ウェビナーで使用する機材の種類や選び方をわかりやすく解説
オンラインでセミナーを配信するウェビナーをおこなうためには、いくつかの機材が必要です。カジュアルなウェビナーであれば、最小限の機材で済ませることも可能です。しかし、クオリティの高いウェビナーを配信するためには、それなりの設備を揃える必要があり
オンラインでセミナーを配信するウェビナーをおこなうためには、いくつかの機材が必要です。
カジュアルなウェビナーであれば、最小限の機材で済ませることも可能です。しかし、クオリティの高いウェビナーを配信するためには、それなりの設備を揃える必要があります。
そこで今回は、ウェビナーで最低限必要な機材の種類と、機材の選び方、あると便利な機材など、これからウェビナー配信を始める人に役立つ情報をまとめました。
ウェビナーで最低限必要な機材の種類
これまでウェビナーをおこなった経験がない人は、「難しそう」「たくさんの機材を揃えなくてはいけないのでは・・・」と不安に思うかもしれません。
しかし、ウェビナーを配信するだけなら、インターネット環境を整え、PCを揃えるだけで事足ります。画像や音声にこだわるなら、Webカメラやマイクもあると安心です。まずは、用意すべき機材を知っておきましょう。
1. インターネット環境
ウェビナーはネットワークを介してセミナーの映像や音声を配信するので、インターネット環境は必須です。
インターネット環境を整えるには、任意のプロバイダと契約し、ネットワーク回線を引き込んだうえで、モデムやルーターなどの機材をセットする必要があります。
現行のインターネット回線には光ファイバー回線と、ADSL回線の2種類があります。ウェビナーのように映像や音声データを配信する場合は、高速かつ大容量のデータ通信をおこなえる光ファイバー回線が必要です。
なお、近年はスマホやタブレットなどのモバイル端末の普及により、Wi-Fiなどの無線LAN接続が一般的になっています。しかし、端末とLANケーブルを直接つなぐ有線LAN接続に比べると、ネットワークの安定性にやや欠けます。
とくにモデムと端末の間に距離や障害物があったり、ほかの機材から発せられる電波の影響を受けたりすると、ネットワークが不安定になり、配信途中で映像や音声が途切れる可能性があります。
どんなに良い機材を使用しても、ネットワークそのものが不安定では満足いくウェビナーを配信できません。ウェビナーは可能な限り、有線LAN接続でおこなうようにしましょう。
2. PC
ウェビナーの映像や音声データは、PCを介してネットワーク配信されます。PCにはあらかじめウェビナー配信に適したツールをインストールしておき、ソフトウェアやアプリを立ち上げて映像や音声を配信します。
インターネットに接続できる端末であれば、スマホやタブレットでもウェビナー配信をおこなうことは可能ですが、PCに比べると性能が劣るため、映像や音声が乱れる可能性があります。
また、PCならウェビナーをオンデマンド配信する場合、動画編集をおこないやすいという利点もあります。
PCにはデスクトップとノートの2タイプがありますが、スタジオや会場で配信することを考えると、持ち運びやすいノートPCを利用するのがおすすめです。
なお、最近のノートPCのほとんどは、標準でWebカメラやマイクが内蔵されています。映像や音声にこだわりがない場合は、内蔵のWebカメラとマイクだけでも撮影が可能なので、インターネット環境とPCの2つがあればウェビナーをおこなえます。
3. Webカメラ
PCにWebカメラが内蔵されていない場合、あるいはより高画質な映像を配信したい場合は、別途Webカメラを用意する必要があります。
Webカメラで撮影された映像は、データとしてPCに送信され、ネットワークを介して配信されます。
Webカメラとひと括りにいっても、製品ごとに解像度やレンズ画角に違いがあります。ウェビナーのスタイルや目的に合わせて選ぶことが大切です。
