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社会保険料は退職月に天引きする?退職日による違い・考え方を解説

給与計算ソフト

2023.08.23

2023.08.23

退職月の社会保険料の給与天引きは発生します。社会保険料は前月分を支払うというルールであり、当月の社会保険料が発生するかどうかは退職日によって決まります。退職日の翌日が月を跨ぐ場合は、退職月の社会保険料も支払わなくてはいけないためご注意ください。

1. 退職月の社会保険料は天引きすべき?2ヵ月分差し引く?

基本的に社会保険料は給料から天引きしなくてはいけません。退職月の社会保険料についても同様で、給料から天引きする必要があります。しかし、必ずしも退職に社会保険料が発生するとは限りません。後述しますが、退職月の社会保険料が発生しないケースもあるので注意が必要です。

社会保険料の給与天引きについて理解するためには、社会保険料の基本的なルールについて知っておく必要があります。まず、社会保険料は翌月の給与から支払いが行われます。つまり、4月の社会保険料が5月の給料から支払われるということです。

そのため、退職した月も前月の社会保険料は必ず支払わなくてはいけません。退職月の社会保険料が発生する場合は、前月と当月の2ヵ月分の社会保険料がまとめて給料から天引きされることになります。

退職月の社会保険料は発生しないケースがありますが、退職月の前月の社会保険料が発生しないことはありません。そのため、必ず退職月の社会保険料の給与天引きは必ず行われると理解しておいてください。

2. 社会保険料を天引きするかどうかは退職日によって異なる

退職月の社会保険料が発生するかどうかについてですが、それは退職日によって異なります。まず、厚生年金の被保険者資格は退職日の翌日に喪失するというルールがあります。

そのため、4月29日に退職をしたら4月30日に喪失、4月30日に退職をしたら5月1日に喪失することになり、資格喪失をする月に違いが生まれることになるのです。これが社会保険料を考えるうえで大切なポイントとなります。

厚生年金の保険料は、資格喪失をする日の前月まで納めなくてはいけないというルールがあります。先ほどの例で考えると、4月29日に退職をした場合は、4月30日に資格喪失となり、保険料はその前月である3月分まで納めなくてはいけません。一方で4月30日に退職をした場合は、5月1日に資格喪失となるので、その前月である4月までの保険料を納めなくてはいけないのです。

これが退職月の社会保険料が発生するかどうかを左右する大きなポイントになります。先ほど、前月と当月の社会保険料の2ヵ月が給料から天引きとなるケースがあると説明しました。それは月末に退職した場合です。月末に退職したら資格喪失日が翌月頭になるため、退職月の社会保険料を支払う義務があるのです。

しかし、月末より前に退職した場合は、資格喪失月と退職月が同じになるので、退職月の社会保険料は発生しません。これが退職日によって社会保険料が発生するかどうか異なる理由です。

2-1. 月末に退職した場合の対応方法

月末に退職した場合、翌月の1日にはすでに被保険者の資格を失います。
資格を失った月は保険料が発生しませんので、月末退職した場合の翌月以降の社会保険料は源泉徴収しません。

退職日を含む月の分までは給与から社会保険料を控除する必要がありますが、給与の支払日によっては2ヵ月分の社会保険料をひと月分の給与からまとめて控除する場合があります。

たとえば月末締め当月25日払いの会社を10月末日で退職する場合、11月に支払う給与はないので、9月分と10月分の2ヵ月分の社会保険料を10月分の給与からまとめて控除することになります。
一方、月末締め翌月10日払いのように11月に支払う給与がある場合は、10月分の社会保険料を11月分の給与から源泉徴収します。

2-2. 30日付けに退職した場合の対応方法

31日まである月で、30日付けに退職した場合、被保険者の資格を喪失するのは翌日31日になります。
社会保険料は資格喪失日が属する月の前月分まで納める決まりになっていますので[注1]、月の途中に退職した場合の社会保険料は、前月分まで納めればOKです。

たとえば10月30日に退職した場合は、10月31日に資格を失うため、社会保険料は9月分まで納めることになります。
9月分は10月分の給与から控除され、翌月以降の社会保険料の控除は不要となります。

[注1]「Q.月の途中で入社したときや、退職したときは、厚生年金保険の保険料はどのようになりますか。」|日本年金機構

2-3. 15日付けに退職した場合の対応方法

15日付けで退職した場合の社会保険料は、基本的に前項の「30日付けに退職した場合の対応方法」と同じです。

たとえば10月15日に退職した場合、資格を失うのは10月16日ですので、社会保険料はその前月である9月分まで納めることになります。
なお、30日(月末1日前)および15日付けで退職した場合、月末退職に比べて大きなデメリットが1つあります。それは、退職した日が属する月の保険料を全額自分で支払わなければならないことです。

日本は国民皆保険皆年金制度を導入しているので、退職した後は国民年金や国民健康保険に加入するか、あるいは配偶者や親の被扶養者として厚生年金や健康保険に加入しなければなりません。
翌月1日から新しい会社に入職する予定があったとしても、資格を喪失した日から入職までの間には、必ず国民年金・国民健康保険の加入手続きを済ませて社会保険料を支払うか、家族の被扶養者になる手続き(被扶養者<異動>届)を行う必要があるので注意が必要です。

2-4. 入社した当月に退職したケースの対応方法

社会保険は入社日が資格取得日となるため、その月分から保険料が発生します。

社会保険料は日割り計算しないため、たとえ入社から数日後に退職したとしても、その月分の社会保険料を全額納付しなければなりません。
同じ月に資格の取得と喪失が重なった場合、会社は当月の給与から保険料を源泉徴収しますが、短期間で退職した場合は給与が少なく、社会保険料を控除できないことがあります。その場合は当該従業員から後日徴収する必要があるので本人に通達しておきましょう。

