DXの進め方7つのプロセスや注意すべきことを詳しく解説

世界中の市場が急速にデジタル化していく中、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性はますます高まっているといわれます。日本政府は経済産業省を中心に「DX推進ガイドライン」を発表してDXを後推ししていますが、未だにアナログな社内フローや事業モデルを維持する企業がDX化に取り組むといっても一朝一夕でうまくいくものではありません。本記事では、DXの必要性や進め方、さらにはDXを進めていくうえでの注意点を紹介していくので、これからDXに取り組むという企業は社内で取り組む前にまずは要点を把握し、準備していきましょう。

更新日:2022.6.14

世界中の市場が急速にデジタル化していく中、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性はますます高まっているといわれます。

日本政府は経済産業省を中心に「DX推進ガイドライン」を発表してDXを後推ししていますが、未だにアナログな社内フローや事業モデルを維持する企業がDX化に取り組むといっても一朝一夕でうまくいくものではありません。

本記事では、DXの必要性や進め方、さらにはDXを進めていくうえでの注意点を紹介していくので、これからDXに取り組むという企業は社内で取り組む前にまずは要点を把握し、準備していきましょう。

DX推進が必要とされる3つの理由

DXとはデジタル技術を用いて社内の業務フローや、ビジネスモデルそのものを変化させ、新しい価値を企業や社会にもたらすことを指しますが、なぜこのDX化を推進することが企業に求められているのでしょうか。

DX化にはたくさんのメリットがありますが、大きくは「生産性の向上」と「市場の変化への対応力」という点に企業がDX化をすべき理由があります。DX化を進めることで既存の仕事の進め方を見直し、無駄を省くことで必要な人員が減ったり、働く場所を問わないようなフローが確立されればオフィスなどの固定費の削減につながる可能性があります。また事業そのものもデータを活用してより顧客が求めるものを提供するような仕組みを作ったり、そのデータから新しいビジネスモデルを作ったりなど、今まででは気づけなかった強みやアイデアを発見できる可能性があります。

それぞれ詳しく見ていきましょう

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1. 「2025年の崖」問題

政府は「企業のDXが進まない場合、2025年以降、1年につき最大で約12兆円もの経済損失が生じる恐れがある」と予測しています。これが「2025年の崖」と言われる問題で、企業のDXが急務である理由の一つです。最新のシステムを導入しない企業は、ビッグデータ・最新のデジタル技術を有効活用できません。

また、古いシステムを維持する期間が長いほど、維持管理・保守費用が負債として企業に重くのしかかります。情報漏洩やセキュリティリスクも高くなり、企業はコア業務に集中しにくくなるでしょう。日本企業のDXがうまく行った場合、2030年には日本の実質GDPは130兆円アップするといわれます。すなわち企業のDXの進捗具合が、日本の未来を大きく左右するのです。

2. 消費者ニーズの変化・多様化

インターネットが普及している昨今、消費者は自身で欲しい商品を探し、買い求めるようになりました。企業にとってはインターネット上の全ての企業が競合となり、従来のマーケティングが通用しなくなっています。トレンドを敏感に察知して市場ニーズに最適化されたサービス・商品を提供するには、ビッグデータの活用や個々のニーズに合わせてアプローチできるマーケティングツールの活用が不可欠です。デジタル化に乗れない企業は、消費者ニーズ・市場ニーズを捉えるのが難しくなると予測されます。

3. 労働力人口の減少

企業の労働力確保のためにも、DXは必要です。長く人口1億2,000万人以上を保ってきた日本も、2050年には1億人を切ると予測されています。加えて2060年には国民の2.5人に1人が65歳以上になると言われており、労働力の確保は重要な問題となるでしょう。超高齢社会でも経済成長を止めないためには、企業が業務をシステム化して生産性を向上させることが不可欠なのです。

DXの進め方7つのプロセス

「DXが必要」と何となく理解していても、「実際に何から手を付けたらよいか分からない」という企業が数多くあります。DXは誤った進め方をすると何も進まなかったり、社員の協力を得られずに失敗してしまうことが非常に多くあります。導入に不安がある企業は、どのようなプロセスでDXを進めていくべきか確認しましょう。ここでは、DXを進めていくうえで、必要な7つのプロセスを紹介します。

1. 経営トップによる明確な意思表示

DXを推進するときは1部門に任せるのではなく、まず経営トップがDXに強く望む姿勢を見せることが必要です。DXは企業のビジネスモデルに変化を与えるもので、全社的な改革となるため、1部門に丸投げのような形では、反発や反対があったときに抑えきれません。

また、DX推進それ自体では短期的に利益を上げることは難しいため社内でのハレーションも起こしやすくうまく推進できないケースが発生します。万が一反対意見が出たときは、経営陣が矢面に立って説得や折衝を行い、強いリーダーシップを発揮してください。

