POSレジをタブレットで運用するメリットを他タイプと比較しながら解説
POS・店舗管理システム
2023.08.18
2023.08.18
POSレジには、従来のレジスターのような種類だけではなく、iPadなどのタブレットで使用できるものもあります。タブレット型POSレジでは、専用のアプリ・ソフトウェアをタブレットにインストールして利用します。 当記事では、タブレット型POSレジの特徴やメリット・デメリット、選び方についてわかりやすく解説します。POSレジの導入を検討している方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
タブレット型POSレジとは
ここでは、タブレット型POSレジの仕組みや種類、特徴について詳しく紹介します。
POSレジの仕組みと種類
POS(ポス)レジとは、POSシステムが搭載されたレジのことです。なお、POSとは「Point Of Sales」の頭文字を取った略称で、「販売時点情報管理」と日本語で翻訳されます。 POSレジでは、商品のバーコードを読み取ることで、ストアコンピュータやクラウドサーバーに情報が送信され、売上や在庫などのデータをリアルタイムで管理できる仕組みになっています。POSレジには、従来のレジスター機能に加えて、売上管理や顧客管理、データ分析、在庫管理、勤怠管理といったあらゆる機能が搭載されているという特徴があります。
また、POSレジには、下記のようにさまざまな種類があり、それぞれ導入面や機能面などにおいてメリット・デメリットがあります。
- ターミナル型(一体型)
- パソコン型
- タブレット型
- スマートフォン型
- ハンディ型
タブレット型のPOSレジの特徴
タブレット型のPOSレジは、iPadなどのタブレット端末にPOSシステムの搭載されたアプリをインストールすることで利用するタイプのレジです。 タブレット型とターミナル型、パソコン型のPOSレジについて比較してみた表は、下記の通りです。
- | タブレット型 | ターミナル型 | パソコン型 |
導入コスト | ◎ | △ | ◎ |
運用コスト | 〇 | 〇 | 〇 |
操作性 | 〇 | △ | 〇 |
携帯性 | ◎ | △ | 〇 |
拡張性 | ◎ | △ | ◎ |
独自のカスタマイズ | △ | ◎ | △ |
会計・レジ | 〇 | ◎ | 〇 |
売上・顧客・在庫管理 | ◎ | ◎ | ◎ |
サポート | 〇 | ◎ | 〇 |
タブレット型は他の種類と比べて、携帯性が優れているという特徴があります。
タブレット型やパソコン型の場合、既存の端末があれば、ソフトウェアをインストールすることで、スピーディに導入することができます。また、機能のアップデートがあったときは、ソフトを更新すればよいため、拡張性にも優れています。さらに、モバイル端末やパソコンの操作に慣れている方であれば、直感的な操作で利用することが可能です。
ターミナル型の場合、会計・レジ機能が優れているため、会計をスムーズにおこなうことが可能です。また、システムエラーや故障時のサポートが手厚いものもあります。しかし自社のニーズにあわせてカスタマイズしようとすると、開発に時間がかかり、導入コストが大きくなる可能性もあります。また、従業員はゼロから操作を覚えなければなりません。端末と周辺機器が一体となっているので、後から機能を拡張する場合、一式を取り替える必要がある可能性もあります。
タブレット型POSレジの導入方法・流れ
タブレット型POSレジを導入する場合、既存のタブレットを使用するかどうかで手順が異なります。システムのプランによっては、タブレットとアプリをセットで購入したり、タブレットをリース購入で用意したりできる場合があります。
まずは導入するPOSシステムを選定し、それにあわせてタブレットと周辺機器を整備します。その後、POSシステムの搭載されたアプリをインストールし、商品の登録や周辺機器との接続などの初期設定を実施します。
初期設定が完了したら、実際に運用できるかを確認するために、デモンストレーションをおこなってみましょう。
タブレット型POSレジのメリット
ここでは、タブレット型POSレジのメリットについて詳しく紹介します。
導入コストを抑えられる
ターミナル型などのPOSレジでは、専用の端末を用意する必要があり、導入費用が大きくなることも多いです。
一方、タブレット型POSレジでは、既存のタブレットでも利用できるため、周辺機器とアプリを用意すればよく、導入にかかる時間を短縮することができます。また、アプリの中には無料で使用できるものもあるので、導入コストを大幅に抑えられる可能性があります。
データをクラウド上で管理できる
従来のレジスターでは、営業終了後に売上状況や在庫情報を更新することで、新しいデータとして反映されます。また、複数の店舗を運営している場合、各店舗の情報を集計する作業が必要になり、情報管理の業務負担が大きくなる可能性もあります。
一方、タブレット型のPOSレジでは、インターネット環境に接続することで、売上や在庫などの情報をクラウド上に保存することが可能です。クラウド上のデータはリアルタイムで更新され、場所を問わずアクセスすることができます。また、複数の店舗のデータも一元化して管理できるので、集計作業が不要になり、スピーディに情報を確認することが可能です。