なお、健康保険は資格喪失日が属する月の保険料は納めなくて良いので、源泉徴収の手続きは必要ありません。

一方、入社した月に退職した従業員が、同月に社会保険に加入した場合、最初に加入して支払った年金保険料は還付されます。前述のとおり、社会保険は資格を取得した月から保険料が発生するため、同月に2回資格を取得した場合、保険料の二重徴収になってしまうからです。
この場合、会社は従業員の給与から差し引いた年金保険料を還付しなければなりません。ただし、健康保険料に関しては還付する必要はありません。

2-5. 賞与支給後に退職したケースの対応方法

社会保険料は給与だけでなく、賞与(ボーナス)からも控除する必要があります。

ただ、賞与支給月の末日以外に退職した場合は、控除する必要はありません。

たとえば7月10日に賞与を支給し、同月14日に退職した場合、資格は翌日15日に失われるので、資格喪失月は7月となります。社会保険料の対象となるのは資格喪失月の前月までなので、この場合、賞与は社会保険料の控除対象外となります。

一方、7月31日に退職した場合、資格を失うのは8月1日になり、資格喪失月は8月となります。8月の前月までが社会保険料の控除対象となるため、7月に支給された賞与からも社会保険料を差し引く必要があります。

2-6. 休日と祝日について

社会保険上の退職日に休日と祝日の違いはありません。退職日の4月30日が日曜日で祝日だったとしても、4月28日の金曜日に退職したという扱いにはならないので注意してください。

しかし、健康保険証については退職日が休日の場合は、その前後で回収しておく必要があります。当然ですが、退職日になる前までは会社の従業員なので、健康保険証を使って病院などを利用する権利があります。退職日までに大量に有給を消化する方もいますから、早めに健康保険証を回収すると退職日までの間、健康保険証を使って病院が利用できないということになりかねません。

従業員とよく相談する必要がありますが、できれば退職日以降に会社に訪問してもらい、保険証返還などの手続きを行うようにしましょう。また、郵送してもらうというのもおすすめです。その際には退職後に健康保険証を利用しないように伝えておかなくてはいけません。

2-7. 社会保険料は月割計算

社会保険料は月割計算で支払うということも覚えておいてください。4月30日に退職をしたら5月1日に資格喪失となるので、4月分の社会保険料を支払わなくてはいけません。

5月1日に資格喪失をしたから、1日分だけ社会保険料を支払えばいいと勘違いしている方もいます。しかし、厳密にいえば5月分の社会保険料を支払っているのではなく、4月分の社会保険料の支払いが行われています。4月は従業員扱いであったため、社会保険料を通常通り支払わなくてはいけません。

仮に4月15日に退職したとしましょう。4月16日に資格喪失となりますが、4月の半分は社会保険に加入していることになります。その場合でも支払うのは3月分の社会保険料だけとなります。日割計算で4月分の社会保険料を半額支払うということにはならないので注意してください。

3. 退職後の社会保険に関する手続き

退職後の社会保険に関する手続きとしては、以下のポイントに注意しなければいけません。個人で対応が必要なものもありますが、会社として対応しなければいけないものもあるので注意しましょう。

3-1. 退職後も社会保険に加入する必要はある

会社の社会保険から抜けた後も、何かしらの社会保険に加入する必要はあります。年金保険と健康保険で、以下のいずれかの中から加入をしなくてはいけません。

【年金保険】

  • 転職先の厚生年金
  • 国民年金保険
  • 配偶者の扶養

【健康保険】

  • 転職先の保険制度
  • 健康保険の任意継続
  • 市区町村の国民健康保険
  • 健康保険加入者の被扶養者

会社としては社会保険に加入する必要があるという旨をアナウンスしてください。退職が初めてという方は、そもそも保険の仕組みを理解していないかもしれません。転職先が決まっているのであれば問題ないですが、決まっていない場合はどういった社会保険に入るのかを確認しておいてください。

そして従業員が任意継続を申し出た場合は、以下の手続きを行わなくてはいけません。

  • 協会けんぽに加入している場合は、従業員自身が任意継続の手続きをする
  • 健康保険組合に加入している場合は、人事担当者、または、従業員本人が任意継続の手続きをする

会社側で任意継続の手続きを行わなくてはいけない場合もあります。スムーズに健康保険の切り替えができるように、退職する数週間前には退職後の保険について確認しておくようにしてください。

3-2. 国民健康保険や任意継続保険に加入する場合

国民健康保険や任意継続保険に加入する場合は、月末退職かどうかで会社としての対応が異なります。

月末退職の場合は、退職月の保険料の半分を会社が負担しなくてはいけません。逆に月末退職以外の場合は、全額従業員が負担することになります。

退職月によって保険料の負担割合が異なるので注意してください。

4. 退職月の社会保険料は複雑なので気をつけよう

退職月の社会保険料のルールは複雑な部分も多いです。従業員も不安に感じている可能性があるので、退職前に会社としてしっかりとアナウンスをしなくてはいけません。従業員と円満退職ができるかどうかのポイントにもなってくるので、会社としてできる限りのサポートを行うようにしてください。

【監修者】涌井好文(社会保険労務士)

 

涌井社会保険労務士事務所代表。就職氷河期に大学を卒業し、非正規を経験したことで、労働者を取り巻く雇用環境に興味を持ち、社会保険労務士の資格を取得。 その後、平成26年に社会保険労務士として開業登録し、現在は従来の社会保険労務士の業務だけでなく、インターネット上でも活発に活動を行っている。

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