テレワークとリモートワークの違いとは?定義や導入のポイントをわかりやすく解説!
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2023.08.21
2023.08.21
近年では一般的になった「テレワーク」や「リモートワーク」。どちらも職場から離れた場所で仕事をおこなうことを指す言葉ですが、両者には違いがあるのでしょうか。この記事では、「テレワーク」と「リモートワーク」の意味や定義の違い、テレワークやリモートワークの種類などについてわかりやすく解説します。
テレワーク・リモートワークとは
ほとんど同じ文脈で使用されるリモートワーク・テレワークという言葉ですが、実は言葉の定義や使われるようになった時期などには微妙な違いがあります。
それぞれどのような定義で使われる言葉なのか見ていきましょう。
厚生労働省が定めるテレワークの定義とは
テレワークはtele(=離れた)とwork(=働く)を組み合わせた造語で、厚生労働省の関連組織である一般社団法人日本テレワーク協会によって、以下のように定義されています。
テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。
引用:テレワークとは|日本テレワーク協会
また同協会によりテレワークの勤務形態は「在宅勤務」「モバイルワーク」「サテライトオフィス勤務」の3つに定められています。これはオフィス以外であったとしても、働く場所は決められているということです。このことから、テレワークとはICTを駆使してオフィス外の特定の場所で働く勤務形態であることがわかります。
リモートワークの定義とは
一方のリモートワークはremote(=遠隔・遠い)とwork(=働く)の掛け合わせで作られた言葉で、従業員がオフィス以外の場所から遠隔で業務をおこなう働き方を指します。近年になり自然発生的に使われるようになった言葉で、特定の働き方を指す明確な定義はありません。言葉本来の意味のとおり遠い場所で働くこと全般をリモートワークと呼ぶことができます。
テレワークとリモートワークの違い
テレワークとリモートワークについて、それぞれの単語の意味から捉えると大きな違いはありませんが、テレワークは「ICTを活用した場所や時間に制約のない柔軟な働き方」を意味する一方で、リモートワークは「オフィス以外の場所で働くこと」を指す言葉という違いがあります。
2つの言葉が混同されてしまう理由として、そもそもの単語の意味にはほとんど違いがないことが挙げられます。しかし、だからといってテレワークとリモートワークはまったく同じ言葉ではありません。じつはテレワークには言葉の定義があり、リモートワークには定義がないという違いがあるのです。
用語 | 概要 |
テレワーク | ICTを駆使してオフィス外の特定の場所で働く勤務形態 |
リモートワーク | オフィス以外で働くこと全般を指す |
テレワークとリモートワークの使い分けの傾向
非常によく似た2つの言葉ですが、もし使い分けるのであれば相手に合わせることが一番わかりやすく、確実な方法です。
すべてに当てはまるわけではありませんが、組織の種類によって使われる言葉の傾向が異なります。テレワークとリモートワークがそれぞれどのような組織で使われる傾向にあるのか覚えておくことで、使い分けもしやすくなるでしょう。
テレワークは政府、公的機関、大企業で使われる傾向にある
テレワークを使用する傾向が強い組織は政府や各省庁といった公的機関、そして大企業です。とくに公的機関に関しては政策や助成金の名称にもテレワークという言葉を用いています。
日本でテレワークという言葉が使用されるようになったのは1980年代頃からです。それから30年以上にわたって使われ続けた言葉なので、公的機関や大企業は慣習的にテレワークを使用することが多いようです。
IT企業やフリーランスにはリモートワーク
リモートワークを用いる傾向にあるのはIT系やクリエイティブ系など、新しい風潮を好む企業です。またフリーランスで働く人や、従来の概念に捕らわれない新しい働き方をしている人に対しても、幅広い解釈を持つリモートワークを用いるのが適切です。
カジュアルな会話であればリモートワーク
普段の会話の中では言葉の意味が広いリモートワークを使用しておけば、まず間違いないでしょう。最近ではリモート会議やリモート飲み会、リモート帰省など、リモート○○という言葉が一般的に使われるようになりました。テレワークよりリモートワークのほうがカジュアルで親しみを感じるかもしれません。
使い分けに明確な基準はない
テレワークとリモートワークの使い分けについて、明確な基準が決められているわけではありません。実際には意識的して使い分けなければいけない場面も少なく、言葉の使い方に関してそこまで細かく気にしなくてもよい、というのが本当のところです。
しかし、言葉の違いを知っておくことで、シーンに合わせてどちらがより相応しいのか判断できます。テレワークとリモートワークの使い分けは、相手の立場やその場の雰囲気に合わせて使い分けていきましょう。
テレワークにおける働き方の種類
テレワークで定められている3つの勤務形態、在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィス勤務について説明します。
1. 在宅勤務
在宅勤務はオフィスに出社せずに自宅を仕事場とする勤務形態です。勤務時間中は原則として自宅にいることが求められ、電話やメール、FAXなどを利用して会社と連絡を取り、業務を進めていきます。
メリットは育児や介護などの理由で、自宅から長時間離れることが困難な人でも仕事に従事できることです。職種によっては業務に耐えられるインターネット回線が必要なこともあります。
2. モバイルワーク
モバイルワークはノートパソコンやスマートフォンなどを駆使し、顧客先への滞在中や移動中に仕事をすることを指します。外回りの途中にお気に入りのカフェで仕事をすることもモバイルワークに含まれます。
外出先で仕事をする為、Wi-Fiなど屋外で利用できるインターネット回線が必須です。都心部では無料のWi-Fiスポットも増えていますが、セキュリティー面を考慮すれば専用の回線を利用することが望ましいでしょう。
3. サテライトオフィス勤務
