領収書に貼る収入印紙の使い方や購入方法をわかりやすく解説

様々な事業活動において、領収書や契約書の作成時に収入印紙が必要となる場面があります。収入印紙が必要になる金額はどれくらいなのかを明確にできていないという人は少なくありません。 
この記事では、領収書に収入印紙が必要となる場合における、その条件や使い方、必要な金額、収入印紙の購入方法について解説します。

更新日:2022.6.16

様々な事業活動において、領収書や契約書の作成時に収入印紙が必要となる場面があります。収入印紙が必要になる金額はどれくらいなのかを明確にできていないという人は少なくありません。 この記事では、領収書に収入印紙が必要となる場合における、その条件や使い方、必要な金額、収入印紙の購入方法について解説します。


この記事は、 ファイナンシャルプランナーの世良氏に執筆いただきました。専門家の観点から、領収書の収入印紙の使い方について解説します。

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世良 真貴男(せら まきお)
大手小売業の経営コンサルティングを経て、ファイナンシャルプランナーへ転身。年間200組以上を担当し、家計や保険、住宅ローン、相続や資産運用など、顧客の資産を最善化するカウンセリングをおこなっている。<保有資格>2級ファイナンシャルプランニング技能士、住宅ローンアドバイザー、相続診断士

領収書の収入印紙とは?

領収書や契約書に貼る収入印紙とは、いったいどのような意味があるのでしょうか?収入印紙を貼る意味や目的について解説します。

収入印紙は税金や手数料を支払うための証票

収入印紙とは、国に対する税金や手数料などを支払う目的で発行される、切手のような証票のことです。収入印紙を購入し貼り付けることで、納税を完了したことの証明になります。

税金では、不動産取引における印紙税や登録免許税の納付に収入印紙が使用されます。また手数料では、国家試験の受験手数料や免状の交付手数料などに収入印紙が使用されます。

印紙税の納付が必要な書類は20種類

印紙税の課税対象となる文書は、印紙税法別表第1(課税物件表)に掲げられており、全部で20種類あります。代表的なものは以下のとおりです。(※1)

  • 領収書などの金銭または有価証券受取書
  • 請負に関する契約書
  • 継続的取引の基本となる契約書
  • 不動産売買契約書や土地賃貸契約書
  • 保険証券
  • 預金証書
  • 株券
  • 約束手形・為替手形

印紙税はその他の税金と異なり、税務署に直接申告する必要はありません。収入印紙を購入し、必要な書類に貼り付け、消印を押印することで納税したことを証明することになります。

また、印紙税は文書の内容や金額によって納付すべき金額が異なります。つまり、収入印紙を貼る場面では、その文書の内容や金額によって、貼り付ける収入印紙の金額や枚数を変えなければいけません。

(※1) 国税庁|No.7100 課税文書に該当するかどうかの判断
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7100.htm

貼り忘れるとペナルティが発生する

課税文書に収入印紙を貼り忘れてしまうと、過怠税(かたいぜい)という税金が課されてしまいます。過怠税は、本来納めるべき税金の2倍の金額が課されます。仮に200円の印紙を貼り忘れてしまうと、本来の200円に加え、過怠税として400円課税され、合計は3倍の600円となってしまいます。(※2)

(※2)国税庁|No.7131 印紙税を納めなかったときhttps://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7131.htm

領収書に収入印紙が必要なのはどんなとき?

