オープンソースのWeb会議システム4製品の特長を比較
働き方改革の推進や新型コロナウイルスの流行を受けてリモートワークや在宅勤務の導入が進むなか、Web会議システムの需要はどんどん増してきています。Web会議に利用できるシステムは数多くありますが、なかにはオープンソースで開発がおこなわれているものもあります。
働き方改革の推進や新型コロナウイルスの流行を受けてリモートワークや在宅勤務の導入が進むなか、Web会議システムの需要はどんどん増してきています。
Web会議に利用できるシステムは数多くありますが、なかにはオープンソースで開発がおこなわれているものもあります。
そこで今回は、オープンソースのWeb会議システムの魅力やオープンソースのWeb会議システム利用における注意点について説明すると同時に、オープンソースで利用できるおすすめのWeb会議システムの特長を紹介します。
オープンソースのWeb会議システムの4つの魅力
オープンソースのWeb会議システムには、以下に挙げるような魅力があります。
- 幅広い人にWeb会議に参加してもらうことができる
- 無料で利用することができる
- カスタマイズがしやすくセキュリティが優れている
- チャットや画面共有などの便利な機能が充実している
それぞれについて、説明します。
1. 幅広い人にWeb会議に参加してもらうことができる
Web会議のシステムによっては、アプリをインストールしたりアカウントを登録したりしなければ利用できないものもあります。オンプレミス型で運用されているシステムでは、同じ社内の人しか利用できないこともあるでしょう。
一方、オープンソースのWeb会議システムであれば、専用の設備などが不要で誰でも会議に参加することができます。社外の人も含めた幅広い人が参加する会議などにおいては、オープンソースのWeb会議システムは非常に便利です。
2. 無料で利用することができる
オープンソースのWeb会議システムは無料で利用できるものが多いので、コスト面で非常に優秀です。一部機能の利用に関しては別途費用が発生することもあるものの、必要な機能だけを選んで課金することができます。基本的に余計な支払いが発生することはないでしょう。
無料で使えるWeb会議について、こちらの記事でも詳しく解説をしています。
3. カスタマイズがしやすくセキュリティが優れている
オープンソースのソフトウェアは、カスタマイズのしやすさも大きな魅力の一つです。
Web会議システムでは高いセキュリティ性能が求められることが多いですが、自社が求める仕様にカスタマイズをおこなうことで、安心して利用できます。
Web会議の参加者が社内の人のみであれば、自社内の閉じたシステムのなかにオープンソースを取り込み、より第三者が侵入しにくいかたちで運用するという方法も考えられます。
Web会議のセキュリティ面やリスクについて、こちらの記事でも詳しく紹介をしています。
4. チャットや画面共有などの便利な機能が充実している
オープンソースのWeb会議システムは、Web会議をおこなう際にあると助かる便利な機能を備えていることも多いです。
チャット機能を利用すれば、口頭では伝わりづらいような内容も伝えやすく、URLやメールアドレスなどを貼り付けるのにも役立ちます。会議参加者やセミナー参加者の手元にない資料を共有したい場合には、画面共有機能を利用して効率よく情報共有をおこなうことが可能です。
機能の充実はWeb会議の効率やテンポのよさにも関わってくる部分ですが、オープンソースのWeb会議システムは、その点も安心して利用しやすいでしょう。
オープンソースのWeb会議システム利用における3つの注意点
上述したように多くのメリットがあるオープンソースのWeb会議システムですが、実際に利用する場合には注意しなければならないこともあります。
オープンソースのWeb会議システム利用における注意点としては、主に以下のようなことが挙げられます。
- カスタマイズ前提のため活用できるまで時間がかかる
- 十分なサポート体制が整っているわけではない
- 「オープン」といえども一定の制約はある
それぞれの注意点について、以下より説明します。
1. カスタマイズ前提のため活用できるまで時間がかかる
オープンソースのソフトウェアは、導入した人や会社が自分たちにとって使いやすくなるよう、カスタマイズすることを前提に公開されています。導入してから実際に利用できるようになるまで多少時間がかかることは、考慮しておかなければなりません。
また、カスタマイズするためにはIT系の専門的な知識が必要です。オープンソースのWeb会議システムを導入する前に、適切な人材を確保しておく必要があります。
2. 十分なサポート体制が整ってるわけではない
