カスタマーサクセスで設定すべきKPIとは?代表的な5つの指標と3つの注意点
2023.06.08
2023.06.08
能動的に働きかけて、顧客の課題を解決するカスタマーサクセス。 顧客と長期的な関係を構築し、LTVの最大化をさせるうえで、カスタマーサクセスは欠かすことができません。カスタマーサクセスで成果を出すためには、適切なKPIの設定が重要となります。今回は、カスタマーサクセスにおけるKPIの重要性や注意点、実際に設定する際の例を紹介します。
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カスタマーサクセスをおこなううえで大切なこと
カスタマーサクセスをおこなう際は、顧客の成功を第一に考えて行動することがもっとも大切です。顧客の成功に向けて行動することで、顧客から信頼を得られるようになり、継続利用につながります。
それが結果として、自社の売上アップにつながっていきます。そのためには、顧客の成功を何かしらのかたちでKPIとして設定して、おこなったアクションが正しかったのか、正しくなかったのかをPDCAを回しながら把握することが大切です。これを継続しておこなうことで、自社にとっての適切なKPIの値を把握することができます。
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カスタマーサクセスで設定すべきKPIの例
続いては、カスタマーサクセスで設定するKPIの例を紹介します。以下で挙げるような指標をKPIとして設定することで、カスタマーサクセス部隊の動きを可視化し、成果につなげるための組織運営が可能になります。
カスタマーサクセスで設定するKPIの例①:継続率
サブスクリプション型のビジネスモデルが普及された現代では、商品やサービスを利用している顧客の継続率をKPIとすることが多いです。顧客が継続して利用してくれることで、安定的に売上を上げることができます。例えば、商品やサービスの提供を開始した1年目は、獲得した新規顧客の数がそのまま売上に直結します。
そして2年目で、1年目と同じ数の新規顧客を獲得し、前年からの利用者を8割ほど維持できたとします。そうすると、1年目と同じ労力で倍近くの売上を上げることが可能です。そのためには、継続率をKPIにして、継続利用する顧客を増やす意識を持つことが大切です。
カスタマーサクセスで設定するKPIの例②:解約率(チャーンレート)
商品やサービスを継続利用してくれる顧客を増やすうえで、解約率(チャーンレート)も重要な指標となります。
解約率はチャーンレートともいわれていて、全顧客のうち解約した顧客の割合を示す指標です。もし、解約する顧客が多ければ、その分だけ売上が下がってしまい、それを補うために新規顧客を獲得しなければいけません。
ただ、新規顧客の獲得をするとなると、時間や工数などさまざまなコストがかかってしまいます。そのため、既存顧客の解約率を減らし、継続利用してくれる顧客を増やすことが重要となります。
カスタマーサクセスで設定するKPIの例③:顧客単価
カスタマーサクセスは、顧客単価を向上させることも重要視されています。顧客単価を向上させるためには、顧客にアップセルとクロスセルを促すことが大切です。
アップセルとは、製品を検討している顧客や既存顧客に対して、より高額なプランの購入や買い替えを促すことです。一方でクロスセルとは、製品の購入を検討している顧客に対して、ほかの製品もセットで購入を勧めることです。
これらを促すためには、顧客満足度を高めて、顧客が商品やサービスに価値を感じている状態を作り出すことが大切です。
カスタマーサクセスで設定するKPIの例④:アクティブユーザー数
アクティブユーザーとは、アプリやWebサービスで一定期間内に1回以上の利用があったユーザーのことです。
例えば、アプリ内課金のサービスは、顧客がアプリ内で課金をしなければ売上につながりません。売上を作るためには、顧客がつい課金をしたくなるような仕掛けをアプリに実装することが重要です。また、売上を拡大していこうとなると、継続的に利用してくれる顧客を増やしていく必要があります。このときの指標としてアクティブユーザーが重要な指標となります。
この指標を基にして、アプリをダウンロードした顧客に継続利用させるための対策に取り組んでいきます。
カスタマーサクセスで設定するKPIの例⑤:NPS®
NPS®とは、ネット・プロモーター・スコアの略で、顧客ロイヤリティを数値化して示す指標のことです。顧客に「あなたはこの商品を家族や友人にどの程度おすすめしたいと思いますか。0~10の10段階で回答してください。」と質問をして、自社の商品やサービスがどのくらい信頼や好感を得られているのかを把握します。
