ウェビナーの開催手順や案内方法・費用目安を詳しく紹介
政府によるテレワークの推奨など、ビジネスやプライベートのオンライン化が進んでいます。以前は対面でおこなっていたセミナーも、Web上でおこなわれることが多くなりました。現在では、Web上でおこなうセミナーは、「ウェビナー」といわれます。イベント
政府によるテレワークの推奨など、ビジネスやプライベートのオンライン化が進んでいます。以前は対面でおこなっていたセミナーも、Web上でおこなわれることが多くなりました。現在では、Web上でおこなうセミナーは、「ウェビナー」といわれます。
イベント自粛が続くなか、今後ウェビナーを導入したいと考えている企業も多いでしょう。「費用がかかるのではないか」「どうやって開催すればいいかわからない」など、これまでとは異なる形式に戸惑うかもしれません。
本記事では、ウェビナーの開催手順を5ステップに分け詳しく解説します。そのうえで、ウェビナーにかかる費用や、知っておきたいノウハウを紹介します。
ウェビナーの開催手順は5ステップ
ウェビナーを開催するときは、最初に企画と準備が必要です。
まずは、ウェビナーを開催する目的を明確にし、ターゲットとコンセプトを決めましょう。その後、目的に合わせたツールを選びます。
ツールによっては、用途に適していないものもあるため、慎重に選ぶ必要があります。たとえば、社内向けのウェビナーでは、何度も繰り返して視聴できるように録画機能や、録画データのダウンロード機能のあるツールが便利です。
ここでは、ウェビナーを開催するまでの手順を、5つのステップに分けて解説します。
ステップ1. ウェビナーの企画
ウェビナーを開催するときは、まず企画を作り、「誰向けに(ターゲット)」「どのような目的で(コンセプト)」おこなうのかを明確にします。たとえば、「自社の従業員向けに、役職研修としてスキルを高めるためにおこなう」といった具合です。
顧客向けの場合は潜在顧客、顕在顧客、見込み顧客のそれぞれで適した内容やウェビナーの形式が異なるため、最初に目的を明らかにしておきましょう。
ステップ2. ツールの選定と契約
対象者と目的をはっきりとさせたら、次は「どんな方法で」開催するかを考えます。
ウェビナーには、ライブ配信や録画配信などのやり方があるため、どの方法が適しているかを考えて選びましょう。
ウェビナー用ツールを選ぶポイント
ウェビナー用ツールを選ぶ際は、以下表のようなポイントを押さえておきましょう。
ライブ配信は進行しながら参加者の質問に答えるなど臨場感を演出できるので、顧客向けの有料ウェビナーに適しています。
対して録画配信は繰り返し配信できるため、社内研修や無料のウェビナーに適しています。
配信方法 | 特徴 | 適した場面 |
---|---|---|
ライブ配信 | 臨場感が出る1度しか見られないプレミアム感を演出することができる | 顧客向け有料ウェビナー |
録画配信 | 繰り返し配信できる | 社内研修、無料ウェビナー |
ウェビナー用ツールのコミュニケーション機能
また、ウェビナー用のツールにはさまざまな機能が付いています。とくに重要なコミュニケーション機能を紹介します。
コミュニケーション機能 | 特徴 | 利用場面 |
---|---|---|
チャット機能 | テキストを利用し、ホストと参加者がコミュニケーションをとることができる | 質疑応答など、参加者からの発言を求めるとき |
リアクション機能 | ホストの呼びかけに対する、参加者の反応がわかる | 参加者を指名するときや、挙手による反応を見たいとき |
アンケート機能 | ウェビナーに関するアンケートをとることができる | 開催後に参加者の意見を聞き、今後に活かしたいとき |
ウェビナーのツールについて、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
ステップ3. 登壇者やスタッフのアサインや準備
ウェビナー開催のステップ3では、コンセプトとターゲットに合った登壇者をアサインします。これは、ツールの選定と同時に進めて問題ありません。
