ウェビナーを開催する6つのメリットや導入時のポイント
Web会議システム
2023.05.30
2023.05.30
密な空間が忌避される昨今、従来型のマーケティングや営業手法の変更を余儀なくされた企業も多いでしょう。そのなかで、新たなマーケティング手法として注目を集めるのがウェビナーです。「密にならない」「コストがかからない」などといわれますが、実際にはどのようなメリットがあるのでしょうか。本記事では、ウェビナーを開催するメリットや導入の際注意したいポイントなどを解説します。
ウェビナーとはオンライン上のセミナー
ウェビナーとは、「web(ウェブ)」と「seminar(セミナー)」を合わせた言葉で、Webを経由した講義や講座などを指します。「オンラインセミナー」「ウェブセミナー」などと呼ばれることもあります。
インターネット環境とデジタルデバイスさえあれば、どこからでも配信や視聴をすることができます。ここからはウェビナーの概要について紹介します。
活用シーンはさまざま
ウェビナーは新規顧客開拓から、顧客の育成、成約後のフォローまでさまざまな用途で使えます。
まず新規顧客の開拓では、自社製品やサービスの紹介を最適なタイミングと回数でおこなえるのが魅力です。また既存顧客にさらなるサービスを紹介したり、フォローアップの説明をしたりする際もウェビナーを活用することができます。
なかでも双方向でやりとりできるウェビナーツールなら、既存顧客の生の声を聞くことも可能です。主催者と参加者の双方に有意義な時間を共有でき、顧客とのエンゲージメントをより高めることができるでしょう。
このほか、ウェビナーは採用にも有益です。会社説明会や面接などをウェビナーでおこなえば、求職者が遠方でも問題ありません。
地方在住の優秀な人材へアプローチしやすくなり、応募者数の増加につなげられます。
会場型との違い
会場型のセミナーは、特定の会場に人を集めておこないます。ウェビナーのように「どこからでも、何人でも参加可能」とはいかないため、「アクセス」「収容可能人数」などについてはしっかりと考えなければなりません。
ただし、会場型には「商品やサービスを実際に体験できる」「主催者と参加者が一体になりやすい」などのメリットがあります。
近年はデジタルマーケティングが主流とはいえ「リアルな体験」がもたらす効果はやはり無視できません。状況やニーズに応じて、会場型とウェビナーを上手に使い分けるのが効果的です。
ウェビナーの種類と形式
ウェビナーの種類は、主に録画配信とライブ配信があります。顧客の反応を生で知りたい場合は、ライブ配信で双方向にやりとりできる形式が良いでしょう。
一方、説明会のような内容ならば、録画配信で何度も見返せるようにするとよいかもしれません。ここからは、ウェビナーの種類や形式について詳しくみていきましょう。
1. 録画配信
オンデマンド配信ともいわれる配信方法です。座学スタイルのセミナーに適しており、参加者はいつでも好きなタイミングで視聴することができます。
録画配信は、気になるところを繰り返して見たり、知っているところは飛ばしたりといった視聴ができるのがメリットです。「時間を特定されると視聴が難しい」というような忙しい顧客にもアプローチが可能です。
ただし、録画配信は基本的に一方通行の配信方法です。開催側と視聴側が分断されやすく、ライブ感や一体感がありません。
魅力あるコンテンツを提供できない場合は視聴側を満足させられず、つまらないという印象を与えたりする可能性があります。
2. ライブ配信
オンライン上とはいえ、開催側と視聴側が同じ時間を共有できるのがライブ配信です。視聴側がリアクションやコメントなどで参加できるケースが多く、両者が一体感を感じやすいといえます。
新規顧客へのアプローチだけではなく、既存顧客のエンゲージメントを高めるうえでも有益です。
また、開催側のメリットとしては、視聴者の興味や反応に併せて臨機応変に対応しやすい点が挙げられます。反応のよい部分についてはさらに詳細に説明したり、いまいち好感触を得られない部分は時間を短縮したりでき、視聴者に合せてウェビナーの最適化が可能です。
視聴者の興味と関心を惹きつけやすく、質の高いマーケティング活動がおこなえるでしょう。
一方、デメリットとしては、配信時間が厳密に定められるため、参加できない顧客が出てくる点です。加えてライブなので、トラブルや間違いがあった場合もそのまま配信されるリスクもあります。
【開催側】ウェビナーの3つのメリット
「密を避ける」という意味で、ウェビナーは非常に有益です。しかし開催側にとって、そのメリットは密にならないことだけではありません。
