Web会議の仕組みとは?テレビ会議の仕組みとの違いやシステムの選び方をご紹介
Web会議システム
2023.08.21
2023.08.21
Web会議システムは、パソコンやタブレットから利用します。クラウド型はインターネット上のサーバーからアクセスし、オンプレミス型は専用のネットワークを通じて、Web会議をおこないます。また、テレビ会議システムでは、専用の会議室やスクリーン、カメラなどを用意する必要があります。ここでは、Web会議システムとテレビ会議システムがどう異なるのか、どのような観点でシステムを選ぶと良いのかを解説します。
Web会議とは
Web会議とは、オンライン上でPCやスマホ・タブレットで行う会議や打ち合わせを指します。
Web会議を行うことができるシステムWeb会議システムと呼びます。Web会議システムでは、資料などを共有できる画面共有機能や、録音機能、ホワイドボード機能、チャット機能など様々な機能が搭載してあるシステムもあります。
働き方改革や新型コロナウイルス感染症の影響でテレワーク(リモートワーク)を導入する企業が増え、わざわざ会場に行く必要もなく、時間や場所問わず会議を行うことができるため、Web会議システムが注目されました。
わざわざ、会場に来る必要がないため、研修や採用もオンラインで行う企業が増えており、Web会議システムを使う場面が多くなってきています。
三密対策に大活躍!Web会議の仕組み
Web会議とは、インターネットに接続したパソコンやスマートフォン、タブレットなどを利用して、離れた場所の相手と音声や映像をやり取りするオンライン会議のことですデータ化した映像・音声を送受信し、相手の顔を見ながらリアルタイムで対話することができます。
ADSLが主流だった頃はデータの通信速度が遅く、映像の乱れや、音声のタイムラグなどの問題が少なくありませんでした。大容量のデータ通信が可能な光回線や4G・5Gが流通した現在では、高画質・高音質でスムーズなコミュニケーションが可能です。
リアルタイムのコミュニケーションを実現した映像・音声処理技術
Web会議で対面コミュニケーションとほぼ変わらないスムーズなやり取りができるのは、通信ネットワークだけでなく、映像・音声処理技術も向上しているためです。映像・音声データは一般的なテキストデータよりも容量が大きく、オンライン上で頻繁にデータ通信をおこなうと、通信帯域に負荷がかかってしまいます。
通信帯域に過剰な負荷がかかると、通信速度が大幅に低下します。Web会議でスムーズなやり取りができなくなるのはもちろん、インターネットを利用した業務に支障が出る恐れがあるのです。
Web会議に用いられるコーデック
コーデックはデータ通信技術の向上を目指して進化してきました。現在はH.264と呼ばれるコーデックが主流です。別名「MPEG-4 AVC」といい、従来のMPEG-2と同じ画質を保ちながら、データ容量を約半分に圧縮できます。
音声コーデックには、MPEG-2または4の動画データに含まれる音声データの標準圧縮方式のひとつである「AAC」が広く用いられています。同じ音声データ圧縮技術である「MP3」に比べると、同程度の音質なら1.4倍高い圧縮率を実現しており、通信帯域への負荷をより軽減できます。
Web会議の接続形態
Web会議では、ユーザーがパソコンやスマートフォンなどの端末を通してサーバーにアクセスする「サーバー&クライアント形式」が採用されています。Web会議の接続形態は、サーバーの構築場所と管理者によって「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類に分かれます。
オンプレミス型
サーバーを社内に設置し、自社で管理するタイプのWeb会議システムです。自社の利用スタイルやネットワーク環境、セキュリティポリシーなどに合わせて自由にカスタマイズできます。また、外部ネットワークへの接続をしないという環境構築も可能で、外部からのセキュリティリスクを抑えることもできます。
ただ、社内にサーバーを設置するには多額のコストがかかるため、初期導入時はまとまった費用を用意しなければなりません。また、自社でサーバーを管理・運用するためには、相応の知識と技術を備えた専門スタッフの配置が必要です。
クラウド型
システムの製造元が提供するサーバーにアクセスするタイプのWeb会議システムです。ユーザーはソフトのインストールやネットワーク設定などをおこなうことなく、インターネットに接続するだけで必要なときに必要なサービスを利用することができます。毎月一定の利用料を支払い、サーバーの運用や管理を製造元に委託します。自社で管理・メンテナンスする必要がなく、手軽に導入・利用できることが利点です。