登壇者を務めるのが社内のメンバーである場合、登壇することを前提に内容の打ち合わせから始めます。
一方、社外の人に登壇を依頼する場合、ウェビナーの開催趣旨を説明して出演の許可をもらうところから始まります。断られることも想定して、複数名の候補を選んでおくと良いでしょう。
開催日時に関しては、登壇者の都合に合わせて設定するとアサインがしやすくなります。
ただ、開催が数カ月後など余裕がある場合は、スケジュールが確保しやすいため、先に日時を決定しておいても問題ありません。
またウェビナーを告知する前に、誇大広告にならないかなど、告知の内容や方法についても共有しましょう。その後はウェビナーの登壇方法など、細かい部分を決めていきます。
ステップ4. 開催の通知
ウェビナーの対象者や目的、配信する方法を決めたら、開催の通知をします。
告知の範囲によって、SNSやダイレクトメールなどの集客手法を使い分けましょう。ウェビナーの開催通知をおこなう際は、当日のアクセス方法を明瞭にすることが重要です。
新規顧客を対象とするときは、離脱を防ぐためにアクセス方法が簡単であることも、ツール選びのポイントになります。ウェビナーの案内方法についての詳細は、後述します。
ステップ5. 使用機材の準備
ウェビナー開催で使用するツールの選定と開催の通知が完了したら、ウェビナーに使う機材を準備しましょう。一般的なウェビナーの場合、カメラとマイクの内蔵されたPCがあれば開催することができます。
ただし、PCに内蔵されているマイクは、画面に近付かないと音声を拾いにくいというデメリットがあります。そのため、ウェビナーでは外付けのマイクを使うとよいでしょう。使用する予定のPCに接続できる端子の用意も忘れてはいけません。
また、PC内蔵のカメラは画質が荒く、ウェビナーに向かないこともあるため、外付けWebカメラの導入も検討するとよいでしょう。
また、新規顧客を対象とするウェビナーではとくに、画像の明るさも大切です。撮影用ライトを使うと、明るいトーンの印象になります。企業イメージに合った背景を用意することも、顧客に対するイメージ向上につながります。
機材のほか、インターネット環境を整えることも重要です。
ウェビナーの開催費用
ウェビナーを開催するためには、以下のような費用が必要です。
- ツールの費用
- 機材の費用
- 登壇者への謝礼やスタッフの人件費
- 集客のマーケティング費用
規模や開催する時間数によって、費用の目安は大きく変わります。とくに複数の登壇者に依頼するときは、ウェビナーの費用が大幅に増えるでしょう。
ここでは、ウェビナーを開催するときに必要な費用の目安について解説します。
ツール導入にかかる費用
ウェビナー用のツールを導入するときは、一般的に初期費用と月額料金の2つが発生します。初期費用には、システムの設定などにかかる導入支援サービスも含まれています。
初期費用は数万~数十万円が相場ですが、ウェビナー用ツールのなかには初期費用が不要なものもあります。予算がない場合は、月額料金のみで使用できるツールを選ぶのも、一つの方法です。
月額料金は、数百円~数万円まで機能によって、さまざまなプランが用意されています。一般的には、月額料金が高くなると、より多くの参加者数に対応します。また、ホストが増えるとライセンス料が増えるため、月額料金は高くなるでしょう。
必要なホストの数や想定される参加者数、必要な機能を明確にしてから、ウェビナー用のツールを選びます。
機材の費用
ウェビナー用のシステムのほかに、機材にかかる費用も忘れてはいけません。
マイク、ライト、カメラ、PC、各種コードが必要です。社内にある機材を使うときは、ウェビナー開催に適した性能であるかを、確認しておきましょう。
ウェビナーに使う機材のレンタルサービスもあります。ウェビナー用機材セットは1日のレンタルで5万円前後です。なかには、ライブ配信用のスタッフ派遣を含むサービスもあります。
登壇者への謝礼やスタッフの人件費
ウェビナーの開催にあたって、登壇者への謝礼やスタッフの人件費が発生することもあります。
