予算管理システム比較・選び方のポイントは?
予算管理システム
2023.06.14
2023.06.14
予算管理システムは、企業が予算を作成・編成や、予算の進捗管理に役立つシステムです。Excelなどでもおこなえますが、予算管理システムなら簡単でスピーディに予算にまつわる業務をこなせます。予算管理システムは国内外に複数存在していますが、自社のニーズに合ったものを選択しましょう。今回は、予算管理システムの特徴や導入するメリット、比較・選び方のポイントについてもまとめています。
予算管理システムを導入するメリット
1.業務効率の向上
Excelなどを使用し、手入力で予算の作成・編成作業をおこなうと、膨大な時間と手間がかかります。また、予算を作成・編成するには部門・部署別の予算を集約する必要がありますが、すべてのデータが揃うまでには日数を要するため、作業が滞ってしまうことも少なくありません。予算管理システムと会計ソフトを連携させれば、予算の作成・編成に必要なデータが自動入力されるため、手入力ミスのリスクを軽減することができます。部門・部署別の予算情報もリアルタイムに反映されるので、予算の作成・編成にかかる時間と手間を省略できるのも大きなメリットです。
2.予算の進捗状況(予実管理)を可視化・モニタリングできる
予算管理をおこなうにあたり、特に重要なのが予算の進捗状況の確認です。当初の計画通りに事業やプロジェクトが進行しているとは限りませんので、逐一状況を確認し、必要に応じて予算の組み直しや業務改善などをおこなう必要があります。予算管理システムには、事業やプロジェクトがどれだけの実績を上げているかどうかを示すKPI(業績評価指標)を自由に設定できる機能があり、目標の達成度合いを見える化することができます。予算と評価の間に大きな乖離がある場合、すぐに軌道修正のための対策を講じることが可能です。
3.従業員のモチベーションアップ
予算管理システムを導入すると、KPIやモニタリング機能の活用により、事業やプロジェクトごとの実績が可視化されます。自分達が挙げた実績や業績を正しく把握できるようになると、仕事へのモチベーションがアップします。逆に、思うように実績や業績が上がらなかった場合でも、KPIや予実管理の結果から問題点を明確にすれば、課題の解消に向けて積極的に動くことができます。
4.効率よくPDCAを回せるようになる
PDCAとは、「Pran(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」を繰り返すことで、管理業務を長期的かつ継続的に改善していく手法のことです。トライアンドエラーを繰り返せば、業務管理の質を段階的に向上させることができるといわれています。PDCAサイクルは、回転数が多くなるほどブラッシュアップされていくため、いかに素早くPDCAを回すかが重要なポイントになります。予算管理システムを導入すれば、無駄なく予算作成・編成や予実管理、集計データの分析などをおこなうことができるため、短期間でPDCAサイクルを回せるようになります。
5.責任の所在が明確になる
複数の部門・部署がひとつの事業・プロジェクトに関わっていると、ミスがあった場合の責任の所在が曖昧になりがちです。場合によっては、関係のない部署が不当な評価を受けたり、課題や問題点が見つからず、対策を講じられなかったりする可能性があります。予算管理システムの予実管理機能を活用すれば、事業やプロジェクトの進捗状況が明確になり、どの部署に責任があり、どんな問題が発生していたのかを正確に把握することができます。
6.常に最適な環境下で予算管理をおこなえる
予算管理業務をおこなうには、企業の経営戦略や財政状況、プロジェクトの内容といった機密データが必要です。万一データや情報が外部に漏洩した場合、企業が多大な損害を受ける可能性があるため、徹底したセキュリティ体制を整えておくことが大切です。予算管理システムには、大事な情報を安心して取り扱えるよう、セキュリティ機能が標準搭載されています。 とくにクラウド型の予算管理システムの場合、セキュリティ機能がリアルタイムにアップデートされるため、常に安全な環境下で業務をおこなえます。なお、アップデートでは機能の追加や改良などがおこなわれることもあり、利便性の向上も期待できます。
予算管理システムを選ぶ時のポイント
予算管理システムのニーズは年々高まっており、現在は多数のメーカーからさまざまなサービスが提供されています。自社に合った予算管理システムを選ぶために、チェックしておきたいポイントを6つご紹介します。
1.初期導入費だけでなく、維持費もチェック
