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時短勤務中の給与の考え方とは?計算方法を紹介

給与計算ソフト

2023.08.23

2023.08.23

時短勤務制度を育児や介護などの理由で利用した場合、給与は減らして良いのでしょうか?時短勤務中の給与に関する法律はありませんので、会社によって給与の規定は異なります。本記事では時短勤務中の給与の計算方法や考え方、社会保険料の扱いなどについて解説します。

1. 時短勤務における給与の計算方法

時短勤務における給与の計算方法に関して、法律での規定は特にありません。一般的には、フルタイムから時短勤務になって減った勤務時間分、金額を減らして時短勤務の給与とします。

これは「ノーワーク・ノーペイの原則」という働いた分の給与を支払うという考え方に基づき、働いていない分の給与は発生しないという意味になります。

時短勤務中の給与の計算は、一般的には以下の計算式で算出できます。

基本給 × (時短勤務の所定労働時間 ÷ 通常の所定労働時間)

例えば、フルタイムでの基本給が20万円だった従業員が時短勤務で1日6時間労働になる場合で考えてみましょう。月の出勤日数は20日と仮定します。フルタイムの場合は月の所定労働時間が160時間なのに対し、時短勤務中は120時間です。

これを先ほど紹介した計算式に入れて考えると、「20万円 × (120時間 ÷ 160時間)」となり、時短勤務中の給与は15万円になります。

8時間の労働が6時間の労働になる場合は、基本給が25%カットとなります。

1-1. ボーナスの考え方

時短勤務を導入する場合、給与と一緒に考えておきたいのがボーナスです。多くの企業が夏と冬の年2回ボーナスを支給しています。夏の支給分の査定は10〜3月、冬の査定は4〜9月におこなわれることが多いです。

介護で時短勤務を希望する場合は、時短勤務利用開始前はフルタイムで働いていることが多いですが、育児で時短勤務を希望する場合は産休や育休に入っているというケースが多いのではないでしょうか。産休・育休から時短勤務になる場合は、査定期間に働いていないことになります。

ボーナスの支給に関しての規定は労働基準法では定められていないため、査定期間に少しでも働いていたらボーナスを支給するのか、全く支給しないのかに関しては企業の裁量で決めることができます。

また、時短勤務がスタートしてからのボーナスの査定は、給与と同じように勤務時間が少なくなった分、ボーナス額を減額しても不当な扱いにはなりません。ただし、時短勤務をしているからといって、少なくなった勤務時間分以上のボーナスを減額するのは不当な扱いとなり、法律により禁じられています。

2. 時短勤務で給与が減った場合の影響

時短勤務で給与が減った場合、給与に関連することが変更になる場合があります。具体的には、社会保険料や税金などです。

本章では、給与の額面が変わることで、ほかにどのような影響があるのかを解説します。

2-1. 年金や社会保険料が改定される場合

時短勤務の開始に伴う給与の減額があったとしても、基本的には社会保険料は据え置きとなります。なぜなら、社会保険料は基本的に4月から6月の3ヵ月の給与を基に決定されるからです。しかし、次の社会保険料の改定がおこなわれると、時短勤務で給与が下がっている分、社会保険料の等級も下がり、社会保険料の金額は減ることがあります。それに伴い、将来的に従業員が受け取る年金も減ってしまいます。

ただし、3歳未満の子どもを養育している労働者の場合は、時短勤務によって支払う保険料額が減る場合でも、受け取る年金額は出産前の標準報酬月額をもとに算出されます。

なぜなら、「3歳に満たない子を養育する被保険者等の標準報酬月額の特例」が適用になるからです。これは年金の特例措置のひとつで、子どもが3歳になるまでは出産直前の標準報酬月額を基準として、年金額が計算される制度です。そのため、出産後3歳までに時短勤務をおこなったとしても、厚生年金の額には影響が出ません。

給与自体は減額になるので、月々天引きされる社会保険料の額は下がります。この制度を利用するためには、被保険者からの申出を受けた企業側が「厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書」を日本年金機構へ提出します。手続きをおこなわなければ、適用されないため注意しましょう。

2-2. 所得税や住民税が減る場合

時短勤務によって、給与の金額が減ると、それに伴って所得税や住民税の金額が減る場合があります。所得税や住民税は課税所得金額によって金額が変動するため、給与の金額が減ると、これらの税金も減ることがあります。

ただし、住民税に関しては、時短勤務によって給与の金額が減ったからといってすぐに給与金額に税金の減額分が反映されるわけではありません。

なぜなら、住民税は当年1月から12月までの給与金額から算出されたものをその翌年の6月から翌々年の5月に支払っているからです。

そのため、もし2022年の9月から時短勤務の影響で給与が減った場合、実際に支払う住民税に反映されるのは2023年の6月以降になります。

2-3. 配偶者控除の適用される場合

配偶者のいる従業員の給与が時短勤務によって減った場合、その給与金額によっては配偶者控除が適用できる可能性があります。

配偶者控除は所得金額が少ない場合、配偶者所得金額を控除できるもので、適用することによって所得税を安くすることができます。一定の条件を満たせば、本人の合計所得金額が38万円以下の場合は配偶者控除、合計所得金額が38万円超〜123万円以下の場合は配偶者特別控除が適用されます。

