経費精算とは?その流れや方法など押さえておくべき基礎知識

企業活動を行う中では、必ず発生するのが「経費精算」です。しかし、「経費申請を毎月あげているけれど、詳しい流れや目的はよくわかっていない」という方も多いのではないでしょうか?本記事では、経費精算とは何かや、その目的、方法・流れについて分かりやすく解説していきます。

更新日:2022.5.25

企業活動を行う中では、必ず発生するのが「経費精算」です。しかし、「経費申請を毎月あげているけれど、詳しい流れや目的はよくわかっていない」という方も多いのではないでしょうか?
今回は、経費精算とは何かや、その目的、方法・流れについて分かりやすく解説していきます。

1|経費精算とは?

経費精算とは、あらかじめ従業員が立て替えておいた、業務に必要な費用=経費を経理部などに申請して払い戻してもらう手続きのことを指します。
従業員は、支払った金額が経費であることを証明するためにも、領収書などといった証票とともに申請書を提出し、支払った金銭を精算してもらうのです。
経費の精算は、経理部が管理している現金のほか、部署ごとに設置されている少額の現金「小口現金」を用いておこなわれることがあります。また、出張などで多額の経費がかかる場合、あらかじめ申請しておくことで仮払いを受けられるケースがあります。

1-1. そもそも「経費」とは?

そもそも「経費」とは、企業が事業活動をするために必要になった費用を指します。
営業が取引先訪問の際に支払った交通費や手土産代、事務所で使う文房具や客人に出すお茶代など、事業に必要な費用の多くは経費だとみなされます。

1-2. 注意!これは経費にあてはまりません

「事業に必要な費用の多くが経費に含まれる」と先述しましたが、どんなものでも全て経費にできるというわけではありません。
「経費」に含まれるかどうかは企業の売上につながる費用であるかが基準となっており、間接的にでも企業の売上に繋がらないのであれば、「経費」とみなされません。
例えば、従業員が個人的な目的で購入した物品や未使用の事務用品、法人税などは経費にあてはまりません。

2|経費として精算できる費用と勘定科目

経費とは、企業が事業活動のために使用した費用であり、様々なものがあてはまります。

経費精算をするときは利用した費用の種類を表す「勘定科目」に仕訳る必要がありますが、どのような勘定科目があるのか、主要なものを8つご紹介します。
業務内容や会社形態によって、経費になる費用としては上記以外にもさまざまなものが発生します。どんなものが経費になるのかは企業の社内規定によって異なるため、しっかりと確認しておくようにしましょう。

2-1. 旅費・交通費

社員が通勤や営業のために使用した交通費や、出張のために宿泊した宿代などが「旅費・交通費」にあてはまります。具体的には以下のような費用があてはまりますが、企業によって何を「旅費・交通費」として計上するかは異なるため、不安な方は確認してみるとよいでしょう。

  • 通勤のために乗車したバス、電車代
  • 営業のために乗車したタクシー代
  • 出張のために乗車した新幹線代
  • 泊りがけの出張をした際の宿泊費

2-2. 接待交際費

取引先など、事業に関係する相手との会食代や手土産代などが「接待交際費」に含まれます。私用で飲食したものは含まれず、「事業の売上につながるか」を基準として接待交際費にあてはまるかどうかを判断します。

  • 来客用のお茶菓子
  • 取引先へのお中元やお歳暮
  • 事業関係者の祝儀や香典など慶弔費

2-3. 会議費

「会議費」としてあてはまるものは、会議にかかる会場費の他に、1人あたり5,000円以下の飲食代も含まれます。先ほどご紹介した「接待交際費」が1人あたり5,000円以下だった場合は、「接待交際費」ではなく「会議費」に含めます。

  • 会議やセミナーを行うために利用した会場費
  • 事業関係者との打ち合わせにかかった飲食代、お茶菓子代

2-4. 事務用品費

ボールペンやコピー用紙、インク代など事務に関する消耗品の購入費などが「事務用品費」に含まれます。

2-5. 消耗品費

事務用品費と似ているのが、「消耗品費」です。こちらの勘定科目にあてはまるのは、文房具など取得価格が10万円未満ものと、使用可能な年数が1年未満の消耗品を購入した際の費用です。

10万円未満であれば、パソコンやデスクなども「消耗品費」として計上することが可能です。

2-6. 新聞図書費

業務上必要な情報収集や調査のために取得する書籍、有料メルマガなどにかかる費用は「新聞図書費」として計上することができます。

2-7. 通信費

「通信費」にはインターネット回線やサーバーなどにかかる費用のほか、固定電話や社用携帯の費用、切手代や送料も含まれます。ただし、はがきや便箋、封筒などは消耗品費に含まれますので、注意が必要です。

