クラウド型のコールシステムにはさまざまな種類があり、それぞれ機能や価格が異なります。この記事では、クラウド型のコールシステムであるアウトバウンド・プロの特徴や機能・価格を紹介します。アウトバウンド・プロであれば「ワンクリックコール」や「オートコール」など、電話営業に役立つ機能を活用できます。アウトバウンド業務の大幅な効率化を図りたい方は、ぜひ本記事をご覧ください。
アウトバウンド・プロとは
アウトバウンド・プロは、楽天コミュニケーションズ社が提供しているクラウド型のコールセンターシステムです。
名前の通り、アウトバウンドに特化したシステムで、ワンクリックコールやオートコールなど、電話営業に役立つ機能が多数搭載されています。
クラウドかつブラウザベースのシステムなので、特別な機器や設備を新たに導入する必要はなく、手軽に利用開始できるところが魅力です。
通信事業者が提供するコールシステムということで、高い通話音質を期待できるところも人気の秘密となっています。
アウトバウンド・プロの特徴
アウトバウンド・プロの特徴として、直感的に操作できるブラウザベースの操作画面、ニーズに合わせてオペレーター画面をカスタマイズできるといった点などが挙げられます。ここでは、それぞれの特徴を詳しく解説します。
直感的に操作できるブラウザベースの操作画面
アウトバウンド・プロでは、初めてコールシステムを利用する人でも簡単に操作できるよう、見やすさ、使いやすさにこだわったインターフェースを採用しています。
PC環境に依存しないブラウザベースの操作画面は、一目でどこに何があるか判断できる仕様になっており、たとえば架電の導線は「発信」、「終話」、「各項目」の選択と情報セットの4ステップで完結します。画面右上の「ファイル参照」をクリックすれば、いつでもトークスクリプトやFAQを閲覧できるので、状況に応じて必要な情報をチェックしたいときに便利です。
ニーズに合わせてオペレーター画面をカスタマイズできる
アウトバウンド・プロでは、誰もが使いやすいインターフェース、操作画面を導入していますが、スクリプトの表示や各項目の選択肢の内容は業種や商材によって異なるため、デフォルトのままではやや不便に感じることもあります。
その場合には、業種や商材に合わせてオペレーター画面をカスタマイズするのがおすすめです。リスト名や情報項目(名前、住所、建物名など)のほか、リサーチ項目やステータス項目を任意で編集すれば、より使い勝手の良い操作画面を構築できます。
情報項目やリサーチ項目、ステータス項目をあらかじめ設定しておけば、実際の業務ではプルダウンで項目を選択するだけでいいので、情報の入力、更新の手間を省けます。
テレワークにも対応でどこでも業務可能なクラウド型コールシステム
アウトバウンド・プロは、インターネット環境とPC、ヘッドセットの3つがあれば、場所を問わずどこでも利用できます。
本社のコールセンターはもちろん、支店や自宅など、さまざまな場所からアウトバウンド業務をおこなえるため、テレワークやリモートワークにも活用できます。
オペレーターだけでなく、管理者(スーパーバイザー)もアウトバウンド・プロを通して、各オペレーターの通話状況をモニタリングすることが可能です。
必要に応じてウィスパリング(ささやき機能)でアドバイスや指示を送ることもできるので、テレワーク中のオペレーターでもしっかりしたサポートを受けられます。
アウトバウンド業務に必要な機能をオールインワン搭載
アウトバウンド・プロでは、システム導入後、すぐ現場で活用できるよう、アウトバウンド業務に役立つ機能を標準搭載しています。
すべての通話を自動録音する「全通話録音」のほか、前述の「モニタリング・ウィスパリング」や、オペレーターの稼働状況をリアルタイムで確認できる「分析機能」なども追加料金なしで利用可能です。
さらに、ほかのコールシステムではオプション扱いされることも多いオートコールも標準機能として搭載されており、これ一つでアウトバウンド業務の大幅な効率化を実現します。
通信事業者ならではの安心の音声品質
コールセンターでは、顧客と音声のみでやりとりすることになるため、音質の良し悪しが業務に大きな影響をもたらします。
音声の途切れや、くぐもりなどが発生すると、顧客の話をうまく聞き取れなかったり、逆にこちらの説明が相手に正しく伝わらなかったりと、トラブルが続出する可能性が高いです。
何度も聞き返すと、顧客に余計な負担をかけてしまい、聞き間違いがあった場合、「言った、言わない」の水掛け論になり、クレームに発展するリスクもあります。
アウトバウンド・プロの提供元である楽天コミュニケーションズ社は、IP電話やMVNO、インターネット接続サービスなどを提供する通信事業者であり、これまで培ってきた技術やノウハウを活かすことで、安定した音声品質を実現しています。
どの場所でアウトバウンド業務をおこなっても、クリアな音声で顧客とやりとりでき、円滑なコミュニケーションを取ることが可能です。
価格・料金プラン
アウトバウンド・プロの料金体系は非常にシンプルで、初期費用として1契約ごとの導入費や、1ブースごとのソフトフォン回線設定費を支払った後は、毎月のブース利用料、サーバ管理料しか発生しません。
