領収書の発行義務がある場合や再発行するときの注意点を解説

商品やサービスの支払いをおこなう際、領収書の発行を依頼したことのある人は多いでしょう。しかし、領収書を発行するときのルールに詳しい人は、意外と少ないかもしれません。領収書を正しく扱うためには、発行にかかわるさまざまな決まりを押さえておくことが大切です。そこでこの記事では、領収書の発行義務やルール、再発行するときの注意点について解説します。

更新日:2022.6.16

この記事は、フィナンシャルプランナーである世良氏に執筆いただきました。専門家の目線から、領収書の発行義務や再発行時の注意点について解説します。

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世良 真貴男(せら まきお)
大手小売業の経営コンサルティングを経て、ファイナンシャルプランナーへ転身。年間200組以上を担当し、家計や保険、住宅ローン、相続や資産運用など、顧客の資産を最善化するカウンセリングをおこなっている。<保有資格>2級ファイナンシャルプランニング技能士、住宅ローンアドバイザー、相続診断士

領収書の発行義務がある場合

商品やサービスの代金を受け取ったとき、領収書を発行しなければいけない義務はあるのでしょうか。また、領収書とレシートはどのような点が異なるのでしょうか。
領収書の発行義務や、領収書とレシートの違いについて解説します。

領収書は金銭の受取に対する証明書

領収書は、国税庁の定める印紙税額一覧表の第17号文書「金銭又は有価証券の受取書」に該当します。(※1)
商品やサービスの提供に際し、対価として金銭を受け取った場合は、その受領事実を証明し二重に請求するのを防ぐための受取証書として領収書を発行します。

また、民法第486号において「弁済をしたものは、弁済を受領したものに対して受取証書の交付を請求することができる」と定められています。つまり、代金を受け取った側は、代金を支払った人から領収書を求められたら、必ず発行しなければいけません。

レシートは支払った事実を証明するもの

領収書とレシートの違いは、その支払い方法にあります。領収書は現金で支払ったことを証明するものであるのに対し、レシートは支払い方法に関係なく、支払った事実を証明するものです。
そのため、レシートは支払った側の意向に関係なく発行されます。一方、領収書は支払った側が意向を伝えなければ発行されません。

領収書では誰が、誰に、いくら支払ったのかが明確に記載されています。しかし、レシートは支払った事実だけを証明するものです。誰が支払ったものなのか明記されていないレシートの信憑性は、あまり高いとはいえません。

経費計上には領収書とレシートどちらでも良い

購入したものを経費として計上するにあたって、必ず領収書でなければならないわけではありません。税法上では、レシートと領収書どちらでも良いとされてます。

経費計上をおこなうとき、購入したものが事業用途であることを証明するためには、購入した内容や金額が明記されているレシートのほうが信憑性があります。しかし、レシートは誰が支払ったのかが判断できません。そのため、企業によっては、経費の計上に領収書しか認めていないケースもあるようです。

現金以外の場合の領収書の発行義務

領収書は現金で支払った事実を証明するものです。では、現金以外の方法で支払った場合は、領収書は発行してもらえないのでしょうか。
ここでは、銀行振込とクレジットカードの領収書の発行義務について解説します。

銀行振込で支払った場合

商品やサービスの代金を銀行振込によって支払った場合は、振り込んだ際の明細書が領収書として使用されます。明細書はレシートと同様、支払った事実を証明する書類として、領収書の代わりに使用することは可能です。

しかし、レシートと同様、支払った人が領収書の発行を請求すれば、支払いを受けた側は領収書の発行義務が生じます。領収書を発行する際には、但し書き欄に「○月○日銀行振込分」などと記載し、二重計上を防ぐ必要があります。

クレジットカードで支払った場合

クレジットカードで支払った場合は、現金の直接的な受け渡しではなく信用取引であるため、領収書を発行する義務は生じません。

クレジットカードを利用する場合、代金をカード会社が立て替えている状態で、支払いはお店ではなくカード会社に対しておこなうことになります。つまり、領収書を発行する義務があるのはカード会社です。
店舗に対して領収書の発行を依頼することはできます。しかし、支払い方法がクレジットカードの場合、領収書としては認められません。また、5万円以上であっても収入印紙は不要です。

クレジットカード支払いの場合の領収書代わりになるのが、店舗が発行した利用明細(顧客控え)です。利用明細には発行者や宛名、金額、取引の内容が記載されていなければいけません。

領収書の再発行を依頼された場合の注意点

領収書の内容に不備があった場合や、発行した領収書を紛失した場合など、領収書の再発行を依頼されることがあります。再発行を依頼された場合には、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。

できるだけ再発行はしないようにする

発行した側に原因があった場合は仕方ありませんが、経費の架空計上や二重計上など、不正使用を防止する意味でも、原則的には領収書の再発行はしないようにしましょう。発行時にはその旨を伝えておくことも大切です。

領収書の代わりになるものを渡す

どうしても再発行してほしいとの依頼を受けたときは、レシートや支払証明書などの発行を提案しましょう。購入日や金額、内容などがわかれば、領収書の代わりに使用することができます。

再発行の印をつける

不正使用を防ぐためにも、再発行した領収書にはスタンプを押すなど、再発行の印を付けるようにしましょう。

元の領収書があれば回収する

再発行が破損や汚損が原因であれば、元の領収書は必ず回収するようにしましょう。再発行した領収書の日付や領収書番号などを記録し、元の領収書とともに保管しておかなければなりません。

再発行した領収書にも収入印紙は必要

再発行とはいえ、税抜5万円以上の領収書には、収入印紙を貼る必要があります。しかし、領収書に貼る印紙代は発行者側が負担するため、二重の負担となってしまいます。再発行の場合は、依頼者に印紙代を負担してもらうなどの対応も必要です。

領収書のルールを正しく理解してトラブルを防ごう

領収書は支払者に求められた場合、必ず発行しなければなりません。ただし、不正使用を防ぐためにも、発行者側もルールに沿って正しく発行することが大切です。

経費計上はレシートや振込明細書、クレジットカードの利用明細でもおこなうことができます。
とくに、クレジットカードの場合はお店側が発行する領収書には意味を持ちません。この場合、店舗側は領収書を発行する義務もありません。

また、領収書の再発行は後のトラブルに発展する可能性もあるため、十分に注意して対応しましょう。

(※1)国税庁|No.7105 金銭又は有価証券の受取書、領収書
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7105.htm

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