持ち運びが簡単でスペースを有効活用できる
ターミナル型やパソコン型と比べて、タブレット型のPOSレジは軽量でコンパクトなため、持ち運びが簡単であるというメリットがあります。そのため、イベント出店や移動販売をおこなう飲食店や小売店での導入がおすすめです。
また、タブレット型の特性上、従来のレジスターのような設置スペースは不要なので、設置場所に困っている小規模の店舗でも導入ができます。従来のレジからタブレット型のレジに変更する場合は、空いたスペースを有効活用することも可能です。
タブレット型POSレジのデメリット
ここでは、タブレット型POSレジのデメリットについて詳しく紹介します。
教育・運用コストがかかる可能性がある
タブレット型POSレジを導入する場合、モバイル端末に慣れていない方だと、操作が難しく感じるかもしれません。研修やセミナーによって従業員の教育をおこなう必要がある可能性もあります。
タブレット型POSレジの場合、アプリをインストールして利用することが多いでしょう。ベンダーにより機能のアップデートが自動でおこなわれるので、システム利用料金として一定の月額費用がかかる製品もあります。また、アプリのみを購入する場合、自社でタブレットや周辺機器を整備しなければならないため、故障やエラーが発生する恐れもあります。
ネットワーク環境の準備が必要になる
タブレット型POSレジを利用する場合、アプリを使用することからインターネット環境を利用するため、無線LANなどのネットワーク環境を整備する必要があります。インターネット環境に接続する場合、不正アクセスなどによる情報漏洩につながる恐れもあるので、ウイルス対策ソフトを導入するなど、セキュリティ対策をきちんとおこなうことが大切です。
また、ネットワークに障害が生じたとき、業務がストップしてしまう可能性もあります。緊急時のマニュアルを用意しておくことで、被害を最小限に抑えることが可能です。
アプリに対応したタブレットを用意しなければならない
タブレット型のPOSレジでは、アプリにあわせてタブレットを用意しなければなりません。たとえば、iPadには対応しているけれど、Androidには対応していないアプリもあります。
また、タブレットのバージョンが古い場合や、CPU・メモリ・ストレージといったスペックが低い場合は、アプリをインストールできたとしても、機能が上手く使えなかったり、動作が遅かったりする可能性もあり、業務に支障をきたす恐れがあります。
タブレット型POSレジの選び方
ここでは、タブレット型POSレジの選び方について詳しく紹介します。
拡張機能やサービス連携機能が十分かどうか
近年では、キャッシュレス決済の浸透やインボイス制度の導入など、IT技術の進歩や相次ぐ制度の改正により、POSレジの導入後に後から機能を追加したくなる事業者も少なくないでしょう。
そのため、時代にあわせて機能が順次アップデートされるかなど、機能の拡張性が充実しているかを確認することが大切です。後からプランを変更できるかもポイントの一つです。
また、POSレジと会計ソフトや勤怠管理システム、決済システム、ECツールなどと連携できる外部連携サービスについても確認しましょう。場合によっては、自社のソフトのみとは連携できるけれど、他社のソフトとは連携できないこともあります。契約する前に、連携を想定しているシステムと問題なく接続できるかどうか確認しておくことが大切です。
タブレットとアプリの相性を確認する
POS端末として利用するタブレットと、POSシステムの搭載されているアプリを別々に導入する場合、タブレットとアプリの相性を確認することが大切です。 先述したように、POSシステムの搭載されたアプリに対応しているタブレットでない場合、上手く操作できない可能性があります。
対応しているタブレットのOSやスペックなどは、ベンダーの公式サイトに記載されていることもあります。
サポート体制が充実しているか
タブレット型POSレジでは、アプリの提供のみでコストダウンを図っている企業もあります。そのため、アプリの使い方については対応してもらえても、タブレットとアプリの連携部分などについては専門範囲から外れるので、適切な回答を得られない可能性があります。
タブレット型POSレジを導入する場合、自社で導入から運用まで一貫しておこなえるかどうかを確認することが大切です。導入・運用に不安がある場合はサポート体制に強みのあるサービスを利用するのがおすすめです。
タブレット型POSレジを活用して店舗運営を効率化しよう
タブレット型POSレジを利用することで、初期コストやスペースを削減することができます。また、クラウド上でデータ管理ができるため、場所を問わずデータにアクセスでき、情報共有スピードも向上します。
ただし、タブレットとアプリの相性が悪いと、想定しているような使い方ができない可能性もあります。そのため、使用するタブレットにアプリが対応しているかや、サポート体制が充実しているかをきちんと確認することが大切です。
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