顧客を対象とするウェビナーを開催するときは、専門のスタッフやスタジオに依頼するのがおすすめです。機材の準備や配信に関するトラブルにも対応しやすく、初めてのウェビナー開催でノウハウや知識が足りない場合などは、非常に心強いでしょう。
また場合によっては、登壇者への謝礼が必要になる場合もあります。ウェビナーの専門性や、登壇者の権威性によって金額も異なるので、アサインする際に決めておきましょう。
スタジオや専用機材を借りる場合は、1回数十万円の費用がかかります。しかし、基本的にはすべて任せられるため、配信の手間が最低限で済むことがメリットです。
ウェビナー集客のマーケティング費用
ウェビナー集客の代表的な手段といえばWeb広告、イベントサイト、ハウスリストなどが挙げられます。ウェビナー集客の方法によっては費用が発生する場合があります。
Web広告には、純広告や、リスティング広告、SNS広告、メルマガ広告などさまざまな手段があります。そのいずれの場合でも、広告費用が発生します。
多くの場合、広告予算には限りがあることでしょう。その予算内で多く集客しようとすると、1人あたりの顧客獲得単価を抑える必要があります。そのため、予算や想定の集客人数などから費用対効果の高い広告手段を選ぶ必要があります。
おおよそ、1人あたり数百円〜数千円で集客するのが理想でしょう。
また、あまり多くの予算をかけられないという場合は、イベントサイトへの掲載も検討してみましょう。多くのイベントサイトは、無料で掲載できるので、集客コストを抑えられます。
しかし、複数のイベントサイトに情報を掲載する場合、その管理が煩雑になるという点には注意が必要です。
とくに、どのイベントサイトから応募をしてもらったらのかを管理していなければ、参加者に緊急時の連絡ができないということがあります。
もう一つ無料で集客をする方法としては、ハウスリストの活用です。ハウスリストは、これまで接触してきた顧客や既存顧客などのデータベースのことです。
ハウスリストに対して、メルマガや自社のSNSなどで、ウェビナーを告知し集客をします。すでに相手との連絡手段を確保できている状態なので、よりターゲットに合わせたウェビナーを企画することもできます。
なお、初めてウェビナーを開催する場合は、マーケティング会社にウェビナーの開催支援と代行を委託するという方法もあります。
とくにウェビナーの開催をフルサポートしてくれる業者では、撮影や配信だけでなく、ウェビナーの広告や案内も請け負ってくれるところもあります。
依頼内容に応じて費用は数十万円からと高くなりますが、プロならではの集客術で確実に人を集めたいという場合は、マーケティング会社に依頼するのも一つの方法でしょう。
ウェビナーを開催するときの集客方法
ウェビナーの開催準備が整ったら、ターゲットの集客に取り掛かります。
集客の方法は顕在顧客へアプローチをする場合と、潜在顧客へアプローチする場合の2種類があります。
開催するウェビナーの狙いとターゲットに合わせて、集客方法を使い分けましょう。
ここでは、ウェビナーにおける2つの集客方法について解説します。
顕在顧客(見込み顧客)にアプローチする場合
顕在顧客とは、商品やサービスを認知しており、興味や関心の高い顧客のことを指します。過去に商品やサービスを購入していたり、メールマガジンに登録していたりする顧客のことです。
顕在顧客へウェビナーの開催案内をおこなう場合、メールマガジンやホームページのお知らせページからアプローチをします。
どちらにしても確実に読んでもらえるよう、「ウェビナーを開催すること」と「開催日時」がわかるタイトルにすることがポイントです。
潜在顧客にアプローチする場合
潜在顧客とは、商品やサービスを認知していないものの、潜在的な購買意欲が高い顧客のことを指します。
潜在顧客をターゲットにする場合はSNSやWeb広告を使って、ウェビナー開催を外部に向けて告知する必要があるでしょう。
今は興味がない顧客でも、商品やサービスを知ることによって顕在顧客となる可能性があります。よって潜在顧客に対しては、まず目に留まるようなデザインやフレーズなどで告知することが重要です。