サテライトオフィスとは、組織運営の機能が集中する本来のオフィスとは別に、離れた場所に設けられたオフィスのことです。レンタルオフィスのほか、近年では個人で利用できるコワーキング・スペースも人気があります。
在宅勤務やモバイルワークと違い、サテライトオフィスではインターネット設備や仕事に集中できる環境が整っています。一社専用のサテライトオフィスを設置すれば、専用回線を引いてイントラ(社内限定の通信網)に接続することも可能です。
リモートワークの働き方の種類と意味
リモートワークから派生した新しい働き方を示す言葉も生まれています。ビジネス会話の中で使用されることもあるので、それぞれの言葉の意味を押さえておきましょう。
ハイブリッド・リモートワーク
オフィス勤務とリモートワークを組み合わせた働き方です。特定の曜日だけオフィスに出社する場合や必要に応じて出社する場合があります。
近年ではフルリモートにしていた企業もハイブリッドリモートワークに切り替え、週に数日間はオフィスへの出社を求める企業も増えてきています。
フルタイム・リモートワーク(フルリモート)
ハイブリッド・リモートワークの対義語としてフルタイム・リモートワークがあります。原則オフィスへの出社はせず、リモートワークのみで完結させる働き方です。
テンポラリー・リモートワーク
こちらもオフィス勤務とリモートワークを組み合わせた働き方です。ハイブリッド・リモートワークと違い、基本はオフィス勤務としつつも、必要に応じてリモートワークに切り替えます。家庭の事情などで一時的に在宅ワークをする場合などもこれに当たります。
テレワーク・リモートワークを導入するメリット
テレワークやリモートワークを導入すると様々なメリットがあります。
人手不足の解消
テレワークやリモートワークを導入することで、働き方の柔軟性が生まれます。たとえば、育児や介護で生活環境の変化があった従業員でも、テレワークやリモートワークであれば勤務を継続しやすいというメリットが生まれます。
また、現在就職や転職の条件に上記のような「働きやすさ」を求める求職者が増加しています。人手不足が深刻化する中で、従業員が継続的に勤務しやすい環境を整えることは、企業価値の向上にもつながります。
テレワークやリモートワークの導入は従業員の離職率の低減だけでなく、優秀な人材を雇用しやすくなるというメリットがあります。
コスト削減
テレワークやリモートワークを導入することで、オフィスの固定費を削減することができます。電気代や印刷費用はもちろんのこと、そもそもオフィスの規模や場所を見直すことで、オフィスの賃料なども削減できる可能性があります。
また、通勤が減ることで従業員に支給する交通費や移動の交通費も削減できます。
従業員の生産性の向上
テレワークやリモートワークを導入すると、通勤時間がなくなります。そのため、従業員のプライベートの時間を増やすことができライフワークバランスが向上します。
従業員のプライベートの時間が増えることで、ストレスが減少し、従業員が健康に生産性高く働く可能性が高まります。また、時間の余裕が生まれることで、従業員が主体的に勉強をしたり、副業を始めて能力を高めたりする効果も期待できます。
テレワーク・リモートワークを導入するうえで注意したい3つのポイント
テレワークやリモートワークを導入することで、社員の働き方は大きく変化します。それにともない社内制度も柔軟に対応させていかなければ、社員の不満を招いてしまうこともあるでしょう。ここではテレワーク・リモートワークを導入する際に気を付けたい3つのポイントを紹介します
1. 福利厚生制度の見直し
在宅勤務を始めるに当たり、社員には自宅で仕事をするための環境整備という負担が発生します。Webカメラなど機材の導入や、場合によってはデスクの購入が必要になることもあるでしょう。また、在宅時間が増えることにより、電気代、水道代、通信費なども増大することが考えられます。
一方でオフィスへの出勤がなければ交通費の支給は必要性がなくなります。在宅勤務の開始に合わせて従来の福利厚生を見直し、適切に社員をサポートできる体制を整えましょう。
2. 仕事の割り振りや評価制度の見直し
リモートでの勤務を開始するに当たり、仕事の割り振り方や人事評価の制度を見直す必要も出てくるでしょう。とくに気を付けたいのは以下の2点です。
- 社員ごとの役割や業務内容を明確にする
- 人事評価は過程ではなく結果を重視する
日本の企業では大きな目標に対して大人数で協力しながら業務に当たることが多い為、社員一人ひとりの仕事内容、責任の範囲が曖昧になりがちです。これをそのままテレワークに持ち込むと自分の判断で業務を進めることができず、作業効率が低下してしまいます。
あらかじめ上長が社員一人ひとりに役割を与えたり、期日内にやるべき作業を明確にして指示を出したりする工夫が必要です。また人事評価の面では、仕事の過程や業務に取り組む姿勢を把握することができないので、仕事の成果や数値を重視した評価制度が必要になります。
3. クラウドサービスの導入
リモートでの仕事を円滑に進める為には、メールだけではなくグループチャットやオンラインミーティングの環境整備が必須です。現在幅広く利用されているクラウドサービスには、チャットツールやWeb会議システムなどがあります。
これらは多くの企業で採用されていることから汎用性が高く、社外の関係者とのやり取りにも役立つでしょう。原則無料で使用することもできますが、法人向けの有料契約をすることで機能拡張をおこなうこともできます。それぞれの料金や機能を確認し、導入を検討してみましょう。
テレワーク・リモートワークの理解を深めて導入を進めよう!
いかがでしたか。今回は、テレワーク・リモートワークの定義や意味、種類、導入のポイントなどを解説しました。テレワーク・リモートワークを自社で導入する際には、どちらの言葉を使っても差し支えないでしょう。
ただし、テレワーク・リモートワークの内容や働き方にはさまざまな種類があり、業務内容などによって適切な環境づくりが重要です。テレワーク・リモートワークについてもっと知りたいという方は、こちらの記事もあわせて確認してみてください。
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