4. マイク
マイクは音や声を拾い、音声データとして配信するために必要な機材です。
Webカメラ同様、PCに内蔵されているマイクを使うという方法もあります。ただ、内蔵のマイクは音質や集音範囲に限界があるので、クリアな音声データを配信したい場合は、外付けのマイクを利用するのがおすすめです。
マイクも製品によって音質や集音範囲に違いがあるので、開催する環境に合わせて選ぶ必要があります。
ウェビナーで使用する機材の選び方
ウェビナーで使用する機材は、製品によって性能や機能に大きな違いがあります。
当然ながら、安価なものを購入すれば、ウェビナーにかかるコストを節約できます。しかし、価格に比例して、映像や配信環境の質は低下することが多いでしょう。映像や音声が乱れると、正確な内容が伝わらなくなってしまうので、ウェビナーで使用する機材は慎重に選ぶことが大切です。
ここでは、ウェビナーに必要な機材を選ぶときのチェックポイントを4つ紹介します。
1. 配信ツールの推奨環境を満たすPCを選ぶ
ウェビナーを安定して配信するためには、一定以上の性能を有するPCが必要になります。
一般的には、PCの性能が高いほど値段も高騰します。中古PCや安価なPCを選ぶと、処理が追いつかずに映像や音声が乱れたり、エラーが頻発したりする恐れがあります。
とくにウェビナーをライブ配信(リアルタイム配信)する場合は、PCに相応の負荷がかかるので、低性能なマシンを使用しているとまともに配信できなくなる可能性が高まります。
最先端のツールを用意する必要はありませんが、最低でも利用する配信ツールの推奨環境を満たすマシンを準備するようにしましょう。
推奨環境は配信ツールごとに異なります。たとえばjinjerウェビナーの場合は、メモリが4GB以上、使用可能メモリ2GB以上の環境を推奨しています。
メモリ4GB未満でも動作は可能ですが、画面共有時のフレームレートが低下するため、ウェビナー配信には不向きです。
また、メモリはPCの処理速度と密接な関係があるので、スムーズなウェビナー配信をおこないたいのなら、8GB以上のマシンを選択するのがおすすめです。
2. Webカメラは30fpsを目安に選ぶ
ウェビナー用のWebカメラを選ぶ際、まずチェックしたいのがfpsという数値です。fpsとはframes per secondの略称で、1秒間の映像が何枚の画像で構成されているかを示しています。
たとえば3fpsなら1秒間の映像に3枚の画像が、60fpsなら1秒間の映像に60枚の画像が使われていることを表しています。
1秒あたりの映像に使われる画像(コマ)が多ければ多いほど映像はなめらかになり、途切れやカクつきが発生しづらくなります。
人は24~30fps程度の映像なら、違和感を覚えずに視聴できるといわれているので、Webカメラを選ぶときは30fpsを目安に製品を選択しましょう。
なお、最近は120fpsや360fpsなど高fpsのWebカメラも発売されています。ただ、講師が壇上で話すといった動きの少ないウェビナーの場合、そこまで高fpsにこだわる必要はないでしょう。
3. Webカメラの画角は映すものに応じて選ぶ
Webカメラを選ぶときのもう一つのチェックポイントは、カメラが映すことのできる範囲(画角)です。
画角の狭いWebカメラは映す範囲が限られてしまいます。そのため、画質が粗くなりにくく、鮮明な映像を配信できます。
一方、画角の広いWebカメラは、画面端の映像が歪む、色がにじむなどのトラブルが起こりやすいところがネックです。しかし、一度に広範囲を映すことができるため、ホワイトボードなどを映す際に役立ちます。
一般的なWebカメラの画角は75度程度ですが、講師の顔がアップになりすぎると圧迫感を覚えます。そのため90度前後の画角で、やや引き気味に撮影するとよいでしょう。
講師が複数にわたる場合や、映像に動きがある場合は、画角100度以上のWebカメラで撮影すると、見切れを防ぐことができます。