予算管理システムを利用するには、初期導入費のほかに、システムを維持するためのランニングコストがかかります。たとえば、自社内に情報システムを設置・運用するオンプレミス型の場合、サーバーの調達やソフトウェアの購入に費用がかかるため、初期導入費は割高になります。
一方のクラウド型は、サーバーなどのインフラ環境をネット上の仮想サーバーに設置して運用するため、自社でサーバーやソフトウェアを調達する必要はありません。そのぶん初期費用は大幅に削減できますが、システムを利用している間は月額料金が発生するため、長期的に利用するとオンプレミス型よりもコストが割高になるケースもあります。
このように、システム形態の違いだけでもコストに違いが生じますので、自社のニーズや予算に合ったコストパフォーマンスのシステムを選ぶことが大切です。
2. 他の業務システムとの連携が可能かどうか
予算管理システムを効率的に活用するためには、会計システムや販売管理システム、給与計算システムなど、予算に関係のある他のシステムとの連携が必要不可欠です。他の業務システムと連携できない場合、複数のシステムを個別に運用しなければならないため、二重・三重の手間がかかってしまいます。 会計システムや給与計算システムも同時に導入する予定があるのなら、必要な業務システムを包括したオールインワンタイプの予算管理システムを選ぶと、各種業務との連携が楽になります。
すでに他の業務システムを導入している場合は、予算管理システムとの連携が可能かどうかを軸にシステム候補を絞り込むとよいでしょう。
3.KPIをカスタマイズ設定できるかどうか
予算管理システムのほとんどにはKPI機能が付いていますが、設定方法や項目はシステムごとに異なります。特に複数のプロジェクトを同時進行させている企業では、案件ごとに重視すべきKPIが異なるため、KPIを任意にカスタマイズ設定できる機能が欲しいところです。KPI機能の有無だけでなく、どんな指標を設定できるか、自由にカスタマイズ可能かどうかもよく確認しておきましょう。
4.Excelからスムーズに移行できるかどうか
これまでExcelで予算の作成・編成などをおこなっていた企業では、予算管理システムの導入にあたり、システムの移行作業が必要になります。予算管理システムの中には、Excelのデータを直接インポートし、移行できる機能がついているものもありますので、Excelからの乗り換えを検討している場合は、データをスムーズに移行できる機能があるかどうかも忘れずにチェックしましょう。
5.シミュレーションのパターンが豊富かどうか
予算を作成・編成する際は、売上目標や経費、原価、消費動向など、さまざまな要素を考慮する必要があります。ただ、これらの要素は一定ではなく、何らかの要因で変動する可能性があります。数値が変動すると、予算そのものを見直す必要が出てくるため、あらゆるケースを考慮し、あらかじめ複数の予算をシミュレーションしておくことが大切です。
予算管理システムには予算のシミュレーション機能が備わっていますが、パターン数はシステムによって異なります。パターンが多いほど、さまざまなケースを想定して予算を策定することができますので、できるだけシミュレーションのパターンが豊富なシステムを選ぶのがポイントです。
6. 無料トライアルをおこなっているかどうか
予算管理システムの中には、システムの導入を検討している企業向けに無料トライアルを提供しているところもあります。自社のニーズに合ったシステムかどうかは実際に利用してみないとわからない部分も多いので、システム選びで失敗するのが不安な場合は、無料トライアルがあるかどうかもチェックしてみましょう。
予算管理システムは、自社の課題・ニーズに合わせて選ぼう
予算管理システムを導入すると、業務の効率化につながるのはもちろん、予算の進捗状況を見える化できたり、従業員のモチベーションの向上につながったりと、さまざまなメリットがあります。Excelやスプレッドシートを使った予算管理業務に、課題や限界を感じているのなら、予算管理システムの導入を検討することをおすすめします。ただ、一言に予算管理システムといっても、その特徴や機能、価格はサービスによって大きく異なります。予算管理システムの導入にはそれなりのコストがかかりますので、まずは自社が抱える課題やシステムに対するニーズを明確にし、最適なシステムを選びましょう。
予算管理システム選びに悩んだら、無料トライアルで使い勝手を試したり、メーカーに詳しい情報を問い合わせたりして、納得いくまで検討することが大切です。
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