サーバー設置にかかる初期費用を節約できるところも魅力です。ただし、セキュリティは製造元に依存するため、クラウド型のWeb会議システムを導入する際は、性能や機能を十分比較して検討する必要があります。
Web会議システムで映像・音声処理の送受信する仕組みとは
Web会議システムは通信回線を利用して、音声や映像を送受信しております。音声や映像の送受信は、通信回線を圧縮する恐れがあります。そのため、音声や映像のデータを圧縮して参加者に送信をしております。
データを受信する側は、その圧縮されたデータを復号(デコード)を行います。圧縮と復号を行うことで、Web会議上で映像や音声の処理を行いコミュニケーションを行うことができます。また、圧縮と復号を行うプログラムをコーデックと呼びます。
導入方法や費用、通信品質を比較!Web会議とテレビ会議の違い
これまで、Web会議システムがどのような仕組みで成り立っているのか解説してきました。非対面のコミュニケーションツールとして、Web会議とよく比較されるのがテレビ会議システムです。ここでは、Web会議システムとテレビ会議システムがどのように違うのか解説します。テレビ会議は専用機器を用いて、遠隔地と映像や音声のやり取りをおこないます。
相手の顔を見ながら音声通話できるところはWeb会議と共通しています。しかし、導入方法や費用、通信品質などを比較すると、いくつかの相違点があるため、注意しましょう。
1. 導入方法の違い
テレビ会議を始めるには、本体やモニター、スピーカーなどがセットになった専用機材を導入・設置する必要があります。専用機材の価格はメーカーや機種によって異なりますが、設置する部屋1カ所につき、50万円~100万円程度がおおよその相場です。また、複数地点と接続する場合はMCUと呼ばれる他拠点接続装置を別途導入する必要があります。
Web会議は、仕事やプライベートで使用しているパソコンやスマートフォン、タブレットなどの端末を利用できるため、専用の機器を購入・設置する必要がありません。クラウド型のWeb会議なら、ソフトウェアのインストールやサーバーの設置などの工程も省けるため、短時間で簡単に導入することができます。
2. 導入までにかかる期間の違い
テレビ会議の場合、専用機器を搬入し、必要に応じて設置工事をおこなわなければならないため、導入するまでに日数がかかります。
一方、クラウド型のWeb会議は専用機器の設置工事や、ソフトウェアのインストールなどが必要ないため、申し込みから導入までにほとんど時間がかかりません。
3. 通信品質の違い
テレビ会議では、映像・音声データの送受信に特化した専用機器を使用するため、通信品質が高いです。高画質・高音質でコミュニケーションを取れる点は大きな魅力といえるでしょう。また、テレビ会議では拠点同士をダイレクトにつなぐ「P2P(ピアツーピア)方式を採用しています。サーバーへのアクセス集中による渋滞が起こりにくく、国外や複数拠点とのやり取りもスムーズです。
Web会議の画質・音質はテレビ会議に比べるとやや劣ります。しかし、最近は通信技術やコーデックの進化により、テレビ会議と遜色のない映像・音声データ通信が可能となっています。
4. コーデックの違い
テレビ会議では、専用の機器を使用してデータの圧縮・復元をおこなう「ハードウェアコーデック」を導入しています。専用の集積回路で圧縮・復元をおこなうため、非常に処理能力が高く、スピーディで確実なデータ処理をおこなえます。操作が簡単で、システムエラーなどが起こりにくいことも利点です。ただし、本体価格が高く、日々進化するコーデックに対応しにくいところは難点です。
一方、Web会議で用いられるソフトウェアコーデックは、処理速度こそテレビ会議システムにやや劣ります。しかし、専用機器を必要とせず、手軽に導入できるところが最大のメリットです。プログラムの入れ替えも容易で汎用性が高く、技術の進歩にも柔軟に対応できます。
5. 機能の違い
テレビ会議でやり取りできるのは、原則として映像・音声データのみです。事前に情報を共有したい場合は、メールなどであらかじめ資料を送っておく手間が発生します。
Web会議は端末の機能やインターネットを利用することで、会議中でもメンバー間でファイルや画面を共有できます。システムによってはホワイトボード機能など便利な機能も搭載されており、ニーズや目的に合わせて多彩なコミュニケーションを取ることが可能です。