このNPSが高いほど顧客ロイヤリティが高いということを意味し、逆に低ければ何かしらの不満や不安を抱えている可能性があります。NPSをKPIとして設定することで、顧客ロイヤリティを把握することができ、商品やサービスの改善・対策につなげることが可能です。
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カスタマーサクセスとカスタマーサポートはKPIを設定する目的が異なる
顧客の成功を目的とするカスタマーサクセスと顧客の不満解決を目的とするカスタマーサポートとでは、それぞれでKPIを設定する目的が異なります。カスタマーサクセスでのKPIは、自ら働きかけて顧客体験をよりよいものにすることが目的です。そのため、アップセル・クロスセルによる顧客単価の向上や商品、サービスの継続率をKPIとして設定することが多いです。
一方でカスタマーサポートはトラブルが起きた際に適切な対応ができたのかを目的としたKPIとなります。そのため、問い合わせに対してどのくらいスピーディーに対応できたのか、1日で何人の顧客の問題を解決できたのかなどを、KPIとして設定することが多いです。
このようにカスタマーサクセスとカスタマーサポートでは、KPIを設定する目的はもちろん、KPIの値も異なります。
カスタマーサクセスでKPIを設定するときの注意点
次にカスタマーサクセスでKPIを設定するときの注意点を紹介します。これらのことを踏まえたうえで、KPIを設定していきましょう。
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カスタマーサクセスでKPIを設定するときの注意点①:検証しないで同じKPIを使い続けること
KPIを設定したあと、充分な検証をおこなわずに同じKPIで運用を続けてしまうことがあります。しかし、KPIは運用を始めたら継続的に改善をする必要があります。なぜなら、KGI(重要目標達成指標)を達成することが目的であるため、設定したKPIがKGIに沿った適切なものなのかを確認し続ける必要があるからです。
もし、KGIに沿った適切なものではないときは、KGIに沿った適切なKPIを見つけて、それに応じてとるべきアクションを定義します。このように、KPIを設定したあとは、KGIに沿った適切なものであるかを定期的に確認して、より適切なKPIを常に設定できるようにしていきましょう。
カスタマーサクセスでKPIを設定するときの注意点②:自社に適さないKPIを設定すること
KPIを設定するときは、よくある指標をそのまま使うのではなくて、自社の業務に適しているかどうかを考えたうえで判断する必要があります。自社の商品やサービス状況を加味せずに「他社がそうしているから」という理由でKPIを設定したとしても、必ずしも自社に合ったものになるとは限りません。
例えば、売上をアップさせたいのであれば、継続率や顧客単価をアップさせる必要があります。そのためには、自社の業務内容や売上構成、顧客の傾向を加味したうえで、どの要素を一番伸ばすことができるのかを決めます。そうすることで、自社に適切なKPIを設定することができます。
カスタマーサクセスでKPIを設定するときの注意点③:日々のPDCAを回しにくいKPIを設定すること
設定するKPIの指標は、アクションを起こしたときに変化を把握できるものである必要があります。
例えば、解約率(チャーンレート)をKPIとして設定した際、施策の結果がわかるタイミングは、商品やサービスの契約更新時となります。そのため、日々のPDCAを回すことができなくなり、長期スパンでのPDCAしか回せなくなります。
もし、解約率をKPIとして設定するのであれば、短期的にチェックする指標として、総顧客数と解約した顧客数などKPIとして設定することが望ましいです。そうすることで、アクションを起こしたあとに定期的に数値の変化を確認することができ、日々のPDCAを回しやすくなります。
自社に合わせた最適なKPIを設定しよう
カスタマーサクセスにおけるKPIの重要性は理解できましたか?自社に合わせた最適なKPIを設定できるかできないかで、カスタマーサクセスの効果は大きく変わってきます。そのため、自社にとってどのKPIが適切なのかを把握する必要があります。
また、設定したKPIが実際に役に立っているのか、効果が出ているのかなどを、定期的な検証を通じて確認することが大切です。効果的なカスタマーサクセスを実現させるためのKPIを模索してみてください。
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