Web会議での「顔出し」強要はNG?上司が注意すべきこと
Web会議システム
2023.08.25
2023.08.25
テレワークにおけるWeb会議ツールの普及に伴い、今までにはなかったようなトラブルも頻出しています。近年よく聞くようになったのが「リモハラ(リモートハラスメント)」「テレハラ(テレワークハラスメント)」などのオンライン上でのハラスメントです。 本記事では、Web会議での顔出し強要がパワハラに該当するケースや該当しないケース、ルールを作るときに気を付けたいポイントなどを紹介します。

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Web会議で顔出しを求めることはパワハラになる?
テレワークを導入する企業が増える一方で、テレワーク中のハラスメント事例の報告も増えています。例えば、Web会議の際に顔出しをするように求められると「パワハラだ」と不快感を示す人もいるようです。上司が部下にWeb会議で顔出しを求めた場合、パワハラに該当するのでしょうか。
「対面会議の代わり」と考えればパワハラではない
Web会議は、対面会議の代わりとしておこなわれることがほとんどです。そのため、顔出しを求めることは不当ではなく、会議の前に「顔を出すように」と伝えることはパワハラにはならないと考えられるでしょう。
同様に、カメラをオフにしている社員に対して「カメラをオンにしてください」と言ってもパワハラにはあたらないと考えられます。Web会議では、参加者がお互いの表情を見せあうことで進行がスムーズになるケースも少なくありません。会議の効率化や有用化という観点から、顔出しの要求は不当なものとはいえないのです。
Web会議の顔出し強要についてパワハラになる3つのケース
Web会議において「顔出ししてください」「カメラをオンにしてください」などと伝えるだけならパワハラには該当しないでしょう。しかし、顔出しの要求に付随して何らかのハラスメント行為があった場合はパワハラになる可能性もあります。Web会議において、どのようなケースがパワハラとなり得るか紹介していきます。
1. 顔出しを拒否した社員に暴言を吐く
「顔も出さないなんて、ふざけているのか」「だから君は使えないんだ」など、顔出しできない社員をこのように責めるのは、パワハラになり得ます。言われた側が言い返せないとわかっていてこのような態度をとるのは、パワハラに該当します。
2. 顔出しを拒否した社員だけWeb会議に参加させない
顔出しできない社員をWeb会議のメンバーから外し、その後一切必要な会議に参加させないのも、パワハラになると考えられます。「顔出ししたくないなら出なくていい」などと発言し、Web会議に参加させないようにするのは、パワハラと判断されても仕方ありません。
3. 顔出しだけではなく背景を設定することも認めない
顔出し以外にも、Web会議で「背景を設定するな」と強要するのも、パワハラに該当する恐れがあります。背景の設定は、プライバシー保護のためには必要です。よほどふざけた背景ではない限り、禁止することはできません。Web会議の背景について、こちらの記事でも詳しく解説しています。
Web会議での顔出しについて「パワハラ」にならない2つのケース
一見すると「パワハラではないか」という行為でも、業務上あるいは運営上正当な理由があれば、パワハラには当たりません。Web会議の顔出しについて、「パワハラだ」と言われないケースを紹介します。
1. 正当な理由でWeb会議に参加させない
正当な理由によって業務上顔出しが必須の場合は、顔出しできない社員のWeb会議への参加を禁止してもパワハラにはあたらないでしょう。
例えば、クライアントとWeb会議をおこなう場合など、担当者の顔がわからないと困ることがあるかもしれません。あるいは「顔を出して会議しよう」と他社と取り決めている場合なども、顔出ししない社員を出すのは失礼です。顔出ししない社員がいることで、自社に経営的損失が生まれそうな場合は、その社員をWeb会議から外しても「パワハラだ」とはいえません。
2. 社員側に問題があるため注意する