ブース利用料、サーバー管理料ともに1契約か、1ブースごとの定額料金制になっているので、コールセンターの規模や予算に合わせて導入できます。
なお、オプションとして「プレディクティブコール」を利用する場合は、別途初期費用として、VoIPルータ導入費用・初期導入オンサイトサポートと、プレディクティブコール設定費が必要になるほか、ブース利用料やサーバ管理料とは別にプレディクティブコールの利用料とサーバー管理料がそれぞれ発生します。
プラン名 | – |
---|---|
初期費用 |
初期導入費:30,000円/1契約 |
月額費用 | ブース利用料:8,000円/1ブース サーバ管理料:3,000円/1契約 |
機能一覧
アウトバウンド業務に必要不可欠な「ワンクリック発信」をはじめ、オペレーターの稼働状況をチェックできる「モニタリング機能」や、管理者が必要に応じてオペレーターに指示やアドバイスをする「ウィスパリング(ささやき機能)」、自動通話録音などの機能が標準搭載されています。
また、任意のオプションとして「プレディクティブコール」を利用することも可能です。プレディクティブコールとは、架電リストに対して複数回線を利用して一斉にコールし、接続に成功したコールのみをオペレーターにつなぐ機能のことです。オペレーターは繋がったコールにだけ対応すれば良いので、発信から応答までの呼び出し時間を省略することができます。
アウトバウンド・プロではワンクリックで架電できる便利な機能がありますが、より架電にかける時間効率の向上を目指したいのであれば、プレディクティブコールの利用も検討してみましょう。
IVR(自動音声応答) | – | プレディクティブコール | ○ |
コールキューイング(待ち呼) | – | 通話スコアリング | – |
通話振り分け機能 | – | 文字起こし | – |
着信履歴機能 | – | 自動録音 | ○ |
ポップアップ機能 | – | ダッシュボード | – |
モニタリング機能 | ○ | SFA連携 | – |
ささやき機能 | ○ | CRM連携 | – |
ワンクリック発信 | ○ | チャット連携 | – |
提供環境・技術情報
アウトバウンド・プロの提供環境、技術情報は以下の通りです。クラウド型コールシステムなので、PCとインターネット環境、ヘッドセットがあれば、導入したその日から業務に活用できます。
ブラウザベースのシステムなので、ほとんどの場合、既存のPCをそのまま利用することが可能です。
ただ、現時点ではInternet Explorerのブラウザにしか対応していないため、ほかのブラウザ(ChromeやFirefoxなど)を利用している場合、アウトバウンド・プロを利用する時のみ、ブラウザの切り替えが必要となります。
提供形態
- クラウド
OS
- Windows
ブラウザ
- Internet Explorer
アプリ
問い合わせ
API連携・サービス連携
アウトバウンド・プロは、CRMやSFAなど、ほかの基幹システムやサードパーティシステムと連携することはできません。
ただ、コールセンター業務に必要な機能はひと通りそろっているため、単体で使用しても不便を感じることはないでしょう。
セキュリティ
アウトバウンド・プロでは、ユーザーがコールシステムを安心して使えるよう、24時間365日体制でシステムを監視しています。
もしシステムに不具合が生じた場合でも迅速に対処できるため、コールセンター業務に支障をきたすリスクを最小限に抑えられます。
暗号化通信 | – | データバックアップ | – |
ユーザー管理 | – | シングルサインオン(SSO) | – |
操作ログ管理 | – | 二段階認証 | – |
アクセスログ管理 | – | ワンタイムパスワード | – |
デバイス管理 | – | IPアドレス制限 | – |
プライバシーマーク | – | VPN接続 | – |
ISO/IEC 27001 (情報セキュリティ) |
– | BCP対策 | – |
ISO/IEC 27017 (クラウドサービスセキュリティ) |
– | SLA(サービス水準合意) | – |
ISO/IEC 27701 (プライバシー情報) |
– | GDPR | – |
JIS Q 15001 (個人情報保護) |
– | CCPA | – |
CSMS(IEC 62443-2-1) (制御システムセキュリティ) |
– | ダブルオプトイン | – |
ISO/IEC 20000 (ITサービス) |
– | データ閲覧制限 | – |
情報セキュリティ安全対策適合証明 | – | データエクスポート制限 | – |
24時間365日監視 | ○ | AD連携 | – |
サポート
公式サイトには、工事情報や障害情報が掲載されているので、不具合が生じた際には、まずこれらの情報をチェックしてみましょう。
また、「よくある質問」には「発信できない」「オペレーター画面にログインできない」といったトラブル例と、その対処法が紹介されているので、あわせて参考にしてみるとよいでしょう。
電話 | – |
メール | – |
チャット | – |
運用コンサルティング | – |
サポートサイト | – |
ユーザーコミュニティ | – |
セミナー | – |