2-8. 雑費

クリーニング代など、頻度が少なくて金額が小さい支出や他のどの勘定科目にも属さない費用を「雑費」とします。

  • 粗大ごみの処分費用
  • 制服のクリーニング代

3|経費精算の基本的な方法・業務フロー

経費精算を実際におこなうときは、4つのプロセスを踏むことになります。ここからは、経費精算の基本的な方法について解説していきます。

3-1.【従業員】申請業務

はじめにおこなわれるのが、立て替えをおこなった従業員による申請業務です。従業員は経費にあたる金銭を立て替えたあと、社内に戻って経費精算申請書を作成します。
申請書類には「いつ、どこで、何のために、何に対して、いくら」経費を使ったのかについて明記することが重要です。たとえば、取引先訪問時の手土産を購入した場合、「購入日・購入した店・取引先企業名・購入物・金額」を記入して申請書を作成します。
なお、申請書には経費の証票として領収書を貼り付けるため、金銭を立て替える際は必ず領収書をもらっておきましょう。
申請書を作成したら、上司などの管理者に提出し、経費として承認をしてもらいます。

3-2.【管理者】承認業務

次におこなわれるのが、上司などの管理者による承認業務です。従業員から提出された申請書を確認し、申請書の不備や金額の誤りがないか、正当性のある経費かどうかを確認していきます。
ここで問題がなければ、申請書を経理に提出して実際に精算してもらいますが、記入漏れや正当性のある経費でないとした場合は、申請のあった従業員へ修正してもらうよう差戻ます。

3-3.【経理】精算業務

経理に申請書が回ってきたら、最後に経理担当者が申請書をチェックします。たとえ管理者の承認を得ているものであっても、しっかりと社内規定に照らし合わせると、経費として認められないものであると判明するケースがあります。
そのため、社内規定について熟知したスタッフが再度チェックし、経費にできるかどうかを判断するプロセスは欠かせません。
最終判断で問題がなければ、立て替えた費用の精算をおこないます。精算は、小口現金などから現金を従業員に手渡しする方法と、月に1度、給与とまとめて振り込みで精算する方法の2種類があります。

3-4.【経理】仕訳・記帳業務

申請した従業員は、立て替えた金銭を返してもらったら経費精算手続きは終わりです。しかし経理担当者は、お金を精算したあとに会計処理をおこない、精算によって生じたお金の流れを明確にしておく必要があります。
経理が会計処理をおこなう際は、申請ごとに勘定科目や税区分を確認し、取引内容を帳簿や会計ソフトに残していきます。全従業員の全ての申請に対して会計処理をおこなう必要があるため、経費精算の会計処理は非常に手間と時間のかかる作業なのです。
会計処理まで終われば、経費精算のフローは完了となります。

4|経費精算書の種類と書き方

経費精算を申請する際には、「経費精算申請書」に必要事項を記入し、領収書など経費の証憑となるものをのりやホッチキスで申請書にとめ、承認者や経理に提出します。企業にもよりますが、経費申請書に記載する項目は以下の通りです。

  • 所属、役職、社員番号
  • 氏名
  • 申請日
  • 経費となる費用を払った日付
  • 支払先
  • 金額
  • 内容(何に対して発生した費用か)

上記のような一般的な経費申請書以外にも、経費精算には様々な申請書が存在します。今回は、その中でも代表的な3つの申請書をご紹介します。

4-1. 仮払経費申請書

泊りがけの出張で新幹線や飛行機代、宿泊代が必要になるなど、ある程度大きな金額が経費として発生する場合、従業員が立て替えるには負担が大きくなってしまいます。そこで、必要と思われる概算金額を会社から仮払いしてもらうための申請書です。

4-2. 仮払経費精算書

「仮払経費申請書」を提出した場合は、この「仮払経費精算書」の提出も必要になります。出張費などを会社から仮払いしてもらった場合、その過不足を清算する際に使用する申請書です。仮払い金額の方が多ければ従業員から返金し、仮払い金額が実際の費用よりも少なければ、企業から不足分を追加で支払います。

4-3. 出張旅費精算書

出張や社員旅行など、出張旅費にあてはまる経費を精算するときに使用する申請書です。一口に「出張旅費」といっても、どこまでが経費にあてはまるかは企業によっても様々ですので、就業規則などの規定を確認してみましょう。

