Bright Patternは、コールセンター運用に必要な機能が一つにまとまった、クラウド型コンタクトセンターソフトウェアです。本記事では「Bright Pattern」の特徴や機能、料金などを紹介します。
Bright Patternとは
Bright Patternとは、米国Bright Pattern社で開発された、クラウド型コンタクトセンターソフトウェアです。オムニチャネル対応、オールインワンのオペレータデスクトップ、外部サービスとの標準連携など、コールセンターに関わるすべての人の満足度を高める機能を搭載しています。
世界26カ国以上、12カ国語で導入されており、システム性能の高さから、ガートナー、コールセンターシステム部門「リーダー賞」など数々の賞を受賞しています。公式サイトによれば、運用開始までは平均1.6カ月、推定投資回収期間は7.5カ月のため、スピーディーなコールセンター運用を可能とします。(※1)
Bright Patternの特徴
Bright Patternは電話やメールといった従来型のチャネルだけでなく、SNS、チャット、ビデオ通話、モバイルアプリなど、あらゆるコミュニケーションツールを使って、顧客対応が可能です。
扱うチャネル数が増えても、オペレーターが使う画面は一つのみのため、スムーズな対応が実現します。ほかにも、SV機能や管理機能も使いやすく、外部サービスとも簡単に連携できる点が特徴です。
1. チャットもビデオ通話も可能!オムニチャネル対応
Bright Patternは、「メール・チャットのみ対応」のような限定的なオムニチャネルではなく、下記の通り、あらゆるコミュニケーションツールを使ったオムニチャネル対応が可能です。
- 音声通話
- Eメール
- SMS(ショート・メッセージ・サービス)
- ウェブチャット
- LINE(SNS)
- ビデオチャット
- 画像共有
複数のツールを同時に利用できるため、Webチャット(チャットボット)で解決できなかった問い合わせを有人チャットに切り替えて対応する、テキストでの解決が難しい場合は音声通話に切り替える、といった顧客にストレスを感じさせないシームレスな対応が可能となります。
また、顧客情報は全チャネルで統合して管理されるため、対応履歴を漏れなく追うことができるでしょう。複数チャネルを導入しても、必要な情報は一つの画面に集約されているので、快適に業務に集中できます。
顧客は自身の都合に合った方法で問い合わせができ、オペレータはデスクトップのみで対応を完了できるため、顧客満足度と従業員満足度の両方を向上させることが可能となるでしょう。
2. CRMもSNSも外部サービスは標準連携
Bright Patternは、下記の外部サービスと標準連携できるため、自社のニーズに合った機能を簡単に追加できます。
- CRM
- SNS
- AI
- アナリティクス
CRM(顧客管理システム)の連携方法は2通りあり、一つは、Bright Patternをベースとして既存のCRMを利用する方法です。もう一つは、既存のCRMをベースとして、Bright Patternをウィジェットとして追加する方法です。連携方法を選べるため、コールセンターのスタイルに合わせた追加が可能です。
また、AIアプリケーションと連携すれば、チャットのオートサジェスト、音声通話の文字起こし、顧客の感情分析などが可能となります。AIの活用により、オペレータによる応対品質の差を解消したり、SVの業務過多を防止したり、コールセンター業務のさらなる効率化を目指せるでしょう。
3. OP業務に必要な内容はオペレータデスクトップのみに集約
Bright Patternはオムニチャネルへの対応、外部サービスとの連携など、多くの機能が追加できますが、オペレータは一つの画面のみで業務に必要な操作ができます。
チャネルの切り替えはもちろん、顧客情報・対応履歴の確認、ナレッジベースの参照、エスカレーションと、コール業務に必要なことはデスクトップのみで完結可能です。
情報が一元管理されているため、使うシステムの数だけウィンドウを立ち上げたり、格納されているコールスクリプトを探し出したりせずに済み、オペレータは顧客との会話に集中できる環境が整います。
また、Bright Patternはオペレータデスクトップのみで業務が完結できることから、リモートワークでも導入しやすく、人材不足の解消にも役立つでしょう。
