ウェビナー成功のコツとは?6つの秘訣を解説
Web会議システム
2023.05.30
2023.05.30
働き方改革や新型コロナウイルスにより、「ウェビナー」が注目を集めています。「インターネット上でセミナーをするだけ」と思われがちです。しかし、対面でのセミナーのノウハウをそのまま使っても、参加者に満足感を与えられることは難しいでしょう。ウェビナーのメリットを最大限に活かし、デメリットを補ったかたちで開催する必要があるのです。今回は、ウェビナー開催を成功に導く6つのコツや注意点を解説します。
ウェビナーを成功に導く6つのコツ
対面でのセミナーとウェビナーでは講師と参加者とがインターネットを介してWeb会議システムを使用してつながります。
つまり、Web会議システムの仕組みを理解して活用できないと、せっかくウェビナーを開催しても、参加者にかえってネガティブな印象を与えてしまうこともあるのです。
ここでは、インターネットやWeb会議システムの仕組みを踏まえたうえで、ウェビナーを成功に導く6つのコツを紹介します。
1. ウェビナーの目的やターゲットを絞る
ウェビナーは目的によって内容が異なります。たとえば、商品やサービスを購入してもらうことが目的なのであれば、商品やサービスの魅力を詳細に説明して購買意欲を高めることが重視されます。
一方、見込み顧客の獲得が目的の場合は、幅広い層に興味を持ってもらえるようなコンテンツを提供し、メールアドレスや電話番号などの連絡先を入手することを目指すほうが良いでしょう。
ターゲットとする層によって必要な対策や宣伝方法なども変える必要があります。たとえば、インターネットに慣れている20~30代の方向けのウェビナーを開催する場合はWeb会議システムの使い方についての説明は不要です。
しかし、インターネットに不慣れな60代の人を対象としたウェビナーなら、Web会議システムの使い方の資料を事前に配布しておく、問い合わせ窓口を知らせておく、会場とWebで同時におこなうハイブリット型で実施する、などの対策が必要です。
また、20~30代の人には身近なSNSも、60代の人は使っていないという人も多いので、メールやDMなどでアプローチするといった方法も検討しておくべきでしょう。
2. 運営側のインターネット環境を整える
どれだけウェビナーの内容が素晴らしくても、インターネットに不具合が生じると参加者に届けることはできません。ウェビナーを開催する際には、事前にインターネット環境を確認しておきましょう。
チェックすべき点は、以下の3つです。
インターネット回線速度
Web会議システムにはそれぞれ推奨される回線速度があります。
社内LANの負荷
社内LANのネットワークに負荷がかかるアップデートやセキュリティ更新などをウェビナー中に実施するのは避けましょう。
回線速度に合わせたWeb会議システムの導入
回線速度が遅くなっても、画質を下げるなどして通信を維持できるWeb会議システムを導入しておくと、回線が不安定になったときにもウェビナーを継続できます。
3. ウェビナーの司会は参加者との相互交流を大切にする
対面でのセミナーと違い、ウェビナーは参加者が飽きるとすぐに離脱してしまうというデメリットがあります。そのため、司会は参加者が飽きないよう、参加者一人ひとりと双方向の交流を図りながらウェビナーを進めていく必要があります。
また、必要に応じて講師の話に合いの手を打つ、わかりにくい箇所は「こういうことですか」と確認する、参加者に対して「ここまでの説明でわからない点はございますか」と問いかけるなど、参加者と講師との間をつなぐ働きかけをおこなうことも大切です。
4. 講師は「どう見られているか」に気を遣おう
ウェビナーでは対面でのセミナーよりも講師の姿が大きくはっきりと参加者の目に映ります。そのため、いつも以上に「どう見られているか」を意識して行動する必要があります。
外見を整える
第一印象を決めるものといえば、やはり外見です。清潔感はもちろん、自分が与えたいイメージを伝えられる服装を選びましょう。たとえば、誠実なイメージを伝えたいならネイビーのスーツが好ましく、落ち着いた雰囲気を出したいならグレーのスーツがおすすめです。
表情やジェスチャーを大げさに
講師の上半身しか映さないウェビナーは画面の動きが少なく、参加者の注意が逸れやすくなります。表情やジェスチャーを大げさに取り入れ、動きをつけるよう意識しましょう。
なお、緊張していると無表情になりがちです。講師が無表情では、参加者は不安感や不快感を抱き、ウェビナーへの満足度が低下してしまいます。笑顔で話すよう心掛けましょう。
カメラの設置位置にも気を配る
