日本のDXは遅れている?日本のDXの現状と課題を紹介!

そもそもDXとは

DXとはDigital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略称で、デジタル技術によって人々の生活を改善するよう変化させることをいいます。企業においては、クラウド技術などを取り入れて会社のシステムを刷新し、業績改善できるよう変革させることと言い換えられます。2018年より経済産業省がDX促進に取り組んでおり、企業の注目を集めています。

なお、デジタル化とDXは混同されがちですが、異なるものです。デジタル化はデジタルにすること自体が目的です。一方、DXはデジタル化によって会社のシステムを変革し、ほかの会社との競争力を向上させることを目的としています。DXを推進する過程でデジタル化をおこなうと考えてよいでしょう。

関連記事:DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?定義やメリットを解説

日本企業のDXの現状とは?アメリカより遅れている?

DXに取り組んでいる日本企業の数は、アメリカと比べて少ないのが現状です。IPA(情報処理推進機構)が発刊している「DX白書2021」によると、DXに取り組んでいる企業の割合が日本では約56%、アメリカでは約79%とされています。また、DXによる成果が十分出ている企業の割合については、アメリカは56.7%に達しているのに対して、日本では17.0%です。これらの結果から、DXに十分取り組めていない日本企業が多いことがわかります。

参考:DX白書2021 エグゼクティブサマリー

日本がアメリカと比べて遅れている原因として考えられるのは、思想の違いです。日本では年功序列の考え方が根強く浸透しており、昔からの習慣や設備を大事にする傾向が見られます。これに対してアメリカは成果主義の色が強く、より生産性の高い手法を積極的に取り入れています。こうした考え方の違いにより、システムを一新することになるDXへの対応に差が生まれているといえるでしょう。

日本企業のDXの課題とは

日本でDXが遅れている原因は、取り組みはじめた時期だけではありません。DXを推進したい日本企業の多くが抱える3つの課題を解説します。

既存システムの老朽化

自社にあわせてカスタマイズすることで老朽化したシステムが、DX推進の妨げになっています。カスタマイズの経緯を知るエンジニアがおらずブラックボックス化してしまうと、老朽化したシステムを新しく移行するのが困難になります。時間が経てばシステムの複雑化や肥大化も進んでしまい、DXがより難しくなるでしょう。

また、老朽化したシステムを利用している企業は保守や運用にコストを費やしている場合が多く、DXをおこなうための資金を捻出できない問題もあります。

経営陣の理解の不足により経営戦略が示されていないこと

経営陣がDXを理解していないことでDXによる経営戦略を示せないことも、DXを進められない原因となっています。DXをおこなう際は、会社全体がシステムの問題点を把握し、経営陣が主体となって進める必要があります。そうしなければ、問題解決につながらないデジタル化で終わってしまう可能性が高まるでしょう。

日本の経営陣がDXを理解していないのは、そもそも理解する必要がないと考えているからです。一つの部署にすべて任せる思想が、日本では根付いています。そうした体制ではDXによる戦略や方針が定まらず、DXの推進が遅れてしまいます。

DX人材が不足していること

DXに取り組める人材が足りていないことも、日本でDXが遅れている原因の一つです。デジタル技術を使える人材がいなければ、DXを推進する意識が高くても実現させることができません。ITを活用する企業であればともかく、製造業や飲食業でDX人材を確保するのは難しいでしょう。

また、技術者だけでなくビジネストランスレーターが必要になる場合があります。ビジネストランスレーターとは、経営者とデータサイエンティストや技術者の橋渡しとなってお互いの考えを翻訳して伝える存在です。双方の知識を持ちあわせており、お互いの意思をスムーズに伝えるには不可欠となります。

日本政府のDXの取り組み

DX推進においてアメリカに遅れをとらないために、日本政府はさまざまな施策を講じています。ここではDXにまつわる施策のうち3つの事例を紹介します。

DX認定制度

DX認定制度は、2020年5月15日に施行された認定制度です。企業でおこなっているDXの取り組みをIPAに審査してもらい、優良な取り組みであると認められればDX認定を取得できます。認定を取得することで国から認められたことを証明でき、企業のブランド力や信頼を高める効果が期待できるでしょう。また、DX認定の取得が条件となっている制度を受けることができるようになります。

DX認定を受けるために必要な要件は、公式ページで公開しているガイダンス資料にまとめられています。すべての事業者が1年中いつでも申請が可能です。ただし、申請からには最短で60営業日かかります。また、DX認定の有効期間は2年となっており、継続するには更新申請が必要です。

参考:IPA DX認定制度 Web申請受付ページ

DX投資促進税制

DX投資促進税制とは、企業の競争力を強化する目的で2021年8月2日から2023年3月31日までの期間限定で実施している制度です。その内容は、企業がDXへ投じた費用に対して税金を控除するというものです。控除される金額は、次のいずれかになります。

  • 3%の税額控除(DX対象が自社内の場合)
  • 5%の税額控除(DX対象が外部を含む場合)
  • 30%の特別償却

DX投資促進税制を受けるためには、デジタル要件と企業変革要件を満たす必要があります。DX認定の取得も要件に含まれているため、DX認定を受けるまでの期間を考慮しなければならないでしょう。

参考:経済産業省 事業適応計画(産業競争力強化法)

関連記事:政府のDX推進施策とは?DXに関わる法律や制度を解説!

DX銘柄

DX銘柄とは、DXに取り組むことで優れた実績を出している企業の中から選ばれる、政府公認の称号です。DXの模範となる企業を広く波及させることを目標としており、業種ごとに数社を選別します。「攻めのIT経営銘柄」として2015年からおこなわれていた施策ですが、2020年からはDXに重きを置かれたことで「DX銘柄」に改められました。

審査および選定は、経済産業省と東京証券取引所が共同でおこないます。選定されるためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • DX認定の取得
  • 東京証券取引所への上場

12月前後におこなわれるDX調査へ回答することでエントリーできます。

参考:経済産業省 DX銘柄/攻めのIT経営銘柄

日本のDXはまだこれから!

アメリカと比較して日本のDXが遅れているのは確かだといえるでしょう。しかし、日本政府の施策によってDXは周知されつつあり、取り組みも進んでいます。アメリカに追いつけるよう、日本全体でDXを進めていきたいところです。
本記事で紹介したDX投資促進税制を利用することでDXでかかる負担は軽減できるため、控除を受けられるうちにあなたの会社でもDXを取り入れてみるとよいでしょう。

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