5|経費精算をおこなうときの3つの注意点

経費精算では企業のお金をやり取りする以上、正しく処理をするためにもいくつかの注意点について留意しておく必要があります。ここからは、経費精算をおこなうときの注意点について3つ解説していきます。

5-1.経費の社内規定を周知しておく

そもそも従業員間で経費に対する認識が異なると、経費精算の際にトラブルに発展してしまう危険性があります。

  • 経費にできると思って買ったのに経理に断られた
  • 6カ月前の領収書で申請されたが、1カ月以上経ったものは受け付けられない

社内規定が曖昧だと、上記のように従業員にとっても経理にとっても混乱が生じやすくなってしまうのです。
「この場合は経費にならない」「経費精算は1カ月以内に」など、経費に関する社内ルールは明確に制定しておきましょう。そのうえで、経費に関する社内規定についてわかりやすくまとめた資料を各従業員にデータなどで配布し、社員全員が確認できるように周知しておくことが重要です。

5-2.正確な精算を徹底する

経費精算をおこなう際は、常に正確な手続きをするように心がけてください。手作業で申請書を作成する場合、書き間違いや勘違いなどのヒューマンエラーによるミスは防げません。
各プロセスで申請書の金額と領収書の金額に相違がないか、不足している項目がないかなどについてしっかりと確認の上、精算をおこなうようにしましょう。
とくに気をつけたいのが、交通費の精算です。乗車区間の間違いや、定期区間を控除していない金額で計算してしまうなど、交通費の精算にはミスが多い傾向にあります。
こういったチェック作業には手間も時間もかかるため、交通費を自動的に計算してくれる経費精算システムの導入が非常におすすめです。

5-3.経費精算はこまめにおこなう

経費精算は経理にとって大きな負担となる業務なため、従業員はできるだけこまめに精算をおこなっておくようにしましょう。領収書を溜めて月末などにまとめて提出されてしまうと、経理担当者がほかの業務に充てる時間を捻出できなくなってしまうためです。
1人分のものでも大変な経費精算業務ですが、多くの従業員が同じ時期にまとめて申請書を提出してしまえば、経理担当者の負担は計り知れません。一度に処理する書類が増えるほどミスも増え、業務効率も低下するでしょう。
経費精算はこまめにおこない、経理担当者の負担を分散させるようにしましょう。

6|経費精算の課題

経費精算は企業活動の中で必ず必要になるものですが、経費は日々発生するため、その処理は膨大なものになります。ここでは、経費精算によくある課題を「申請者」「承認者」「経理担当者」に分けて解説します。

6-1.【申請者】申請が面倒で、ミスも発生しやすい

「外回りの営業で、毎月交通費申請が面倒」「経費精算用の領収書をもらい忘れる/無くしてしまう」「書き損じたら、もう一度申請書を印刷してイチから記入しなおさなければならない」など、紙の申請書による経費精算は面倒やミスが発生しやすいものです。

また、テレワークの普及によって、「経費精算の申請をするためだけに出社しなくてはならない」「上司に承認の判子をもらうために、上司の出社時間に合わせて会社に行かなくてはならない」などの課題も生まれてきています。

6-2.【承認者】承認に時間がかかり、本来の業務にかける時間が削られる

承認者には毎月多くの申請書が提出されますが、証憑との確認や正当性のある経費であるかの確認には、多くの時間がかかります。さらに、「記入漏れ」「領収書の添付漏れ」などがある場合、差し戻して修正内容を再確認する手間もかかってしまい、本来の業務に割く時間が削られてしまいます。

また、紙ベースの申請書で経費精算をしている場合、申請の承認業務は事務所でないと行えないため、「テレワークだが、承認作業のために出社が必要」「隙間時間で場所を選ばずに確認できない」などの課題が発生します。

6-3.【経理】扱う書類が多く、ミス対応や仕訳も一苦労

経理担当者には、全社からの経費精算申請書が提出されます。従業員数が多いほど申請書の数も多くなりますし、提出の催促やミスの対応、申請書の質問対応などでも大変骨の折れる作業です。

特に、月末に申請書がまとめて提出されると、確認や仕訳、帳票への記入に時間がかかるうえ、ミスも発生しやすくなります。

7|経費精算を効率化する方法

経費精算は膨大な量になりがちで、対応にかなりの時間がかかります。「ミスや作業にかける時間を減らせないか」とお考えの方に向け、経費精算を効率化する方法を2つご紹介します。