課税文書として、あらゆる業種において出現頻度が高いのが領収書です。領収書を発行するにあたって、収入印紙が必要となる要件と、不要になるケースについて見ていきましょう。

受取金額が5万円以上になる領収書には収入印紙が必要

領収書の受取金額が5万円以上となる場合には、収入印紙の貼り付けが必要になります。領収書は印紙税法における「売上代金に係る金銭または有価証券の受取書」に定義され、5万円以上は課税文書、5万円未満は非課税文書として扱われます。

ちなみに、2014年3月の印紙税法と租税特別措置法の改正までは、額面が3万円以上の領収書が課税対象とされていました。現在でも3万円以上と記憶している人も多いため、注意しましょう。

領収書に収入印紙が不要となるケース

領収書に収入印紙が不要となるケースとしては、以下の3つです。

1.受取金額が5万円未満の場合

領収書の受取金額が5万円未満の場合は、非課税文書となるため収入印紙は不要です。

2.紙面で領収書を発行しない場合

領収書を紙面で発行しない場合は、収入印紙は不要です。例えば、代金を銀行振込で受領し、メールなどで領収書を送付した場合があげられます。

3.クレジットカードを利用した場合

クレジットカードで決済した場合の領収書には、収入印紙は不要です。クレジット決済ではその場で金銭の受領がおこなわれないため、収入印紙も不要となります。

この場合、領収書には必ず「クレジット利用」の旨が記載されていなければいけません。記載がない場合は収入印紙が必要となるため、注意しましょう。

領収書に収入印紙はいくら貼れば良い?

受取金額が5万円以上の領収書には収入印紙が必要ですが、貼り付けるべき収入印紙は受取金額によって異なります。以下にて詳しく解説します。

受取金額に応じて必要な収入印紙の金額は異なる

領収書に必要な収入印紙の金額は、その受取金額によって下表のようになります。(※3)

受取金額必要となる収入印紙の金額
5万円未満不要(非課税)
5万円以上〜100万円以下200円
100万円超〜200万円以下400円
200万円超〜300万円以下600円
300万円超〜500万円以下1,000円
500万円超〜1,000万円以下2,000円

受取金額が上がるにつれて、必要になる収入印紙の金額も上がっていきます。

また、売上代金以外の金銭の受け渡しにおいて必要な収入印紙は、下表のとおりです。売上代金以外の金銭の受け渡しには、保険金や損害賠償金、借入金や割戻金の受け渡しなどがあげられます。 

金額必要となる収入印紙の金額
5万円未満不要(非課税)
5万円以上200円

(※3) 国税庁|No.7105 金銭又は有価証券の受取書、領収書
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7105.htm

請負契約は1万円以上で収入印紙が必要

元請業者が下請業者に対して、業務の対価として報酬を支払う際に発行する請負契約書においても、収入印紙が必要です。収入印紙が必要となる請負契約の金額は、下表のとおりです。(※4)

請負金額必要となる収入印紙の金額
1万円未満不要(非課税)
1万円以上〜100万円以下200円
100万円超〜200万円以下400円
200万円超〜300万円以下1,000円

請負契約においては、報酬が1万円を超える場合には収入印紙が必要になります。

(※4) 国税庁|No.7102 請負に関する契約書
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7102.htm

受取金額に消費税は含まない

収入印紙が必要になる受取金額は、消費税を含まない金額です。領収書に記載する金額は、消費税を含んだ税込金額であるため、領収書の額面が5万円以上であっても、消費税を除いた金額が5万円未満になるなら、収入印紙の貼り付けは不要です。

具体的には以下の金額の範囲内です。

  • 消費税8%の場合、46,296円〜49,999円
  • 消費税10%の場合、45,455円〜49,999円

この場合、領収書に本体価格が5万円未満であると明記してあることが必要です。領収書の内訳欄に消費税額が正確に記載してあり、受取金額から消費税額を差し引いた金額が5万円未満であれば、収入印紙は不要になります。

収入印紙はどこで購入できる?

