必要

Web会議では、音声や映像の途切れるトラブルが問題となるため、その対策をとる必要があります。

ホストとなる開催場所での機材整備だけでなく、出席者のインターネット環境が整っているかも確認しなくてはなりません。通信トラブルや機材トラブルによってコミュニケーションがとれないと、前述の開催条件「一堂に会する取締役会と同様に意思疎通が可能な状況である」を満たさない可能性があります。

4. Web会議システムの脆弱性を理解する必要がある

取締役会をWeb会議でおこなうときは、使用するシステムの脆弱性について理解しておきましょう。

オンラインで開催する場合、パスワードが漏れたり、第三者に取締役会を盗み見られる可能性があります。Web会議システムを使うデメリットを理解して対策をとったり、セキュリティ面で安心して使えるシステムを選択したりといった方法をとりましょう。

Web会議システムの選び方について、詳しくは後述します。

Web会議で取締役会を開催するメリットはあるか

取締役会をWeb会議で開催すると、一堂に集まる方法とは異なるメリットが得られます。Web会議を利用するときのメリットは、主に以下のとおりです。

  • 開催場所に集まる必要がない
  • 省スペースでの開催が可能
  • コスト削減になるケースも

それぞれのメリットについて、詳しく説明します。

1. 開催場所に集まる必要がない

取締役会をWeb会議で執りおこなえば、開催場所に全取締役が集まる必要はありません。取締役が遠方にいる場合は移動の手間がなくなります。

たとえば、会議などの予定が立て込んでいる場合でも、移動時間がかからないため、予定の調節がしやすくなるでしょう。

また出席にかかる交通費や宿泊費などのコスト削減にもつながります。自宅からでも外出先からでも、取締役会に出席しやすくなることが、取締役会をWeb会議でおこなうメリットです。

2. 省スペースで開催できる

取締役会をWeb会議でおこなうときも、会議室などの開催場所の確保は必要です。しかし多くの出席者はWeb会議で出席することが見込まれるため、従来のように広い会議室を用意する必要はありません。

Web会議で出席しない人も現地で参加できるような仕組みになっていれば、会社法上は問題ないと解釈されています。つまり全員がWeb会議システムを使って出席し、開催場所が最低限のスペースであっても問題はありません。

3. コスト削減できる

取締役会には会議室や飲み物などのほかに、資料の印刷代といった経費がかかります。また机や椅子を並べたり、機材を用意したりする人件費も必要です。

しかしWeb会議で取締役会を開催すれば、大きな会議室は必要なく、資料の準備もいりません。Web会議システムのコストはかかりますが、人件費のコストも削減できるため、結果的に取締役会のコスト削減につながるケースもあるでしょう。

取締役会を開催するのに適したWeb会議システムの選び方

進行をスムーズに進めるためにも、取締役会を開催するのに適したWeb会議システムを選びましょう。紹介する選び方を参考に、Web会議システムを選んでみてください。

通信が安定している

取締役会の開催で使用するWeb会議システムは、とくに通信の安定性が重要です。

通信が不安定では、オンライン開催の取締役会に必要な双方性がなくなるため、会社法の開催条件に反してしまいます。出席者全員の音声や映像がリアルタイムでやりとりできることが、取締役会をWeb会議で開催するときの条件です。

Web会議システムを安定性で選ぶときは、使用する回線も確認しましょう。インターネット回線は不安定な面も持ち合わせているため、回線速度や回線の安定性を比較し、最適なプロバイダを選びましょう。また、無線LANを使用するか有線LANを使用するかでも、通信の安定性が異なります。一般的に有線のほうが、無線よりも通信が安定します。

出席者のインターネット環境と、使用するWeb会議システムの推奨環境を確認して必要な機材を揃えましょう。

セキュリティ対策が万全

取締役会では、企業経営における重要事項の議論をおこないます。そのため、使用するWeb会議システムのセキュリティ対策が求められます。

Web会議システムを選ぶときに確認したいセキュリティ対策は、以下のとおりです。

  • 通信を暗号化しているか
  • セキュリティコードで接続できるか
  • IPアドレス制限ができるか

取締役会を第三者に覗かれないためには、通信の暗号化は必須のセキュリティ対策です。SSL暗号化やAES暗号化などで通信を暗号化し、盗み聞きのリスクを減らします。

Web会議システムでは接続の際に、セキュリティコードの必要なものが大半です。誰でも接続できるシステムもありますが、取締役会のためのWeb会議システムには向いていません。あらかじめパスワードを出席者に通知してログインしてもらうことで、第三者が勝手に入室するリスクを減らすことができます。

さらにWeb会議システムのなかには、IPアドレス制限の機能をもったものもあります。IPアドレスとは、各デバイスに与えられたインターネット上の住所の役割をする識別コードです。IPアドレス制限があれば、セキュリティコードを知った第三者が勝手に取締役会を覗き見ることも防止できます。

資料の共有方法が複数ある

取締役会で使用する資料は電子メールで事前配布できますが、会議中に資料のどの部分を指しているかわかりにくくなることが、Web会議のデメリットです。

そこでWeb会議システムを選ぶときは、資料画面の共有機能のあるシステムを選ぶとよいでしょう。出席者全員が、資料のどの部分を協議しているか理解し、取締役会を勧める必要があります。

参加予定人数が参加できるか

それぞれのWeb会議システムには、参加できる人数が限られています。無料のWeb会議システムでは1対1の会議しかおこなえないものもあります。

取締役会の全員が参加できるように、参加人数の制限を確認しましょう。

Web会議で取締役会を開催するときは適したツールを使おう

Web会議システムを用いて取締役会を開催する際は、以下の注意点に留意しましょう。

  • Web会議での開催の決定権は招集権者にある
  • 議事録には出席者の署名が必要
  • 通信トラブルへの対策を用意する
  • システムの脆弱性を理解しておく

取締役会をスムーズに執りおこなうには、Web会議システムの選定が重要です。出席者のインターネット環境を整備し、通信トラブルが起こりにくい環境を作りましょう。

Web会議システムのなかには、専用回線を用いて安定した通信を実現しているものもあります。システムを選ぶ際は、回線の種類も確認するとよいでしょう。

また第三者に取締役会を盗み聞きされないように、セキュリティ対策が万全なWeb会議システムを選びます。通信の暗号化・セキュリティコードによる接続・IPアドレス制限などの機能をもった、Web会議システムがおすすめです。

[注1]会社法施行規則|e-Gov法令検索
[注2]会社法|e-Gov法令検索

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