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目次
Zoho CRMとは

Zoho CRMとは、2005年にシンガポールのZoho Corporationが開発し、日本ではゾーホージャパン社が提供しているクラウドCRMサービスです。顧客管理に必要な顧客データベース機能や顧客分析機能だけでなく、セールスを快適にする営業支援システム(SFA)の機能もそろっています。安価な導入価格でCRMとSFAを一元管理できることから、全世界で4万社以上の導入実績があります。
Zoho CRMには、同社が開発した人工知能のZia(ジア)が搭載されています。Ziaには、購買予測や売上予測といったCRMの機能だけでなく、作業パターンやワークフローを分析し、業務改善に役立つアドバイスをおこなう機能もあります。
また、Zohoシリーズの製品に加えて、Google Workspace、Microsoft 365、Slack、Chatworkなどの外部サービスともAPI連携でき、柔軟なシステム設計が可能なCRMです。
Zoho CRMの5つの主な特徴
ここでは、ほかのCRMサービスと比較しながら、Zoho CRMの特徴を5点解説します。
1.登録後すぐに無料ではじめられる
Zoho CRMの最大の魅力は、契約時に初期費用が発生せず、ライセンス登録後すぐに無料ではじめられる点です。
有償プランのなかでもっとも安価なスタンダードプランでも、月額換算すると1カ月当たり1,440円の料金で、通常のCRM機能に加えてベーシックなSFA機能を利用できます。高額な製品が多いクラウド(SaaS)市場では、比較的低コストで導入や運用ができるCRMサービスです。
初期費用が無料だからといって、導入支援やサポートが存在しないわけではありません。使い方の説明動画やトレーニングプログラムを提供しており、初めての方でも安心して利用できます。
2.Zohoシリーズと連携ができる
Zoho Corporationは、Zoho CRMのほかにも、さまざまなプロダクトを提供しています。Zohoサービス連携機能を利用することで、ほかのZohoシリーズとシームレスに連携し、1つのプラットフォーム上で一元管理が可能です。
たとえば、Zoho CRMと連携可能なZohoシリーズには、次のようなものがあります。
サービス名 | サービス概要 |
---|---|
Zoho Campaigns | メルマガやメールDMなど、メールを活用したキャンペーンをサポート |
Zoho Analytics | 顧客データや営業データを分析し、スムーズな戦略決定をサポート |
Zoho Desk | 問い合わせ対応やヘルプデスク業務を効率化し、問題解決までのリードタイムを短縮 |
3.ワークフロー機能で承認作業も簡単
Zoho CRMに搭載された人工知能のZia(ジア)は、購買予測や顧客分析に役立つだけでなく、メンバーの作業パターンを監視し、ワークフローの改善を提案する機能があります。
Ziaが提案するワークフローは、作業のムダがなく、時間効率が最適化されているため、業務効率化や生産性向上が期待できます。
4.外部サービスとのAPI連携が充実
Zoho CRMはZohoシリーズだけでなく、外部サービスともAPI連携をおこなうことが可能です。
たとえば、Googleアカウントのサービスと連携する「Google連携」、Microsoft OutlookやMicrosoft Officeなどと連携する「Microsoft連携」により、Zohoシリーズ以外のプラットフォームもかしこく活用できます。
また、ソーシャルメディア(SNS)のアカウントとの連携や、Slack、Zoom、Chatworkといったコミュニケーションツールとの連携も可能です。さまざまな外部サービスをZoho CRMの1つの管理画面からアクセスし、効率よく運用できます。
5.マニュアルなどサポート情報が充実
Zoho CRMは、初めてクラウドCRMサービスを導入する方におすすめの製品です。マニュアルやヘルプドキュメントはもちろん、使い方の説明動画や、親切なトレーニングプログラムが用意されているため、導入後の運用体制づくりに手間取りません。
サポート体制やファンコミュニティも充実しているため、いつでもわからない点を質問することができます。
Zoho CRMの使い方
Zoho CRMの使い方や導入の流れは以下の通りです。
- 公式サイトで、15日間の無料トライアルを申し込む
- Zoho CRMに顧客情報をインポートする
- 機能を追加したい場合はアップグレードをおこなう
まずはZoho CRMの公式サイトにアクセスし、アカウントを作成しましょう。その後、15日間の無料トライアルに申し込むことができます。トライアル期間中は、Zoho CRMのすべての機能を利用することができます。
自社の顧客情報をZoho CRMにインポートする方法は2つあります。
1つめは、インポートボタンをクリックし、顧客情報のファイルを参照するか、直接ドラッグアンドドロップする方法です。
2つめは、専用のデータ移行ウィザードを利用して移行する方法です。他社製品やほかのZohoシリーズからデータ移行する際には、この方法でインポートをおこないます。
そして、お試し期間後、ユーザーや機能の追加をおこないたい場合は、スタンダード、プロフェッショナル、エンタープライズ、アルティメットの4つのエディションにアップグレードが可能です。アップグレードはZoho CRMの公式サイトから可能です。
Zoho CRMの料金
Zoho CRMはクラウド(SaaS)市場のなかでも、コストパフォーマンスに優れるCRMサービスです。
Zoho CRMは無料プランのほか、4つのエディションが存在します。
それぞれの料金やできることの違いは以下の通りです。
プラン | 機能 | モバイル対応 | 月額料金 |
---|---|---|---|
無料プラン | 顧客データベース、ドキュメント管理など、CRMの基本機能を利用可能 | ○ | 永久無料/3ユーザーまで |
