目次
CRMとは

CRMとは、Customer Relationship Managementを略したものであり、顧客管理システムのことを指します。
CRMを活用することにより、顧客の基本的な情報に加え、購入履歴や接触履歴なども一元的に管理できるようになります。また、蓄積したデータを活用して顧客の分析をおこなうことで、顧客に対して適切なタイミングで適切なプロモーションやサポートができるようになります。
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CRMの主な種類
CRMには、大きく分けて2つの種類があります。
インターネット上でアカウントを設定することで利用できるクラウド型と、自社でサーバーや環境を整えてシステムをインストールして利用するインストール型です。両者の違いについて、きちんと理解しておきましょう。
クラウド型のCRM
システム形態がクラウド型の場合、インターネット上にアカウントを設定し、アクセスすることで利用することができます。
インターネット環境があれば利用することができるため、外出先であってもスマホなどのデバイスを通じて、顧客情報の登録をおこなうことができます。また、サーバーを自社で構築する必要がないため、導入の初期費用を抑えてスピーディーに導入することができます。
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インストール型のCRM
インストール型は、PCにCRMをインストールして利用します。設定によっては外部のインターネットを経由せずに利用することができるため、自社のセキュリティ運用に合わせて利用することができます。一方で、利用がシステムをインストールしたデバイスに限定されるため注意が必要です。
コールセンター業務を効率化してくれるCRMの機能

ここでは、コールセンター業務を効率化してくれるCRMの機能を紹介していきます。自社に必要な機能が備わったCRMを選ぶことが重要なため、しっかり確認しておきましょう。
顧客管理機能
CRMの基本機能として、顧客管理機能があります。
管理できる顧客情報には、顧客の名前、住所、性別、年齢、メールアドレス、電話番号などがあります。これに加えて、過去に購入した商品、購入日、購入金額などの購買情報、コールセンターへの問い合わせ履歴などを一元管理することができます。
見込み顧客抽出機能
CRMでは、見込み顧客を抽出する機能が備わっているものもあります。
具体的には、CRMに登録したさまざまな顧客情報から、特定の条件を満たす顧客を抽出してリストアップすることができます。ここで抽出された顧客に対して優先的にアプローチすることで、成約率の向上に期待できます。
顧客分析機能
CRMには分析機能が備わっているものもあり、蓄積された顧客情報をさまざまな角度から分析することができます。
例えば、RFM分析やデータマイニング、テキストマイニングなどの分析がおこなえます。顧客情報を分析することで適切な商品開発やマーケティング施策の立案、営業戦略の策定に活用することができます。
CTI連携機能
CRMは、CTIシステムと連携することも可能です。
CTIとは、電話とPCを統合させることができるシステムで、コールセンター業務を効率化に役立ちます。CRMとCTIを連携させることで、オペレーターは、詳細な顧客情報をしっかり確認しながら顧客対応をおこなうことができるようになります。
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コールセンター向けのおすすめCRMサービスを7つ紹介
コールセンター業務を効率化し、顧客対応の質を向上させるには、CRMの導入が必要不可欠です。
ここでは、コールセンター向けのCRMを7つ紹介します。
- FastHelp5
- Service Cloud
- Zendesk Support
- 楽テル
- Zoho CRM
- Microsoft Dynamics 365
- コンタクトセンターサービス(CallFrontierX Lite)
オペレーターが使いやすいデザイン設計の「FastHelp5」

FastHelp5は、テクマトリックス社が提供するコールセンター向けCRMです。
FastHelp5には、以下のような特徴があります。
- 直感的でわかりやすく、オペレーターが使いやすいデザイン設計
- セルフカスタマイズ機能を使い、自社の業務フローに合わせた入力画面を作成
- 過去のFAQや問い合わせ履歴を検索し、サポート対応のリードタイムを短縮する回答支援機能
またFastHelp5には、回答支援機能やアラート機能など、オペレーター業務をサポートする機能もあります。サポート対応を効率化し、回答精度を高められます。
初期費用 | 料金 | トライアル | 連携機能 | システム形態 |
---|---|---|---|---|
問い合わせ | 問い合わせ | 問い合わせ | SNS、FAX、Web、チャット、電話、メールなど | オンプレミス クラウド |
コールセンター向けCRMのトップシェアを誇る「Service Cloud」

