領収書の書き方・記載事項をケースごとに解説

商品の代金の受け渡しや、従業員の経費精算、確定申告の際の経費計上など、さまざまなシーンで発行されるのが「領収書」です。領収書の記載内容に不備があれば、取引の事実を証明できなくなる恐れがあります。領収書に記載すべき項目や正しい書き方を知り、顧客や取引先とのトラブルを防止しましょう。この記事では、領収書の役割や記載項目、書き方のポイントについて解説します。

更新日:2022.5.25

領収書は取引の事実を証明する証拠書類

領収書とは、取引の事実があったことを証明するための証拠書類の一つを指す言葉です。国税庁のホームページでは、領収書について次のように説明しています。

金銭又は有価証券の受取書や領収書は、印紙税額一覧表の第17号文書「金銭又は有価証券の受取書」に該当し、印紙税が課税されます。受取書とはその受領事実を証明するために作成し、その支払者に交付する証拠証書をいいます。

引用:金銭又は有価証券の受取書、領収書|国税庁

現金で商品を購入する場合など、「金銭又は有価証券」のやりとりがあった場合、領収書によって取引の事実を証明できます。原則として、領収書に記載された金額が消費税別で5万円を超える場合は、領収書に規定の金額の収入印紙を貼付する必要があります。

なお、取引の金額や日付、商品名、発行元などが記載されている場合、領収書のほか「受取書」、「領収証」、「レシート」、「預り書」も同等の法的効力を持ちます。(※1)

(※1)金銭又は有価証券の受取書、領収書|国税庁

関連記事:領収書とは?役割をわかりやすく解説!レシートとの違いや書き方、注意点を理解しよう

領収書の3つの役割

領収書には、大きく分けて3つの役割があります。

  • 取引の事実を証明し、二重払いなどのトラブルを未然に防止する
  • 社内のお金の流れを透明化し、内部不正を抑制する
  • 確定申告の際、経費を計上するための証拠書類にする

一般の消費者にとって、領収書には「二重払いなどのトラブルを未然に防ぐ」役割があります。
また、企業では従業員に領収書を提出させることで、経費精算などの内部不正を抑制することが可能です。

法人や個人事業主の場合は、確定申告の際の経費計上に使う証拠書類として、領収書には重要な役割があります。

領収書に記載すべき5つの項目

実は法人税法や所得税法では、領収書の記載項目についての具体的な定めがありません。
ただし、消費税法では事業者が消費税の仕入税額控除を利用する条件として、領収書に以下の項目を記載するよう定めています。(※2)

  • 書類の作成者の氏名又は名称
  • 課税資産の譲渡等をおこなった年月日
  • 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
  • 課税資産の譲渡等の対価の額
  • 書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称

つまり、「発行者住所氏名」「日付」「但し書き(取引の内容)」「金額」「宛名」の5つが消費税法上、領収書に記載すべき項目とされています。

発行者住所氏名領収書を発行した者の住所や氏名
日付領収書が発行された日付
但し書き取引が発生した具体的な品目
金額取引の対価として領収された金額や内訳
宛名領収書を受け取った者の住所や氏名

また、国税庁のホームページで説明されている通り、取引が「金銭又は有価証券」のやりとりに当たる場合は、取引内容に応じて領収書に規定の金額の収入印紙を貼付しなければなりません。

(※2)消費税法第30条9項1号|e-Gov法令検索

個人事業主必見!領収書の書き方を6つのケース別に解説

個人事業主の人は、領収書の作成や管理を自らおこなう必要があります。
領収書の内容に不備がないよう、記載項目ごとの正しい書き方を確認しておきましょう。

また、近年ではオークションやフリマアプリなどでの個人間取引(CtoC)や、クレジットカードでの代金支払いなどの機会が増えてきました。
利用シーンに合わせ、正しい形式の領収書を発行することが大切です。

領収書の金額の書き方

領収書の金額の書き方には3つのルールがあります。

  • 3桁ごとにコンマ(,)を書く
  • 金額の先頭に円記号(¥)もしくは「金」の文字を書く
  • 金額の末尾に米印(※)かハイフン(-)、または「也」の文字を書く

この3つのルールは、領収書の金額の改ざんを防ぐために設けられています。
顧客や取引先に不信感を与えないよう、金額の書き方のルールを守りましょう。

領収書の但し書きの書き方

領収書の但し書きの欄には、取引をおこなった品目を具体的に書く必要があります。また、但し書きの末尾には「として」という語句を付け加え、領収書の但し書きを改ざんできないようにするのが一般的です。たとえば、飲食をおこなった場合は「飲食代として」、書籍を購入した場合は「書籍代として」と記載します。

関連記事:領収書の但し書きとは?基本的な書き方や注意点を詳しく解説

領収書の内訳や消費税の書き方

領収書の内訳の欄には、金額を「税抜額」「消費税額」に分けて記入します。
注意が必要なのが、現行の軽減税率制度に対応し、税率ごとに内訳を記載しなければならない点です。 食料品などの軽減税率の対象品目を取り扱う場合は、税率8%の品目と税率10%の品目に分け、それぞれ「税抜額」「消費税額」を内訳の欄に記載します。 なお、2023年10月1日には「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」への移行がスタートするため、専用の領収書のフォーマットを用意するなど早めの準備を進めておきましょう。

領収書の収入印紙の貼り方

領収書の税抜額が5万円を超える場合、印紙税法上の課税文書に該当するため、領収書に収入印紙を貼付する必要があります。
収入印紙を貼付する際は、領収書と収入印紙にまたがって消印の押印または手書きの署名をおこなう必要があります。

また、収入印紙の金額は領収書に記載された金額によって異なります。以下の表は国税庁のホームページを元に作成したものです。(※1)

関連記事:領収書に貼る収入印紙の使い方や購入方法を分かりやすく解説

クレジットカード決済時の領収書の書き方

クレジットカード決済の場合は「金銭又は有価証券」のやりとりに該当しないため、収入印紙が必要ありません。ただし、領収書にはクレジットカード決済をおこなった旨を記載する必要があります。

国税庁のホームページにも、クレジットカード決済の旨が記載されていない場合、領収書が課税文書に該当するという見解が掲載されています。

クレジットカード利用の場合であっても、その旨を「領収書」に記載しないと、第17号の1文書に該当することになります。

引用:クレジット販売の場合の領収書|国税庁

個人間取引の場合の領収書の書き方

オークションやフリマアプリなど、個人間取引(CtoC)をおこなう機会も増えてきました。
個人間取引であっても民法第486条の規定により、相手方の求めがある場合は領収書の発行が必要です。

弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる。

引用:民法第486条|e-Gov法令検索

ただし、営業を目的としない個人間取引の場合は、領収書が非課税文書となるため、領収書に収入印紙を貼付する必要はありません。

領収書の記載項目や正しい書き方を知ることが大切

領収書に記載すべき項目は、「発行者住所氏名」「日付」「但し書き(取引の内容)」「金額」「宛名」の5つです。取引が「金銭又は有価証券」のやりとりに当たる場合は、領収書が課税文書に該当するため、収入印紙の貼付が必要です。個人事業主の人は、領収書を自ら発行しなければなりません。領収書の記載項目や正しい書き方を知り、不備がないかどうか必ず確認しましょう。

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