目標設定で新人が伸びる!営業の目標設定で押さえておくべき3つのポイント
2023.06.08
2023.06.08
営業部門に新入社員が配属され、メンバーの目標設定を担うようになった人もいるのではないでしょうか。目標設定の目的やポイントを押さえたうえでメンバーの目標設定をおこなうと、有意義な目標を立てることにつながるでしょう。 ここでは、目標設定をおこなう目的と重要なポイント、目標設定の種類、目標設定を確認するSMARTの法則を紹介します。
営業ではなぜ目標設定が必要なのか?
多くの企業の営業部門では、それぞれのメンバーに営業目標を立てているでしょう。しかし、営業目標を立てる目的をしっかりと理解できていない方もいるのではないでしょうか。
営業目標を立てる目的を理解し、きちんとしたプロセスを踏んでおかないと、かえってメンバーのモチベーションを下げてしまうことにつながります。逆に、営業目標を立てる理由をしっかりと理解し、きちんとしたプロセスを踏んで立てることで、部下が目標を追うためのモチベーションを高く保つことにつながります。 ここでは、目標設定をおこなう理由を3つの視点から説明します。
企業の利益を確保するため
営業部門が目標設定をおこなう目的の1つとして、経営戦略を遂行できるだけの利益を確保することが挙げられます。
企業のなかで営業部門が担う役割は、「自社の商材を顧客に販売し、売上をつくること」です。 そのため、営業は会社の利益を確保するために上げなければならない売上から逆算して営業目標を設定します。ここで立てた営業目標を各々が達成することで、企業の利益を確保することができ、企業の成長につながります。
逆に、各メンバーが営業目標を達成できない状況が続けば、経営戦略を遂行できないだけでなく、最悪の場合倒産に至ることもあります。
日々の営業活動の改善点を見つけるため

DXログ編集部
営業目標を立てることで、メンバーの行動プロセスを細分化して日々の業務に落とし込むことができます。その行動プロセスと実績を照らし合わせることで、メンバー自身の改善点を見つけることができます。
目標設定の期間は企業によって異なりますが、ここでは1カ月単位で設定していることを想定して説明します。 例えば、月間売上目標が300万円であり、商材の単価が100万円の場合、月に3件の受注を生み出す必要があります。商談からの受注率が20%の場合、15件の商談を生み出す必要があります。そして、アポイントから実際に商談できる確率が50%とすると30件のアポイントが必要になり、アポイント獲得率が10%とすると、300件の架電数が必要になります。
そのうえで、こうして割り出した架電数をいつまでに達成しておけば営業目標を達成できるのか、というふうに日々の業務レベルまで落とし込んでおくことで、1カ月間目標を追い続けることができます。 また、ここで敷いた行動量を遂行したにも関わらず達成できなかった場合、どこに課題があるのかを割り出すことができ、その後の営業活動を改善することにつなげられます。
メンバーのモチベーションを上げるため
営業目標から日々の行動プロセスに落とし込んで必要業務を割り出すことで、日々どんな業務をどこまでこなせばいいのか、といった行動目標を立てることができます。日々の行動目標を達成することで小さな達成感を生み出すことができ、モチベーションアップにつなげることができるでしょう。
目標を達成することによってモチベーションが上がることは、脳科学的にも示されています。
脳科学的に考えれば、「幸せは脳の中にある」と言えます。 幸福は誰かからもらうものではなく、どこかから手に入れるものではない。われわれの脳の中に、幸福を発生させる物質が存在しているのです。脳内物質である「ドーパミン」が分泌されたとき、私たちは幸せを感じます。 (中略) 目標が実現されたとき、ドーパミンは分泌されます。あなたの仕事がうまくいったときなどに、「やった!」という達成感とともに分泌されるわけです。その結果として、幸福感に満たされます。 さらに言えば、目標や計画を立てた時点で、すでにドーパミンは分泌されています。目標に取り組むことにワクワクして、モチベーションが上がっていくのはそのためです。
このように、目標を設定してそれに向かって努力したり、目標を達成したりしたとき、ドーパミンという脳内物質が分泌されてモチベーションの向上につながるようです。 営業目標から逆算して行動目標を立てることで、メンバーのモチベーションを高く保つようにしましょう。