マーケティングの手法としてウェビナーを導入することは「コスト削減」「新規顧客へのアプローチ」「より質の高いセミナーの実施」「セミナー開催の工数削減」といったメリットがあるのです。
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
1. コストを抑えられる
ウェビナーを導入すれば、会場を借りるコストがかかりません。加えて資料のための用紙代や印刷代なども不要となり、経費を節約することができます。
よって規模が大きく集客数が多いセミナーほど、コストカットの効果を実感しやすくなるでしょう。また、会場に派遣する人件費や必要な設備を整えるための設備費も不要です。会場が離れている場合は交通費もかからないため、コスト面のメリットはかなり大きいといえます。
2. 開催の手間が少ない
会場型のセミナーでは、実施までの工数が多くなります。
まず、担当者は参加人数を想定し、適した会場を選ばなければなりません。アクセスのよさや設備などについても考える必要があり、綿密な下調べが必要です。
また、会場が決まっても、必ず予約が取れるとは限りません。万が一、すでにほかの企業が押さえていた場合は、また一からプランを練る必要があります。
なお会場が決まった後も、設備などの搬入や会場の設営、人員の配置などの検討も必要です。当日配布する資料やスライドなどの作成も、同時進行でおこなわなければなりません。よって、かなりの手間を取られるでしょう。
この点ウェビナーなら、会場を押さえたり設備を整えたりする手間がありません。また、資料はウェビナー画面を通して参加者に見せるため、印刷にかかるコストも不要になります。
人員整理や受付のために社員を配置する必要もなく、担当社員にかかる負担は大幅に軽減されます。
4. 新規顧客の開拓につながる
ウェビナーは、参加者の居住地を限定しません。会場型では、参加できる顧客は会場に近い顧客に限定されてしまいます。
しかし実際のところ、アクセスできない遠方にも顧客は存在するのです。どこからでもアクセス可能なウェビナーなら、新規顧客にもアプローチしやすくなるでしょう。
とくに地方都市では、せっかくセミナーを開催しても十分な参加者が集まらないケースが多々あります。ウェビナーの導入により参加者を日本全国あるいは海外に広げることで所在地のデメリットをカバーしやすくなるはずです。
【受講側】ウェビナーの3つのメリット
インターネットとデジタルデバイスさえあれば参加できるウェビナーは、受講側にとっても大きなメリットがあります。ポイントは「自分のタイミングで参加できること」です。
わざわざセミナーのために都合を付けたり下調べしたりする必要がなく、会場型と比較して参加のハードルは低いといえます。
ここからは、受講する側が実感しやすい、ウェビナーのメリットをみていきましょう。
1. 参加の都合を付けやすい
ウェビナーの場合、参加のために交通アクセスを確認したり乗り継ぎを調べたりする必要がありません。現地到着にかかる時間を逆算して早めに行動する必要もなく、配信が始まる5分前まで仕事をすることも可能です。
また録画配信なら、配信スタート時間さえ気にする必要がありません。自分の手が空いたタイミングで視聴できるため、すき間時間や通勤時間を利用することができます。
2. 参加するコストがかからない
有用性の高いセミナーは、主に大都市圏で開催される印象です。地方在住者にとっては参加するだけで多額の交通費がかかり、それゆえに二の足を踏む人も少なくありません。
ところがウェビナーなら、交通費の心配は不要です。本来であれば参加できなかったセミナーを受けられるのは、大きなメリットといえます。
3. 気分的に楽
セミナーにドレスコードがあるわけではないとはいえ、企業主催のセミナーなら身だしなみにも気を遣うものです。規模が小さいセミナーの場合は気を抜くわけにもいかず、ただ座って聞いているだけでも疲れたと感じることもあるでしょう。
しかしウェビナーなら、そこまで出で立ちや振る舞いを気にする必要がありません。自宅から参加すれば、慣れない場所に戸惑いを感じることもないでしょう。
他人の目がないので、余計なことを気にすることなくウェビナーの内容に集中することができます。
ウェビナーを導入する際の3つのポイント
ウェビナーを開催するためには、ツールの導入が不可欠です。
近年の社会情勢からWeb会議やWeb研修の需要は非常に高まっており、ウェビナーに対応するツールもさまざまなものが登場しています。自社に最適なツールを導入するためには、プランやニーズ、サポート体制についてしっかりと見極める必要があるでしょう。
