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【2022年】テレワークの普及率や推移を大調査!海外や都道府県別

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2023.01.25

2023.01.25

 

コロナでテレワークが普及

テレワークの歴史は古く、1984年にNECが日本で初めてテレワークを導入しました。NECのテレワーク導入の目的は、優秀な女性社員の能力の活用でした。NECは、東京都武蔵野市(吉祥寺)にサテライトオフィスを設け、通勤時間や負担を軽減することで、出産や結婚を機に女性社員が退職せずに働き続けられるようテレワーク導入に取り組みました。[注1]

日本国内におけるテレワークの歴史は以下の通りです。[注2][注3]

時期 テレワークの歴史
1984年 NECが日本で初めてテレワークを導入する
1991年 郵政省、通産省、国土省、建設省により、日本サテライトオフィス協会(現日本テレワーク協会)が設立される
1997年 初めて国家公務員のテレワーク勤務実験が実施される
2005年 テレワーク推進フォーラムが設立される
2014年 政府のIT総合戦略「世界最先端IT国家創造宣言」にて、雇用形態の多様化とワーク・ライフ・バランスの実現の1つとしてテレワークが盛り込まれる
2019年 働き方改革関連法が施行される
2020年 コロナウイルス感染予防の観点から、出社率7割減実現のため政府や都道府県がテレワークを推奨する

上記年表の通り、政府は2014年に、ICT(情報通信技術)を駆使して時間や場所の制限なく柔軟に働くことができるテレワークを、2020年を一つの目標年次として社会全体に波及させようという取り組みとすることを宣言しています。

行政機関としても、引き続き、テレワークを推進するなど、ワークスタイルの変革を進めることが重要である。

(中略)

2020年には、テレワーク導入企業を2012年度比で3倍、週1日以上終日在宅で就業する雇用型在宅型テレワーカー数を全労働者数の10%以上にし、また、こうした取組も含めた女性の就業支援等により、第一子出産前後の女性の継続就業率を55%(2009年においては38.0%)、25歳から44歳までの女性の就業率を73%(2011年においては66.8%)まで高める。

引用:世界最先端IT国家創造宣言|内閣府

政府の宣言や2019年から始まった働き方改革とは裏腹に、当時テレワークはそれほど普及していませんでした。しかし、2020年以降にコロナウイルスの感染が拡大・長期化するにつれて、テレワークが一気に普及しました。緊急事態宣言前に、いち早くテレワークへ移行した代表的な企業は以下の通りです。

企業 取り組み
NTTグループ 2020年2月17日より、テレワークなど推奨、最大20万人
NTTコミュニケーションズ 2020年2月17日、月8回までの在宅勤務上限を当分の間、撤廃を決定
日清食品 2020年2月27日から工場勤務を除く国内の約3,000人を在宅勤務に切り替え
KDDI 2020年2月18日から国内の派遣を含む全社員16,000人に対しテレワークや時差出勤を推奨
出典:これからのテレワークでの働き方に関する検討会(第1回)|厚生労働省

このように、コロナ禍前後でテレワークに対する企業の姿勢が大きく変わりました。これら大企業のテレワークの本格化や政府・都道府県による「出社率7割減」推奨を受けて、日本中で急速にテレワークが普及していきました。それでは、具体的にどのようにしてテレワークが普及していったのか、普及率と推移を調査していきます。また、ロックダウンや外出禁止令などを発令している海外と日本では普及率に差があるのか、比較として紹介します。

日本におけるテレワークの普及率と推移

働き方改革関連法が施行された2019年以降もあまり普及しなかったテレワーク。2020年のコロナウイルスをきっかけに急速に普及したことは先ほどお伝えした通りです。それでは、普及率や推移についてみていきましょう。

1.テレワーク普及率は2020年に拡大

テレワークの普及率および推移について、2019年末以前を「コロナ前」、2020年以降を「コロナ禍」と時期を区切り比較していきます。
原子力安全システム研究所によると、コロナ前後でのテレワークの普及率について、以下のようにまとめられています。

コロナ前の、企業のテレワーク導入率を検討した。本稿において「テレワーク導入率」とは、企業を対象とした調査において「テレワーク(制度)を導入している、実施している」の回答割合を指す。総務省(2017,2018,2019b)によると、テレワークを導入していると答えた企業の割合は、2017(平成29)年13.9%、2018(平成30)年19.1%、2019(令和1)年20.2%であった。また、東京都産業労働局(2017,2018, 2019)の調査では、テレワーク導入率は6.8%、19.2%、25.1%であった。

引用:新型コロナウイルス感染症流行下でのテレワークの実態に関する調査動向「4.1 テレワークの導入率と実施率」|INSS JOURNAL Vol. 27 2020 R-4