Service Cloudは、セールスフォース・ドットコム社が提供するコールセンター向けCRMです。
Service Cloudには、以下のような特徴があります。
- 世界15万社から利用される業界トップシェアのコールセンター向けCRM
- ほかのSalesforce製品と連携し、基幹業務システムを一本化
- 30日間の無料トライアルを活用し、製品の使い勝手を確認できる
すでにSalesforce製品を導入済みの企業は、コールセンター業務の効率化にService Cloudを導入するのがおすすめです。電話番号へのワンクリック発信機能や、通話中のメモの管理機能など、オペレーターの業務負荷を改善する機能も揃っています。
初期費用 | 料金 | トライアル | 連携機能 | システム形態 |
---|---|---|---|---|
問い合わせ | 月額3,000~36,000円 | 30日間 | Salesforce製品のほか、さまざまなサービスと連携可能 | クラウド |
40以上の言語に対応した「Zendesk Support」

Zendesk Supportは、Zendesk社が提供するコールセンター向けCRMです。
Zendesk Supportには、以下のような特徴があります。
- 電話、メール、チャット、SNSの問い合わせチャネルを1つに集約
- 未回答の質問、優先順位の高い質問をピックアップし、見逃しを防ぐ
- 40以上の言語に対応しており、海外拠点を持つグローバル企業におすすめ
またZendesk Supportは、システムの管理画面が40以上の言語に対応しており、海外で事業展開している企業に向いています。オペレーターがスマホやタブレットでサポート対応できるため、テレワークやリモートワークにも適したコールセンター向けCRMです。
初期費用 | 料金 | トライアル | 連携機能 | システム形態 |
---|---|---|---|---|
問い合わせ | 月額19ドル~ | あり | SNS、メッセージ、Web、チャット、電話、メールなど | クラウド |
コールセンターとヘルプデスクが一体化した「楽テル」

楽テルはラクス社が提供するコールセンター向けCRMで、以下のような特徴があります。
- 着信ポップアップ機能で、着信と同時に顧客情報を表示
- クリックトゥコール機能で、顧客ページからワンボタンで発信可能
- コールセンター業務だけでなく、社内のヘルプデスク業務にも活用できる
楽テルには着信ポップアップ機能やクリックトゥコール機能など、オペレーターの業務効率化に役立つ機能が揃っています。また、オペレーターの誤入力を自動で修正する機能や、アラートを出す機能があるため、顧客対応のミスを防止できます。
社内ヘルプデスク業務にも活用可能なオールインワンパッケージです。
初期費用 | 料金 | トライアル | 連携機能 | システム形態 |
---|---|---|---|---|
150,000円~ | 月額70,000円~ | 問い合わせ | さまざまなCTIシステムと連携可能 | クラウド |
コールセンター機能も充実したCRMパッケージ「Zoho CRM」

Zoho CRMは、ゾーホージャパン社が提供するCRMサービスで、コールセンター向けの機能もあります。
Zoho CRMには、以下のような特徴があります。
- 電話、メール、SNS、チャットのマルチチャンネルを一本化し、サポート対応を効率化
- 顧客の興味や関心に気づくセールスシグナル機能により、すばやいアプローチが可能
- コールセンター機能だけでなく、顧客と良好な関係を築くことができる総合型のCRMサービス
Zoho CRMのコールセンター機能は、電話、メール、SNS、チャットなどのコミュニケーションツールを一元管理でき、オペレーターにとって使いやすいサービスです。
コールセンター機能のほかにも、顧客管理機能や顧客分析機能、営業支援機能など、さまざまな機能が搭載されています。
自社に必要な機能かどうか見極めることが大切です。
初期費用 | 料金 | トライアル | 連携機能 | システム形態 |
---|---|---|---|---|
問い合わせ | 月額2,160円~ | あり | 電話、メール、SNS、チャット | クラウド |
Microsoft 365との連携も可能な「Microsoft Dynamics 365」

