稟議書の書き方や必要な項目を初心者向けに詳しく解説
ワークフローシステム
2023.08.17
2023.08.17
稟議書の作成は、一般的な業務とは少し違うものです。そのため、書き方や必要な項目を知らないと、提出しても取り上げてもらえない恐れがあります。 稟議書に絶対に書くべき項目や書き方のポイントを知って、稟議を通せるようにしましょう。 本記事では初めて稟議書を作成する人でもわかるように、稟議書の基本から解説します。稟議書が持つ正しい役割を知って、スムーズな作成に役立ててください。
稟議書とは?
稟議書の作成は、上司や先輩から教えてもらう機会がほとんどなく、自分で調べてゼロから始めるケースが多いです。まずは稟議書の基本的なことから知っていきましょう。
承認者から承認を得るための書類
稟議書とは、自分の権限だけでは判断できない何らかの事柄を決める際に、承認者の承認を得るために必要な書類です。 稟議が必要な案件は、稟議書が承認されるまで進めることができません。
稟議書とよく似たものに決裁があります。 稟議書と決裁の違いは、承認を得る人数です。 決裁では、承認権限を持つ特定の1人からの承認が必要です。それに対し、稟議書の場合は承認権限を持つ複数の人からの承認が必要になります。 ただし、会社によっては稟議書と決裁を分けていないこともあります。
稟議書が必要になる一例
稟議書には法律による定めはなく、必要になる案件は会社によって異なります。 稟議書が必要とされやすいのは、実行する際にまとまった費用が発生する案件や、経営に関わる重要性が高い案件です。 外部企業との契約、設備の導入、人事採用、出張の申請など、業種によってさまざまなケースが考えられます。
なお、稟議書は日本特有の企業文化であるため、外資系企業では必要ない場合も多いです。日本企業でも、スピーディな決定を重視している場合は採用していないケースもあります。
稟議書の項目
稟議書の書き方に決まりはありませんが、必要な項目を満たさないと承認されません。以下の10項目は必ず網羅し、稟議内容が会社に必要であることを正確に伝えるようにしましょう。
項目 | 内容 |
決裁区分 | 可決、否決、条件付き認可、保留、差し戻しなど、稟議書の最終判断内容を記す項目です。 空欄で作成します。 |
起案者 | 誰が提案したものなのかわかるように氏名を記入します。 |
起案日と決裁日 | 起案日は稟議内容を提案した日、決裁日は稟議書の内容が承認されて有効になる日付です。 稟議書を作成する際は起案日のみ記入し、決裁日は空欄にしておきます。 |
件名 | 稟議書の件名をわかりやすく簡潔に記入します。 |
承認欄 | 承認者の氏名や所属部門などをサインする欄です。空欄にしておきます。 |
相手企業の情報 | 外部企業との取引がある案件の場合は情報を記載します。 |
稟議の目的 | 稟議が通った際に得ることができるメリットや費用対効果を記入します。承認者が納得し、この稟議を通す意義があると感じてもらえるように書きましょう。 |
稟議の理由 | なぜこの稟議内容でないといけないのか、ほかの案との比較や申請に至った経緯などを記載します。稟議の目的と合わせて、承認者が必要であると判断することができるような内容になるように意識しましょう。 |
リスクと対処法 | 稟議内容を実行した際に想定されるリスクと、その対処法を記載します。 |
費用 | 必要な金額やコストを、できるだけ詳細に記載します。内訳や支払い条件も必要です。見積りがある場合は添付しましょう。 |
稟議書の書き方のポイント
稟議書は書き方で可決と否決が分かれることもあります。承認者にわかりやすく情報を伝え、正しく判断してもらえるように以下のポイントを意識しましょう。
必須項目を網羅する
前項で解説した稟議書に必要な10項目は必ず網羅するようにしましょう。 中でも、稟議の目的と稟議の理由は、承認者が稟議内容を検討する際に重要な情報です。 物品の購入であれば購入理由や必要とされる背景、契約であれば経緯や契約によるメリットとデメリットなどをわかりやすくまとめることが大切です。 稟議書に記載する文章だけでは伝わりにくい場合は、添付資料を作ってもよいでしょう。
読み手の立場で書く
文章を書くときは、自分とは違う立場や知識を持つ人が読むことを意識しましょう。 稟議書を提出する相手は、承認者の人です。申請者と同じ場所で働いているわけではないため、現場の感覚や状況は知らないと思って書くとよいです。
また、承認者はまったく違う部門の出身者であることも多いです。専門用語が多いと正確な情報が伝わらないかもしれません。 回りくどい表現は避けたほうがよいことと、現場で使っている用語が伝わらないケースがあることを覚えておきましょう。
要点をわかりやすくする
より正確で詳細な情報を伝えることは、稟議書では非常に大切です。しかし、余計なデータや似たような説明が繰り返され、要点がわかりにくくならないように注意を払いましょう。 承認者が読み返さなくても、要点が頭の中に入ってくるようにまとめることが大切です。
文章のみで説明すると、どうしても長文が続きやすいです。 箇条書きやナンバリング、表などを使って、文章以外の表現でも伝えるように工夫してみましょう。
求められる情報を強調する
会社の方針や承認者の考え方を十分に理解し、重要視されそうな部分を強調しましょう。また、懸念点になり得る部分は対策や対処を記載すると効果的です。 しかし、情報が多すぎると本当に重要な情報が伝わりにくくなります。取捨選択をし、本当に必要な情報に絞ったうえで、その中からより強調したい部分をみつけて目立たせましょう。
稟議書の書き方見本
最後に、備品購入を想定した稟議書の書き方見本を紹介します。日付や決裁区分、承認欄などは省きますが、実際に作成する際は必要です。 備品購入に関連する承認を求められる人は、何を、何のために、どこから、いくらで購入するのか、を知りたくなると想定して作成した稟議書です。
発注先が新規の事業者である場合は、選ぶ基準となった情報(他社との比較やメリットなど)も付け加えるとより説得力が出ます。 購入費用がかかる以外はデメリットがないため、ここではリスクや対処を記載していません。
契約の締結や人事採用などで、リスクが発生する稟議の場合はリスクと対処法を追加で記載すると承認者の懸念を払しょくしやすくなります。
[稟議書の書き方見本]
件名:経理部で使用するPC5台の購入
目的:Windowsアップグレードに伴うマシンパワー不足の問題解決のため
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概要:
経理部門で使用しているPC5台は、購入から7年が経過している状態です。 Windowsアップグレードに伴うマシンパワー不足により、一部の業務に支障が出ています。また、不具合の発生頻度も上がっており、マシントラブルによる業務の停止も考えられる状況です。
つきましては、下記内容の設備購入について、承認をお願いいたします。
購入内容:
PCの品番や型名:〇〇〇〇
購入台数:5台
発注先:〇〇社
費用:総額90万円
添付資料「PC購入見積り」をご参照ください。
稟議書は相手の立場になって情報を網羅しよう
稟議書は承認者から承認を得るために必要な書類です。 承認がないと、どれほどよい提案でも進めることができません。どうしても通したい稟議書を作成する際は、内容を精査してていねいな書き方で情報を網羅しましょう。 稟議書を通すには、会社の方針や承認者が重視するポイントを押さえるが重要です。 リスクやデメリットがある場合はそれも必ず記載し、対処法も提案します。
承認者は現場の状況を知らない人もいることを踏まえて、読み手に伝わりやすく、まとまった内容を意識して作成しましょう。
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