経費精算をキャッシュレス化する5つのメリットを徹底解説
経費精算システム
2023.07.12
2023.07.12
日々の経費を精算するために、現金を手元に置いている企業は多いかもしれません。随時経費精算が可能というメリットがある一方、盗難のリスクや現金管理の手間といったデメリットもあります。現金を使った経費精算に課題を感じている場合は、経費精算のキャッシュレス化を図ることで、現金精算にかかる時間的コストやリスクを削減できます。本記事では、経費精算のキャッシュレス化のメリットや方法について解説していきます。
経費精算をキャッシュレス化するメリット
経費精算のキャッシュレス化とは、その名の通り経費精算に現金を使用しない運用方法のことを指します。経費精算のキャッシュレス化をすると、企業にとってどのようなメリットが生じるのでしょうか。まずは、キャッシュレス化によるメリットを5つ解説していきます。
1.経費精算にかかる業務が楽になる
キャッシュレス化のもっとも大きなメリットが、経費精算にかかる業務が楽になる点です。実際に企業の経費精算のフローを見てみると、以下の流れで精算が進んでいくことが多い傾向にあります。
- 銀行にて精算用の現金を引き出す
- 従業員が経費精算申請書を作成して提出する
- 管理者や上司が内容をチェックし、押印して経理に上げる
- 経理が確認し、問題点があれば差し戻す
- 問題がなければ経費を精算し、現金を従業員に渡す
- 出金を記帳して領収書を保管する
- 1日の終わりに帳簿と現金の残高をチェックする
- 過不足金がある場合は調査する
- 必要に応じて両替をおこなう
精算フローにおける一つひとつの業務は、決して時間のかかるものではありません。しかし、毎日・毎月こういった業務が続けば、結果的に多くの時間と労力を費やすことになってしまうでしょう。
経費精算をキャッシュレス化すれば、このフローが簡略化されます。経費精算に必要な手続きが減り、その分コア業務に充てる時間を増やせるようになるのです。
2.現金管理をする必要がなくなる
日々の経費を精算するために、部署ごとに「小口現金」を置いて運用している企業も多いのではないでしょうか。小口現金があれば、その場で経費精算ができて便利です。
しかし管理を任された担当者にとって、毎日の残高確認や両替といった管理業務がほかの業務を圧迫してしまうことも少なくはありません。こういった企業内の現金管理は非常に重要な業務ですが、精算が多い企業や忙しい部署にとって、わずらわしくなってしまうでしょう。
現金精算をやめて経費精算のキャッシュレス化を進められれば、社内で現金の管理をする必要がなくなります。管理業務の手間が削減されるため、コア業務の効率化が図れるでしょう。
3.計算ミスや金額の不一致を防げる
企業会計においては、正確性がもっとも重要だとされています。しかし、お金を人が管理する以上、どうしてもヒューマンエラーは防げないものです。
現金を置いて頻繁に精算をしている場合、計算ミスや記帳ミスにより、現金の金額が合わなくなってしまうリスクがあります。万が一、計算ミスや記帳ミスで帳簿と残高の不一致が見つかれば、正確な現金管理をするために、原因が判明するまで追求し続けなくてはいけません。
そうでなくとも、盗難や不正利用がないように、現金は随時管理しておくことが求められます。日常業務に追われる担当者にとって、これらの作業は非常に大きな負担になります。
経費精算をキャッシュレス化すれば計算ミスや金額の不一致が防げるため、小口現金係や経理の負担が大幅に削減できるのです。
4.使用履歴が確認できる
クレジットカードやICカードを使用して経費精算をキャッシュレス化すれば、使用履歴が残るようになります。経理担当者は必要なときに利用明細を確認すればいいので、計上漏れや金額の入力ミスを減らすことが可能です。
対応した経費精算ソフトを導入すれば、利用明細を直接取り込んで帳簿に反映させることも可能です。金額や日付を自分で入力する必要がなくなるため、書き間違いや計算ミスも防げるでしょう。
5.ポイントや付帯サービスが利用できる
ICカードやクレジットカードを使用する場合、使うたびにポイントが加算されたり付帯するサービスを無料で利用したりすることができます。出張が多い従業員であれば、ポイントを貯めることで次回以降の出張がお得になるでしょう。