UI(ユーザーインターフェイス)はシンプルでわかりやすく、使いやすいデザインのため、経験の浅いオペレータにも優しい仕様となっています。
使いやすいオペレータデスクトップなら、平均応答速度や平均処理時間も短縮でき、結果として顧客満足度の向上や業務の効率化につながるでしょう。
4. コールセンター全体を見渡せるSV機能
SV(スーパーバイザー)機能では、オペレータのサポート・育成機能だけでなく、SV自身の予定管理や、コールセンター全体の状況をリアルタイムで把握できる仕組みが揃っています。
サポート機能では、下記3つを標準装備し、オペレータのトラブルを迅速にサポートできます。
モニタリング | OPの通話をリアルタイムで観察できる機能です。異常の早期発見につながるでしょう。 |
コーチモード | “ウィスパリング”、“ささやき”とも呼ばれ、顧客には聞こえない(または見えない)状態でOPに指示を出せる機能です。新人OPのサポートなどでも利用できます。 |
バージインモード | “三者間通話”、“割り込み”とも呼ばれ、顧客・OPの会話の間に入り、三者で対話ができる機能です。OPのみでの解決が難しく、緊急性の高い対応時などで利用します。 |
モニタリング中はリアルタイムで評価入力できる他、オペレータと画面共有も可能なため、育成に必要なフィードバックをすぐにおこなうことができます。
コールセンター運用をサポートするSV画面では、占有率の低いオペレータや、最長の待ち時間、顧客満足度など全体像を把握できるため、ボトルネックの早期発見につながるでしょう。
また、画面上ではSV自身の予定も表示できるため、ミーティングを失念する心配もありません。
他にも、確認したい指標を自由にカスタマイズできる“ウォールボート機能”もあるため、よりセンターの実情に即した状況把握が可能となります。
5. ドラックとドロップで直観的に作業できる管理者機能
Bright Patternには「シナリオビルダー」というシステムが搭載されています。この機能を使えば、管理者画面からおこなう複雑な設定も、ドラック&ドロップで簡単に作業できます。
シナリオビルダーには、CRMとの連携、顧客情報の参照、Eメール配信など、必要な要素があらかじめパーツとして用意されています。
そのため、例えば、顧客の着信を事前に振り分けるACD設定も、パーツ化された要素を組み合わせるだけで、オリジナルのコールフローが簡単に作成できます。
複雑なコーディングや設定を必要としないので、専門知識の浅い担当者でもコールセンター運用に必要な仕組みを作成できるでしょう。
管理者画面からは、コールフローの作成以外にも、キャンペーン管理や席替え、セキュリティ対策、カスタマイズレポートなど、センター運営に必要な設定がおこなえます。
6. 低コストでメンテナンスも充実の法人向け製品
Bright Patternは、コールセンター運用に必要な機能をクラウド型で提供するため、オンプレ型のように、自社でシステム構築や専用機器の購入をする必要がありません。そのため、初期費用を大幅に抑えることができるだけでなく、固定費やメンテナンス料も削減できます。
また、システムのアップグレードやメンテナンスは自動でおこなわれ、ダウンタイムも発生しません。常に最新のセキュリティ状態を保ちながら、顧客に不便をかけることなく、24時間365日、快適にコールセンターを運用できます。もちろん、別途メンテナンス料がかかる心配もありません。
席数は5席から10,000席まで対応しているため、小規模コンタクトセンターから、大企業まで導入が可能です。企業のお問い合わせ窓口はもちろん、万全のセキュリティ対策が施されているため、金融やECサイトなど、クレジット情報を利用するサービスでも利用できます。
キャンペーンスケジュールの設定や、自動発信機能(プレディクティブダイヤラー)も搭載しているため、インバウンドだけでなく、アウトバウンドでの導入にも適しています。
価格・料金プラン
Bright Patternでは特定のプランを設けておらず、利用料は問い合わせ後、詳細を決定します。
プラン名 | – |
---|---|
初期費用 | 問い合わせ |
月額費用 | 問い合わせ |
機能一覧
下表の通り、モニタリング、自動録音、文字起こしなど、コールセンター運用に必要な機能を標準搭載しています。また、テキストの読み上げなど、他にも機能を追加したい場合は、外部システムと連携するとよいでしょう。
IVR(自動音声応答) | ○ | プレディクティブコール | ○ |