6. 利用場所の違い
テレビ会議は専用機器を設置した部屋でしか利用できません。会議に合わせて、テレビ会議用のスペースに移動する必要があります。
一方で、Web会議はインターネットが可能な環境と端末があれば、いつでもどこでも会議を開設・参加することが可能です。
7. シチュエーションの違い
テレビ会議では大画面モニターと専用の広角カメラを利用するため、広い範囲をモニターに映し出すことができます。そのため、グループ対グループなど、大人数でおこなう会議に適しています。
Web会議は、基本的に1つの端末につき1人のユーザーが会議に参加する仕組みです。各々が自社もしくは製造元のサーバーにアクセスしてサービスを利用する「サーバー&クライアント」方式を採用しており、複数人が同時に会議へ参加できます。
ただし、カメラ画像は分割表示されるため、参加するメンバーが多くなると一人ひとりの表情は見づらくなります。多彩な画面表示をおこなえるWeb会議システムを導入すれば、現在話している人を大きく表示したり、特定の人を固定表示したりすることも可能です。
8. 費用の違い
テレビ会議では、専用機器を購入したり、設置工事をおこなったりしなければならないため、初期費用が高額になりがちです。月額費用はかかりませんが、定期的に機材を保守点検しなければならないため、別途メンテナンス費用が発生します。また、機材が古くなったり、故障したりしたときは、買い換えの費用もかかります。
一方、Web会議はパソコンやスマートフォン、タブレットなどの端末さえあれば、新たに通信用の端末を購入する必要がありません。
クラウド型なら製造元が提供するサーバーにアクセスするだけなので、初期費用も最小限に抑えられます。月額費用はかかりますが、システムメンテナンスやアップデートは製造元に委託できるため、保守にかける手間とコストの削減が可能です。
オンプレミス型の場合は、コスト面はテレビ会議と共通する点があります。高額なサーバー設置費用がかかる、月額費用は不要だが保守点検が必要といった点に注意しましょう。
9. セキュリティの違い
テレビ会議で映像・音声通信をおこなう場合は、データはすべて暗号化されます。暗号化の解除に必要となるキーを拠点同士で直接交換するため、第三者にデータを盗み見られるリスクが少ないといわれています。
一方、クラウド型のWeb会議はサービスを利用するにあたり、外部サーバーに接続しなければなりません。セキュリティ面はテレビ会議にやや劣るといえるでしょう。ただし、有料版のWeb会議システムの場合、データの暗号化をはじめ、接続IP制限やルームのID・パスワード設定など、独自のセキュリティシステムが設けられてることが多いです。
セキュリティシステムそのものは製造元に依存するので、サービスごとに安全性に差はあります。セキュリティ強化に力を入れている製造元を選べば、安全にシステムを利用できるでしょう。なお、オンプレミス型のWeb会議なら、自社内にサーバーを設置するので、テレビ会議に劣らないセキュリティを確保できます。
以上、テレビ会議とWeb会議の違いを9つのポイントにわたってご紹介してきました。それぞれの特徴を踏まえ、利用シーンやニーズを以下の表にまとめました。
比較項目 | Web会議 | テレビ会議 |
---|---|---|
利用シーン | ・課内やプロジェクトチーム内など、少人数での会議・打ち合わせ ・人事担当と就職希望者によるマンツーマンの採用面接 ・取引先との打ち合わせ・商談 ・出先・移動中からの社内への報告・連絡・相談 |
・本社と支社など、大人数同士での会議 ・社員研修、セミナー ・海外拠点とのコミュニケーション |
ニーズ | ・初期導入費を抑えたい(クラウド型) ・保守点検を委託したい(クラウド型) ・今すぐWeb会議を始めたい(クラウド型) ・少人数でのやり取りがメイン ・資料などのファイルを共有したい ・画面上で共同作業をしたい ・場所を問わず、いろいろな場所から利用したい |
・大人数同士で会議したい ・より高画質・高音質でやり取りしたい ・国内外の拠点とコミュニケーションを取りたい |
テレビ会議とWeb会議ではメリットやニーズに違いがあります。新型コロナウイルス対策などを目的としてテレワークを導入するのなら、専用機器いらずで手軽に遠隔地とのコミュニケーションが取れるWeb会議システムの利用がおすすめです。
Web会議システムとテレビ会議の違いまとめ
項目 | Web会議システム | テレビ会議システム |
---|---|---|
