ウェビナーを運営する方法をイチからわかりやすく解説
Web会議システム
2023.05.30
2023.05.30
Web上でおこなうセミナー(ウェビナー)には、「場所に関係なく幅広く参加者を集められる」「会場の用意が不要」といった数々のメリットがウェビナーにはあります。こうしたウェビナーのメリットを活かすためには、事前に必要な機材を揃え、ウェビナー開催の手順を確認しておくことが大切です。 そこで本記事では、より効果的なウェビナーを運営していくために、ぜひとも押さえておきたいポイントを解説していきます。
ウェビナー運営に必要な準備と開催手順
ウェビナーをスムーズに運営するためには、一つひとつの準備を確実に整えていくことが大切です。適切なステップで進めていかないと、いくらウェビナーの中身が充実していても、参加者にきちんと伝わらない可能性も高くなってしまいます。
それでは実際に、ウェビナーを開催する場合の大まかな流れからみていきましょう。
1. 参加者を集めるための手配
ウェビナーを開催する際に必須となるのが、参加してもらうためのご案内です。具体的には、次のような手配をしていきます。
集客
参加者を集めるには、ウェビナーの開催について広く知らせなければなりません。そこでまず大切なのが、ウェビナーの対象者に合わせた手段で告知をすることです。
PR活動の方法としては、メールの配信や自社サイト、広告媒体への掲載、SNS発信などが考えられます。
たとえば、既存顧客や会員に対するセミナーを実施する場合には、メルマガを通じて参加を促すなどがあります。また現在はウェビナー専門のイベント検索サイトもあるため、いくつかのメディアを利用して集客するのも1つの手です。
そのほか特設LPを作成する方法もあります。
予約受付
集客の体制が整ったら、次は参加希望の受付に関する準備をしましょう。一般的には、ウェビナーの申込みフォームを設置することが多いです。申込みフォームを設置しておけば、参加希望者が手軽にウェビナーを予約することができます。また、運営側は参加希望者に送りたい情報を自動で送信できるため、予約受付に関する業務負担は比較的軽く済むでしょう。
受付は、参加希望者が申込みフォームで必要項目を入力した後、予約完了メールを送信するという流れでおこないます。予約完了メールには、ウェビナーの配信URLや開催日時、問い合わせ先などを漏れなく記載しておきましょう。参加者の出欠状況を正確に把握するため、申込時に使用した名前でウェビナーに参加するよう注意書きしておくことも大切です。
リマインド
ウェビナーにおいて注意しておきたいのが、手軽に参加できるからこそ、欠席にもつながりやすいという点です。また予約から開催日までが離れていると、忘れられてしまうこともあるでしょう。
ウェビナーへの参加率を少しでも上げるためには、適切なタイミングでリマインドをおこなうことが大切です。当日のキャンセルを防ぐためにも、1週間前や前日などに、リマインドメールを送信しましょう。予約完了時点と開催日時が比較的近い場合も、念のためリマインドメールで知らせることをおすすめします。
2. 開催前に必要な準備
参加者を集める手配のほかにも、ウェビナー開催前におこなうべき準備があります。ここでは、コンテンツの制作やアンケート作成、リハーサルについて説明していきます。
コンテンツの制作
当然ではありますが、どんなウェビナーにおいても、その中身を事前に制作しておかなければなりません。より効果的なウェビナーにするためには、コンテンツが大きなカギを握っています。
コンテンツを制作するうえで大事なポイントは、ウェビナーの目的を明確にしておくことです。たとえば、「自社の商品の新たな活用方法を示して受注につなげたい」「顧客にとって有益な情報を紹介して、自社サービスの会員を獲得したい」などです。
ウェビナーをおこなうことで得たい結果を決め、ターゲットに響くコンテンツにすると良いでしょう。必要に応じて、社外の講師に依頼するなど、外部の協力を得てコンテンツを作るといった方法も1つの手です。
そして方向性が定まったら、次は参加者にわかりやすく伝えるための資料作成も忘れてはなりません。また要点をまとめたスライドを作っておけば、ウェビナー終了後の配布資料として、参加者に共有することができます。
アンケート作成
ウェビナー運営で効果を出していくためには、参加者からの意見が不可欠です。もし購買意欲の促進を狙ったウェビナーであれば、終了後の反応がわからなければ適切なアプローチができません。
また、アンケートはウェビナーの開催前後で顧客の意識に変化があったかどうかを知るきっかけになります。顧客の変化からウェビナーの効果を分析できれば、以降のウェビナーの品質向上につなげることも可能です。
さらに、アンケートを実施する際は、参加者が回答したくなる仕組みを取り入れることも大切です。アンケートへの協力に特典をつけるなどしても良いでしょう。もちろん、簡単に答えやすい内容のアンケートにすることも大切です。