また、ホテルやレンタカーの割引サービスが受けられることもあります。経費精算のキャッシュレス化は経理業務の削減だけではなく、経費の節約にも非常に役立つでしょう。
経費精算をキャッシュレス化する4つの方法
経費精算のキャッシュレス化といわれても、どのように進めればいいかイメージができない人も多いかもしれません。キャッシュレス化の方法としては、おもに4つの方法が挙げられます。ここからは、その方法について詳しく見ていきましょう。
1.交通系ICカードやプリペイドカードを使う
もっとも導入しやすい方法なのが、交通系ICカードやプリペイドカードを使ったキャッシュレス化です。あらかじめ会社が金額をチャージしておき、従業員が交通費を払うときや備品を購入するときにカードを使用します。
ただし、いきなり全員にカードを支給することは現実的ではありません。外出が多い従業員や部署に渡しておき、必要に応じて使ってもらう運用方法であれば、無理なくキャッシュレス化が実現できるでしょう。
交通系ICカードやプリペイドカードの大きなメリットは、支払いの間違いが起こらないところです。50円を100円と間違えたり、1,000円札を重ねて出してしまったりすることが防げるため、正確な金額で取引ができます。
利用履歴も専用のカードリーダーがあれば見られるため、入出金の確認もスムーズでしょう。
2.法人用クレジットカードを使う
法人用のクレジットカードも、経費精算のキャッシュレス化に活用できます。ほぼすべてのクレジットカード会社が法人用のカードを発行しているため、自社にとってメリットの多い会社のカードを選びましょう。
たとえば、飛行機での出張が多い企業は、航空会社のカードを使えばマイルが貯まりやすくなります。出張はないが通販利用が多いという企業は、通販会社のカードであれば割引やポイント優待が受けられます。
クレジットカードを持っておけば、空港ラウンジの使用や保険など、付帯サービスが利用できるところも大きなメリットです。
また、クレジットカードによる決済をすると、支払った経費は翌月もしくは翌々月に支払うことになります。引き落としまでに資金を用意する猶予が発生するので、キャッシュフローを安定させることが可能となります。
3.口座振替を活用する
定期的に購読している新聞や雑誌、備品の支払いなどを現金で精算している場合は、口座振替を活用しましょう。自動引落にすれば支払い忘れや経費の精算漏れが防げ、通帳に記録が残るため経費精算業務の簡略化にも役立ちます。
口座振替は、もっとも簡単に始められる経費精算のキャッシュレス化です。もしも今支払っている代金の中に口座振替に対応しているものがあれば、まとめて手続きをおこなっておきましょう。
4.月に1度の立て替え精算にする
ICカードやクレジットカードの導入だけでは、全ての経費精算に対応することはできません。
店舗によってはICカードが使えないことがありますし、従業員に支給できるカードの枚数は限られてきます。そのため、ここまで紹介した方法で支払いを完全にキャッシュレス化することは難しいのです。
そんなときに取り入れたい経費精算のキャッシュレス化手段としては、立て替え精算が挙げられます。立て替え精算とは、日頃従業員が経費を立て替え、月に1度申請と領収書を提出して経費を精算する方法のことを指します。
経費は給与とともに口座へ振り込まれるため、会社内で現金のやり取りをしなくて済みます。従業員の負担は増えてしまいますが、経理がおこなう精算手続きの頻度が落ちるため、精算業務を大幅に削減することが可能です。
経費精算をキャッシュレス化する際の2つの注意点
経費精算のキャッシュレス化には、メリットが豊富に存在します。しかし、いくら業務が簡略化するとはいえ、いきなりキャッシュレス化をしてすぐにうまく運用ができるようになるわけではありません。
今まで現金でおこなっていた企業がキャッシュレス化を進める際には、運用ルールやリスクについての注意点がいくつか挙げられます。順調に経費精算のキャッシュレス化を進めるためにも、3つのポイントに注意するようにしてください。
1.運用ルール周知のために移行期間を用意する