ノートPCに内蔵されているカメラを使うと、講師の顔を下からのアングルで映すことになります。上から目線になってしまうため、印象が悪くなってしまうこともあります。PCスタンドでノートPCの高さを調節したり、外付けのカメラを活用したりと、カメラを設置する位置も考慮しましょう。
5. 短くわかりやすい話し方を心掛けよう
ウェビナーでは参加者の環境によって、音質が悪かったり、音が途切れたりといったトラブルが起こります。また、ウェビナーを受けながら別の作業もできてしまうため、対面のセミナーより参加者の集中力も低くなっています。
そのため、だらだらと長く話していると、話についてこられない参加者が不満を抱え、途中で離脱してしまいます。要点を短くまとめ、はきはきと伝えるようにしましょう。考えながら話すと冗長になりやすいため、事前に台本を作っておくのがおすすめです。
また、伝えたいメッセージをしっかり届けるために、以下のようなフレームワークを使ってみましょう。
PREP法
Point(結論)、Reason(理由)、Example(例)、Point(結論)の順で話す方法です。
「結論」を最初と最後に示すため、参加者に最も伝えたい内容を伝えやすくなります。
SDS法
Summary(概要)、Detail(詳細)、Summary(まとめ)の順で話す方法です。
3回にわたって同じ情報を繰り返し伝えるため、参加者の記憶にしっかり残したい内容を話すときに役立ちます。
TAPS法
To Be(理想)、As Is(現状)、Problem(問題)、Solution(解決)の順で話す方法です。
参加者が目指す理想の姿を提示し、そこに至るための解決方法を具体的に示すときに役立つフレームワークです。自社の商品やサービスを案内するときに活用できます。
6. ウェビナーでのプレゼン資料は視覚的にわかりやすいものを用意する
ウェビナーはスマートフォンで参加する人もいるため、プレゼン資料は小さな画面からでも見やすく仕上げる必要があります。
スライドを作成する際には、以下の3点を意識しましょう。
- 1つのスライドに1つのメッセージを入れる
- シンプルでわかりやすい図表を使う
- 文字サイズは大きめにする
また、参加者が飽きてしまうのを防ぐためにアニメーションで動きをつけたり、動画や画像で変化をつけたりと工夫するのもおすすめです。
ウェビナー開催後のポイント
ウェビナーは開催して終わりではありません。目的に合ったウェビナーが開催できたかどうかを確認すると同時に、ウェビナー参加者を商談成立に向けた次のステップへ誘導するなど、適切なかたちでフォローすることが大切です。ここでは、ウェビナー開催後に押さえておくべきポイントについて解説します。
参加者のデータを収集して分析する
まずはウェビナー参加者のデータを見てみましょう。ウェビナーで得られる参加者のデータは次の2つです。
アンケート
アンケートはWeb会議システムのチャットやお礼メールにURLやQRコードを載せ、参加者全体に広く配布します。
ウェビナーのアンケートでは、参加者の氏名、年齢、連絡先などのプロフィールのほか、今回のウェビナーの満足度や不満点、今後のウェビナーへの要望、商品やサービスの案内についての希望の有無などのデータを収集できます。
得られたデータから「今回開催したウェビナーのターゲット層にアプローチできていたか」「ウェビナーの目的に見合ったコンテンツを提供できていたか」を分析することが可能です。
アンケートの回答率を高めるためには、以下のような工夫ができます。
- ウェビナー中に回答を求める
- 回答してくれた人に回答特典をつける
- アンケート項目の数を絞る
ウェビナーでのアンケートについて、こちらの記事でも詳しく解説をしています。
視聴データ
Web会議システムを使ったウェビナーでは「視聴データ」も収集できます。
視聴データとは、参加者がウェビナーに参加した時間や退室した時間の記録のことです。このデータを確認することで「ウェビナーのどの部分で離脱が生じたか」を分析できます。
また、最後までウェビナーを視聴していた参加者は内容に強い興味を抱いていることがわかります。したがって、次のウェビナーに声をかけたり、営業メールを送ったりと積極的なアプローチも可能となるでしょう。
得られた「アンケート」や「視聴データ」をまとめて、優先的にアプローチすべき人のリストを作成しておくと営業活動を効率的に進められます。
関心のある人にアプローチする
ウェビナーに参加してくださった人は、見込み顧客になりますから、できるだけつながりを維持し、商談へのステップへと誘導しましょう。
また、欠席した人にも連絡を取り、適切にフォローすれば、次回のウェビナーへの参加意欲を高めることができます。ここでは、ウェビナー参加者と欠席者それぞれへのアプローチ方法を紹介します。
参加者へのお礼メール
まずは参加者全員にお礼メールを送ります。その際に次回のウェビナーやイベントの開催予定を盛り込んでおくと、参加者との関わりを深めるのに役立ちます。
