年末調整の続柄の書き方一覧!世帯主との関係や確定申告の場合の書き方も解説 |HR NOTE

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年末調整の続柄の書き方一覧!世帯主との関係や確定申告の場合の書き方も解説

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【社労士監修】HR関連法改正トレンドBOOK 2024年版

2023年は一部企業を対象に人的資本開示が義務化されたほか、HR関連での法改正に動きが見られました。
2024年では新たな制度の適用や既存のルールの変更・拡大がおこなわれます。
人事担当者として知っておきたいHR関連の法改正に関する情報ですが、その範囲は幅広く、忙しい業務の中でなかなか網羅的に把握することは難しいのではないでしょうか。

  • 忙しい中でも要点をまとめて情報収集をしたい
  • 社労士が監修した正確な情報を知りたい
  • HR関連の法改正を把握しておきたい

という方はぜひご確認ください!

1. 年末調整とは

年末調整とは、給与受給者の所得税(復興特別所得税を含む)の過不足金額を精算する手続きのことです。

会社員やパート、アルバイトなどの企業に勤める方の場合、勤務先が毎月(毎日)の給与から源泉徴収をおこない、従業員の代わりに所得税を納めています。しかし、源泉徴収税額はあくまで概算であり、給与の変動などによって、本来納めるべき所得税は異なることが少なくありません。

そのため、その年の正しい年税額を算出するために、年末調整がおこなわれます。また、年末調整により、扶養控除や配偶者控除、保険料控除など、さまざまな控除を受けることも可能です。

そして、その年の源泉徴収税額の合計と、本来納めるべき所得税を比較して、過不足金額が生じた場合には、従業員に還付もしくは追加徴収をおこないます。

年末調整をしない場合には、自分で確定申告しなければなりません。そのため、企業に勤める方によっては、年末調整は税務作業の負担を軽減するために、重要な手続きといえます。

2. 続柄(つづきがら)の意味とは?

続柄の正式な読み方は「ぞくがら」ではなく「つづきがら」です。続柄とは、「続き柄」と表記することもあり、親族としての関係を意味します。

続柄は、戸籍簿や住民票などの公的な文書に記載されており、通常の会話などで使用することはそれほど多くなはないでしょう。

年末調整では、扶養控除等(異動)申告書や所得金額調整控除申告書、保険料控除申告書といった書類に「続柄」という表記がみられます。そのため、年末調整の手続きを正しくおこなうためにも、続柄の理解を深めることが大切です。

3. 年末調整の「あなたとの続柄」と本人との関係

年末調整の提出書類である扶養控除等(異動)申告書などには、「あなたとの続柄」という記載があります。ここでいう「あなた」とは、扶養控除等(異動)申告書の「あなたの氏名」欄に記載した人のことです。つまり、年末調整の申告をおこなう人が「あなた」に該当します。

そして、「あなたとの続柄」は、「あなたとの関係」と言い換えて考えることが可能です。たとえば、「あなた」が夫の立場にある場合、源泉控除対象配偶者に妻の立場である方を記載するならば、「あなたとの続柄」は「妻」になります。

このように、「あなた」が誰を指し、「続柄」を「関係」に置き換えてみると、「あなたとの続柄」の意味が理解しやすくなります。

4. 住民票に書く「続柄」には決まりがある

住民票には、一般的には「続柄」が記載されています。住民票の続柄には、世帯主からみた場合の関係を記載するため、世帯主と世帯員との身分上の関係がわかります。

世帯主が自分の場合は「本人」の氏名を、親であれば「父」や「母」の氏名が記載されます。

そして、世帯主と生計を共にしている人にはそれぞれの続柄を記載しますが、子どもについては「子」と記載し、「長男」「次男」など、生まれた順番を記載する必要はありません。

住民票における続柄の書き方には規定があるものの、例えば「続柄」の代わりに「関係」と記載するなど、書類によって書き方がが異なるケースがあります。

以下は住民票の主な続柄の書き方です。

世帯を構成している人

住民票における続柄の書き方

世帯主

本人、世帯主

配偶者

妻、夫

配偶者の連れ子

妻の子、夫の子

内縁の妻または夫

妻(未届)、夫(未届)

夫婦の子供(血縁関係が無い場合も含む)

世帯主の父母

父、母

配偶者の父母

妻の父、妻の母、夫の父、夫の母

兄妹姉妹

兄、姉、弟、妹

参考:大阪市住民基本台帳事務処理要領|大阪市

5. 年末調整での続柄の書き方

年末調整の書類のなかには、「あなたとの続柄」を記載する箇所がいくつかあります。この場合の続柄は、住民票のように世帯主を起点にするのではなく、「あなたの氏名」欄に記載した年末調整の申告者を起点に記載します。

また、扶養控除等(異動)申告書には、「あなたの氏名」の近くに「世帯主の氏名」と「あなたの続柄」を記載する欄があります。

続柄には、世帯主が自分であれば「本人」、世帯主が配偶者(夫)であれば「夫」などと、申告者である「あなた」を起点に記載します。ここで、「夫」と書くところを「妻」と記載してしまうことがよくあるため、注意が必要です。

たとえば、山田花子さんの夫が山田太郎さんで、山田太郎さんが世帯主の場合に、山田花子さんが扶養控除等(異動)申告書を書くとしましょう。

このケースでは、「申告者(あなた)」は山田花子さんで、「世帯主」は山田太郎さん、「あなたとの続柄」は夫です。
扶養控除等(異動)申告書では、控除対象となる扶養親族についても「あなたとの続柄」を記入する欄があります。