なお、アンケートはウェビナー終了後のタイミングで実施するのが一般的です。ただし、なかにはウェビナーの予約時にアンケートを実施するケースもあります。その場合は、参加者の質問や不明点を当日のウェビナーに活用することができます。あらかじめ参加者が求めている情報を把握できるため、参加者の満足度を上げることもできるでしょう。
リハーサル
ウェビナーの内容が固まったら、開催当日までに必ず1回以上は、本番を想定した練習をしましょう。参加者からの画面の見え方や音声、時間配分、資料を出すタイミング、ウェビナーツールの操作など、配信中のトラブルになりそうな部分を解消したうえで本番に備えましょう。
また、実際にウェビナーを開催する際には、登壇者に加えて、運営スタッフも欠かせない存在です。登壇者1名では、問題が発生したときに対応できないため、登壇者と1~2名の運営スタッフをアサインしておくと良いでしょう。
当日の進め方によって変わりますが、誰がどんな動きをするのか、事前のリハーサルまでにきちんと想定しておくことが大切です。当日想定される役割としては、以下のようなものが考えられます。
- 司会をする
- ウェビナー中に参加者から寄せられたコメントをチェックする
- ウェビナーの録画をする、など
3. 開催当日の動き方
いよいよウェビナーの当日を迎え、本番を待つのみと思う人もいるでしょう。ウェビナー運営では、本番の前後にもやるべきことがあります。それでは、ウェビナー開催当日の動きについて具体的にみていきましょう。
本番前の最終チェック
先ほどにも紹介したリハーサルとは別に、配信する環境に問題がないか、本番前にもチェックする必要があります。ウェビナーを進めるうえでトラブルになりやすいのが、画像や音声の乱れといった機材や通信に関わる部分です。
そのため事前に視聴者と接続した状態で、配信に問題がないかの確認をします。たとえば、通信速度が遅いなどの場合、無線から有線に変えるといった対処をしなければなりません。
上手く配信ができていないと、参加者の途中離脱にもつながってしまうので、欠かさず実施するようにしましょう。
出欠確認
ウェビナーの開始時刻になったら、まずは配信用のルームに入室する登壇者の出欠確認をおこないます。ウェビナー後のフォローやセキュリティのためにも、登壇者の本人確認を必ずおこないましょう。
また、なかには申し込みの時点と異なる名前で参加している場合もあります。正確に出欠状況を把握するためにも、予約になかった名前が出てきた際には、ウェビナーツールのチャット機能で本人確認をします。入室前のページにも、予約時に使用した名前で参加するよう注意書きしておきましょう。
ウェビナー開始
大体の参加者が集まってきたら、ウェビナーを開始します。
基本的には事前準備で用意したコンテンツに沿って進めていきます。参加者のチャット機能をONにしている場合などは、その場の反応や状況をみつつ進行しましょう。
なお、ウェビナーの内容は録画しておくことをおすすめします。ウェビナーを録画しておけば、開催後もオンデマンド配信などのコンテンツとして活用することが可能です。
4. 終了後のフォロー
ウェビナーが終わったら、次は最終的な目標に向け、参加者へのアフターフォローをする必要があります。さまざまな方法が考えられますが、以下のように進めていくのがおすすめです。
参加者へのアプローチ
次につなげるために欠かせないのが、参加者に対するお礼のメールです。ウェビナーツールのなかには、メールの配信機能が備わっているツールもあります。できるだけ効率的かつ漏れなく送信するためにも、こうした機能は積極的に使うと良いでしょう。もちろん個別で送っても問題ありません。
また、お礼メールの内容については、ウェビナーの内容に適したものを作成しておきます。たとえば、販促に向けたウェビナーであったなら、メールに商品ページのURLを掲載して購買をすすめしましょう。
そのほかにも「次回も参加してほしい」「商品の活用方法に関する相談を受け付中」など、次にどのような行動をしてほしいのかを示します。また、お礼メールにアンケートのURLを記載して回答を得るのも1つの手です。
ウェビナーの効果に関する分析
ウェビナー中の反応や終了後のアンケートの情報を集めて、ウェビナーの効果について分析をおこないます。参加者の反響が大きかった内容や、逆に反応が良くなかった内容をピックアップして、ウェビナー開催の狙いに沿った効果があったかどうかを調査しましょう。
自社の商品やサービスが効果的にアピールできれていれば、そのまま営業につなげることが可能です。見込みよりも効果がなかった場合は、次回ウェビナーの改善点などに活用しましょう。
自社にとって有益なウェビナーを継続して開催していくためには、終了後の有効的なデータ活用が欠かせません。ウェビナー運営においては、上記も含めた事後対応が非常に重要です。
ウェビナーの運営に最低限用意したいもの3選
ここまでは、ウェビナーの開催に向けて必要なフェーズを解説してきました。運営方法も大切な要素ではありますが、実際にウェビナーをおこなうためには、各種機材などもそろえておかなければなりません。
次からは、ウェビナーを円滑に進めるのに、あらかじめ用意しておきたいものについて紹介します。
1. マイク