7-1. アウトソーシングする

経費精算にかかる時間を減らす方法として、アウトソーシングすることを考えられる方は多いでしょう。企業では申請書と証憑をまとめてアウトソーシング先に提出するだけでよく、最終的には仕訳データをもって帳票にすることができるため、経費精算業務にかかる時間を大幅に削減することが可能です。

7-2. 経費精算システムを導入する

経費精算システムは、経費精算の申請から承認、仕訳や帳票へのデータ入力までを電子化できるシステムです。申請者はスマートフォンやPCから申請書に記入できるほか、交通系ICカードをタッチするだけで交通費を読み込めたり、申請した後は自動で各承認者へ振り分けられたり、データを一元管理できるなど便利な機能が多く搭載されています。
紙ベースでの経費精算を電子化すれば、申請や差戻・承認までの時間を削減することが可能です。

8|経費精算システム導入の3つのメリット

経費精算は多くのプロセスやチェック事項を要し、正確性が求められるミスの許されない業務です。こういった経費精算業務を負担に感じ、プロセスの簡略化や効率化を図りたいと考えている担当者は多いのではないでしょうか。
そこでおすすめなのが、経費精算システムの導入による精算業務の削減です。経費精算システムを導入すれば、申請のシステム化や仕訳の自動化が図れ、経理の負担を大幅に軽減することが可能です。
ここからは、経費精算システム導入のメリットについて3つ解説します。

8-1. いつでもどこでも申請・承認ができるようになる

経費のネックになっているのが、申請・承認業務が社内でしかできないことではないでしょうか。外出が多い従業員や管理者の場合、日中は外出の仕事で経費精算手続きができず、就業時間後の夜間に社内に戻って申請・承認業務をするケースも珍しくはありません。
実際、クラビス社がおこなった「仕事の効率に関する調査」によれば、6人に1人が勤務時間外に申請作業をしていることが判明しています。(※1)

※1:【1000人アンケート】もっとも面倒な社内業務は「経費精算」 6人に1人が経費精算のために残業!|STREAMD

なかなか経費申請を社内でおこなう時間が取れない従業員が多い場合は、クラウド型経費精算システムを導入すれば、場所を問わずに経費申請ができるようになります。クラウド上で経費申請ができるため、外出先の移動時間や待ち時間を有効活用できます。
申請は、スマホによる必要事項の入力と領収書の画像を添付することで可能です。サービスによっては、承認作業もスマホからおこなうことができます。
いつでもどこでも申請・承認ができるようになれば、随時申請が可能となり、経理の業務負担集中も避けられるようになるでしょう。

8-2. 精算・仕訳業務の自動化

経費精算システムを導入すれば、経理がおこなう精算・仕訳業務を自動することが可能です。面倒な交通費の金額は自動でおこなわれますし、給与と一緒に経費を自動で振り込むこともできるのです。
また、従業員が申請時に経費の内訳を入力すれば、仕訳も自動で完了します。会計システムと連携できる経費精算システムであれば、帳簿の作成や会計書への反映も自動的におこなわれるでしょう。
経費精算システムの活用は経理作業の負担を大幅に削減し、経理担当者がコア業務に集中する手助けをしてくれます。

8-3. 経費精算のキャッシュレス化にも対応

近年、電子マネーやテレワークの普及により、経費支払いのキャッシュレス化が進んできております。実際、SBペイメントサービス社の調査によると、業務の経費を支払う際にクレジットカードを使った経験がある人は、全体の8割にも上ることがわかっています。(※2)
実は、経費精算システムはキャッシュレス化と非常に相性が良好です。経費精算システムには、クレジットカードやICカードの使用履歴を取り込み、自動的に仕訳をする機能が備わっているためです。
自動仕訳機能を活用することで、経費の計上漏れや金額の転載ミスなどを防ぐことが可能になります。キャッシュレス決済に対応した経費精算システムを使えば、時代の変遷に沿ったよりスムーズな経理業務をおこなえるでしょう。

※2:勤務先における、クレジットカード決済や請求書払いの利用実態に関する調|SBペイメントサービス株式会社

9|手間のかかる経費精算は工数の削減がカギ!

経費精算とは、従業員が立て替えた業務に必要な費用を精算する手続きのことを指します。経費精算の際は申請者や管理者、経理による手続きが必要となるため、非常に手間と時間がかかる作業になります。
経費精算にかかる工数を減らすためには、経費精算システムや連携できる会計システムなどの導入が有効です。もしも今経費精算の手続きに煩雑さを感じているのであれば、ぜひ自社に最適な経費精算システムの導入をご検討ください。

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