費用 | 比較的安い | 比較的高い |
必要な器具・環境 | パソコン、インターネット環境 | パソコン、インターネット環境、専用のWebカメラ・マイク、会議室 |
接続の安定性 | 不安定になることがある | 比較的安定している |
参加可能な人数 | システムによる | 会議室の広さやシステムによる |
同じように遠隔でコミュニケーションを取ることはできますが、Web会議システムの方が必要な器具・環境が少ないため、テレワークをするうえではWeb会議システムの方が向いているでしょう。
Web会議システムを利用・導入メリット
Web会議は新型コロナウイルスの流行をきっかけとして、日本で広く普及しました。「三密対策に効果的」というイメージをもっている方も多いでしょう。
しかし、新型コロナウイルスが流行する前から、政府は働き方改革の一環として、Web会議を利用したテレワークの導入を推進してきました。
政府によると、テレワークは「社会、企業、就業者の3方向にさまざまな効果(メリット)をもたらすもの」であり、かねてより国が進めてきた一億総活躍、女性活躍の推進に役立つワークスタイルとされています。[注1]
ここでは、Web会議システムを導入するメリットを8つ紹介します。
すばやく情報共有、意思決定できる
まずはじめに、Web会議システムは迅速に導入することができます。ベンダーの対応によっては、契約して即日利用できる場合もあります。クラウド型のWeb会議システムではインターネット上で提供されているシステムにアクセスして利用するため、新たにシステムを構築する必要はありません。契約をしてアカウントを発行すれば利用することができるため、迅速に導入することができます。
テレワークに対応するうえで、導入までの早さは重要な要素になります。クラウド型のWeb会議システムを導入することで、導入までの早さを担保することができます。
場所を選ばずに利用することができる
次に、場所を選ばずに利用できることもWeb会議システムを導入するメリットとして挙げられます。テレビ会議システムの場合、専用の通信機器やカメラ、マイクなどのさまざまな機器を用意する必要があります。
多くの企業でテレワークをが推進しているなかでこれらの機器を各家庭に用意することは現実的ではないでしょう。Web会議システムはパソコンやタブレットなどの端末とインターネット環境があれば、どこでも利用することができます。そのため、テレワークに対応するうえではWeb会議システムの方が適しているといえるでしょう。
導入費用を抑えられる
Web会議システムを利用する場合、テレビ会議システムと比べて費用を抑えることができます。
テレビ会議システムを利用する場合、専用の通信機器やカメラ、マイクなどを用意する必要があります。このような設備を用意するためには、当然費用が発生します。一方、Web会議システムはインターネット環境とパソコンやタブレットなどの端末さえあれば利用することができます。もともとインターネット環境と端末を所有している人であれば、Web会議システムを契約するだけで利用することができます。
新型コロナウイルスの感染拡大によって景気が悪化するなか、導入費用は少しでも抑えたいと考えている方は多いでしょう。導入時にかかる費用を抑えられることもWeb会議システムを導入するメリットであるといえます。
Web会議システムを利用するデメリット
これまで、テレビ会議システムではなくWeb会議システムを利用するメリットを解説してきました。それでは、Web会議システムはテレビ会議システムと比べてどのようなデメリットがあるのでしょうか。ここでは、Web会議ならではのデメリットを紹介します。
映像や音声にノイズが入ることがある
Web会議システムは、専用のカメラやマイクを使わずに利用することができます。その一方で、専用の機器を使うテレビ会議システムと比べると映像・音声にノイズが入ることがあります。また、Web会議システムでは、参加者がそれぞれ個別にアクセスするため、通信状態が参加者のネット環境や端末の状況に依存してしまいます。
人の話を遮ってしまうことがある
Web会議でありがちなトラブルとして、「意図せず人の話を遮ってしまう」ことが挙げられます。Web会議では、参加者がそれぞれのネット環境からアクセスすることになります。そのため、通信環境が脆弱な場合は、映像や音声が会話のテンポとずれることがあります。テレビ会議であれば各拠点に人が集まって利用するため、同じ拠点にいる人同士では話を遮ってしまうことは少なくなります。