経費精算のキャッシュレス化をすれば業務の効率化が図れますが、いきなりキャッシュレス化を進めてしまうことは避けましょう。運用ルールの周知が完了していない時点でスタートしてしまうと、従業員の混乱やミスが発生して、かえって業務に手間がかかってしまう危険性があるためです。
周知には十分な期間を設け、段階的に運用をスタートしておくようにしてください。段階的な運用としては、以下のようなものが挙げられます。
- 役職者にだけキャッシュレス化を取り入れてみる
- 経費精算の多い部署だけで運用してみる
まずは、上記の運用方法で問題点や改善点を十分に洗い出します。洗い出した問題点を解消して準備が整ってから、少しずつキャッシュレス化を取り入れる従業員の範囲や部署を広げていってください。
しっかりと工程を経て導入すれば、スムーズにキャッシュレス化が進められるでしょう。
2.盗難や不正利用リスクに備える
ICカードやクレジットカードを使ってキャッシュレス化を進める際は、カードの盗難や不正使用には十分に注意しましょう。とくに、従業員の裁量でクレジットカードを使用できるようにしてしまうと、本来経費に計上できない飲食費などの会計に使われてしまう危険性があります。
こまめに利用明細を確認し、不正利用されないように管理しておく必要があります。
また、クレジットカードは盗難された際のリスクも大きいです。カードの在り処を常に管理し、異変があればすぐに使用を停止できるよう体制を整えておきましょう。
管理方法や運用方法に不安が残る場合は、はじめにICカードやプリペイドカードを使ったキャッシュレス化をおこなうことがおすすめです。この方法で運用に慣れてきてからクレジットカードの使用に移行すると、混乱やリスクを避けてキャッシュレス化を進められます。
2.キャッシュレス化の方法を統一する
どんな方法でキャッシュレス化を進めるにしろ、方法を統一することが何よりも大切です。「この部署はクレジットカード」「この部署は立て替え精算」とキャッシュレス化の方法をいくつも混在させてしまうと、かえって経費精算の手間が増えて業務が複雑化してしまうことがあるためです。
企業によって、どの方法が最も適しているのかは大きく異なってきます。会計システムや経費の用途に合わせて、自社に最適なキャッシュレスシステムの導入を検討しましょう。
経費精算のキャッシュレス化には経費精算システムがおすすめ
経費精算のキャッシュレス化にはさまざまな方法がありますが、どの方法にしたらいいか迷っている場合は、経費精算システムを用いた方法がおすすめです。
振り込みにも対応している経費精算システムを使用すれば、給与とともに従業員に立て替えてもらった経費を振り込みで精算することが可能です。従業員にはスマホやパソコンで経費を入力しておいてもらえばいいので、従業員の申請作業にかかる手間も削減できるでしょう。
また経費精算システムは、管理者や経理の担当者にもメリットが豊富です。承認や差し戻し手続きがシステム上で簡単にできますし、領収書も写真で保管できるようになります。
会計ソフトと連動させられるものであれば、仕訳や帳簿付けもすべて自動でおこなわれます。したがって経費精算システムを導入すれば、事務手続きにかかる手間や時間が大幅に減らせるのです。
経費精算システムには、クレジットカードやICカードの取引履歴を取り込めるサービスも数多く存在しています。事業や精算方法に必要な機能を洗い出し、自社に最適なシステムを導入することが何よりも大切です。
経費精算をキャッシュレス化してリスクとコストのマネジメントを
現金を用いた経費精算には多くの手間と時間のコストがかかり、盗難や計算ミスなどのリスクがついてまわるものです。もしも今、経費精算を手間に感じているのであれば、経費精算をキャッシュレス化することでリスクや時間的コストを削減することができるでしょう。
キャッシュレス化の方法としては、ICカードやクレジットカード、口座振替や立て替え精算といった方法があります。どの方法を用いるにせよ、経費精算システムと一緒に導入すれば、より業務が効率化できるようになります。さまざまなシステムをよく比較し、自社に適したシステムを見つけてみてください。
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