新人営業の目標設定における3つのポイント
これまで、目標を設定する目的を説明してきました。ここでは、営業メンバーの目標設定をする際にマネジメント側が気を付けておきたいポイントを紹介します。
適切な難易度に設定する
前述の通り、目標を達成することで営業メンバーのモチベーションを向上させることができます。一方、難易度が高すぎて達成できない目標を設定してしまうと、達成の見込みが立たなくなってしまった時点でメンバーは諦めてしまい、大幅な未達成に終わってしまうということもあります。
しかし逆に、やさし過ぎる目標を設定してしまうと、目標達成へのモチベーションにつながらず、かえって成績を下げてしまうことになります。 少し背伸びしなければ届かない絶妙な難易度に目標を設定して、メンバーの力を最大限に引き出しましょう。
本人と合意形成する
営業目標を意味のあるものにするためには、メンバー自身で目標設定をすることが重要です。
メンバーに対して、「目標達成に対するハングリー精神が足りない」と感じている場合、上から降りてきた目標を押し付けていないか、今一度確認してみましょう。自分自身で公言した目標でなければ、メンバー自身はその目標を自分事として捉えることができず、目標に対して本気で取り組むことができません。
マネジメント側は、メンバーが掲げる目標が全社の営業目標を達成するうえで貢献できる目標になるよう、必要があればメンバーと相談して目標を引き上げる必要があります。
このときも、「会社の営業目標を達成するために」と押し付けてしまうのではなく、メンバーのモチベーションを最大化することを考えて引き上げると良いでしょう。
行動プロセスを可視化する
営業目標を設定した後は行動プロセスを可視化して、日々の業務に落とし込むことが必要です。前述した通り、目標を達成するためには日々の業務で何をどれだけやればいいのかというところまで落とし込む必要があります。
しかし、月末に達成しなければいけない目標だけ設定して業務に落とし込んでいなければ、目標達成までのプロセスが見えません。月の半ばで気付いたら目標達成が困難になっている、ということになってしまうこともあります。
こうした事態を防ぐために、日々の営業活動で何件架電すればよいのか、1日に何件のアポイントを取れれば良いのかといった詳細な行動プロセスを可視化しておきましょう。
2つに分けられる営業目標
営業目標は大きく分けて、「定量目標」「定性目標」の2つに分けられます。この2つはどちらが欠けてもいけない重要な指針となります。 ここでは、それぞれの目標について解説します。
定量目標
定量目標とは、具体的な数値で表すことができる目標のことです。 例えば、月間の売上目標のようなものは数値で表すことができ、定量目標に当たります。
定量目標を設定することで、その目標を達成するための行動プロセスを敷くことができます。モチベーションを高く保つためには、背伸びして達成可能な難易度に定量目標を設定する必要があります。
定性目標
定性目標とは、具体的な数値で表せない抽象的な目標のことです。言い換えれば、「こうありたい」というゴールイメージを言葉にしたものです。
営業活動をおこなううえで大切にしたい理想像を言葉にしていきます。例えば、「顧客に愛される」「第一想起される人になる」といったように、自分がこういう営業担当でありたいというイメージを成し遂げられるように目標を設定します。そして、その理想像を体現するために必要な行動目標として「すべての既存顧客に対して手紙を送る」「毎月、親交の深い顧客に業界のトレンド情報を提供する」といったものを掲げます。
定量目標だけを設定してしまうと、その定量目標を達成することだけを考えて、結果として自分がなりたい営業担当像を実現できなかったり、目標達成が困難になったら諦めてしまったりする可能性があります。 こうした事態を防ぐためにも、定性目標を設定することが重要です。
SMARTの法則で目標設定を確認しよう

DXログ編集部
目標を設定したあとは、その目標が適切なものか、客観的に確認すると良いでしょう。目標を客観的に確認できる指標として、SMARTの法則というフレームワークが活用できます。
SMARTとは、Specific(具体性)、Measurable(測定可能性)、Achievable(達成可能性)、Relevant(関連性)、Time-bound(期限)の頭文字をもじったものです。