コロナ前において、テレワークを導入している企業の割合は、以下のようにまとめられます。

時期 総務省の調査 東京都産業労働局の調査
2017年 13.9% 6.8%
2018年 19.1% 19.2%
2019年 20.2% 25.1%
出典:新型コロナウイルス感染症流行下でのテレワークの実態に関する調査動向「4.1 テレワークの導入率と実施率」|INSS JOURNAL Vol. 27 2020 R-4

このように、年々テレワークの普及は広がっていますが、2019年時点の調査で全国的には20%ほど、東京都では25%ほどの導入率となっており、テレワークが普及しているとはいえない状態でした。また、2019年においては、テレワークを利用している従業員の割合を「30%未満」と答えた企業が8割を占めました。つまり、コロナ前におけるテレワーク導入率は2割程度、実際の実施率は1割に満たないほど低かったということです。

一方、コロナ禍におけるテレワークの導入・実施に関する調査結果は以下のようにまとめられています。

コロナ拡大期のテレワーク導入率は25%程度で、コロナ前よりわずかに上昇した。この時期には、一部の企業で従業員にテレワークを許可・推奨するようになった。実施率は全国で10%台、首都圏で20%強であったと推測される。
(中略)
緊急事態宣言期のテレワーク導入率は5割を大きく超えており、コロナ拡大期から大幅に上昇したと考えられる。
(中略)
東京商工リサーチ(2020e)では、宣言解除後から約1か月が経過した時点でも調査を実施しており、導
入率は31.0%であった。宣言解除直後のテレワーク導入率は5割を上回っていたが、解除後1か月を経過すると、テレワークの導入をやめる企業が増加したものと推測される。

引用:新型コロナウイルス感染症流行下でのテレワークの実態に関する調査動向「4.1 テレワークの導入率と実施率」|INSS JOURNAL Vol. 27 2020 R-4

コロナ禍におけるテレワークの導入・実施については、さまざまな企業が調査をおこなっており、実態を把握するのが難しい状況となっています。しかし、多くの調査データから、テレワークの普及率を以下のようにまとめられます。

時期 状況 テレワーク普及率
1月〜4月6日 コロナ拡大期 25%
4月7日〜5月24日 緊急事態宣言下 50%(宣言が全国拡大された後70%)
5月25日〜 宣言解除後 31%(宣言解除直後は50%)

上記のようにコロナ禍におけるテレワークの導入・実施率は、コロナ前と比較して最大50ポイントも上昇しています。業種・職種などの相性こそありますが、その多くがテレワークを導入・実施し、急速に普及したことがわかります。

2.東京のテレワーク普及率58.7%(2021年2月時点)

次に、コロナウイルス感染者数だけではなく労働者人口も多い東京都に焦点を当てて、テレワークの普及率をみていきます。

コロナ禍における2020年3月以降からの調査結果を時系列でまとめたものを以下に示します。

時期 普及率
2020年3月 24.0%
2020年4月 62.7%
2020年12月 51.4%
2021年1月前半 57.1%
2021年1月後半 63.5%
2021年2月前半 64.8%
2021年2月後半 58.7%
出典:テレワーク導入率調査結果をお知らせします!(第1737報)緊急事態措置期間中の2月後半の調査結果|東京都産業労働局

また、最新の従業員規模別導入率(2月後半)については以下の通りです。

従業員規模 導入している 予定あり 予定なし
30〜99人(249社) 47.8% 2.0% 50.2%
100〜299人(123社) 69.1% 0.0% 30.9%
300人以上(73社) 78.1% 2.7% 19.2%
出典:テレワーク導入率調査結果をお知らせします!(第1737報)緊急事態措置期間中の2月後半の調査結果|東京都産業労働局

これらの調査結果から、東京都におけるテレワークの導入率は、初めての緊急事態宣言が発令された2020年4月以降、一貫して50%以上を上回っており、従業員規模が100人以上の企業では約7割以上がテレワークを導入しています。

つまり、コロナ禍、特に緊急事態宣言を契機として、全国的にテレワークが普及していることが明らかになりましたが、調査対象が全国の場合と東京都のみの場合では、普及に大きな差があることがわかります。

3.都道府県別では和歌山県がテレワーク普及に遅れ

東京都とその他の地方では、テレワークの普及率にどの程度差があるのでしょうか。都道府県ごとの普及率を比較していきます。パーソル総合研究所が実施した、都道府県別・テレワーク実施率の調査では、テレワーク普及率が以下の通り報告されています。

順位 都道府県 普及率
1 東京都 45.8%
2 神奈川県 34.9%
3 千葉県 26.2%
45 香川県 4.4%
46 佐賀県 4.3%
47 和歌山県 3.5%
出典:都道府県別・テレワーク実施率|パーソル総合研究所

労働人口や居住者数が多く「出社率7割減」を推奨する関東1都3県を中心にテレワークが普及していますが、一方で、普及率の最も低い和歌山県3.5%と比較すると、最大41.3ポイントもの開きがあります。

