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年末調整のひとり親控除を徹底解説!対象者や書き方、寡婦控除との違いも

労務管理システム

2023.12.04

2023.12.04

会社勤めをしているひとり親の人は、年末調整でひとり親控除を受けることができます。ひとり親控除には、所定の手続きが必要なため、要件や書類の書き方などをしっかりチェックしておきましょう。今回は、年末調整のひとり親控除の対象者や申請方法、寡婦控除との違いなどについてわかりやすく説明します。

▼年末調整の控除について知りたい方はこちらもチェック!

年末調整のひとり親控除とは?

年末調整で適用されるひとり親控除とは、令和2年度税制改正によって採用された控除制度です。(※1)
もともと存在していた未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦(寡夫)控除を見直したもので、納税者がひとり親である場合、一定の金額の所得控除を受けることができます。

ひとり親控除は令和2年分以後の所得税、つまり令和2年分以後の年末調整および確定申告から適用されます。
ひとり親控除の適用対象となった場合、課税所得額から35万円が控除されます。(※2)

課税所得額とは、給与収入から基礎控除や社会保険料控除などを差し引いた後の金額のことで、所得税を計算する際のベースとなるものです。(※3)
所得控除額が多ければ多いほど課税所得額が減り、納税額の節約につながります。

(※1)ひとり親控除及び寡婦控除に関するFAQ(源泉所得税関係)|国税庁
(※2)No.1171 ひとり親控除|国税庁
(※3)所得税とは|国税庁

年末調整のひとり親控除の対象者と条件

国税庁が発表している「ひとり親控除及び寡婦控除に関するFAQ(源泉所得税関係)」では、ひとり親控除の対象となる者について、現に婚姻をしていない者又は配偶者の生死の明らかでない一定の者のうち、以下の要件を満たす人と定義しています。(※4)

  1. その者と生計を一にする子を有すること
  2. 合計所得金額が500万円以下であること
  3. その者と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる者

子については、ほかの者と同一生計配偶者または扶養親族とされている者を除き、その年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額が48万円以下のものに限ります。

また、3は具体的に以下の要件を満たす人が該当します。

  • その者が住民票に世帯主と記載されている者の場合には、その者と同一の世帯に属する者の住民票に世帯主との続柄が世帯主の未届の夫、または未届けの妻である旨、その他の世帯主と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる続柄である旨の記載がされた者
  • その者が住民票に世帯主と記載されている者でない場合、その者の住民票に世帯主との続柄が世帯主の未届の夫または妻である旨、その他の世帯主と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる続柄である旨が記載されているときの、その世帯主

ひとり親控除か判断に迷う場合の判断方法

ひとり親となったタイミングや状況によっては控除が受けられない可能性があります。ここでは、タイミングや状況別に、ひとり親控除が受けられるか否かを解説します。

1年(1月1日〜12月31日)の途中までひとり親だった場合

その年の途中で結婚した場合は、たとえ1年の途中までひとり親であってもひとり親控除は受けられません。ひとり親控除に該当するのは「その年の12月31日時点で未婚である」ことが条件だからです。

現在ひとり親である人は、婚姻のタイミングによってはひとり親控を受けられない可能性があるので注意しましょう。

1年(1月1日〜12月31日)の途中でひとり親になった場合

婚姻関係の解消や配偶者の死亡により1年の途中でひとり親となった場合は、ひとり親控除を受けられます。ただし、この場合もその年の12月31日時点で結婚していないことと、当然ですが、扶養する子どもがいればという条件付きです。

また、未婚で出産した場合にも、12月31日時点で独身かつ子どもを扶養してればひとり親控除の対象となります。年末調整後に控除の基本条件に該当した場合は、確定申告によってひとり親控除が受けられます。

ひとり親で養育費を受け取っている場合

離婚後、元配偶者から養育費を受け取っている場合は、ひとり親控除の対象外となる可能性があります。

このケースの場合、元夫、もしくは元妻と子どもの関係性により、ひとり親控除の対象となるか判断が分かれます。もし、従業員から相談を受けた場合は安易に回答せず、税務署の相談窓口などに直接問い合わせるようアドバイスしましょう。

離婚して子どもとば別居状態にあるが養育費を支払っている場合

離婚後、自分の子どもが離婚した元妻、もしくは元夫と同居している場合でも、養育費を支払っていればひとり親控除が適用される場合があります。

適用されるのは、養育費の目的が子どもの扶養義務を履行するため(生活費・学費などを送金している)である場合や、支払期間が子どもの成人、もしくは大学卒業までと決まっている場合などです。

一方、養育費に財産分与や慰謝料などが含まれ、養育費の具体的な金額がわからない場合や、養育費を受けている元妻、もしくは元夫も控除対象に該当する場合、親控除を受けられるのはどちらか一方だけなので注意が必要です。

同一生計の子どもが16歳以上の場合

子どもの年齢が16歳を超えると扶養控除が適用されますが、ひとり親控除も併用して適用されます。

ひとり親控除の場合、基本条件を満たしていれば子どもの年齢は関係ありません。

年末調整のひとり親控除と寡婦控除の違い

ひとり親控除と寡婦控除の違いは以下の表の通りです。

 

ひとり親控除

寡婦控除

婚姻の事実の有無/結婚歴

  • 現在夫または妻がいない(結婚歴の有無は問わない)
  • または配偶者が生死不明な状態
  • 現在、事実婚にあたる人がいない
  • 夫と離婚または夫を亡くした後、再婚していないまたは夫が生死不明な状態
  • 現在、事実婚にあたる人がいない

扶養要件

  • 生計を同一にする子どもがいること
  • また、その子どもの総所得金額が48万円以下
  • 扶養親族(親、祖父母、孫)がいる(離婚した場合)
  • 夫と死別した場合には扶養親族の有無は問われない

