法人クレジットカード利用時の経費精算の方法や注意点を解説

法人クレジットカードの経費精算とは

法人クレジットカードの経費精算
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経費精算には申請や承認、経理業務といった多くのプロセスが必要となります。こういったプロセスにかかる時間や業務負担を削減するために注目されているのが、法人クレジットカードを使った経費精算です。

法人クレジットカードを導入した場合、どのような流れで経費精算を進めていくことになるのでしょうか。まずは、法人クレジットカードを使った経費精算の方法について見ていきましょう。

法人クレジットカードの経費精算をする流れ

法人クレジットカードで経費を精算する際、従業員側と経理側における2つの精算プロセスが必要となります。

【申請者側の経費精算方法】

  1. 出張や外出などの際の経費を法人カードで支払う
  2. 領収書とクレジット売上票を保管しておく
  3. 会社に帰ったら領収書などを経理に提出する
    ※領収書をデータで保管している企業の場合、写真を送っておく。

【経理側の経費精算方法】

  1. クレジットカードの利用明細を確認し、記帳や仕訳をする
  2. 利用明細とともに、従業員から提出された領収書もしくはクレジット売上票を保管しておく

法人カードを使用した経費精算の場合、従業員はお金を立て替えていないため、金銭の返還作業は不要です。従業員はクレジットカードでの支払いと領収書の提出、経理は仕訳・記帳作業をそれぞれおこなえばいいため、経費精算業務が大幅に削減されるでしょう。

法人クレジットカードは経費精算システムとセットで使う

法人カードによる経費精算は、それだけでも十分に利便性が高いものです。しかし、さらに精算業務をスムーズにするためには、経費精算システムの導入も検討しましょう。

経費精算システムは、従業員が使用した経費を入力することで精算業務をシステム化するサービスを指します。対応している経費精算システムであれば、法人カードの使用履歴を取り込み、自動で経費を仕訳してくれるものもあります。

連携できる会計ソフトを使えば、帳簿の作成も自動化することが可能でしょう。

手作業で日付や金額を入力しなくてもいいため、計上漏れやミスを防いで正確な仕訳をすることが可能となります。業務の効率化を加速させてくれるサービスなので、法人カードの利用を検討の際は、同時に経費精算システムも導入しておきましょう。

法人クレジットカードで経費精算する5つのメリット

法人クレジットカードで経費精算する5つのメリット
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ここからは、法人クレジットカードで経費を精算するメリットについて詳しく解説していきます。

1.経費精算フローが簡略化される

前項でもお伝えしましたが、クレジットカードを使って経費を精算すると、経費精算フローが大幅に簡略化されます。

従来の経費精算フローでは「従業員による申請書作成→管理者の承認→経理による精算→経理による仕訳」というプロセスが必要でした。しかし、法人クレジットカードを使用すれば、経理が登録された利用明細を取り込み、仕訳するだけで経費精算業務が完結します。

これにより、経理だけではなく申請者の立て替え・申請書作成負担も削減されます。経費精算フローがシンプルになりそれぞれの負担が減るため、法人クレジットカードの使用はおすすめなのです。

2.経費節約になる

法人クレジットカードを使えば、経費を節約することも可能です。事務所の公共料金や定期的に購入している備品などを振り込みで支払っている場合、料金に手数料が加算されてしまいます。

法人クレジットカードで支払うことでこういった手数料をカットし、経費の節約につなげられるのです。また、各法人クレジットカードには、日本各地で利用できる宿泊ホテルやレンタカーの割引サービスが用意されています。出張などが多い部署は、法人クレジットカードを持っているとより高い経費節約効果が得られるでしょう。

3.ポイント還元や付帯サービスが受けられる

個人向けのクレジットカードと同様に、ポイント還元サービスを受けることが可能な法人クレジットカードは多く存在しています。クレジット払いにすれば公共料金や電話代などの固定費にもポイントが付くようになるため、そのポイントを事務用品などに充てて経費を削減することが可能となります。

また、空港ラウンジの使用や保険などの付帯サービスが利用できるのも、法人クレジットカードを持つ大きなメリットです。各クレジットカード会社でポイント還元率や付帯サービスは異なるため、よく比較して自社に合ったものを選ぶようにしましょう。

4.仕訳や記帳が格段に楽になる

仕訳や記帳が楽になるのも、法人クレジットカードならではのメリットです。法人クレジットカードを使用すると、毎月カード会社から「いつ・誰が・どこで・何に使ったのか」について記載したカード利用明細が送られてきます。