ここからは、ウェビナーを導入する際のポイントについて詳しく紹介します。
1. プランの料金や充実度を比較する
近年、ウェビナーツールのほとんどはクラウドサーバーを経由する「クラウド型」がほとんどです。初期費用などが不要なところが多いものの、月々のコストについてはベンダーによって異なります。
ウェビナーの開催頻度や規模などを考えて、自社に合うツールを選びましょう。ウェビナーツールのほとんどは、利用ごとに料金が加算される「従量課金制」、月々一定額を支払う「月額定額制」のいずれかです。ウェビナーの開催頻度が低いなら従量課金制、高いなら月額定額制がおすすめです。
2. 自社のニーズにマッチしているか確認する
「ライブ配信メイン」「録画配信メイン」では、ウェビナーに必要な機能が異なります。まずは自社がどのようなウェビナーをしたいと考えているのか明確にしましょう。
例えばライブ配信なら、ウェビナーの満足度をチェックするアンケート機能や画面共有機能があると便利です。一方、録画配信メインなら、録画機能や編集機能が充実していたりコンテンツ作りに有益な機能をたくさん備えていたりするツールがよいでしょう。
3. サポート体制をチェックする
スムーズなウェビナーの実施には、ベンダーのサポートが不可欠です。ウェビナーツールを選ぶときは、ベンダーが「どのような状況に」「どこまで」対応してくれるのかをチェックしましょう。
また、ベンダーのなかにはトラブル対応だけではなく効果検証やデータ分析、集客サポートなどをおこなってくれるところもあります。ウェビナーツールの導入効果をより高めたい場合は、サポートが充実しているベンダーがおすすめです。
ウェビナーを導入する際の3つの注意点と対策
ウェビナーはデジタル時代にマッチしたセミナーのかたちですが「遠隔地から各自のデバイスで参加する」ことがデメリットに働くこともあります。
ウェビナーを導入するときは参加者の様子をチェックすること、通信環境を整えること、参加方法を事前に説明することなどが必須です。ウェビナーを導入する際気を付けたいポイントと対策をみていきましょう。
1. 参加者が離脱しやすい
自宅や好きな場所から参加できるウェビナーは、リラックスしやすいがゆえに、気も抜けやすいといえます。参加者の反応を見ないまま一方的に進行すると、参加者が置き去りになる可能性もあるでしょう。
ウェビナーをする際は、参加者を飽きさせない工夫が必要です。
例えば、以下のような仕組みの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
- 興味を引きそうな画像や動画を多く取り入れる
- チャットで講義中も参加できるようにする
- 固い話題と軽い話題で緩急を付ける
ウェビナーを開催する際は事前にリハーサルをおこなって、全体の流れやコンテンツのバランスをチェックしておくのがおすすめです。
2. 通信環境によるトラブルが発生する
通信環境トラブルがあると、ウェビナーの進行が止まってしまいます。そうなると参加者が離脱する可能性が高まるため、事前にトラブルへの対策をおこない、トラブルによる影響を最小限におさえましょう。
基本的に、通信機器やツールのチェックは開始前におこないます。万が一のトラブルを想定して担当者を配置したり代替のシステムや構成を用意したりしておくと安心です。
3. 「ただ開催する」だけでは成果が上がりにくい
ウェビナーは、参加者と空気を共有するのが困難です。「ウェビナーをやりっぱなし」では、それが成功だったのか失敗だったのかわかりません。
ウェビナー開催後はアンケート機能やチャット機能などを使って、参加者に意見や感想を求めましょう。
参加者からの率直な声を聞けば、ウェビナーの改善が可能です。回数を重ねるごとにウェビナーの質が高まり、よりアピール力の高いウェビナーを開催できるようになるでしょう。
ウェビナーのメリットを活用し効果的なマーケティングを
ウェビナーはインターネット環境さえあればどこからでも参加できるため、デジタル時代に最適なマーケティング手法といえます。企業はウェビナーを開催することでコストカットや工数カットが期待でき、マーケティングを効率化することが可能です。
ただし、自社のニーズに合ったウェビナーを開催するためには、ツールの料金やベンダーのサポートなどをしっかりと見極めることが必要です。
ウェビナーのメリットをしっかりと理解し、訴求力の高いマーケティングを実現しましょう。
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