Microsoft Dynamics 365は、マイクロソフト社が提供するCRMサービスで、コールセンター向けの機能もあります。
Microsoft Dynamics 365には、以下のような特徴があります。
- Microsoft 365を導入済みの企業は、Microsoft 365とシームレスに連携できる
- 問い合わせ履歴をAIで分析し、フィードバックを有効活用
- 仮想オペレーターを導入し、顧客が悩みや疑問を自分で解決可能
Microsoft Dynamics 365は、AIを活用して問い合わせ履歴を分析し、パーソナライズされたサポート対応を実現できるのが強みです。
仮想オペレーターを用いた問い合わせ対応の自動化も可能です。
顧客がセルフサービスで疑問や悩みを解決することで、カスタマーサポート部門の業務負担を削減します。
初期費用 | 料金 | トライアル | 連携機能 | システム形態 |
---|---|---|---|---|
問い合わせ | 月額7,070円~ | 問い合わせ | さまざまなWindowsソフトウェアと連携可能 | クラウド オンプレミス |
大規模コールセンター運営に適した「コンタクトセンターサービス(CallFrontierX Lite)」
コンタクトセンターサービスは、日立グループが提供するコールセンター向けCRMです。
コンタクトセンターサービスには、以下のような特徴があります。
- 着信呼自動振り分け(ACD)、回線制御機能などコールセンター業務に役立つ機能が搭載
- オンプレミスのコンタクトセンターをクラウド化し、運用負荷を軽減
- 安心のBCP対応で、災害時にもコールセンター業務を継続可能
コンタクトセンターサービスはBCP対応が充実し、大規模なコンタクトセンターを経営する企業に適した企業です。
万が一、データセンターが被災した場合でも、冗長構成によって通常のコールセンター業務を継続できます。
初期費用 | 料金 | トライアル | 連携機能 | システム形態 |
---|---|---|---|---|
問い合わせ | 問い合わせ | 問い合わせ | さまざまなCRMサービスとの連携が可能 | クラウド |
CRMをコールセンターで活用する3つのメリット

コールセンター業務にCRMを活用することで、業務効率を高め、顧客対応の質を改善することが可能です。また、顧客からのフィードバックを活用し、商品開発やマーケティング戦略に活かすこともできます。
ここでは、CRMをコールセンターで活用する3つのメリットを紹介します。
【関連記事】コールセンターの立ち上げ方とは?必要なシステムやポイントを理解しよう
コールセンター業務を効率化できる
コールセンター向けのCRMには、着信と同時に問い合わせ対応に必要な顧客情報をピックアップする「着信ポップアップ機能」や、顧客ごとのページからワンボタンで電話をかけられる「クリックトゥコール機能」など、さまざまな便利機能が揃っています。
また、オペレーターの自動振り分け機能によって、顧客を待たせず、スムーズにオペレーターとつなぐことができます。
コールセンターでCRMを活用することで、オペレーターの業務負荷を減らし、電話対応を効率化することが可能です。
問い合わせのリードタイムを短縮し、顧客満足度を高める
顧客満足度を高めるには、受電から問題解決までにかかる時間を短縮し、顧客の疑問や悩みをすばやく解決することが大切です。コールセンター向けのCRMを導入すれば、問い合わせのリードタイムを短縮可能です。
CRMには、過去の問い合わせやクレームの履歴や、顧客ごとの購入履歴がデータベース化されているため、オペレーターが問題解決に必要な情報をその場で得ることができます。顧客対応の質を高め、顧客満足度の高いコールセンター運営が実現します。
フィードバックを活用し、商品改善やマーケティング戦略の立案に活用できる
自社の商品やサービスを改善し、さらに成長させていくうえで大切なのが、顧客の生の声です。
コールセンター向けのCRMに記録された問い合わせデータは、サポート対応に役立つだけでなく、顧客からのフィードバックの分析にも活用できます。
顧客の年齢、性別、地域、職業といった属性データだけではなく、テキストマイニングやデータマイニングを活用することで、顧客の要望やニーズを掘り起こすことが可能です。顧客の声を取り入れ、商品開発やサービス展開に活かすことができます。
また、問い合わせ履歴をもとに顧客のセグメントをおこない、購買意欲が強い顧客層と購買意欲が弱い顧客層に分け、顧客の特性に合わせたアプローチを仕掛けられるようになります。
CRMを活用してコールセンター業務を効率化しよう!
CRMサービスを活用することで、オペレーターの業務負担を軽減し、コールセンター業務を効率化できます。CRMがあれば、問い合わせのリードタイムを短縮し、顧客満足度の高いサポート対応を実現できます。
また、CRMの顧客分析機能を使い、問い合わせ履歴を分析することで、商品改善やマーケティング戦略の立案にも活用できます。CRMサービス選びで失敗しないためには、自社のコールセンター業務の課題を洗い出し、自社に合った製品を選ぶことが大切です。