社員がパジャマを着用していたり髪型が整っていなかったりなど、通常の出勤時と大きくかけ離れた外見でWeb会議に参加した場合、該当する社員を注意してもパワハラには当たりません。該当する社員をWeb会議に参加させてしまうと、自社の印象が悪くなる可能性があります。ほかの社員への悪影響を避ける必要性もあるため、改善を求めたのは妥当であるといえるでしょう。
Web会議で顔出しをルール化するメリット・デメリット
初めから「Web会議で顔出ししよう」と決めておけば「顔出ししたくない」などという社員は少なくなるかもしれません。とはいえ、やみくもにルールを作ると、不整合や不都合が発生する可能性もあります。
Web会議のルールを作る前に、まずは顔出しによるメリットとデメリットを確認しておきましょう。
1. メリット:信頼関係を築きやすくなる
お互いに顔を見せ合って話し合った方が、相手に親近感や共感を覚えやすくなります。社員同士の信頼関係を築きやすくなり、業務の円滑化につながるでしょう。一般的に、表情や態度などの視覚情報は相手の印象に大きく関わるといわれます。声だけでなく、姿からも好印象を受けることで、相手についてより愛着や好感を覚えるようになるのです。
2. メリット:音声のみよりも情報を得やすくなる
表情を読み合うことは、お互いの意識を確認したり共有したりするうえで有益です。Web会議では顔を出して話し合った方が、会議の着地点が早く見つかるでしょう。
通常の会議では、お互いがその場にいる人の表情を読み取ることで、場の雰囲気を読みます。自然と場に適した発言が多くなり、会議の方向性を見失わずに済むようになるでしょう。ところがWeb会議で音声のみにしてしまうと、場の雰囲気や他人の考えを読みにくくなります。会議の適切な着地点が見つからず、建設的な話し合いがしにくくなる恐れがあります。
3. デメリット:自宅なのに気が抜けない
「Web会議では顔出ししよう」と決めてしまうと、自宅でもそれなりに身だしなみを整えなければなりません。「ずっと自宅にいるのに、メイクしたくない」「ヒゲをそって身支度するのは面倒」などと感じる人もいるでしょう。また、Web会議は、インターネットを経由するオンラインツールです。インターネット上に自分の顔やプライベートをさらしたくない人は、顔出しに抵抗を感じてしまうようです。
Web会議で顔出しについてのルールを作るときの2つのポイント
Web会議での顔出しをルール化する場合は、「ルールを決めたから」とトップダウンで伝えるのはおすすめできません。顔出しNGの社員がいる場合は、いかに理解を得るかが重要なポイントとなるでしょう。
Web会議での顔出しをルール化する際のポイントについて紹介します。
1. 顔出しの重要性について話し合う
まずは社員全員がWeb会議における顔出しの重要性について理解できるようにしましょう。なかには「会議で顔出しを強要される意味がわからない」などと感じている社員もいるかもしれません。「会議参加者全員の意識を共有するうえで必要」「表情を見て伝わることもある」など、相手が納得できるように伝えましょう。
社員全員が顔出しの重要性を理解すれば「Web会議とはそういうもの」という意識が、社員全員に定着していくはずです。
2. 音声のみで参加できる会議も認める
会議の内容によっては、わざわざ顔出ししなくてもよいものもあるでしょう。例えば、日常のルーティン業務や連絡事項の伝達などでWeb会議ツールを使う場合、わざわざカメラをオンにして臨む必要はありません。社員がWeb会議ツールを使うことをストレスに感じないよう「顔出しは全員会議のみ」などとするのがおすすめです。
Web会議で顔出しを求めるときは社員の理解を得よう
Web会議ツールの活用は、テレワークの効率化を図るうえで非常に有益です。ただし、新たなハラスメントを生むともいわれるため、利用の際は十分に注意しなければなりません。とくに顔出しの強要は、やり方や言い方によってはパワハラとなります。全社で「Web会議では顔出しすること」とルールを決める場合は、事前に社員の理解と協力を得られるようにしておきましょう。

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