Web会議システムを利用する際は保守やサポートの体制も重要なポイントですが、オープンソースである以上、その点に関しては十分でないこともあります。
そのため、利用しているなかで何かトラブルが起きたような場合でも、基本的には自分たちで対処しなければなりません。
その際も、専門的なスキルを持ったIT人材の存在が重要です。IT人材をどれだけ確保できているかが、オープンソースのWeb会議システムを導入すべきかどうかの、一つの指標になるかもしれません。
3. 「オープン」といえども一定の制約はある
オープンソースは基本的に「自由に無償で」利用できますが、もちろんオープンソースにも著作権は存在します。
オープンソースはあくまでも、著作権者の意思のもとで自由に使うことができるものであり、著作権者の意向によって一定の制約が課されている場合もあるのです。
制約の内容はオープンソースによって異なるので、それぞれのオープンソースのライセンスの内容を踏まえたうえで、制約の範囲内で利用することを心がけましょう。
オープンソースのWeb会議システム4選
オープンソースのWeb会議システムは数が多いので、実際に利用する際にどれを選ぶべきかで迷ってしまうことも考えられます。
おすすめのオープンソースのWeb会議システムとしては、以下のようなものが挙げられます。
- Jitsi Meet
- BigBlueButton
- Wire
- Element
それぞれのシステムの特長などを紹介します。
1. Jitsi Meet
Jitsi Meetは、ソフトウェア自体は無料で利用することができるため、一度導入してしまえば初期費用のみで利用し続けることができます。
Webブラウザを利用して会議をおこなうことができるので、専用のソフトやアプリなどをインストールする必要もありません。
会議時間は無制限で最大50人まで参加可能です。チャットや画面共有、ドキュメントの共同編集などの機能も備えています。
オンプレミス上での構築も可能なので、セキュリティに関する条件が厳しい会社や組織でも導入しやすいといえるでしょう。
2. BigBlueButton
BigBlueButtonは、会議室ごとに設定を変更することができる点が大きな特長です。特定の参加者のみが発言できるようにしたり、カメラの共有を管理者のみ表示したりすることができます。
会議参加者を小さなグループに分ける機能も搭載されており、参加者同士でディスカッションをおこないたい場合などには、非常に重宝するでしょう。
実際におこなっている会議を録画することも可能です。会議中チャットに入力した内容も動画内で表示されるので、議事録のような役割を果たすこともできるでしょう。
また、オンプレミス上での構築も可能です。社内のルールに沿ってオンプレミスとクラウドのどちらで利用するかを選ぶことができる点は、導入に際しての大きなメリットとなるでしょう。
3. Wire
WireはWeb会議システムに加えて、グループチャットや画面共有、ファイル共有などの機能を備えたプラットフォームです。
Wireのアカウントを持たない人でもWeb会議に参加できるゲスト機能を備えているので、クライアントや外部のパートナーと会議をおこなう際にも、利用することができます。
Wire自体は無料で利用できますが、付加機能を備えた有料のサービスも展開されています。自社が求める機能を必要最小限の費用で利用でき、コスト面でも使いやすいWeb会議システムといえるでしょう。
4. Element
Elementはファイル共有やWeb会議、ボイスチャットなどの機能を搭載したグループチャットアプリです。
リアルタイムコミュニケーションのためのオープンスタンダードな規格を実装しており、汎用性の高い通信基盤を持っています。
そのため、Element内でSlackやTwitterなど、ほかのツールを利用してコミュニケーションを取ることもできます。
Webブラウザ以外にもデスクトップ、iOSやAndroidで利用できるので、場所やデバイスを選ばずに会議に参加できるのは、大きなメリットです。
オープンソースならではのメリットを最大限活用しよう
Web会議をおこなうためのシステムはたくさんあります。なかでもオープンソースのシステムを選んで利用するのであれば、オープンソースならではのメリットを最大限に活用して運用するべきです。たとえば、社外の人も含めて幅広い人をWeb会議に呼ぶことができる、カスタマイズして自社のルールに沿ったかたちで運用することができるなど、数多くの利点があります。
備えている機能などはそれぞれのシステムで若干異なるので、いくつかのWeb会議システムを比較検討することが大切です。
自社にとってもっとも使いやすそうなシステムを選んで導入しましょう。