コールキューイング(待ち呼) | ○ | 通話スコアリング | – |
通話振り分け機能 | ○ | 文字起こし | ○ |
着信履歴機能 | – | 自動録音 | ○ |
ポップアップ機能 | – | ダッシュボード | – |
モニタリング機能 | ○ | SFA連携 | – |
ささやき機能 | ○ | CRM連携 | ○ |
ワンクリック発信 | – | チャット連携 | ○ |
提供環境・技術情報
Bright Patternの利用環境はPCを前提とし、CPUは1 GHz以上(ビデオ通話などを使わない場合)または、Core i3/5/7(ビデオ通話などを使う場合)、メモリは2GB以上など詳細な要件があります。
導入の際は、ネットワーク要件など、事前に確認することをおすすめします。
提供形態
- クラウド
OS
- Windows
- macOS
- Chrome OS
ブラウザ
- Internet Explorer
- Microsoft Edge
- Google Chrome
- Safari
アプリ
問い合わせ
API連携・サービス連携
主要なCRMとの標準連携の他に、SNSやAI、アナリティクスなど、さまざまなシステムとの連携が可能です。以下が標準連携できる代表的なサービスです。
CRM | Microsoft Dynamics 365、Salesforce、Zendesk、Oracle Service Cloud、ServiceNow |
SNS | LINE、WhatsApp、facebook、twitter、Telegram、WeChat、RakutenViber、Nexmo |
AI | IBM Watson、Google AI、UneeQ、AmiAgent、Alterra.ai、Journey AI |
アナリティクス | Google Data Studio、Tableau、Amazon QuickSight、Zoho Reports、Zoomdata |
クラウドサービス | kintone |
セキュリティ
Bright Patternは、コールセンターが抱える大量の機密情報を保護するための、さまざまなセキュリティが施されています。
ネットワークセキュリティでは、デバイスでのログ記録、ファイアウォールの利用、ネットワークサーバーでTLS・SSHの最新バージョンを利用するなどして、パスワード漏洩や不正侵入を防止します。
暗号化セキュリティでは、リモートアクセス、チャット・SNS履歴、画面録画など、コールセンターで必要となるやり取を暗号化し保護しています。
また、データ損失は、バックアップセキュリティにより保護し、とくに機密データについては、優先的にバックアップをおこないます。
PCI-DSS、TCPA、HIPAA、GDPRなどのコンプライアンスに準拠しているため、顧客も事業者も安心して利用できるといえるでしょう。
暗号化通信 | ○ | データバックアップ | ○ |
ユーザー管理 | – | シングルサインオン(SSO) | – |
操作ログ管理 | ○ | 二段階認証 | – |
アクセスログ管理 | – | ワンタイムパスワード | – |
デバイス管理 | – | IPアドレス制限 | – |
プライバシーマーク | – | VPN接続 | – |
ISO/IEC 27001 (情報セキュリティ) | – | BCP対策 | – |
ISO/IEC 27017 (クラウドサービスセキュリティ) | – | SLA(サービス水準合意) | – |
ISO/IEC 27701 (プライバシー情報) | – | GDPR | ○ |
JIS Q 15001 (個人情報保護) | – | CCPA | – |
CSMS(IEC 6244321) (制御システムセキュリティ) | – | ダブルオプトイン | – |
ISO/IEC 20000 (ITサービス) | – | データ閲覧制限 | – |
情報セキュリティ安全対策適合証明 | – | データエクスポート制限 | – |
24時間356日監視 | – | AD連携 | – |
サポート
Bright Pattern導入後のサポートについては、公式サイトに記述はありません。詳細は、問い合わせ窓口より確認するといでしょう。
電話 | – |
メール | – |
チャット | – |
運用コンサルティング | – |
サポートサイト | – |
ユーザーコミュニティ | – |
セミナー | – |