2. 経営戦略・ビジョンの明確化

全社的に「DXに取り組む」という意識が浸透したら、以下の項目を明確化しましょう。

  • DXを進める分野・手段
  • DXによってどのようなビジネスモデル構築を目指すか
  • DXによって市場にどのような価値観を提供するか

一般に、日本企業は「デジタル変革のビジョンと戦略」が不足しているといわれます。ビジョンや戦略がないままDXを推進してもただデジタル化をすることが目的となり、企業体制の変革や新しいビジネスの創出にはつながりません。まずは経営トップと社員で意見を出しあい、目指すゴールを具体的かつ明確化することが必須です。

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3. 社内環境の整備

DXのビジョンと戦略が明確化したら、プロセスを滞りなく進めていくための環境作りが必要です。具体的には、以下のような取り組みが必要となります。

  • デジタルデータやIT技術の導入・活用をサポートする部門の設置
  • IT人材の確保・育成
  • 仮説検証プロセスの確立

また、DXの過程では、さまざまなミスやトラブルが頻出することが予想されます。このとき社員に責任を負わせたり評価に反映したりすると、社員は思うように動けません。社内に失敗を許容する雰囲気を作り、挑戦ができるよう促すことも必要です。

4.IT資産の評価・把握

社内業務をデジタル化する前に、システムの現状や使用状況について把握します。現在使っているデータは新しいシステムに移行できるものなのか、属人化しているシステム・データはないかなど、細かくチェックしましょう。特にこれまで古いシステムをつなぎ合わせて使ってきた企業は、システムが老朽化したりブラックボックス化したりしているケースが少なくありません。現状をチェックして「費用対効果が悪い」「業務を止めても問題ない」と判断できるシステムは、廃棄した方が業務効率は上がるでしょう。

5. 既存業務のデジタル化

現在人の手で行っている業務について、自動化できるものをシステムに任せます。例えばマーケティングならMAツール、CRM、営業ならSFAといったツールを導入するとよいでしょう。他部門との連携や既存システムとの親和性を考慮して、できる限り業務をスリム化していきます。

6. 組織構造・ビジネスモデルの組み直し

業務のデジタル化によって業務効率が上がれば、企業のリソースの投資配分も変わってきます。これまでムダに使われていた人的リソースや資金を、より投資効果の高い分野にシフトしましょう。また、デジタル化後の事業戦略や業務形態は、従来のものと大きく変わることが予想されます。組織全体のバランスを見直したりビジネスモデルを組み直すことも必要です。

7. 定期的な評価・改善

新たに導入したシステムや手を加えたビジネスフローについては、定期的な評価・改善が必要です。業務効率を数値でチェックして、現状の課題・評価できるポイント等を探します。トラブルになりそうな点は早めに修正・改善を加え、自社のDXを最適化していきましょう。

DXを進めるうえでの注意点

業務プロセスのデジタル化や企業組織そのもののシステム化を成し遂げるには、直面する課題をクリアしていく必要があります。DXを進めていくうえで、注意したいポイントを見ていきましょう。

1. IT人材を育成する・IT教育を充実させる

DXを円滑に進めるには、企業のデジタル化を支えるIT技術人材を育成したり確保したりすることが必須です。日本は優秀なエンジニアが圧倒的に不足しており、システムに関する事項を外注に丸投げしている企業が多々あります。これではいつまでたっても企業内にITのノウハウや実績が蓄積されません。時間・コストはかかっても、自社専属のIT技術者の育成・確保は企業にとって大きなメリットとなるでしょう。

2. 「DXの先」を考える

DXに取り組む企業の中には「プロセスのIT化」「作業のIT化」そのものが目的となってしまっているところが少なくありません。しかし本来のDXはあくまでも課題解決・事業目標達成のためのプロセスであり「デジタル化さえすればよい」と安易に考えるのは間違いです。自社のDXを考えている企業は「DXの先」を見据えてプロセスを踏んでいく必要があるでしょう。

3. 全社的な改革を行う

システムのデジタル化は、全社的におこなうべきです。一部門だけ・現場だけなどと部門の分断が起こっては、企業全体の業務効率化は望めません。全社員が意識を合わせられるよう、トップ陣がリーダーシップを持ってDXを牽引しましょう。基本的にDXは、一朝一夕で完成するものではありません。年単位でプロセスを組み、現状に合わせて最適化しながら進めていく必要があります。

導入プロセスを理解して効率的にDXを進めよう

DXを導入する際は、社員に意識を浸透させたりDXの目的を明確化させたりなどのプロセスが必要です。年単位でプロセスを踏む必要があるため、なるべく早めに取り組み始めることをおすすめします。特に、社内環境の整備や業務のデジタル化などは、多くの時間と労力を費やすことが想定されます。トラブルが起きたりシステム的なエラーが生じたりすることもあり得るため、効果検証しながら進めましょう。DXによる企業負担は決して小さくありませんが、今後企業が競争力を維持していくためには必須です。デジタル化の波に乗り遅れないよう、将来を見据えて行動しましょう。

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