スタンダード | 無料プランのCRMに加えて、ベーシックSFA機能を利用可能 | ○ | 1,440円/1ユーザー |
プロフェッショナル | スタンダードプランよりも高機能なプロフェッショナルSFA機能を利用可能 | ○ | 2,400円/1ユーザー |
エンタープライズ | エンタプライズSFA機能に加えて、人工知能のZia(ジア)を活用した高精度な分析機能を利用可能 最新機能が追加された場合、エンタプライズのユーザーはいち早く利用可能 |
○ | 4,200円/1ユーザー |
アルティメット | エンタープライズよりも機能制限がさらに拡張され、大人数のチームでの運用に適したプラン | ○ | 5,400円/1ユーザー |
Zoho CRMは無料ユーザーでもCRMの基本的な機能を利用することができます。
SFA機能を利用できるのはスタンダードプランからで、1ユーザーにつき月額1,440円の料金で利用できます。
大人数のチームでの運用を想定したアルティメットプランでも、1ユーザーにつき月額5,400円と低コストで利用できます。
Zoho CRMの評判や口コミは?3つの事例から紹介
新しいサービスを導入するときに気になるのが、サービスの評判や口コミです。ここでは、Zoho CRMの導入事例を3つ紹介し、Zoho CRMの導入によってどのように経営課題を克服できたかを解説します。
マーケティングオートメーションを実現|ジーニアスウェブ社
Webサイトの制作や運用をおこなうジーニアスウェブ社は、Zoho CRMの導入をきっかけとして、マーケティングオートメーション(MA)の効率化に成功しています。
同社は200社のパートナー企業に対し、ホームページ更新代行サービスを展開していますが、顧客情報は営業担当者が個別に管理している状況にありました。そのため、顧客とのコミュニケーション履歴が把握しづらく、リピート営業が困難な状態でした。
そこで、Zoho CRMを導入し、顧客情報や案件情報を「見える化」することで、顧客の要望やニーズをつかみ、顧客単価の増加を実現させました。他社サービスと比べ、低コストで運用できる点もZoho CRMの導入の決め手だったようです。
参考:顧客分析を徹底し、MAを最適化する方法とは|Zoho CRM 導入事例
情報共有を一元化して学生評価を統一|筑波大学法科大学院
筑波大学法科大学院は、学生一人ひとりに対して細やかなフォローをおこなうため、情報の一元管理を目的としてZoho CRMを導入しました。Zoho CRMによって、高いセキュリティのなかで学生情報をいつでも確認でき、教員間の引き継ぎがしやすい環境の実現に成功しました。
その結果、一人の学生を注視しない「放牧型」と言われる大学教育において、同大学は教員の意識改革に成功し、学生一人ひとりを個人指導するという意識が向上しました。
学生側も指導されていることを実感し、以前よりも個人面談が浸透してコミュニケーションの場が増えたそうです。
参考:学習の進捗管理を徹底し教育指導を強化|Zoho CRM導入事例
バックオフィス業務の廃止に成功|Kaien社
発達障害に特化した人材サービス事業を展開するKaien社は、Zoho CRMの導入をきっかけとして、紙やスプレッドシート中心のバックオフィス業務を廃止しました。
福祉業界ではまだまだ紙ベースでの書類管理がメインのなかで、同社はいち早くクラウドサービスを導入し、Zoho CRMで顧客情報や請求書の一元管理を進めたことで、運用プロセスの効率化に成功しました。現場の社員の負担も減り、従業員満足度の向上にもつながっているそうです。
参考:事業拡大には脱アナログ管理が不可欠だった|Zoho CRM 導入事例
【関連記事】CRMの事例集|EC・通販業界・スポーツ業界での導入効果はいかに
Zoho CRMを導入する際の3つの注意点
ここでは、Zoho CRMを導入するときの注意点を3つ紹介します。
導入時のポイントを押さえておくことで、Zoho CRMの導入効果を高めることが可能です。
1.海外発のCRMのため言語対応が必要
Zoho CRMは、シンガポールのZoho Corporationが開発した海外発のCRMサービスです。
日本語へのローカライズがされていますが、一部日本語対応がされていない部分もあるため、導入時には部分的に言語対応する必要があります。
一方で、海外発のサービスゆえの多言語対応や、現地時間や通貨への対応が進んでいるため、海外進出やグローバル展開を目指す企業には適したCRMです。
2.データの入力項目が多い
Zoho CRMは、大容量の顧客データベースを管理できる本格的なCRMサービスです。それゆえに、データの入力項目が多いという口コミも存在します。
シンプルなインターフェイスをお求めの方にはある程度の慣れが必要ですが、顧客分析や購買予測をおこなうには、膨大な顧客データが必要です。使い方の説明動画やトレーニングプログラムを活用し、顧客データベースの使い方を学びましょう。
3.モバイル対応に機能制限がある
Zoho CRMは無料プランも有料プランもモバイル対応しており、スマートフォンやタブレットから利用できます。
そのため、外出先や移動中でも営業支援ツールを使えます。
しかし、モバイルアプリには機能制限があることも知っておきましょう。顧客レポートや活動レポートの詳細表示や、検索システムの一部機能がモバイルアプリでは制限されています。
モバイルアプリにできること、できないことを知り、ブラウザとアプリをかしこく使い分けることが大切です。
Zoho CRMはコスパの高いサービス!まずは無料トライアルを
ここまで、Zoho CRMの特徴や機能、料金を紹介しました。Zoho CRMは初期費用無料、月額1,440円から利用でき、コストパフォーマンスに優れるクラウドCRMサービスです。CRMとSFAの両方を1つの管理画面でシームレスにも運用できるため、業務効率化や生産性向上が期待できます。
CRMやSFAには、Zoho CRMのほかにもさまざまなサービスがあります。IT基盤の構築に取り組む企業は、サービス内容や料金をよく比較検討し、自社に合うサービスを選ぶことが大切です。
無料のCRMツール(顧客管理システム)10選|選び方も解説!