ウェビナー開催の案内方法
ウェビナーは自宅から気軽に参加できるせいか、会場参加型のセミナーに比べると参加率が低下しやすい傾向にあります。
とくに無料のウェビナーは、たとえ参加しなくても費用面で損をするリスクがないので、主催者側が積極的にウェビナー開催の案内を告知し、参加を促す必要があります。
具体的にどんな案内をおこなうのが効果的なのか、ウェビナー開催の代表的な案内方法を2つ紹介します。
1. 申込時にウェビナーの内容を案内する
最も一般的な案内方法は、ウェビナーの申込時に具体的な内容をあらかじめ記載しておくことです。
Web上の申込みページに案内を掲載しておくのはもちろん、申込時に入力されたメールアドレス宛に自動送信される「申込み完了メール」の中にもウェビナーの案内を掲載しておくと、参加者のもとにウェビナーの情報を残しておくことができます。
ウェビナー案内に記載する基本的な項目は、以下の8項目です。
- 主催者名
- ウェビナーの目的
- 講師のプロフィール
- ウェビナーの日時
- ウェビナーの費用
- ウェビナーの定員数
- ウェビナーへの申込み方法
- 案内状の保管を促すメッセージ
①〜③に関しては、どんな人を対象にしたウェビナーなのか、何を目的に開催されるのかをわかりやすく記載します。
④は申込みページ、リマインドメールともに必ず記載すべき重要な項目です。
この部分にミスがあると、「記載された日時にログインしたのにウェビナーを受けられなかった」などのトラブルに発展する恐れがあるので、十分に確認したうえで送信しましょう。
⑤〜⑦については申込みページにだけ掲載すれば十分です。
⑧に関しては、申込み完了メールやリマインドメールなど、参加者宛に送信するメールに記載します。
「このメールはウェビナー当日まで大切に保管してください」と記載しておけば、メールの受信ボックスなどに保管されて、ウェビナーの存在や日時を忘れにくくなります。
2. 前日にリマインドメールを送信する
申込みからウェビナー当日まで、ある程度の日数が空いていると、参加者がウェビナーの日程を忘れてしまうこともあります。
ウェビナーの前日になったら、参加者全員に対し、翌日にウェビナーを開催することや、ウェビナーの内容などを記載したリマインドメールを送信しましょう。
リマインドメールを受け取った参加者に、「そういえば明日はウェビナーだった」と思い出してもらえれば、日程忘れによる参加率の低下を防ぐことができます。
記載する内容は申込み完了ページと同様ですが、冒頭のメッセージは書き換えるのが基本です。
申込み完了メールで「お申し込みいただきありがとうございます」とはじまっているなら、リマインドメールは「明日のウェビナー開催にあたり、あらためてご案内をさせていただきます」といった文面にすることで、丁寧な印象を与えられます。
ただ、ウェビナー前日は主催者側も慌ただしくしているので、リマインドメールそのものを送り忘れてしまう可能性もあります。
そのようなときは、リマインドメールを予約送信できるサービスやツールを利用しましょう。
時間のあるときにリマインドメールの内容を作成し、送信予約をおこなっておけば、ウェビナー前日に確実に参加者へリマインドメールを送信することができます。
最近はリマインドメールの送信予約を無料でおこなえるサービスやツールも数多く流通しているので、導入を検討してみることをおすすめします。
ウェビナーの開催形式はターゲットによって変えるのがコツ
ウェビナーを開催するときは、以下の5つの手順でおこないます。
- ターゲットとコンセプトの決定
- ツールの決定
- 登壇者やスタッフの準備
- 開催の案内
- 機材の準備
とくにウェビナー開催のポイントとなるのが、案内方法です。対象とする顧客に合わせた案内をおこなうことで、ターゲット層にアプローチしやすくなり、ウェビナーの成功につながります。
ウェビナーを開催するうえで、ターゲットとコンセプトを明確にすると、ツールの選定や案内方法の決定も、スムーズに進むでしょう。
これらのポイントを押さえたうえで、ウェビナーの開催に臨みましょう。