また、アンケートや視聴データなどから「関心が高い」と判断できた参加者に対しては、自社サービスの詳細な資料や商談予約の案内を送付しても良いでしょう。
欠席者へのメール
ウェビナーを欠席した人もウェビナーの内容には興味を持っていたはずです。次のウェビナーには参加してもらえるようメールを送りましょう。
アンケートも添付し、回答特典としてウェビナーの資料や録画データをつけると、反応が良くなります。
電話によるフォロー
アンケートで「商品やサービスの案内を希望している」と回答した方には、電話でのフォローも効果的です。
メールとは違い、参加者一人ひとりとじっくり話せるため、意欲が高い相手であれば商談成立の可能性を高めることができるでしょう。
ウェビナーを運営するにあたっての注意点
ウェビナーでは「インターネット」や「機材」を介して参加者にコンテンツを提供します。そのため、インターネットや機材のトラブルが発生すると、参加者とのつながりが絶たれ、ウェビナーの続行が難しくなります。
また、具体的なモノではなくデータをやりとりするウェビナーだからこそ、情報の管理も対面のセミナー以上に気をつけなければなりません。ここでは、ウェビナーを運営する際に注意したい3つのポイントを紹介します。
参加者のインターネット環境に注意する
ウェビナーの運営者側がどれだけインターネット環境を整えても、参加者側のインターネット環境が不十分では、ウェビナーを届けることができません。
事前に安定した回線速度が得られるWi-Fiの利用を推奨するとともに、どうしてもインターネット環境が不安定で参加できない人には、後日録画データなどを提供してフォローするなどの対応を検討しておきましょう。
また、参加者が余裕をもって準備できるよう、使用するWeb会議システムや視聴用のURLなどの情報を早めに送っておくことも大切です。ウェビナーのリマインドもかねて遅くとも前日には送付するようにしましょう。
事前にリハーサルをおこなう
ウェビナー当日に「映像が流れていない」「音が出ない」などのトラブルが起こると、参加者が離脱してしまいます。事前にリハーサルをおこない、以下のようなことを確認しておきましょう。
- 運営者側のインターネット環境に問題はないか
- カメラの位置や映像の明るさに問題はないか
- マイクの音量や音質は適切か
- 画面の切り替えやチャット機能の操作はスムーズにできるか
- 予定した時間に終了できるか
ウェビナーの内容が流出する可能性を考慮する
ウェビナーでは参加者が録画やスクリーンショットでデータを手元に残す可能性があります。事前に「録音や録画はしないこと」と注意喚起すると共に、万が一、社外に流出しても困らない資料を使うようにしましょう。
また、画面共有の際にプライベートがわかってしまうデスクトップやファイルが映ったり、チャットツールやメールの通知文に社外秘の内容が記載されていたりといったことも起こり得ます。
ウェビナー開催時には余計な情報は削除し、各種ツールの通知は切っておきましょう。
参加者が録画していた場合、対面のセミナーでは聞き流されるような司会や講師の不用意な発言も記録として残ってしまいます。
仮に冗談のつもりでも、録画された映像が流出すると深刻な問題に発展してしまうこともあります。不適切だったと気づいた時点で言い訳せずにはっきりと謝罪しましょう。発言した本人は気づけないこともあるので、周りのスタッフがサポートしましょう。
ウェビナー開催を成功に導くのは共感と視覚情報
ウェビナーは対面のセミナーと違い、講師と参加者が同じ空間にいないため、「一方的に話されている」という印象を与えがちです。
また、対面のセミナーでは講師だけでなくスクリーンや手元の資料など様々な視覚情報がありますが、ウェビナーでは画面を動かずにじっと見つめることになり、退屈さを感じやすくなります。そのため、ウェビナーを開催する際には、参加者に「共感」と「視覚情報」を届けることが必要です。
参加者に「共感」を与えるには、以下の点を大切にしましょう。
- ウェビナーの目的やターゲットを絞る
- 短くわかりやすい話し方で参加者にしっかり内容を伝える
- 相互交流の場となるよう司会から積極的に働きかける
また、以下のように、参加者が心地良く興味を持てる「視覚情報」を提供するよう努めましょう。
- 運営のインターネット環境を整えて映像や音声を問題なく届ける
- 講師の服装や髪型など「どう見られているか」に気を遣う
- プレゼン資料はわかりやすくまとめる
従来の対面でのセミナーで当たり前におこなっていたことに追加して、これらのことに気を配り、ウェビナーを成功させましょう。
企業のみなさまへ
あなたもDXログにサービスを掲載しませんか?
あなたもDXログに
サービスを掲載しませんか?