従業員の給与が時短勤務によって減り、配偶者控除が適用されるとなれば、企業は年末調整などで配偶者控除に関する申請手続きをします。

参考:配偶者控除|国税庁

3. 社会保険料の減額ができるケース

社会保険に加入していた従業員が時短勤務を取得する場合、社会保険は原則そのまま適用されます。時短勤務をする従業員が社会保険に継続して加入するための条件は、1週間もしくは1ヵ月の所定の労働時間がフルタイムの従業員の3/4以上であることです。また、3/4未満であっても一定の基準を満たした場合はそのまま適用されることもあります。

社会保険料は毎年4〜6月に算出され、9月から翌年の8月までは算出された金額が社会保険料として従業員の給与から天引きされる仕組みです。ただ、社会保険料が算出されたあとに従業員が時短勤務を利用開始した場合、給与は減額になるのに、天引きされる社会保険料が多く、手取りがかなり少なくなってしまいます。

そのため、育児休業終了後に時短勤務をする場合は、社会保険料減額措置があります。

また、介護を理由として時短勤務をする従業員や育児休業を取っていない従業員も、条件に当てはまれば社会保険料の減額が可能です。

3-1. 育児休業終了後の社会保険減額措置

育児勤務終了後に職場復帰し、時短勤務を希望する場合は、「育児休業終了時報酬月額変更届」を提出すれば、時短勤務を開始して3ヵ月間の給与を基準として算出された社会保険料に変更できます。

ただ、時短勤務の給与で算出した保険料の適用は、時短勤務開始4ヵ月目からになるので、それまでは改訂前の保険料を支払わなくてはなりません。

育児休業終了後の社会保険料減額措置を受けるためには、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 育休から復帰後で、3歳未満の子どもを養育している
  • これまでの標準報酬月額と時短勤務後の標準報酬月額に1等級以上の差がある
  • 育休終了後の3ヵ月間のうち、最低1カ月は17日以上の基礎支払い日数がある

以上の条件を満たしていれば、社会保険料の減額手続きが可能です。手続きには会社経由で育児休業終了時報酬月額変更届を日本年金機構に提出します。電子申請のほか、日本年金機構のホームページで書式をダウンロードして、郵送や窓口へ提出することもできます。

参考:育児休業等終了時標準報酬月額変更届|日本年金機構

3-2. 育児休業終了後以外の社会保険減額措置

介護を理由に時短勤務をする場合や、育休を取らずに時短勤務を開始する場合は、定められた条件に当てはまれば社会保険料が減額になります。これは社会保険料の随時改定に則ったもので、時短勤務以外の給与の降給・昇給などで従業員の給与に大幅な変更があった場合に適用される制度です。

介護を理由に時短勤務をする場合や、育休を取らずに時短勤務を開始する場合は、直近3カ月の平均報酬月額が、時短勤務開始前の平均報酬月額より2等級以上変動していることが条件です。また、直近3ヵ月の全ての月において、17日以上の支払い基礎日数がなければいけません。

この条件に当てはまるのであれば、会社を経由して日本年金機構に「被保険者報酬月額変更届」を提出します。提出は電子申請が可能です。また、日本年金機構のホームページで書式をダウンロードし、郵送や窓口に持参して提出もできます。

参考:被保険者標準報酬月額変更届|日本年金機構

4. 業種によっては減額してはいけないケースもある

一般的にノーワーク・ノーペイの原則で時短勤務中の給与は減額されますが、業種によって減額が適さないこともあります。歩合制や裁量労働制で働いている業種の場合は、給与が時間に基づいて決まらないため、時短勤務で労働時間が減っても業務量を調整していない場合は減額すべきではありません。

また、時短勤務になっても業務内容に大きな変更がなく、時短勤務前と変わらない業務量をこなしているのであれば、給与の減額は適さないといえるでしょう。

5. 時短勤務中の給与は自社で規定を定めよう

時短勤務中の給与の取り扱いは、労働基準法では定められていません。従業員に不利益がないように、企業の裁量で決められます。

ただ、業務量も労働時間も減っているのに給与に変動がなければ、フルタイムで働いている従業員が不公平感を感じてしまう場合があるので、その点も考慮して時短勤務中の給与の規定を定めましょう。給与規定を定めたら、就業規則に記載し、就業規則を意見書とともに労働基準監督署長に提出したうえで従業員に周知しましょう。

【監修者】小島章彦(社会保険労務士)

 

大学卒業後、某信用金庫にて営業と融資の窓口業務に関わる。 現在は、某システム開発会社に勤務。 会社員として働きながら、法律系WEBライターとして人事労務関係や社会保険関係のライティングを4年半以上行っている。 また、金融知識を生かした金融関係のライティングも含め、多数の執筆案件を経験している。 その他保有している資格は、行政書士、日商簿記3級など。

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