4. マイクは単一指向性のものがおすすめ
1人の講師が壇上で話す講義形式のウェビナーをおこなう場合は、単一指向性のマイクを選ぶのがおすすめです。
単一指向性マイクとは、一方向からの音声を拾うことに特化したマイクのことです。限られた範囲の音声をクリアに配信できる反面、そのほかの方向からの音を拾いにくい性質を持っています。
余計な音を拾わず、講師の声だけをはっきり配信させることができるので、ウェビナーに最適なマイクといえるでしょう。
ウェビナーであると便利な機材
ウェビナーはPCとインターネット環境、Webカメラ、マイクの4つがあれば配信可能です。また、必要に応じてほかの機材も使用すると、よりハイクオリティなウェビナーを目指すことができます。
一度必要最小限の設備でウェビナーを製作してみて、「もっとこうしたい」というニーズが出てきたら、必要な機材を追加で用意することを検討しましょう。
ここではウェビナーであると便利な機材を4つ紹介します。
1. 照明
光量が不足している室内で撮影をおこなうと、ウェビナーの映像そのものも薄暗くなってしまい、映像が不鮮明になってしまいます。
とくに自社の商品やサービスを紹介する場合や、ホワイトボードなどを利用して説明する場合、映像が見づらいと内容が伝わらなくなってしまいます。よって、別途照明を準備するのがおすすめです。
照明にはいろいろな種類があります。近年では映像にちらつきが起こりにくく、かつ省エネのLEDライトが人気を集めています。
2. グリーンバック
グリーンバックとは、背景を緑色にするためのアイテムです。緑色になった部分は、PCで「クロマキー合成」をおこなうことで、ほかの背景に差し替えることができます。
たとえば背景をバーチャル映像にしてインパクトを出したり、PowerPointを映し出してボード代わりにしたりすることも可能です。
グリーンバックにはいろいろなサイズがあるので、カメラが見切れないよう、十分なサイズのものを選択しましょう。
3. 三脚
「カメラの撮影位置を微調整したい」「手ぶれを防ぎたい」という場合は、Webカメラ用の三脚を購入しましょう。
三脚を利用すれば、高さを自由に調節でき、動きに合わせて首振りすることも可能です。
なお、Webカメラの中には三脚に対応していない製品もあります。三脚を利用する予定がある場合は、Webカメラが三脚に対応しているかどうかもチェックしておきましょう。
4. スイッチャー
スイッチャーとは、複数のカメラの映像をワンタッチで切り替えるツールのことです。
たとえば、2つのWebカメラを使って異なるアングルから撮影している場合、途中でスイッチャーを使えばAのカメラの映像から、Bのカメラの映像へ瞬時に切り替えることができます。
ウェビナーの場合、一方のカメラは講師を、もう一方のカメラは資料をそれぞれ映しておいて、講師の話に応じて資料の映像に切り替えれば、より内容が伝わりやすくなります。
スイッチャーは一台数万円する高価な機材ですが、メリハリのあるウェビナーを目指す場合や、わかりやすい内容のウェビナーを制作したい場合は、スイッチャーの導入を検討してみてもよいでしょう。
高画質かつ高音質のウェビナーを配信するなら機材選びにこだわろう
ウェビナーは、Webカメラやマイクを内蔵したPCとインターネット環境があれば、すぐにでも配信することが可能です。
ただ、PCに内蔵されているカメラやマイクは、外付けタイプに比べると性能や機能がやや劣る傾向にあります。なめらかで鮮明なウェビナーを配信したいのなら、別途高性能なWebカメラやマイクを購入した方がよいでしょう。
PCも、ウェビナー配信ツールの推奨環境に適した性能のものを選ぶことが大切です。
よりクオリティの高いウェビナーを目指す場合は、照明や三脚、グリーンバック、スイッチャーといった便利機材の導入を検討してみることをおすすめします。
ウェビナーのやり方について、こちらの記事でも詳しく解説をしています。