明細の内容を入力すれば経費の計上が完了するため、経理業務がシンプルになり人件費削減や業務効率化が図れるのです。

経費精算システムや会計システムを利用すれば、利用明細を取り込むだけで仕訳から記帳まで自動化されます。経理にかかる時間が減り、従業員がコア業務に集中できるようになるでしょう。

5.キャッシュフローに余裕が生まれる

法人クレジットカードを使用すると、キャッシュフローに余裕が生まれ資金繰りをしやすくなります。

経費の精算に法人クレジットカードを使用した場合、利用した分の金額が翌月または翌々月に引き落とされます。毎月締日と支払日が統一されているため支出を管理しやすく、引き落とし日までに余裕を持って資金を用意することが可能になるのです。

カード会社によっては、支払いを先送りにできる機能が備わっているものもあり、収支の調整がしやすいのも大きなメリットです。現金での経費精算だと随時経費を精算する必要があるため、資金の動きが把握しきれません。

他方で、法人クレジットカードによってキャッシュフローを統一できると、資金繰りが一気に楽になるでしょう。

法人クレジットカード利用時の経費精算における3つの注意点

法人クレジットカード利用時の経費精算における3つの注意点
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メリットの多い法人クレジットカードですが、正しく運用するためにはいくつかの注意点に気をつける必要があります。最後に、法人クレジットカードで経費を精算するときの注意点について3つ解説していきます。

1.利用明細とクレジット売上票を保管する

法人クレジットカードで決済をする場合、じつは領収書をもらう必要はありません。カード会社から発行される利用明細があれば、領収書がなくても経費精算の書類として使用することが可能なためです。

ただし、明細には必ず以下の項目が記載されているかチェックしておく必要があります。

  • 購入した日付
  • 購入した店舗名
  • 商品やサービスの内容
  • 金額
  • 購入者の氏名もしくは会社名

ちなみに、クレジットカード決済の領収書は、税法上は正式な領収書に該当しません。これは、クレジットカード決済は「信用取引」であることが理由として挙げられます。

本来領収書は「金銭」または「有価証券」の受領証明として発行されるものだとされています。したがって、金銭のやり取りをしていないクレジットカード決済の場合、領収書を正式な会計処理の書類として使用できないのです。(※1)

法人クレジットカードの場合、利用明細のほか「クレジット売上票」を正式な領収書として使用することが可能です。ただし、企業によっては領収書の提出も求められることがあるため、社内規定をよく確認して必要に応じて提出できるように周知しておきましょう。

※1:クレジット販売の場合の領収書|国税庁

2.不正利用を防ぐ

法人クレジットカードとはいえ、カードの使用は持ち主の裁量に任せられます。残念なことですが、場合によっては個人的な飲食費などに法人クレジットカードを使ってしまう従業員も出てくるかもしれません。

また、クレジットカード決済は非常に手軽なため、ネットなどで備品を購入する際に「安いから」とついつい不要なものまで買ってしまうこともあるでしょう。

こういった不正使用や不要な経費への支出は、法人クレジットカードを導入するうえで避けては通れない課題です。提出させる領収書には用途や取引先を必ず記載させる、経費を使いすぎないよう上司への事前申請を義務付けるなど、不正使用を防ぐための対策をとっておくようにしましょう。

3.二重計上を防ぐ

法人クレジットカードでの経費精算と現金での経費精算を併用している企業の場合、経費を二重計上しないように注意する必要があります。とくに、法人クレジットカードの領収書として提出されたものを通常の精算時のように計上し、さらに利用明細発行時に間違えて計上してしまうというミスが起こりやすいため気をつけましょう。

こういった混乱を防ぐためには、経費精算システムの導入により、経費精算のシステム化を図る対策法が有効です。また、法人クレジットカードの領収書と現金精算の領収書を別に保管しておくようにすると、二重計上のミスを防げるでしょう。

法人クレジットカードの導入で経費精算を効率化できる

法人クレジットカードを導入すると現金でのやり取りが減るため、従業員にとっても経理にとっても経費精算の手間が大幅に削減されます。経費節約やお得な特典の利用ができるケースもあるので、自社における経費の利用目的や事業形態に合った法人クレジットカードを探してみてください。

また法人クレジットカードは、経費精算システムや会計システムと連動させることで、より経理業務を効率化してくれます。従来の経費精算プロセスに課題を感じている企業は、ぜひ法人クレジットカードとともに経費精算システムの導入を検討してみましょう。

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