所得税の控除額

35万円

27万円

住民税の控除額

30万円

26万円

控除対象者の性別

男性・女性

女性

所得制限

(合計所得金額)

500万円以下

500万円以下


改正前の寡婦(寡夫)控除が適用される寡婦(寡夫)とは、婚姻後、死別や離婚、生死不明などが原因でひとり親になった人と定義されていたため、婚姻関係を結んだことのないひとり親は控除の対象外でした。(※5)

一方、ひとり親控除におけるひとり親とは、婚姻関係の有無や性別などに関係なく、その者と生計を一にする子がいるなど、上記にあげた条件を満たす単身者を意味します。これまで寡婦(寡夫)に該当せず、ひとり親なのに控除を受けられなかったという人も、ひとり親控除適用後は、一定の所得控除を受けられる可能性があります。

ただ、改正前に寡婦(寡夫)控除の対象だった人が、ひとり親控除の適用対象外となる場合もあります。

たとえば、寡婦控除では、扶養親族がいることが要件の一つですが、この場合の扶養家族は子に限らず、親や祖父母、孫なども可とされていました(寡夫控除は除く)。

しかし、ひとり親控除はあくまで総所得金額などが48万円以下の生計を一にする子を持つことが条件であるため、親や祖父母、孫などは適用対象外になります。

なお、ひとり親控除は寡婦(寡夫)控除を見直したものであると説明しましたが、前身である寡婦控除がなくなったわけではありません(寡夫控除はひとり親控除の導入により廃止)。

ひとり親控除と寡婦控除の両方の要件を満たす場合、ひとり親控除が優先されますが、寡婦控除の要件のみ満たす人は、従来通り、寡婦控除の適用を受けられます。
両方の要件を満たす場合でも、適用されるのはどちらか一方なので注意が必要です。

(※4)ひとり親控除及び寡婦控除に関するFAQ(源泉所得税関係)P4|国税庁
(※5)ひとり親控除及び寡婦控除に関するFAQ(源泉所得税関係)P5|国税庁

ひとり親控除の申請方法と書き方

ひとり親控除の適用を受けるための手続きは、原則として税制改正前の寡婦控除の適用を受けるための手続きと同じです。

具体的には、毎年最初の給与日(中途採用の場合は、就職後、最初の給与日)の前日までに、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」にひとり親に該当する旨を記載し、会社に提出する必要があります。(※5)

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書には、以下の項目を記載します。

  • 所轄税務署長等
  • 給与の支払者に関する情報
  • 本人の氏名、生年月日
  • 本人の個人番号(マイナンバー)
  • 本人の住所または居所
  • 世帯主の氏名と続柄
  • 配偶者の有無
  • 従たる給与についての扶養控除等の申告書の提出
  • 扶養親族の氏名
  • 扶養親族の個人番号(マイナンバー)、続柄、生年月日
  • 扶養親族の住所または居所
  • 異動月日および事由
  • 16歳未満の扶養親族の氏名および個人番号(マイナンバー)、続柄、生年月日、住所または居所

以上の項目を記載したうえで、障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生の項目にて、「ひとり親」のボックスにチェックを入れます。なお、税制改正前の寡婦(寡夫)控除の適用を受けるには、寡婦(寡夫)に該当する旨に加え、該当する事実を記載する必要がありました。

しかし、税制改正後のひとり親控除では、ひとり親に該当する事実の記載は不要となっています。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書には、とくに添付書類は必要なく、申告書のみを会社に提出すれば申請することが可能です。給与所得者の扶養控除等(異動)申告書は会社で入手できますが、国税庁のホームページからダウンロードし、プリントアウトして使用することもできます。(※7)

(※7)各種申告書・記載例(扶養控除等申告書など)|国税庁

ひとり親控除の還付金

ひとり親控除が適用されると、35万円の所得控除を受けられます。(※2)

所得税は課税所得額の金額に一定の税率を掛けて求めるので、ひとり親控除で課税所得額が減れば、納税額を抑えることができます。

会社員の場合、所得税は毎月の給与から天引きされているため、年末調整でひとり親控除を受けた場合、納め過ぎた税金が還付されます。

還付金は給与に上乗せされるかたちで支給するケースが一般的ですが、還付方法に特別な決まりはありません。現金での手渡しや、給与とは別のタイミングで還付するなど、還付方法は企業に一任されています。

ひとり親控除の還付をおこなう時期

年末調整は1年分の収入が確定した後におこなうので、早ければ12月中、遅ければ翌年の1月以降の還付となります。年末調整が終わる時期は企業によって異なるので、従業員から還付の時期の問い合わせがあった場合は自社の還付日を確認して伝えましょう。

ひとり親控除を理解して適切な申請をおこなおう!

年末調整のひとり親控除は、事実上婚姻関係にあると認められる一定の人がいないひとり親で、合計所得金額が500万円以下の人に適用される控除制度です。

所定の要件を満たしていれば、婚姻経験の有無や性別に関係なく適用されます。

ただし、生計を一にする子は、その年分の総所得金額等が48万円以下で、ほかの人の同一生計配偶者や扶養親族になっていないことが条件です。ひとり親控除が適用されると、35万円の所得控除を受けられます。

ひとり親控除の対象者には、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を配布し必要事項を記載の上その年度の最初の給与日(中途採用の場合は初回の給与日)の前までに勤め先に提出してもらいましょう。

なお、還付金をおこなう時期は会社によって異なります。従業員からひとり親控除に関する問い合わせを受けることが予想されるので、事前に制度を確認し回答できるよう準備しておきましょう。

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