収入印紙は様々な場所や店舗で購入することができます。収入印紙が購入可能な場所や購入方法について紹介します。

収入印紙が購入できる場所・店舗

収入印紙が購入できる場所・店舗は以下のとおりです。

  • 郵便局
  • 法務局
  • 役所
  • コンビニ
  • 金券ショップ
  • たばこ屋などの商店

1.郵便局

切手類と同様に、郵便局で購入するのが最もメジャーな方法です。郵便局にもよりますが、全31種類ある収入印紙から必要な額面を購入することができます。

2.役所・法務局

役所や法務局では、法的な書類にその場で収入印紙が必要となるケースも多いため、隣接する売店などで購入することが可能です。

3.コンビニ

深夜や土日に必要な場合は、コンビニでも購入可能です。いつでも購入できる点は便利ですが、取扱種類が最も使用頻度の高い200円のみだったり、お店に保有している在庫数に限りがあるなどの点には注意が必要です。

クレジットカードなどのキャッシュレス決済は不可

郵便局ではクレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済にも対応していますが、切手やはがきは購入できても、収入印紙の購入はできません。

また、役所や法務局は現金しか対応していません。キャッシュレス決済可能なコンビニでも、収入印紙の購入は対象外となります。

収入印紙代は経費で計上できる

領収書用で購入した収入印紙代は、勘定科目「租税公課」として、経費で計上することが可能です。

収入印紙を貼るときの注意点

領収書に収入印紙を貼るときの正しいルールについて、よくわかっていないという人は少なくありません。収入印紙の正しい貼り方や注意点について解説します。

貼る場所に決まりはない

収入印紙を貼る場所には、法律上明確な決まりはありません。領収書の空いているスペースで、よく見える場所に貼り付けましょう。領収書では右下に枠があるのが一般的です。

複数枚貼る場合には、上下または左右に並べて貼り付けます。

消印を押す

収入印紙を貼ったあとは、印鑑が収入印紙の彩紋と領収書に半分程度かさなるように押印します。これを消印(けしいん)といいます。消印がないと、収入印紙が再利用される可能性があるため、必ず押印します。押印する場所は、収入印紙と領収書にまたがっていれば、上下左右のどの場所に押印してもかまいません。

印鑑がない場合、ボールペンや万年筆など消せないペンを使ったサインでも消印の代わりになります。サインの場合は会社名や商号、担当者の氏名を自筆にて記入します。必ず貼り付けた収入印紙と領収書にまたがるように記入しましょう。

消印と割り印の違い

収入印紙と領収書とをまたがって割るように押印することから、消印を「割り印」と呼ぶ人もいますが、厳密にいえば異なります。

割り印とは、複数の書類をまたがるように押印し、書類が離れたときに印影が割れるようにすることです。書類が無断に複製されたり差し替えられるのを防ぐために用いられる方法です。

間違って貼った場合は交換が可能

収入印紙が不要な領収書に間違って収入印紙を貼ってしまったときは、消印がない場合や、収入印紙が破れていない場合に限り、税務署で交換してもらうことができます。(※5)

(※5) 国税庁|No.7130 誤って納付した印紙税の還付
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7130.htm

収入印紙のない領収書をもらったとき

収入印紙が必要となる領収書に収入印紙が貼っていなかった場合、領収書の発行元には印紙税法違反の過怠税が課せられます。過怠税は、本来納付すべき印紙税の2倍の金額です。(※6)

反対に、収入印紙のない領収書をもらった支払者に対しては、何ら問題は生じません。収入印紙が貼っていなかったとしても、領収書としての効力がなくなることはないので、無理に発行元に対し、貼り直しを依頼する必要もないようです。

(※6)国税庁|No.7131 印紙税を納めなかったとき
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7131.htm

領収書のルールは正しく理解しよう!

領収書に収入印紙を貼る必要があるのは、税抜5万円の受取金額を超える場合です。収入印紙を貼ることで税金を納付したことを意味し、貼り忘れた場合には過怠税としてペナルティが課せられます。過怠税の負担以上に、領収書を受け取った側からはずさんな印象を持たれてしまいますので、貼り忘れのないよう注意が必要です。

また消印などの細かいルールについても正しく理解し、正確な領収書の取扱いを心がけましょう。

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