住民票のような規定はありませんが、この場合も「子」「父」「兄」など、申告者が起点とし、関係性がわかるように記載する必要があります。

なお、「源泉控除対象配偶者」や「控除対象扶養親族」を記載する場所にも、申告者を起点に続柄を記載しましょう。

6. 確定申告での続柄の書き方

年末調整の対象者に該当しない場合や、医療費控除や寄付金控除、雑損控除などの控除を受ける場合などには、確定申告をおこなう必要があります。確定申告書にも、「世帯主との続柄」を記載する欄や、「配偶者や親族に関する事項」を記載する欄に、続柄を記載する箇所があります。

「世帯主との続柄」を記載する欄には、住民票と同様で、その名の通り世帯主を起点とした続柄を記載します。なお、「世帯主の氏名」欄には、申告者の世帯主の氏名を記載します。また、「配偶者や親族に関する事項」には、年末調整での続柄の書き方と同様で、申告者を起点として記載します。

このように、確定申告書の続柄は、記載箇所によって書き方が異なるため、注意が必要です。

7. 年末調整の続柄の書き方一覧

ここでは、年末調整の世帯主の「あなたとの続柄」のさまざまな場面での書き方について詳しく紹介します。

続柄の書き方①|自分が世帯主の場合

「世帯主」はその世帯のなかの代表者を意味します。多くの場合、一つの世帯の中で生計を立てるために最も収入を得ている人が世帯主です。

ただし、世帯主は所得額や年齢によって決めるような法律はないため、同一世帯であれば誰でも世帯主になれます。
自分が世帯主の場合、「あなたとの続柄」には「本人」と記載します。

また、「世帯主」と記載しても問題ないでしょう。

なお、世帯主は住民票に明記されています。世帯主を変更する場合は、「世帯主変更届」を変更した日から14日以内に所轄の自治体に提出する必要があります。

続柄の書き方②|世帯主が父母の場合

世帯主が父母の場合、「あなたとの続柄」には、世帯主が父親であれば「父」、世帯主が母親であれば「母」と記載します。

また、きょうだいの場合は「兄」「姉」「弟」「妹」などと記載します。

続柄の書き方③|同棲や事実婚の場合

同棲や事実婚の場合、事実上の夫や妻という立場であっても、「あなたとの続柄」には、世帯主を夫とすれば「夫(未届)」、世帯主を妻とすれば「妻(未届)」と記載します。

また、親族関係がなく事実上の夫や妻という立場でもない場合は「同居人」です。

続柄の書き方④|共働きで配偶者が世帯主の場合

共働きの場合で、世帯主が配偶者である場合でも、「あなたとの続柄」には、「夫」や「妻」と記載します。

たとえば、妻が世帯主の場合で、夫が年末調整をおこなうのであれば、夫は「あなたとの続柄」に「妻」と書きます。

続柄の書き方⑤|娘や息子、孫の場

子どもとの続柄は娘や息子であっても「子」と記載することがほとんどです。長男や次男、長女や次女といった書き方をする場合、戸籍上の続柄としては、次男は「二男」、次女は「二女」が正しい書き方です。

娘や息子に配偶者がいる場合は「子の夫」「子の妻」と書きます。

また、内縁関係にある夫婦の子どもについては「夫(未届)の子」または「内縁の夫の子」、「妻(未届の子)」または「内縁の妻の子」となります。

さらに、孫の場合は「子の子」、届出のできない事実上の子は「縁故者」となります。

続柄の書き方⑥|世帯主が義父母の場合

世帯主が義父母の場合、「あなたとの続柄」には、世帯主が配偶者(夫)の父親であれば「夫の父」、世帯主が配偶者(妻)の母親であれば「妻の母」などと記載します。

続柄の書き方⑦|祖父母やおじ・おば・いとこの場合

おじやおばは「父の兄」「母の兄」「父の弟」「母の弟」「父の姉」「母の姉」「父の妹」「母の妹」と記載します。

いとこの子どものように遠い親戚にあたる人については「縁故者」となります。

8. 続柄を書き間違えた場合の訂正方法

年末調整の書類を記載しているときに、続柄を書き間違えてしまうことは少なくないでしょう。また、家庭の事情などにより、書類を記載している間に続柄が変更されることもあるかもしれません。

続柄を訂正するには、訂正箇所に二重線を引き、二重線に重ねて訂正印を押しましょう。そして、訂正したい箇所の近くに正しい続柄を記載します。なお、誰が書き直したのかがわからなくなるため、修正液や修正テープは使用しないようにしましょう。

年末調整の手続きは電子化できるため、続柄の書き間違えなどを減らしたい場合には、年末調整に対応したソフトを導入するのもおすすめです。

9. 続柄を間違えたまま提出した場合どうなる?

続柄を間違えたまま提出したとしても、ほかの内容が正しい場所に正確に記載されていれば、大きな問題になることは少ないでしょう。

ただし、続柄を間違えたことにより、受けられるはずの控除が適用できなかったという可能性もないとは言い切れません。そのため、続柄の間違いに気づいたら、素早く勤務先に伝えることが大切です。

勤務先が年末調整の書類を訂正できる期限までであれば、会社で修正をおこなうことができます。ただし、期限を過ぎてしまった場合には、確定申告で修正をおこなう必要があります。

確定申告には、時間と手間がかかります。そのため、続柄の間違いによって控除に影響があるかどうかや、どのような対処をとるべきかなどを勤務先や専門家に相談することをおすすめします。

10. 「続柄」を正しく理解したうえで年末調整の書類を準備しよう!

年末調整の書類で「あなたの続柄」を記載する場合には、申告者を起点に関係を記載します。なお、住民票や確定申告書では、年末調整書類と「続柄」の記載の仕方が異なることもあるため、注意が必要です。

続柄を書き間違えた場合には、正しい方法で訂正することが大切です。また、間違ったまま年末調整の書類を提出してしまった場合には、素早く勤務先に伝え、指示を仰ぎましょう。

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