しかし、Web会議では参加者それぞれが異なる場所にいる場合が多く、音声のタイムラグの間に話し始めてしまい、遮ってしまうことがあります。Web会議をおこなうときはこのようなトラブルを避けるために、相手が話し終わった後に少し間をおいて話すように心掛けると良いでしょう。
Web会議システムの導入方法
Web会議システムを初めて導入するときは、必要な設備を整えたうえで、製造元が提供するサービスのなかから自社に合ったシステムを選ぶ必要があります。設備に関しては、オンプレミス型・クラウド型、無料版・有料版にかかわらず、必ず用意しなければならないものがいくつかあります。まずは必要最低限の設備を整えるところからスタートしましょう。
Web会議システムの導入に最低限必要なもの
Web会議システムを利用するには、ネットワーク環境とインターネットに接続するための端末が必要です。カメラやマイクが内蔵されている端末なら上記2つを用意するだけでWeb会議を始められます。ただし、機種によっては別途Webカメラやマイクなどを準備しなければなりません。
社内で利用している端末やネットワーク環境については企業ごとに異なります。以下を参考に、どんな設備が必要なのかチェックしておきましょう。
1. Web会議で利用する端末
インターネットに接続できるパソコンやスマートフォン、タブレットなどの端末を用意します。Web会議は、処理速度が端末のCPUに依存するソフトウェアコーデックを採用しています。新たに端末を購入する場合は、なるべく高性能な機種を選ぶのがおすすめです。
また、Webカメラやマイクが内蔵されているかどうかも忘れずにチェックしておきましょう。すでに社内でパソコンやスマホなどの端末を利用している場合は、新たに購入する必要はありません。
2. インターネット環境
Web会議でやり取りする映像データや音声データは容量が大きいので、スムーズにコミュニケーションを取るには光回線の導入が不可欠です。光回線の導入には回線工事が必要です。新たにインターネットを引く場合や、ADSLからの乗り換えが必要な場合は、手続きを優先的に進めておきましょう。
3. Webカメラ
端末にWebカメラが内蔵されていない場合、外付けのWebカメラを用意する必要があります。Web会議に個人参加する場合は、基本的な機能を備えたコンパクトでシンプルなWebカメラで十分です。
ただし、1つの端末を使って複数人が参加する場合や、研修・セミナーなどをおこなう場合は、画角が広い広角レンズのWebカメラを選びましょう。採用面接など、相手の顔や表情をよりクリアに見たいときは、高画質カメラの利用がおすすめです。
4. ヘッドセット、マイクスピーカー
マイクが内蔵されていない端末を利用する場合は、ヘッドセットまたはマイクスピーカーを準備します。ヘッドセットとは、イヤホンとマイクが一体型になったツールのことです。ヘッドセットを使用することで、音の聞き取りと発声がよりクリアになります。また、複数人で参加する場合や、研修・セミナーなどで利用する場合は、マイクとスピーカーが一体になったマイクスピーカーを設置しましょう。
Web会議に必要なものについて、こちらの記事でも詳しく解説しています。
Web会議システムを導入するまでの流れ
必要な設備を揃えたら、いよいよWeb会議システムの導入を開始します。Web会議システムは複数の製造元から提供されていますが、基本的な導入方法や流れはさほど大きく変わりません。ここでは、Web会議システム導入の基本的な流れをご説明します。
1. 製造元に問い合わせ・資料請求をおこなう
自社に導入するWeb会議システムの候補を決めたら、まずは製造元の公式サイトなどから、システムに関する問い合わせや資料請求をおこないましょう。拠点の数や拠点ごとの参加人数、予算、利用シーンなどをあらかじめ伝えておくと、ニーズに合ったプランを提案してくれます。
2. 無料トライアルの利用
Web会議システムによっては、契約前にシステムをお試しできる無料トライアルが用意されています。
無料トライアルは利用日数に限りがあるほか、一部機能が制限されている場合がありますが、基本的な機能やレイアウトを実際に確かめることができます。とくに初めてWeb会議システムを導入する場合は、Web会議を体験するよい機会です。積極的に活用しましょう。
無料トライアルは電話で申し込むか、またはホームページに設置されている専用フォームに必要事項を入力すれば利用できるようになります。
3. 打ち合わせ・見積もり作成