このように、コロナ禍においてテレワークの認知度や普及率は大きく向上したものの、地域差が少なからず存在することがわかりました。

海外におけるテレワークの普及率と推移

それでは、日本だけではなく海外にも目を向けてみましょう。テレワーク総合ポータルサイトの調査では、各国のテレワークの普及率は、アメリカで85%、イギリスで38.2%、ドイツで21.9%、フランスで14%とされています。この調査では、日本は19.1%となっており、ドイツより若干低い程度です。

米国は85%と圧倒的にテレワーク導入率が高くなっています。日本のテレワーク導入率は、ドイツより若干低い程度です。ただし、日本の導入率は従業員規模が100人以上の企業を対象とした調査で、従業員規模100人未満の企業を含めたテレワークの導入率はより低いと考えられます。

引用:海外のテレワークの導入状況|テレワーク総合ポータルサイト

日本よりもテレワークの普及率が高いアメリカなどを例に、海外の職種や業界別にテレワークがどの程度普及しているのかをご紹介していきます。

1.アメリカでは経営・マネジメント職の24%がテレワークに

アメリカでは、就業時間をの半分を在宅で作業するテレワーク就労者が2015年時点でおよそ400万人に達しており、テレワークが普及している国だといえます。

アメリカのシンクタンクPew Research Centerが行った2019年時点の調査では、同国内にある民間企業の就業者のうち、IT管理者、財務アナリストなどの経営・マネジメント職の24%がテレワークを利用していることがわかりました。これらの職種は、パソコンがあれば業務の大部分に対応することができるため、多くの職種の中で最もテレワークが普及しています。
また、Webデザイナーやエンジニア、弁護士などの専門職でも、テレワーク利用率が14%まで普及しています。[注4]

アメリカにおいてここまで幅広くテレワークが普及している理由は、個人成果主義、ジョブ型雇用が主流となっているからだと推測します。日本では、職種や仕事内容をローテーションし、本人の適正と希望を取り入れて、会社を支える人材育成方針であるメンバーシップ型雇用が主流です。つまり、人に仕事を合わせていくイメージで人材の配置や育成がおこなわれます。一方で、アメリカでは、必要となるスキルや専門性を持った人材を雇用するジョブ型雇用がメインです。、仕事に合う人を採用・配置して、組織を作っていきます。

このような違いにより、日本とアメリカでテレワークの普及率において、大きな差が生まれていると考えられます。

2.ドイツでは全労働者の25%がテレワークに

ドイツでは、2020年3月中旬以降、コロナウイルスの感染防止や、身を守るための施策として、ソーシャルディスタンスがとられるようになりました。その一環でテレワークも普及し、その結果、ドイツ国内の全労働者の25%(推定800万人)が在宅勤務に従事しています。

ドイツでは3月中旬以降、新型コロナウイルスの拡大を抑制するため、個人の社会的接触を制限する政策がとられている。その中で、国内で推定800万人の労働者が在宅勤務を実施している。フベルトゥス・ハイル労働社会相は、ウイルスの脅威が去った後も、労働者が望めば在宅で勤務できる権利(在宅勤務権)に関する法案の構想を発表した。

引用:労働者の「在宅勤務権」構想 ―新型コロナウイルスを契機に|独立行政法人 労働政策研究・研修機構

そして、2020年10月、ドイツのハイル労働社会相は、コロナ対策として新たな法案を提出しました。それは、従業員が企業に対して、年間最低24日の在宅勤務を請求できる在宅勤務権に関する法案です。企業側は、工場やオフィスへの出勤が業務上必須であると証明できない限り、従業員からの在宅勤務の請求を拒否できないという内容です。[注5]

このように、米国ほどのテレワークの普及率はないものの、ドイツでもコロナ禍をきっかけにテレワークに関する法制化を図り、労働者の視点に立って柔軟な労働環境を整備する動きが出てきています。

afterコロナでもテレワークが定着か

日本におけるコロナ禍以前のテレワークは、「ワークライフバランスの実現」「人口減少時代における労働力の人口の確保」「地域の活性化などへの寄与」を目的として総務省・厚生労働省などが中心となって企業へ普及を呼び掛けていました。コロナ禍以降は三密回避やソーシャルディスタンスなど以前の生産性向上とは異なる目的で導入した企業が多いこともあり、労働者人口や居住者人口の多寡で地域による普及率の差が出ています。

ただ、日本国内にはテレワークという働き方が定着し始めており、諸外国なども含め、国を挙げてテレワークの積極導入・継続を推奨しています。このことから、afterコロナにおいてテレワークが新しい労働スタイルの基準として、定着していく可能性が高まっています。

[注1]テレワークの動向と生産性に関する調査研究報告書|総務省
[注2]女性の就業とテレワークの可能性に関する調査研究 |総務省
[注3]世界最先端IT国家創造宣言|内閣府
[注4]アメリカにおけるテレワーク(リモートワーク)の現状|日本貿易振興機構(JETRO)
[注5]ドイツ、年24日の在宅勤務権 労働相が提案|日本経済新聞

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