領収書の「上様」はダメ?経費上と税務上での違いや対応方法を解説!

外出の多い営業担当の方は、出先で交通費や宿泊代を「経費」として申請する機会も多いでしょう。
経費申請をおこなう場合、代金の支払いを証明する領収書を発行してもらうよう必要がありますが、領収書の宛名欄に記載する内容について考えたことはありますか。今回は、宛名欄に「上様」と記載された領収書の扱いについて税務上・経理上の観点からそれぞれ解説していきます。宛名欄に上様と記載してはいけないシチュエーションや、上様と記載された領収書の対応方法について知りたい方は、この記事を読んで正しく領収書を発行してもらうように心がけましょう。

更新日:2022.5.25

外出の多い営業担当の方は、出先で交通費や宿泊代を「経費」として申請する機会も多いでしょう。
経費申請をおこなう場合、代金の支払いを証明する領収書を発行してもらうよう必要がありますが、領収書の宛名欄に記載する内容について考えたことはありますか。今回は、宛名欄に「上様」と記載された領収書の扱いについて税務上・経理上の観点からそれぞれ解説していきます。宛名欄に上様と記載してはいけないシチュエーションや、上様と記載された領収書の対応方法について知りたい方は、この記事を読んで正しく領収書を発行してもらうように心がけましょう。

関連記事:領収書の宛名|自分で書くとどうなる?宛名なしのリスクや個人名の書き方を解説

領収書の「上様」とは

そもそも、領収書に「上様」と記載する習慣はどのように形成されたのでしょうか。日本では古くより、室町時代の大名や江戸時代の征夷大将軍など高貴な立場にある方に対する尊称として上様という語を使っていました。現在はその文化を継承し、商品やサービスを購入してくれた顧客に対して感謝の念を込めて、領収書に上様と記載するようになったのではないかと考えられています。また、上得意の顧客を指す「上客」という語が変化して「上様」と呼ばれるようになったのではないか、という考えもあります。

「上様」の利用がダメな理由

「上様」という呼称は宛名欄への記載を簡略化するために用いられているだけで、本来は代金の支払いを最終的におこなう会社名や個人事業主の氏名を記載しなければいけません。消費税法第30条9項1号でも、領収書には「発行者」「取引日時」「取引内容」「金額」「書類の受取人」の5項目が必要であると記載があります。上様と記載された領収書は消費税法でいう「書類の受取人」の箇所が不明瞭となっているため、本当にその会社や個人事業主が支払ったものなのか判断がつかず、証拠能力に欠けます。

「上様」が使えるケース

先ほど、領収書に「上様」と記載することは良くないと記載しましたが、実は、上様の使用が禁止されているというわけではありません。この項では、領収書に上様と記載しても問題がないケースについて紹介していきます。

経費のルールとして禁止されていない場合

領収書を経費計上に利用する場合は、宛名欄が「上様」のもので問題ない場合もあります。所得税や法人税の申告をおこなううえで大事なポイントは、購入した商品・サービスの「使いみち」です。
購入した商品やサービスをきちんと自社の事業に利用していれば、これらの申告は問題なく実施することができます。
ただし、法律上問題がなくても、企業によっては社内ルールで禁止されている場合もあります。「上様」では経費として認められない場合もあるため、あらかじめ社内規定を確認しておくことをおすすめします。

指定の事業の場合

指定された事業の領収書は、「上様」と記載されていた場合でも提出が可能です。
消費税法第30条9項1号では、領収書には「金額」を含む5項目が記載されている書類が正式な領収書として認められるとありますが、「小売業」「旅客運送業」「旅行業」「飲食業」「駐車場業」の領収書の場合は、例外的に「宛名」が無くても証憑書類として効力を発揮します。
つまり、これらの事業の場合に限り、レジから印刷される「レシート」も領収書と同じ効力を発揮するということです。

「上様」と書かれた領収書の対応

ここまで、領収書の宛名欄に「上様」と記載すると良くない場合があると解説してきました。
当記事を読んだ方は、これから領収書を貰う際は会社名もしくは個人事業主の氏名を記載してもらうように気をつけましょう。
問題なのは、すでに上様と記載された領収書を保有している方です。
最後に、上様と書かれた領収書への対応方法について紹介します。

訂正する場合は再発行が必要

一見、自分で宛名欄を書き換えてしまうのが簡単に思えてしまうかもしれませんが、領収書を受け取った人がその内容を書き換えることは原則禁止されています。これを認めてしまうと、金額や日付を修正することで納税額をごまかす不正行為が容易になってしまうためです。領収書の項目を修正してもらいたい場合は、商品やサービスを購入した店舗に訪問して、領収書の再発行を依頼しましょう。このとき、領収書の発行者は領収書の二重発行を避けるために修正前の領収書を回収するため、持参することを忘れないようにしてください。

関連記事:領収書の再発行は可能か?紛失時の対応や依頼された時の注意点を解説

「上様」と記載された領収書は扱いに気を付けよう

今回は、「上様」と記載された領収書の扱いと、その対応方法について紹介しました。消費税法上、領収書の宛名欄には代金の支払いをおこなった企業名・個人名を正確に記載しなければならず、上様と記載することはあまり好ましくありません。
しかし、領収書を経費計上に利用する場合や、飲食業をはじめとする特定事業の場合は、領収書の宛名欄に上様と記載しても良いケースがあります。なお、領収書の宛名欄を訂正する場合は、不正行為を疑われてしまうため自分で訂正してはいけません。訂正前の領収書を発行者に渡し、宛名欄を正確に記載した領収書を再発行してもらうように依頼しましょう。

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