SMARTの法則を用いることで、目標達成までの行動プロセスを可視化しやすくなります。目標を設定するとき、目標を客観的に確認するときに用いると良いでしょう。
Specific(具体性)
ここでは、設定した目標が具体的であるかどうかを確認します。
例えば、「顧客にとって最高の営業担当になる」という目標を掲げたとします。この場合、最高の営業担当とはどのような状態なのか定義されていないため、達成できたのかどうか、どうすれば達成できるのか、明確にわかりません。
「顧客にとって最高の営業担当」とはどのような状態なのかを分解して、「訪問した後は5分以内にお礼メールを送る」「顧客と話した内容をメモに記録しておく」というように表します。
このように具体的な行動目標に落とし込むことで取るべき行動が定まり、メンバー自身のパフォーマンス向上につながります。
Measurable(計量性)
ここでは、設定した目標が数値で計れるものかどうかを確認します。
計量性のある定量目標を設定しなければ、どのラインを目指して営業活動をおこなえばよいのかわかりません。 その結果、目標を達成できているのかできていないのかわからず、改善のためにPDCAを回すこともできません。
月間の定量目標を売上300万円と設定した場合、現状何万円の売上で進捗が何%なのか、あといくらの売上が必要なのか、目標達成に向けて順調に進んでいるのか、それとも目標達成の見込みが薄いのかというように、行動目標なども数値で測れる指標として目標設定しておく必要があります。
そして、目標と現実のギャップを計測することで、目標達成のために行動プロセスを軌道修正したり、顧客へのアプローチを改善したりすることができます。
Assignable(割当設定)
ここでは、業務の責任を負う人が明確になっているかどうかを確認します。
個人目標であれば責任範囲が明確なのであまり気にする必要はありませんが、チームで追っている目標の場合、いつどこで誰が何をどのように実行していくのか、あらかじめ定めて置く必要があります。実行に関する責任範囲をあらかじめ定めておかないと、プロジェクトが動き出してからいざこざが起こってしまうことがあります。
また、誰がどの業務を担うかを決める際、その業務とメンバーの特性のマッチングも見極めておくと良いでしょう。あらかじめメンバーの特徴に合った業務を割り振ることで、プロジェクトを円滑に進めることにつながります。
Realistic(実現可能性)
ここでは、設定した目標が実現可能なものなのかどうかを確認します。
前述の通り、到底達成できないような過剰に難易度の高い目標を設定してしまった場合、メンバーのモチベーションダウンにつながり、かえって成果を下げてしまうことにつながります。
メンバーのモチベーションを高く保つためには、日々の小さな達成を積み重ねること、最終的な定量目標を達成することが重要です。
前月までのメンバーの成果や行動と照らし合わせて設定した目標が実現可能なものなのかどうかを確認しておきましょう。
Time-related(期限)
ここでは、設定した目標を達成するまでの期限が明確になっているのかを確認します。
期限を明確に決めておかなければ、「後でやる」といって先延ばししてしまい、目標達成のために具体的な行動を起こせないという事態に陥ります。
一方、目標達成するまでの期限を決めておけば、期日までに目標を達成するために今何をしなければいけないのか、具体的な行動に落とし込むことができます。
【例文あり】目標設定シートのつくり方

DXログ編集部
目標設定シートをつくる時はSMARTの法則を意識しながら、定量目標と定性目標に分けてつくるとよいでしょう。添付している例では最終的な売上目標に到達するための営業プロセスをKPIに設定し、目標に組み込んでいます。営業プロセスにあわせて目標を設定していくことで、設定した目標に対して実際の営業活動が乖離していた場合、軌道修正を図ることができます。
的確な目標設定をして部下を達成させよう
いかがでしたか。 営業目標はただ設定するだけでなく、適切なプロセスを踏んで設定することでメンバーのモチベーションを高く保つことができます。また、適切な営業目標を設定することで成果の向上にもつながります。 今回紹介したポイントを念頭において、メンバーの目標設定に向き合ってみてください。
企業のみなさまへ
あなたもDXログにサービスを掲載しませんか?
あなたもDXログに
サービスを掲載しませんか?