本契約に向けて担当者と打ち合わせをおこない、見積もりを作成します。利用プランはシステムによって異なります。問い合わせの時点で伝えたニーズや用途をベースに、自社に合ったプランを選びましょう。
4. 申し込み・契約
利用プランが決まったら正式に申し込みをおこない、製造元と契約を締結します。契約後、製造元からライセンスキーが発行され、Web会議システムの利用がスタートします。
5. 社内にWeb会議システムの導入を通達する
社内でWeb会議システムの導入について説明し、利用を促進します。設定や操作方法などでわからないことがあれば、製造元のカスタマーサポートなどに問い合わせれば、適切なアドバイスをもらえます。
web会議システムを選ぶときに押さえておきたいポイント
これまで、Web会議とテレビ会議の違い、Web会議ならではのメリットやデメリットを解説してきました。ここでは、Web会議システムを選ぶときに押さえておきたいポイントを解説します。
1.アカウント登録せずに利用できるかどうか
Web会議システムを選ぶとき、アカウント登録せずにWeb会議をおこなえるかどうかを確認しておくと良いでしょう。
Web会議システムのなかには、URLとパスワードを共有すれば、アカウントがなくてもすぐにWeb会議をおこなえるものもあります。社内だけでWeb会議をおこなうのであればアカウント登録をしても良いかもしれませんが、社外の人とミーティングをおこなう場合、アカウント登録をお願いしづらいこともあるでしょう。
アカウント登録不要のツールであれば、オンライン商談に利用することもできます。外部の人と連絡を取る機会が多い方は、アカウント登録せずに利用できるシステムを選ぶようにしましょう。
2.自社のニーズや用途、利用シーンを明確にする
Web会議システムの機能やサービスは多種多様です。マンツーマンの対話に特化しているものもあれば、複数のメンバーと共同作業やディスカッションをおこなえるものもあります。
Web会議システムのなかでも、ツールやプランによってWeb会議に参加できる人数は異なります。どの程度の規模でWeb会議をおこなうのかをあらかじめ想定したうえで、それに合ったシステムを検討するようにしましょう。例えば、ウェビナー(Webセミナー)や研修などでWeb会議システムを利用する場合、大人数で利用できるシステムを選ぶ必要があります。
一方、少人数でのチームMTGに利用するのであれば、チームの人数分だけ参加できれば良いでしょう。このように、Web会議システムを利用する場面に合わせてシステムを選ぶようにしましょう。
3.セキュリティ対策が十分かどうか
Web会議システムの導入を検討するとき、セキュリティ対策が十分にされているかどうかも確認をしましょう。Web会議システムを利用するとき、場合によっては外部に漏れてはいけないような会話をしていたり、機密資料を共有していたりすることがあるでしょう。セキュリティが脆弱で外部からの不正アクセスが簡単にできてしまうと、企業秘密が外部に漏えいしてしまう可能性があります。
セキュリティを最も重視するのであれば、オンプレミス型のWeb会議システムを利用すると良いでしょう。オンプレミス型のWeb会議システムは専用のネットワークを利用するため、外部から侵入するリスクを著しく低減させることができます。
しかし、オンプレミス型のWeb会議システムは多額の導入費用がかかってしまったり、導入までに時間がかかってしまったりといった問題もあります。クラウド型のWeb会議システムを導入するときは、そのシステムが過去にセキュリティ関連の問題を起こしたことがないか、入念に確認しておくと良いでしょう。
Web会議は業務効率化やコスト削減に役立つ画期的なシステム
インターネット環境下なら、いつでもどこでも会議に参加できるのが、Web会議システム最大の利点です。従来の働き方や会議形式にとらわれない、新しいワークスタイルの実現につながる画期的なツールといえるでしょう。
映像や音声のみでやり取りするテレビ会議に比べると、ファイルや画面の共有、ホワイトボード機能、テキストチャット機能など、多彩な機能が備わっています。利用シーンや用途に応じて、さまざまな形でコミュニケーションを取ることが可能です。
同じWeb会議システムでも、無料版と有料版、オンプレミス型とクラウド型など、導入方法や費用、機能などに違いがあります。自社のニーズや用途を明確にしてから、適切なシステムを選択しましょう。
[注1]テレワークの推進|総務省
企業のみなさまへ
あなたもDXログにサービスを掲載しませんか?
あなたもDXログに
サービスを掲載しませんか?