ウェビナーにおいて最も重要なのが、正しく音声を届けることです。PCに内蔵されているものもありますが、ウェビナーやWeb会議専用のマイクと比べると性能が劣るため、ウェビナーにはおすすめできません。
ノイズが入ってしまう、声が聞き取りづらいなどの問題があると、内容はなんとなく伝わるかもしれませんが、参加者にとっては非常に不快です。せっかく情報が充実していても、話し手の音声が上手く届かなければ、ウェビナーとしては成立しません。
そのためウェビナーの開催にあたっては、最低でもマイクは用意しておくようにしましょう。また快適に参加できるように、性能にも注意する必要があります。
どのような場所から配信するのか、何名が登壇するのかなど、使用したい状況に応じて選定するのが良いでしょう。
2. カメラ
PCに内蔵しているものでも使えないことはありませんが、できればウェビナー用のWebカメラを用意しておくことをおすすめします。内蔵カメラではあまり画質が良くない場合があったり、映像が乱れやすかったりするため、話に集中しづらくなってしまいます。
基本的には、音声や資料がしっかりと参加者に届けば問題はないかもしれません。しかし、参加者の途中離脱を防ぐ意味も込めて、映像を流すカメラにも配慮したほうが良いでしょう。
3. 通信環境
ウェビナーはインターネット接続ができないと始まりません。そのため、きちんと配信できる通信環境を用意しておく必要があります。また、単純にネットにつながれば良いわけではなく、安定した通信を続けられることが大前提です。先ほど紹介したウェビナー開催前の最終チェックの項目でも触れていますが、安定しやすい有線接続をおすすめします。
なお、ウェビナーツールのなかには、通話品質の高低を調整できるものもあります。配信中の音声がはっきり聞こえるよう、配信に適した通話品質に設定しておきましょう。
ウェビナー運営の成功に向けた4つのコツ
ウェビナーを成功させるためには、オンラインならではの特徴も考慮したうえで、より適切な運営をしていくことが必要です。基本的にウェビナーにはメリットが多いのですが、デメリットもないわけではありません。
ただし、注意すべきポイントが押さえておけば、より良い結果につながるウェビナーが開催できます。そこで、ここでは失敗にならないためのコツを解説します。
1. 参加者を興味を引く工夫をする
ウェビナーでは画面を通じて参加することになるため、オフラインセミナーに比べると、やはり臨場感や抑揚が伝わりにくい部分があります。ウェビナーの登壇者がただ話すだけではなく、参加者も何かアクションができる場面を作るようにしましょう。
たとえば、チャット機能があれば、登壇者から参加者に向けて意見を求めたり、参加者からの質問を取り上げたりと、退屈させないために工夫しながら進行するのが理想的です。
2. 参加者の満足度を意識する
参加者の興味を引くことも重要ですが、そのウェビナーに対していかに満足してもらうかも大切です。参加者が快適に参加できるウェビナーの進行を意識しましょう。
そのほかにも、コンテンツを始める前にツールの操作案内する、アイスブレイクで場を和ませるなど、配信を観ている側も参加しやすくなるような空気を作ると良いでしょう。
3. コンテンツの構成は入念に
ウェビナーを円滑に運営するには、細かなシナリオを設定しておくことが不可欠です。その場の状況を読みながら対応すべき部分もあるものの、基本的には事前の台本作りの段階で、どのタイミングで何をするのか詳しく決めておきます。
アドリブのみで進めてしまうと、どうしてもメリハリに欠けてしまいがちなので、細かなシナリオを設定しておきましょう。具体的には、コンテンツの序盤、中盤、終盤に分けて参加者の感情や理解度を設定しておきます。この流れに合わせてウェビナーの台本を作り、どのタイミングで何をするか決めると良いでしょう。
シナリオや台本を用意しておけば、ウェビナー後のアンケート結果などをもとにしたブラッシュアップもしやすくなります。
4. 当日の段取りは細かく設定する
登壇者や運営スタッフの役割を明確にし、誰が何に対応するのかあらかじめ決めておくことで、当日のウェビナーも滞りなく進められます。
たとえば、司会進行、タイムキーパー、参加者からのチャットの把握、参加者の管理というように、それぞれの役割に集中しやすい体制を作っておくことが重要です。また、準備や終了後の段階においても、運営陣のなかで負担の偏りが出ないよう、きちんと業務分担を決めておくと無難でしょう。
スムーズな運営で参加者の心をつかむウェビナーに
ウェビナーの運営においては、オンラインだからこそ十分に準備しておかなければならないポイントがいくつもあります。
誰でも気軽に参加してもらいやすいメリットがある一方で、少しでも不具合があると伝えたい内容が参加者に伝わらないというデメリットもあるため、運営には細かな配慮が欠かせません。
ぜひとも今回紹介したポイントを参考に、より円滑な運営を通じて、効果のあるウェビナーを目指してみてください。
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